不動産 仲介
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不動産仲介とは?仕組みや手数料相場、メリット・デメリットを解説

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

ざっくり要約!

  • 不動産仲介とは、売主と買主(貸主と借主)の間に立って不動産取引の成立をサポートする仕組み
  • 仲介による売却期間は平均3〜6ヶ月が目安
  • 仲介会社と結ぶ媒介契約には一般・専任・専属専任の3種類があり、売却の希望に応じて選ぶ

不動産の売却や購入、賃貸を検討するとき、多くの方が利用するのが不動産会社の「仲介」です。しかし、仲介が具体的にどのような役割を担っているのかよく知らないという方もいるかもしれません。

そこで本記事では、不動産仲介の仕組みや買取との違いから、売却の流れと期間の目安、媒介契約の選び方、仲介手数料の計算方法、注意したい「囲い込み」のリスクまでを解説します。ぜひ参考にしてください。

不動産仲介とは?

不動産仲介とは、不動産を「売りたい人(貸したい人)」と「買いたい人(借りたい人)」の間に入り、取引が円滑に進むようサポートすることです。 不動産取引には、物件の調査や契約書類の作成、法律に関する専門知識が不可欠であり、不動産会社は専門家として中立的な立場で取引を支援します。

不動産仲介の仕組み

不動産仲介の仕組みは、不動産の売主や貸主、または買主や借主から依頼を受けた不動産会社が、それぞれの希望条件に合う相手を探し、交渉から契約、引き渡しまでをサポートするというものです。 個人間で取引相手を見つけることも不可能ではありませんが、多大な労力がかかるうえ、トラブルに発展するリスクも少なくありません。

不動産会社に仲介を依頼することで、専門的な知識やノウハウを活用し、安心して取引を進めることができます。 契約が成立した際には、成功報酬として不動産会社に「仲介手数料」を支払います。

不動産業との違い

「不動産業」と「不動産仲介業」は、似ているようで意味が異なります。不動産業とは、不動産の売買、仲介、賃貸、管理など、不動産に関わる事業全般を指す広い言葉です。

一方で、不動産仲介業は、この不動産業という大きな枠組みの中のひとつです。 具体的には、不動産を自社で所有して売買や賃貸を行うのではなく、あくまで売主と買主、貸主と借主の「間を取り持つ」業務を専門としています。

不動産仲介と不動産買取の違いは?

不動産を売却する方法には、仲介のほかに「買取」があります。両者の違いを知っておくと、自分に合った売却方法を選びやすくなります。

不動産買取とは

不動産買取とは、不動産会社が買主となり、物件を直接買い取る売却方法です。買主を探す販売活動が不要なため、早ければ数日〜1ヶ月程度で現金化でき、仲介手数料もかかりません。

一方、買取価格は市場価格の7〜8割程度が相場であり、仲介と比べて売却額は低くなる傾向にあります。

・「不動産買取」に関する記事はこちら
不動産買取で仲介手数料はかかる? 必要な費用の種類を解説

仲介と買取の比較表

仲介と買取の主な違いは、次のとおりです。

項目仲介買取
買主個人・法人を広く探す不動産会社
売却価格市場価格に近い水準に期待できる市場価格の7〜8割程度が目安
売却までの期間平均3〜6ヶ月数日〜1ヶ月程度
仲介手数料かかるかからない
内覧対応必要原則不要

高く売ることを重視するなら仲介、スピードや確実性を重視するなら買取が向いています。「なるべく高く、ただし期限までに売りたい」という場合は、一定期間仲介で売り出し、売れなければ買取に切り替える「売却保証(買取保証)」を用意している不動産会社もあります。

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不動産仲介会社の役割

不動産仲介会社の業務は、売買と賃貸で異なります。それぞれの役割を見てみましょう。

売買仲介

売買仲介では、不動産会社は主に次の業務を担います。

  • 物件の査定と売り出し価格の提案
  • レインズ(不動産流通標準情報システム)や自社サイト、ポータルサイトへの物件掲載などの販売活動
  • 内覧の調整・立ち会い
  • 買主との条件交渉
  • 重要事項説明書・売買契約書の作成と契約手続き
  • 決済・引き渡しまでのサポート

不動産売却は適正な価格設定と販売活動の質が売却の成否を左右するため、不動産会社選びが極めて重要です。会社選びのポイントは、後述の「信頼できる不動産仲介会社の見極め方」で解説します。

賃貸仲介

賃貸仲介では、貸主側に対しては入居者の募集や審査のサポート、借主側に対しては物件の紹介や内見の案内、賃貸借契約の手続きを行います。賃貸管理会社が仲介を兼ねるケースも多く、入居後の管理まで任せられるかどうかも会社選びの観点になります。

仲介による不動産売却の流れと期間の目安囲い込みとは

仲介で不動産を売却する場合、査定から引き渡しまでの期間は平均3〜6ヶ月程度です。全体の流れと、各ステップにかかる期間を順に見ていきましょう。

1.売却査定

まず、不動産会社に物件の査定を依頼します。複数社に依頼して、査定額とその根拠、担当者の対応を比較するのが一般的です。査定から次の工程の媒介契約までは、2週間〜1ヶ月程度を見込んでおきましょう。

2.媒介契約

仲介を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。媒介契約には3つの種類があり、どれを選ぶかで不動産会社の対応が変わります。詳しくは次章で解説します。

3.販売活動

売り出し価格を決め、販売活動を開始します。物件情報の掲載、購入希望者の内覧対応、条件交渉などを経て買主を決定します。

販売活動の期間は2〜4ヶ月程度が一般的ですが、価格設定や立地、物件の状態によって大きく変動します。

4.売買契約

買主と条件がまとまったら、売買契約を締結します。契約時には手付金を受領し、1〜2ヶ月後に残代金決済・引渡しとなるのが一般的です。

・「売買契約」に関する記事はこちら
不動産の売買契約とは?簡単にわかりやすく解説!

5.決済・引き渡し

売買契約後、買主の住宅ローン本審査などを経て、残代金の決済と物件の引き渡しを行います。ここまでで売却は完了です。

合計するとおおむね3〜6ヶ月ですが、販売活動が長引けば半年以上かかることもあります。売却の期限がある方は、逆算して早めに動き出しましょう。

不動産会社に仲介を依頼する「媒介契約」の選び方

売却の仲介を依頼する際に結ぶ媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他の不動産会社との契約可能不可不可
自分で見つけた買主との取引可能可能不可
レインズへの登録義務なし(任意)7日以内5日以内
不動産会社からの業務報告義務なし(任意)2週間に1回以上1週間に1回以上
契約の有効期間制限なし(3ヶ月以内とするのが一般的)3ヶ月以内3ヶ月以内

一般媒介契約

一般媒介契約は、唯一複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる契約です。窓口を広げられる一方、レインズへの登録義務や販売状況の報告義務がないため、各社の販売活動が受け身になりやすい側面もあります。

専任媒介契約

専任媒介契約は、仲介を1社に絞って依頼する契約です。自分で見つけた買主と直接契約する「自己発見取引」は認められています。レインズへの登録義務と2週間に1回以上の報告義務があり、不動産会社も販売活動に力を入れやすい契約形態です。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、1社に絞って仲介を依頼できる点は専任媒介契約と同様ですが、自己発見取引が認められていません。その分、レインズへの登録は5日以内、報告は1週間に1回以上と、3つの媒介契約のなかでもっとも手厚いサポートを受けられます。

・「専属専任媒介契約」に関する記事はこちら
専属専任媒介契約とは?専任媒介・一般媒介との違いやメリットを解説

媒介契約はどう選ぶ?

3つの媒介契約の大きな違いは「複数社に依頼できるのか」「1社にしか依頼できないのか」です。1社にしか依頼できない専任媒介契約・専属専任媒介契約の違いは大きくなく、不動産会社にとっても、成約すれば確実に仲介手数料を得られる点は共通しているため、販売活動への力の入れ方に大きな差は生まれにくいといえます。

一見すると複数社に依頼できる一般媒介契約が最も有利に思えますが、不動産会社の立場では、他社で成約すれば仲介手数料を得られないため、広告費や人員を投じにくく、販売活動が受け身になりやすい面があります。レインズへの登録義務や販売状況の報告義務もないため、売主が状況を把握しづらいのも難点です。

そのため、迷ったら専任媒介契約か専属専任媒介契約を軸に検討し、親族や知人など自分で買主を見つける可能性があるなら専任媒介契約を、その予定がなければ報告頻度の高い専属専任媒介契約を選ぶと良いでしょう。人気エリアの物件で、複数社を競わせても各社が積極的に動いてくれそうな場合は、一般媒介契約も選択肢になります。

不動産会社に支払う仲介手数料の計算方法は?

仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限額が定められています。売買と賃貸の仲介手数料の上限額を確認しましょう。

売買における仲介手数料の上限額

売買の仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法に基づき、売買価格(税抜)を3つの区分に分け、それぞれの料率を掛けて合算した金額と定められています。

売買価格(税抜)の区分料率
200万円以下の部分5%
200万円超400万円以下の部分4%
400万円超の部分3%

売買価格が400万円を超える場合は、次の速算式で同じ結果を求められます。

売買価格×3%+6万円(消費税別)

たとえば売買価格3,000万円なら「3,000万円×3%+ 6万円=96万円」に消費税を加えた105万6,000円が上限です。

ただし、800万円以下の低廉な空き家等については、上記にかかわらず売主・買主それぞれから30万円(消費税別)を上限に仲介手数料を受領できる特例が設けられています。

賃貸における仲介手数料の上限額

賃貸物件の仲介手数料は、貸主と借主の双方から受け取れる合計額が「家賃の1ヶ月分 + 消費税」以内と定められています。

依頼者の承諾がない限り、貸主と借主それぞれから受け取れる上限は、家賃の0.5ヶ月分です。ただし、事前に依頼者の承諾があれば、どちらか一方が1ヶ月分を負担することも可能です。慣習として、借主が家賃の1ヶ月分を負担するケースが一般的ですが、契約前に負担割合について確認しておくと良いでしょう。

不動産会社に仲介を依頼するメリット・デメリット

不動産 仲介

不動産会社に仲介を依頼することで、専門的なサポートを受けられる一方で、いくつかの注意点も存在します。取引を成功させるためには、メリットとデメリットの両方を理解したうえで判断することが大切です。ここでは、売買仲介のメリット・デメリットをご紹介します。

メリットデメリット
・市場価格に近い金額で売却できる
・販売活動や内覧対応、契約書類の作成などを一任できる
・トラブルを未然に防げる
・売却まで時間がかかる可能性がある
・仲介手数料を支払う必要がある

メリット

不動産仲介を依頼する大きなメリットは、市場価格に近い金額での売却に期待できる点です。不動産会社が持つ幅広いネットワークや広告活動を通じて、広く購入希望者を探すため、適正な価格での取引がしやすくなります。

また、売却に向けた販売活動や内覧の対応、専門知識が必要な契約書類の作成、引き渡しまでの複雑な手続きなどを一任できるのも利点のひとつです。法的なトラブルを未然に防ぎ、安全に取引を進められることは、売主にとって大きな安心材料となるでしょう。

デメリット

仲介のデメリットとしては、売却までに時間がかかる可能性がある点が挙げられます。購入希望者がすぐに見つかるとは限らず、販売期間が数ヶ月から1年以上になることもあります。そのため、急いで現金化したい場合には不向きな方法といえます。

また、売却が成立した際には、成功報酬として仲介手数料の支払いが必要です。このほか、購入希望者が現れるたびに、室内の案内(内覧)に対応する手間も発生します。必ずしも希望の価格や時期に売却できるとは限らない点も、理解しておく必要があります。

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両手仲介を意図的に狙う「囲い込み」のリスクと対処法

売却の仲介では、知っておきたいリスクがあります。それが「囲い込み」です。ここでは、囲い込みの仕組みと見抜き方を解説します。

囲い込みとは

不動産会社が売主と買主の両方を仲介することを「両手仲介」、売主または買主の一方のみを仲介することを「片手仲介」と呼びます。両手仲介自体は違法ではありませんが、双方から仲介手数料を得られるため、これを意図的に狙って他社からの購入問い合わせを「商談中」などと偽って断る行為が「囲い込み」です。

囲い込みをされると、他社の顧客に検討されにくくなり、売却期間が長引いたり、値下げを余儀なくされたりするおそれがあります。2025年1月からは規制が強化され、レインズの取引状況(ステータス)を偽る行為は宅地建物取引業法に基づく監督処分の対象であることが明確化されました。

囲い込みの見抜き方

囲い込みを見抜くには、次のような方法があります。

  • レインズの登録証明書から自身の物件にアクセスし、取引状況(公開中・書面による購入申込みあり など)を確認する
  • 販売活動報告書で、問い合わせや紹介の状況を確認する
  • 販売状況の説明があいまいなまま、値下げや自社買取を強引に勧められた場合は状況や理由の詳細な説明を求める

囲い込みはレインズの取引情報が実態と合っていてもできてしまうため、完全に囲い込みを防げる術はありません。しかし、囲い込みを危惧しているという売主の声や姿勢こそが、囲い込みの大きな抑止力となります。

信頼できる不動産仲介会社の見極め方

仲介の成果は、依頼する不動産会社と担当者によって変わります。最後に売買・賃貸、それぞれの見極めるポイントを紹介します。

売買

不動産売買の仲介を依頼する会社を選ぶ際は、まず査定価格の根拠を明確に説明してくれるかを確認しましょう。単に高い査定額を提示するだけでなく、周辺の取引事例や物件の状態などを踏まえた、客観的で納得感のある説明ができる会社は信頼できます。

また、売却したい物件の種類(マンション、戸建てなど)やエリアでの売却実績が豊富かどうかも重要です。実績が多い会社は、その地域ならではの販売戦略や顧客ネットワークを持っている可能性が高いといえます。

担当者の対応が丁寧で、親身に相談に乗ってくれるかといった相性も、見極めるべきポイントです。

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賃貸

賃貸の仲介会社を選ぶ際には、まず希望するエリアに詳しい会社を選ぶことが大切です。地域に密着した会社であれば、公開されている情報だけでなく、周辺環境や治安といった、より詳細な情報を提供してくれる可能性があります。

また、取り扱い物件数が豊富な会社は、多様な選択肢の中から希望に合う物件を提案してくれるでしょう。

インターネット上の口コミや評判を参考にするのも有効です。担当者の対応が迅速かつ丁寧で、こちらの要望を的確に理解してくれるかどうかも、スムーズな部屋探しには欠かせない要素となります。

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まとめ

不動産仲介は、専門的な知識が求められる不動産取引において、売主・買主(貸主・借主)の間に立ち、円滑で安全な取引をサポートする重要な役割を担っています。仲介を依頼することで、市場価格に近い価格での売却が期待できる一方、売却までに時間がかかるなどの側面もあります。

仲介の仕組みやメリット・デメリット、媒介契約の種類などを正しく理解し、ご自身の状況に合った売却方法を選択することが大切です。信頼できる不動産会社を見極め、パートナーとして連携しながら進めていきましょう。

東急リバブルでは、お客様一人ひとりのご要望に寄り添いサポートしております。不動産の売買や賃貸でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事のポイント

仲介で不動産を売る場合にかかる期間はどれくらい?

査定から引き渡しまで3〜6ヶ月程度が目安です。ただし、価格設定や条件によっては半年以上かかることもあります。

詳しくは「仲介による不動産売却の流れと期間の目安」をご覧ください。

媒介契約の選び方は?

複数社に依頼したいなら一般媒介、1社に任せて報告を受けたいなら専任媒介、自己発見取引の予定がなく手厚いサポートを求めるなら専属専任媒介が候補です。

詳しくは「不動産会社に仲介を依頼する『媒介契約』の選び方」をご覧ください。

囲い込みはどう見抜けばいいの?

登録証明書でレインズの取引状況を確認するほか、販売活動報告書の内容をチェックする方法があります。

詳しくは「両手仲介を意図的に狙う『囲い込み』のリスクと対処法」をご覧ください。

仲介と買取はどちらを選ぶべき?

高く売りたいなら仲介、スピードや確実性を重視するなら買取が向いています。

詳しくは「不動産仲介と不動産買取の違いは?」をご覧ください。

仲介手数料はいくらかかる?

売買価格が400万円超の場合、「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限です。

詳しくは「不動産会社に支払う仲介手数料の計算方法は?」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

不動産売却は、不動産会社選びで決まるといっても過言ではありません。ありがちな失敗が、査定額の高さだけで会社を選んでしまうケースです。高い査定額は、必ずしも「売れる価格」ではありません。大切なのは、査定根拠の説明力と販売戦略、そして囲い込みをしない誠実さです。複数社の話を聞き比べ、レインズの取引状況を確認できる専任系の媒介契約も活用しながら、信頼して任せられるパートナーを見つけてください。

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