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不動産を処分する方法とは?放置するリスクや処分にかかる費用も解説

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。
https://x.com/sakuragirie

ざっくり要約!

  • 不動産を処分する場合、売却や寄付、活用などさまざまな方法がある
  • 不要な不動産を放置したままにすると、固定資産税が最大6倍に増額するなどのリスクがある

不動産を処分したいと考えていても、実際どんな方法があり、何から始めればよいのかなど、わからないことが多々あると思います。

この記事では売却や寄付、活用など項目ごとに手順やかかる費用、注意点などをまとめました。

少しでも事前に知識をつけておくことで損失を減らすことができます。実際に処分したくなったときにご活用ください。

不動産を処分したいときの方法4選

不動産を処分したいときの方法

不動産を処分したいときにはさまざまな方法があります。ここでは代表的な処分方法をいくつか解説します。

1.売却する|種類は5つ

不動産の処分を考えたとき、代表的な方法は「売却」であり、売却にもさまざまな種類があります。ここでは5つの売却方法と、それぞれのメリット・デメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

仲介による売却

売却で最も一般的な方法は、仲介による売却です。

不動産会社と媒介契約を締結したうえで、売却活動を進め、買い手が見つかったら売買契約を締結し、不動産会社へは報酬として仲介手数料を支払います。

相場に近い金額で売却できるのがメリットですが、契約・引き渡しまでに時間がかかるケースもあります。

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不動産買取

不動産買取とは、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。

仲介に比べて引渡しまでの期間が短いため、早く売却したい人に向いています。また状態が悪い物件も買い取ってもらえることが多く、仲介で売れなかったときの売却方法として利用されることもあります。

買取は仲介手数料がかからないのがメリットですが、買取価格は市場価格の7割程度になることが多いです。

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更地にして売却

建物が古く状態が悪い場合は、建物を解体し、更地にしてから売却する方法もあります。更地にすることで見栄えが良くなり、買主にとっては解体費用がかからないため、売りやすくなる傾向があります。

ただし、高額な解体費用を負担しなければなりません。

また更地にしてしまうと住宅用地の特例措置を受けられなくなり、固定資産税は最大で6倍、都市計画税が3倍になる可能性があります。

本来の税率に戻るわけですが、更地にするタイミングに注意し、賦課期日(課税の対象が確定する日)である1月1日をまたがないようにしましょう。

まずは不動産会社に相談し、更地にすべきかどうか検討してみてください。

空き家バンクの活用

空き家バンクに登録して、買い手を探す方法もあります。

空き家バンクとは、空き家の所有者と購入希望者をマッチングするサービスです。無料で登録できるケースが多く、自治体が補助金を出しているケースもあります。

地方などで、近くに仲介や買取をしてくれる不動産会社がない場合などにおすすめです。しかし、積極的な広告活動をしてくれるわけではなく、売却までに時間がかかる可能性があります。

・「空き家売却の流れ・方法・注意点」に関する記事はこちら
空き家売却の流れ・方法・注意点を徹底解説! 手残りを増やす方法とは?

隣地の所有者への売却(売れにくい土地の場合)

再建築不可や市街化調整区域内の土地など、一般市場では需要が少なく売却が難しい場合は、隣地所有者に購入する意思がないか、打診するのも一つの方法です。

隣地所有者が所有している土地と一緒に計画することで、建築できるようになる可能性があり、土地の価値が向上するケースもあります。

隣地所有者へ売却する場合、個人売買で進めるケースもありますが、心配な方は不動産会社に仲介を依頼しましょう。

2.売却の流れ

不動産査定を依頼

仲介を依頼する不動産会社の選定

不動産会社と媒介契約を締結

売却活動開始・内覧対応

売買契約締結

新居へ(仮住まい)へ引っ越し

残代金の授受・物件の引き渡し

不動産の売却は、早く売りたいのか、それとも高く売りたいのかで売り方が異なります。

少しでも早く売りたい場合、不動産会社へ買取を依頼するケースがあるものの、一般的には相場に近い価格で売却できる、仲介を選択される方の方が多いです。

具体的な手順は以下の通りです。

1.不動産査定を行う

買取・仲介どちらの場合もまず、住んでいる家を査定してもらいます。査定自体は費用がかからないところがほとんどです。立地・利便性・建物・土地の状態・路線価・近隣の取引事例などから、総合的に価格が算出されます。

仲介会社に売却を依頼する場合は、主に取引事例から予測される売却可能価格が算出され、その金額をもとに希望販売価格を決定して売りに出します。

買い取り業者へ売却する場合、買い取り業者が購入後にリフォームをして利益を乗せて販売することがほとんどであるため、その分低い金額で査定されることが多いです。

価格に関しては買取の方が安くなりますが、買取の方が引渡しまでがスムーズなため、急いでいる方に向いています。また建物の契約不適合責任を免責にできることが多く、とくに築年数が古い家は、引き渡し後のトラブルを回避できるというメリットがあります。

仲介・買取を問わず、複数の会社に査定を依頼し、価格や条件を比較したうえで売却方法を決めましょう。

2.売却活動

仲介で買主を探す場合、「REINS(レインズ)」と呼ばれる不動産会社間のネットワークや一般の方でも閲覧できる物件情報のポータルサイトなどに、価格・間取り・設備・諸条件・諸費用などが載った図面が掲載されます。売主の要望通りに記載されているか、数値に間違いがないかなど、必ず確認するようにしましょう。

物件に問い合わせがあった場合、不動産会社が購入希望者へ現地の物件案内をします。まだ居住中の場合は居住者と日程調整をして見てもらう必要があるため、その際はなるべく部屋を綺麗にしておきましょう。引っ越し後であれば、不動産会社にカギを預けて案内をお願いするケースが多いです。

売却に際して、売主は必要以上のリフォームをする必要はありませんが、壁クロスに汚れやカビ跡があれば、修繕またはクリーニングしておくほうが良いでしょう。

3.売買契約

内覧したお客様のなかから、購入希望者が現れると、仲介会社を介して買付申込書が送られてきます。値下げ交渉や引き渡しの時期など、条件が想定内であれば売り渡す合意をします。このとき、売り渡し承諾書を作成するケースもあります。

仲介会社が現地調査・役所調査・売主へのヒアリングをしたうえで、重要事項説明書及び契約書を作成します。買主・売主で日程を調整し、まず不動産会社が買主へ重要事項説明をします。

その後、原則対面で契約書を読み合わせたうえで、署名・捺印をします。この際、書面で契約を交わす場合は契約書に貼付する印紙代が発生します。

重要事項説明書や売買契約書以外に、物件状況報告書や付帯設備表があります。不動産会社が書面を用意しますが、売主が記入します。

物件の瑕疵(品質や性能における欠点等)について伝え漏れ等があった場合、購入後に揉めるケースがあります。

建物の状態や設備の故障などをきちんと確認し、漏れなく伝えましょう。

契約を交わすタイミングで、通常は買主より手付金を受領します(100万円~物件価格の10%程度が主流です)。買主側が住宅ローンを設定している場合や、戸建てで隣地や前面道路との境界確定が必要な場合などいろいろなパターンに合わせて、契約後1カ月~3カ月後ぐらいに決済・引き渡しの日程を設定します。

なお、境界確認で揉めるケースも多いため、売却時にトラブルにならないよう近隣との関係を良好に保つことはとても大事です。

4.物件の引き渡し

ローン条項や境界確定などの各種特約による契約白紙撤回などがなければ、決済・引き渡しとなります。

売主は登記識別情報通知・物件のカギ・印鑑証明書・実印などを準備し、決済当日に金融機関や不動産会社のオフィスで司法書士による書類確認を受けます。名義変更が必要な書類に記入し、売買の意思確認を済ませれば、物件の残代金授受となります。

買主が銀行から残代金を振り込み、売主の口座に着金しているか確認します。同時に、固定資産税・都市計画税の日割り計算も合わせて行います。マンションの場合、管理費・修繕積立金の精算も月単位で行います。

また、不動産会社への仲介手数料の支払いも発生します。どの段階で手数料を支払うかは不動産会社によって異なるため、必ず確認しておきましょう。一般的には、契約時に約半金、決済・引き渡し時に残額を支払うケースが多いです。その後 、物件の鍵を渡して決済・引き渡しは終了となります。

不動産の売却により、取得や譲渡にかかった費用や控除を適用しても利益(売却益)が発生する場合は、譲渡所得税が課せられます。税金の計算が難しいときは、不動産会社に相談するか、税理士に確認することをおすすめします。

3.寄付する

不動産を寄付するという処分方法もあり、寄付する相手によって注意点が異なります。

個人

個人に不動産を寄付すると、贈与という扱いになります。この場合、不動産を寄付された側が贈与税を支払う必要があるため、注意しなくてはいけません。

寄付された不動産に対して贈与税がかかることを知らなければ、トラブルになりかねません。

贈与契約書を作成し、契約内容に関して寄付者及び寄付を受けた人の間で齟齬が生じないようにきっちりと明文化しておくことが大切です。

寄付の流れとしては、契約書を2部作成して両者が直筆で署名・捺印し、所有権移転登記を行います。

法人

個人が法人に不動産を寄付した場合、売却したものとみなして課税されます。課税されるのは寄付をした側です。その年度の確定申告が必要となります。

寄付をした側は見かけ上の所得が増えてしまうので、公的保険料などの値上がりに注意しておきましょう。遺贈という形で寄付した本人が亡くなっている場合も注意が必要です。寄付者の相続人にみなし課税がかかる可能性があります。

自治体

不動産の寄付を受け取るかどうかの判断は、自治体によって異なります。

寄付の申し出をした後に、まず自治体が不動産の調査をします。そこで審査が行われ、通過した場合のみ寄付申込が可能となります。

寄付申込後、正式に受理・不受理が通知され、受理された場合は所有権移転登記を行います。この場合、譲渡所得税は課税されません。

4.相続土地国庫帰属制度を利用する

処分したい土地が相続(遺贈)により取得したものであれば、2023年4月27日より始まった「相続土地国庫帰属制度」を利用して手放すこともできます。

しかし法務大臣の審査を受け、帰属の承認を得る必要があり、すべての土地が対象になるわけではありません。また国に引き取ってもらうためには、負担金の納付が必要です。

申請できない土地・承認されにくい土地

そもそも申請できない土地や、承認されにくい土地があります。例えば建物が建っている土地や境界が不明な土地、土壌汚染されている土地などは申請できません。

【申請できない土地】

  • 建物が建っている土地
  • 境界の位置が不明な土地
  • 土壌汚染されている土地
  • 通路や水路として利用されている土地
  • 担保権や使用収益権が設定されている土地

【承認されにくい土地】

  • 勾配が急な崖地(勾配が30度以上で、高さが5m以上)
  • 除去しなければ土地を利用できないようなものが地上、もしくは地中にある土地
  • 道路に接道していない土地
  • 管理や処分に多額に費用や労力がかかる土地

申請の流れ

相続土地国庫帰属制度を利用する手順は、以下のとおりです。

  1. 法務局へ事前相談をする(対面・電話・Web)
  2. 申請書類を作成し、法務局へ提出する(窓口もしくは郵送)
  3. 実地調査を受ける
  4. 承認されたら負担金を納付する
  5. 土地は国家に帰属される(所有権移転登記不要)

管轄法務局への相談方法

相続土地国庫帰属制度について法務局に相談する場合、対面・電話・Webの3つの方法があります。事前予約制のため、いずれもインターネットでの予約が必要です。法務局手続案内予約サービスから該当する法務局を選択し、希望の日時を選んで予約をしてください。

なお、支局や出張所では対応していません。申請する土地がある都道府県の法務局の不動産登記部門での対応になります。

法務局手続案内予約サービス

5.活用する

何らかの形で、処分予定の不動産を活用する方法もあります。

太陽光発電システムの設置

土地によっては太陽光発電システムを使って収益を出すことも可能です。

太陽光発電システムを設置できる土地か、売電することが可能なエリアなのか等を確認する必要があります。その後、施工業者に設置費・売電収入シミュレーションなどの見積もりを出してもらいます。このとき、なるべく複数業者から見積もりを取りましょう。

契約後、補助金の申請などを出します。売電するためには、経済産業省の「資源エネルギー庁」に事業契約認定の申請をする必要があります。

詳しくは資源エネルギー庁の公式サイトをご確認ください。

申請後、設置工事に入り、電力会社との受給契約を結びます。すべての契約が終了したら運転を開始し、発電と売電が始まります。

出典:【太陽光発電】利用者は要チェック!『FIT制度』のこれから|経済産業省 資源エネルギー庁

マンションやアパートの経営

マンションやアパート経営を検討する場合は、まずはハウスメーカーや不動産会社に収支計画を作成してもらいます。その収支計画に沿って見積もりを依頼し、見積額が収支計画の範囲内に収まるかどうか確認します。

収支計画に問題がなければ、融資が必要な場合は金融機関に融資の依頼をします。資金計画に問題ないことが分かれば、いよいよ設計に入ります。

その後、融資契約・施工契約の締結を行います。建物の規模によっては近隣に施工説明をする必要があるため、トラブル防止のために必ず確認しておきましょう。施工が完了次第、建物管理契約を締結して賃借人の募集を開始します。

マンションやアパートの管理は、不動産会社や管理会社へ依頼するのが一般的です。管理費など費用はかかりますが、入居者との契約業務や更新契約、原状回復工事の発注などを依頼できます。入居者の賃料未払いが心配な場合は、保証会社を利用する方法があります。

駐車場の経営

駐車場経営を検討する場合、選択肢としては月極駐車場やコインパーキングが考えられます。

コインパーキングは運営会社が一括で借り上げるため、運営管理の手間がいりません。立地が良ければ、1台当たりの収益性は月極駐車場より高くなる可能性があります。

ただし、コインパーキングに向かない立地や、広さが足りないケースもあるため、まずはコインパーキングが成り立つのか相談してみましょう。

月極駐車場はアスファルトなどで舗装することによって、相続税対策として貸付事業用の小規模宅地等の特例が使えます。

土地信託の利用

土地信託として利用する場合、土地信託する会社を決めて信託契約を締結します。契約後、土地の所有権は信託会社に移転し、委託者は信託受益権を持ちます。

土地の運用を任された信託会社は立地や広さなどから投資方法を決定し、建設・運営をします。運用が始まってから、信託会社から諸経費を控除した配当金を得ることができます。

不要な不動産を処分せず放置するリスク・デメリット6選

不要な不動産を処分せず放置するリスク・デメリット

不動産を処分せずにそのまま放置してしまうと、さまざまなデメリットやリスクが生じる可能性があります。

トラブルを回避するためにも、どのようなリスクがあるのか事前に知っておきましょう。

・「空き家の処分方法」に関する記事はこちら
空き家を手放したいなら早くすべき!5つの処分方法と注意点

1.固定資産税が最大6倍に増額するおそれがある

不動産は所有しているだけで固定資産税や都市計画税がかかりますが、住宅の敷地は住宅用地の特例によって軽減されています。

しかし空き家を解体したり、「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されてしまったりすると、その軽減措置を受けられなくなります。

固定資産税は最大で6倍、土地計画税は3倍にはね上がる可能性があるため、空き家を放置しないように注意してください。

そのまま放置すれば、倒壊の恐れがある空き家は、特定空き家に指定される恐れがあります。また、そのまま放置すれば特定空き家に指定される恐れがある空き家を、管理不全空き家といいます。

2.資産価値が下がり続ける

建物や設備は経年により劣化するため、年数とともに家の資産価値は下がります。そのうえ空き家を適切に管理せず放置してしまうと、老朽化を早めることになり、資産価値の下落率も大きくなるでしょう。

資産価値が下がれば、売値は下がり、売却は難しくなります。処分を考えているのであれば、なるべく早く行動に移しましょう。

3.維持管理に手間とコストがかかる

不動産を所有している限り、維持管理に手間と費用がかかります。

家は、住まないと劣化を早めてしまいます。湿気を逃がすために換気が必要であり、屋根や外壁などに不具合があれば、雨漏りや倒壊を防ぐための改修が必要です。

また、住んでいなくても、固定資産税や都市計画税などもかかります。

住まないのであれば放置せず、売却もしくは処分するなどして、無駄な支出を減らしましょう。

4.損害賠償請求される可能性がある

空き家を放置したことが原因で、近隣住民に損害を与えてしまうと、損害賠償を請求される恐れがあります。

例えば地震や台風が原因で空き家が倒壊したり、老朽化したガス管からガス漏れしたりすれば、近隣住民に被害がおよびます。

また、通行人のたばこのポイ捨てが原因で、火災に発展することもあります。管理が行き届かない状況にならないように注意し、定期的に庭木や雑草の手入れをするようにしましょう。

5.近隣トラブルが発生する可能性がある

空き家や庭の状態によっては、近隣トラブルの原因になることがあります。

庭の手入れを怠ると、害虫や害獣が発生しやすくなり、不法侵入者やホームレスが住みつくなど、犯罪の温床になったりするケースもあります。

門扉を施錠するなどして、不法侵入や不法投棄をされないようにし、ポストに郵便物があればとり除き、投函口をふさいでおきましょう。併せて、定期的に現地を確認することも忘れないで下さい。

6.次世代に負担を先送りすることになる

空き家を放置したまま亡くなり、相続が発生すれば、配偶者や子どもが空き家を引き継ぐことになります。

維持管理に手間と費用がかかり、固定資産税などの税金もかかります。配偶者や子どもに負担をかけないためにも、活用していない空き家があれば、早めに処分を検討してください。

不動産を処分する前にやるべき準備

不動産を処分する前にやるべき準備

不動産を処分する前に、やっておくべきことがあります。損をして後悔しないためにも、しっかり準備をしてから処分するようにしましょう。

境界を確定する

土地や戸建てを売却する場合は、隣地所有者とのトラブルを避けるためにも、土地家屋調査士に測量を依頼し、境界の位置や土地の面積を明確にしておきましょう。

境界の明示は売主の義務であり、境界の位置が不明瞭な場合、売却が難しくなります。

法務局で地積測量図を調べると、土地の面積や境界の位置、前回測量した時期がわかります。測量してから時間が経っている場合は、測量技術の進歩により、現在の面積と差異が生じることもあるため、売却に際して測量することをおすすめします。

必要書類を準備する

売買契約を締結する際に、必要な書類を準備しておきましょう。

おもに必要な書類は、以下のとおりです。なお不動産会社が取得できるものについては、用意してもらえることがあります。

  • 登記済証もしくは登記識別情報通知
  • 間取り図・平面図
  • 地積測量図・境界確認書・公図
  • 固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書
  • 建築確認済証・検査済証など
  • 印鑑証明書(3カ月以内の日付のもの)
  • 本人確認書類

相続した不動産は確実に登記しておく

相続登記が終わっていない不動産は、売却できません。遺産分割協議書ができたら、すみやかに相続登記をするようにしてください。

2024年4月より相続登記が義務化され、不動産を取得したことを知ってから、3年以内に相続登記をする必要があります。なお正当な理由なく違反した場合は10万円以下の過料が課される可能性があるので注意してください。

不動産の相場を把握する

不動産の査定を依頼する前に、成約事例や売り出し中の物件をチェックし、不動産の相場を把握しておきましょう。査定額が妥当か確認する際や、いくらで売り出すべきか検討するときに役立ちます。

成約事例を公開しているサイトは、以下のとおりです。

相見積もりを取る

不動産の査定額は、不動産会社によって異なることがあります。

かならず複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定価格だけでなくサービス内容の充実度や担当者の対応、不動産会社の実績など、あらゆるポイントで比較してから、依頼先を決めましょう。

不要な家財・ゴミは処分する

査定依頼や内覧対応する前に、不要な家財やゴミはできるだけ処分しておきましょう。

物が少ない空間は広く見えるため、第一印象が良くなり、査定額にも良い影響が出る可能性があります。

自治体の粗大ゴミ回収の利用や、リサイクルショップやフリマアプリを活用する方法がありますが、忙しく時間をかけられないときは不用品回収業者に依頼する方法もあります。

不動産処分にかかる具体的な費用相場や税金の目安

不動産処分にかかる具体的な費用相場や税金の目安

不動産を処分する際は、さまざまは費用や税金がかかります。

ここでは、具体的な目安を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

売却でかかる費用

売却でかかる費用には、仲介手数料や印紙税、抵当権抹消費用、譲渡所得税などがあります。

また、更地にして売る場合は建物の解体費用、境界線を明確にする場合は測量費用がかかります。

ここでは、仲介手数料・解体費用・測量費用・譲渡所得税について解説します。

仲介手数料

仲介で売却する場合は、不動産会社への報酬として、仲介手数料がかかります。

なお売却価格によって計算式が異なり、仲介手数料を求める速算式は、それぞれ以下のとおりです。

売却価格仲介手数料の上限額
200万円以下売却価格×5%+消費税
200万円超400万円以下売却価格×4%+2万円+消費税
400万円超売却価格×3%+6万円+消費税

例えば5,000万円で売却できたら、5,000万円×3%+6万円+消費税=171.6万円(税込)です。

解体費用

かならずしも建物を解体する必要はありませんが、更地渡しを条件にした場合は、解体費用が発生します。

なお、建物の構造によって異なり、それぞれ目安は以下のとおりです。

家の構造解体費用の目安(坪あたり)
木造3万円~5万円
鉄骨造4万円~6万円
鉄筋コンクリート造5万円~7万円

例えば一般的な30坪の木造の家は、90万円~135万円が目安です。実際にかかる費用は構造だけでなく、他の条件によって相場より高くなる可能性あるため、実際に見積りを依頼して確認するようにしてください。

測量費用

境界線を明確にするためには、確定測量が必要です。

確定測量にかかる費用は、35万円~45万円が目安です。

しかし国道や自治体が所有する土地など「官有地」に接していて官民査定が必要な場合や、隣地所有者が多く境界確定に労力がかかる場合などは別途費用が発生することがあります。

ケースによって異なりますが、60万円~80万円を想定しておきましょう。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産を売却して利益(所得)が発生したときに支払う税金です。

取得や譲渡にかかった費用を差し引くことができ、利益が出ないときはかかりません。また居住用財産の売却で、一定の条件を満たすときは、3,000万円の特別控除を適用できます。

以下の計算式で求めます。

譲渡所得金額=売却価格-(取得費 + 譲渡費用)-特別控除
譲渡所得税=譲渡所得金額×税率

なお、所有期間によって税率が異なります。売却した年の1月1日の時点で、5年を超えていれば長期譲渡所得、5年以下なら短期譲渡所得です。

  • 短期譲渡所得:所得税30%+住民税9%+復興特別所得税(所得税×2.1%)
  • 長期譲渡所得:所得税15%+住民税5%+復興特別所得税(同上)

・「短期譲渡所得・長期譲渡所得」に関する記事はこちら
短期譲渡所得・長期譲渡所得の基礎知識!不動産売却で気をつけるべき点も

寄付でかかる費用

不動産を個人に寄付をすると、受け取った側に贈与税が課されるため注意が必要です。

贈与税には基礎控除があり、年間110万円まで控除できます。

贈与額=土地の評価額-基礎控除額(110万円)×贈与税率(%)

基礎控除後の課税価格200万円以下300万円以下400万円以下600万円以下1,000万円以下1,500万円以下3,000万円以下3,000万円超
税率10%15%20%30%40%45%50%55%
控除額10万円25万円65万円125万円175万円250万円400万円

なお法人に寄付した場合は、法人に贈与税が課され、寄贈した側にはみなし譲渡所得税が課されます。

相続土地国庫帰属制度の費用

相続土地国庫族帰属制度を利用する場合は、審査手数料と負担金がかかります。

審査手数料は、土地一筆あたり14,000円で、申請書に審査手数料に相当する収入印紙を貼って納付します。

住宅地の負担金は、その面積に関わらず、原則20万円です。ただし都市計画法の市街化区域又は用途地域が指定されている地域に土地がある場合は、面積に応じて単価が異なります。

例えば100㎡以上200㎡以下の場合、土地面積に2,450円/㎡を乗じ、303,000円を加えた額が負担金になります。

200㎡の場合は、200㎡×2,450円/㎡+303,000円=793,000円になります。

詳しい手続き方法や負担金を計算する際の単価については「相続土地国庫帰属制度のご案内」をご覧ください。

不動産を処分したいときの注意点

不動産を処分したいときの注意点

不動産を処分したいときの注意点は以下の通りです。

相続した場合は名義変更が必要

相続が発生したらすみやかに遺産分割協議をし、相続登記を済ませておきましょう。

2024年の法改正では不動産取得を知った日から3年以内に正当な理由なく相続登記・名義変更手続きをしなかった場合、10万円以下の過料の対象となるため注意が必要です。

出典:あなたと家族をつなぐ相続登記 ~相続登記・遺産分割を進めましょう~|法務省

リフォームや解体は慎重に

リフォームによって売却価格が大きく上がることはほとんどありません。

リフォーム物件が市場で販売されているのは、買い取り業者がその物件をリフォームしても利益が出る程度に安く買っているという背景があります。

そのため通常の仲介で売却する場合、内見時に印象が悪くなるほど汚れたクロスや水回りがあれば、一部交換やクリーニングを行う程度で問題ありません。

解体を検討する場合は、まずは経験豊富な不動産会社に相談しましょう。

たとえば4m以上の公道に2m以上接していない土地は再建築できず、資産価値が大きく減少してしまう可能性があります。

更地化するには相当の費用がかかる

建物を更地化するには、比較的高額な費用がかかります。

木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順に、解体費用が高くなるのが一般的です。解体は基本的には機械で行いますが、狭い場所などは手作業で解体しなければならず、条件によってかかる費用も異なります。

例えば建材にアスベストが含まれている場合は、その解体や処分に高額な費用がかかります。

また想定できなかった埋設物が地中に合った場合、追加費用がかかるケースもあるため、余裕を持って計画するようにしてください。

まとめ

不動産を処分する方法から、空き家を放置するデメリットやリスクまで解説しました。

不動産の売却には費用や税金がかかりますが、維持するためにも手間と費用がかかります。

アパートを建てたり、賃貸物件として貸し出したりする予定がなければ、今回ご紹介した処分方法を参考にしてみてください。

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この記事のポイント

不動産を処分したいときはどうすればいいですか?

不動産の処分を考えたとき、代表的な方法は「売却」であり、売却にもさまざまな種類があります。
具体的には仲介による売却、不動産買取、更地にして売却、空き家バンクの活用、隣地の所有者への売却(売れにくい土地の場合)などです。

詳しくは「不動産を処分したいときの方法4選」をご覧ください。

不動産処分ではどんな費用がかかりますか?

不動産の処分方法として売却を選んだ場合、かかる費用として仲介手数料や印紙税、抵当権抹消費用、譲渡所得税などがあります。
また、更地にして売る場合は建物の解体費用、境界線を明確にする場合は測量費用がかかります。

詳しくは「不動産処分にかかる具体的な費用相場や税金の目安」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

実家や相続した土地などをいつか売却しようと考えているものの、結局放置してしまっているという方は少なくないでしょう。
しかし、そのままにしておくと固定資産税や土地計画税がかかるだけでなく、隣地に迷惑をかける可能性もあり、トラブルに発展しかねません。
もし将来住む可能性がないのであれば、不動産価格が上昇傾向である今のうちに、売却を検討してみてください。

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