マンション賃料は想定より上振れ可能性
2025年12月16日
―三菱UFJ信、投資環境の変化が影響
三菱UFJ信託銀行は、マンションの賃料上昇が不動産投資市場の環境変化によって賃料成長が想定を上回って進む可能性を見通すレポートをまとめた。ここ15年間のマンション賃料の上昇率は28%にとどまるが、分譲マンション価格は新築で114%、中古も112%と2倍以上の価格まで大幅に上昇した。分譲価格と賃料上昇で勢いに差がある理由を、不動産投資市場でキャップレートの「低下」が主な要因と分析。キャップレートが「横ばい」または「上昇」の際に、賃料は想定より上振れる可能性があると指摘した。
近年におけるマンション賃料の上昇は、工事費や用地取得費などコスト上昇、居住者の賃金上昇、新築分譲マンションの価格上昇などが頻繁に言及されてきたが、レポートでは不動産投資市場の環境変化に注目している。キャップレートは、リーマン・ショック後の09年にピークとなった後、金融緩和下で投資市場に資金が流入したことによって低下が続いてきた。10年以上にわたるこの期間は、投資家からみると利回りが低下したことによって、期待される賃料に比べて高い価格でないと物件購入が難しくなっていった。一方で、利回りの低下によって居住者は、割安な賃料でマンションを賃借できた期間とみられる。
レポートでは、足元でキャップレートが「低下」から「横ばい」に変化しており、投資家が建築費を含むコスト上昇を賃料に反映しやすい構造になったと捉えている。25年から29年までの5年間で、雇用環境と物件供給費用を用いると東京23区の賃料上昇率は13%と予測されるが、これまでコスト上昇を吸収してきたキャップレートの「低下」が止まっているため、2割程度の賃料上昇も想定できると算出した。
(提供:日刊不動産経済通信)