売買仲介25年度上期、取引大型化で活況

2025年11月26日

―リバブルが初の首位、三井リアルも好調

 25年度上半期(25年4~9月期)の不動産流通主要20社・グループによる売買仲介実績(表)が出揃った。手数料収入は1位の東急リバブルと2位の三井不動産リアルティが、調査で初めて手数料収入で500億円台に到達。前年から実績を伸ばした東急リバブルが、調査開始から初の首位を獲得した。

 リバブルによると、リテール市場は首都圏と地方圏の大都市で平均取引価格と成約件数が伸長。ホール取引でも「ファンド・不動産業者問わず活況」で、10億円以上の売買案件が拡大したことが好実績につながった。取扱高でも1兆2000億円に迫る規模で、第1位を堅持した。手数料収入で1億円未満というわずかな差で2位だった三井不リアルは、取扱高でも2位。成約件数は、唯一の1万7000件台と最多を維持した。上半期の実績は「取扱高と手数料収入が前年を上回り過去最高」としており、好調な市況がうかがえる。

 4月に商号を変更した住友不動産ステップは「ステップオークションの浸透などにより取扱単価が上昇」したため、手数料収入と取扱高を伸ばし、手数料収入と仲介件数は3位を確保。現時点での手応えを「事業部門の業績は期初計画通りに進捗」とする。野村不動産ソリューションズは、「取扱単価上昇により取扱高・手数料ともに大幅増加」として、手数料収入と仲介件数は4位で、取扱高では住友不ステップを上回った。取引量も堅調さを感じている。今後については、都心の一部での過熱感によるインバウンド需要の減退や、実需層の郊外シフト、買取再販業者の市場在庫増加といった要素が懸念となりうると捉えているが、ストック活用ニーズの増加から、仲介市場は当面、活況が続くことを見込んでいる。

 上位4社に続いて、信託銀行系列の三井住友トラスト不動産、みずほ不動産販売、三菱UFJ不動産販売という各社の間に三菱地所グループが食い込んだ。グループとして、法人取引を扱う三菱地所リアルエステートサービスは「東京に限らず、地方都市、特に関西、九州エリアの取引が好調」、三菱地所ハウスネットは「東京の都心・城南・城西エリアや京都が特に好調」とそれぞれ捉えており、マーケット全体で高止まり状態とみている。


◎都心と郊外では二極化、成約件数も堅調


 25年に入ってから、東日本レインズの調査による首都圏の不動産市況は、成約件数が大幅に増加している。一方で、当社の調査では半数近くが減少傾向で、東京都心などのエリアをはじめとした取引大型化が仲介市場の活況を支えているとみられる。東急リバブルは、金利政策などの影響から「今後の住宅ローン変動金利の引き上げによる買い顧客のマインド低下には注視が必要」と分析。加えて金利だけでなく、工事費や物価など多くの面でインフレ経済の進行を見込んでおり、注視が必要という見方が市場では強いようだ。一方で「需給バランスも変わらず推移しているため、下半期も好調を維持」と予測している。

 多くの会社から、法人取引での大型案件の増加などに言及があった。また、富裕層の不動産投資や相続、節税、資産整理といった需要の強さにも反響があった。また、リート指数が回復局面にあり、Jリートの需要増にも期待感がある模様だ。リテールでは、住友林業ホームサービスが「首都圏の都心部のブランドマンションは価格上昇が継続し、契約件数は減少傾向」と分析。東京建物不動産販売は「1億円以下の案件が減少し、1億~5億円の案件が増加」とした。マンション購入においては、富裕層が参加して過熱感さえささやかれる「都心」と、実需に手の届く「郊外」で市況が大きく異なるようだ。また、一部では大都市圏の購入反響が鈍ったという声もあるが、地方に割安感が出てきて、中古戸建て住宅の取引が活発という指摘もある。空き家の流通促進策として導入された仲介手数料の上限を低廉な住宅で引き上げた点も、仲介各社の取り組み強化につながったとの見解は多い。

 各社では、人材育成や営業生産性の向上に向けたSaaSサービスを取り入れたという事例も多くあるようだ。特にAI活用や研修制度の充実で、人手不足が見込まれる不動産業界で、持続的な収益拡大を模索する企業は今後も増加しそうだ。

(提供:日刊不動産経済通信)

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