賃貸管理業の質向上と地方の連携強化へ

2026年07月09日

―ビジネスの質向上、密接な連携で成長

   日本賃貸住宅管理協会会長 西田 光孝氏

 ―6月の総会で会長に就任した。抱負は。

 西田氏 賃貸住宅管理業法が施行されて法令順守の意識が高まり、賃貸不動産経営管理士の国家資格化も達成されたことで、賃貸住宅管理業という業種の社会的な地位が一段階上がった。各企業、携わる個々人に高い資質や専門性が求められるようになり、賃貸物件のオーナー、入居者、仲介会社や工事などの協力会社といった幅広いステークホルダーと密接に連携して、より敬意を払われる業界にしていきたい。これからも日管協としては、大手企業から中小規模の企業まで、地方での組織拡大や連携強化も含めて賃貸管理業のビジネスの質を担保して、安心・安全な信頼できる業界団体の立場を確立する。一般の人々にも、賃貸管理業の認知度を向上させたい。そのため、業界の共通コンセプト「快適な暮らし心地をつくる。」によるブランディングも推進している。単なる広報ではなく、実態的なビジネスの質向上も伴った業界としていく。

 ―日管協の現状とこれからについて。

 西田氏 賃貸管理業界の質を向上する先駆けとなる団体となるのが理想だ。9月から日管協では新資格「PMアドバイザー」を立ち上げる。物件オーナーに数値の根拠をもって修繕計画などを提案できる、基礎的な不動産経営の知識が身に付く資格だ。各地の会員事業者からは「面白そうだ」という反響が多く届いている。若手の従業員も「取得したい」との希望者は多い。23年11月に始めて有資格者が3万人以上に達した「賃貸住宅メンテナンス主任者」とともに、業界でスキル習得や成長を感じられる有望な資格だとみている。賃貸住宅管理業界は、家賃と建物、入居者の安全がまず大切なことだが、業務のすそ野には広がりがある。修繕計画による収益や賃料の5%といった管理報酬だけではなく、オーナーの経営に寄り添って、適切な資金計画の立案や、物件の最も純度の高い情報を扱うことで売買ニーズへの対応もできるビジネスだ。成功している企業は、特性を生かして収益につながる様々な事業に取り組んでいる。会員間でのノウハウ共有で、業界が持つポテンシャルを実践し、若い人材が大きな期待を抱ける業界に成長できる。リートや不動産特定共同事業法といった手法の活用も進めることができると捉えている。日管協は、会員が3000社近くまで拡大してきた。業界を先導する立場として、日本の不動産を守り育てて価値を高めていく。

 ―注力していく事業を。

 西田氏 日管協の重点施策に加えて、各地方ブロックの活性化を進めていきたい。これまで日管協でも、会員数も含めて大都市が中心の側面があった。各地の賃貸管理業者をどのようにまとめ上げて、全国各地に日管協の信頼を浸透させていきたい。地方では、地元で一緒に活動していくことで活気が出てくる。私の地元の神奈川県では、物件の「原状回復共済」を共同で取り組んで連携を強化してきた。県やブロックといった単位の共同でのビジネスは、地域で一体感の醸成にもつながる。また、ブランディングを行ったことで、まずは賃貸管理業のイメージが変わってきた。これからも働きがいのある環境や、スキルアップできる資格を揃えて、信頼の高さや収益を生む業界として発展していく。その結果として魅力があれば、若い人材が新しく流入し、育っていく土壌ができてくる。政策面では、最近では改正住宅セーフティネット法の施行で、セーフティネット住宅への登録だけにとどまっていた居住支援対策が、居住支援法人などと連携したマッチングへと改善してきた。実務の側から、国土交通省とも連携して、実効的な制度の成熟に取り組む。

(提供:日刊不動産経済通信)

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