インバウンドや再開発、住宅競合で上昇
2026年03月19日
─26年公示の商業地、東京・大阪が牽引
国土交通省が発表した26年地価公示によると、商業地は大都市中心部の強い上昇が牽引し、全国平均で+4・3%(前年+3・9%)となった。東京都の商業地は+12・2%(+10・4%)の伸びを示し、都道府県別で全国トップに。2位は大阪府で+8・5%(+7・6%)だった。
商業地の上昇率全国トップ10をみると(表)、インバウンド・再開発・高利便性マンション需要(住宅需要との競合)などの要因を擁する都市の地点が、高い地価上昇を示した。一部の地方では大手半導体メーカー進出も要因に加わる。北海道千歳市はラピダス進出により、千歳駅近くの「千歳5―3」が+44・1%(+42・1%)で全国トップの上昇率となった。
東京23区の商業地で上昇率が高かったのは、台東区+19・1%(+14・8%)、文京区+17・8%(+12・8%)、中野区+17・5%(+16・3%)、杉並区+17・5%(+15・1%)。大阪は、大阪市全体では+12・7%(+11・6%)、オフィスが集積しうめきた2期の開発効果があった福島区+15・0%(+12・5%)、西区+15・3%(+13・9%)、北区+14・0%(+13・4%)。インバウンドでにぎわうミナミの商業エリア浪速区は+15・5%(+14・2%)だった。
東京・大阪の中心商業地が力強い上昇を続けるなか、名古屋と地方主要都市では商業地の鈍化が目立ってきた。名古屋圏の商業地は+3・3%(+3・8%)で、2年連続で上昇幅が縮小した。名古屋市は+4・5%(+5・0%)。市内16区のうち11区で商業地の上昇幅が縮小した。マンション需要との競合のある熱田区+6・8%(+7・0%)、千種区+7・2%(+8・9%)、中村区+5・0%(+5・7%)などでも上昇幅の縮小がみられた。
国交省は名古屋圏の商業地について、「近年、新規出店が慎重姿勢。名古屋市以外の都市部も、再開発プロジェクトやインバウンド需要が限定的なため、上昇率が縮小した」と説明する。インバウンド需要がほかの二大都市圏と比べ弱く、さらに昨今の建築費の上昇で新規の開発・投資が縮小傾向だ。
◎地方4市、上昇率拡大は広島市のみ
同様に、地方の地価の牽引役だった地方4市でも、商業地は上昇率の鈍化が目立った。再開発の遅れや見直しで札幌市は+4・6%(+6・0%)、仙台市も開発が慎重姿勢となり+7・8%(+8・3%)。福岡市も+9・0%(+11・3%)に縮小した。
地方4市のなかで広島市商業地のみ+5・2%(+4・6%)で上昇幅が拡大した。国交省は「広島はこれまで上昇がゆるやかだったところへ、広島駅の駅ビル開業や、路面電車の駅前大橋ルート開通があり、地価上昇が継続した」と説明する。建築費の上昇が地価に与える影響が今後拡大するか、注視が必要だ。
(提供:日刊不動産経済通信)
