収益物件市場は国内外の富裕層で活況
2025年09月08日
―野村不ソ、賃貸好調で売買取引数も増加
野村不動産ソリューションズのCRE戦略支援サイト「CREナビ」で、同社が取り扱った収益用不動産の取引動向をまとめた。24年度下半期の売買取引件数は、同上半期と比べてオフィスで8%の増加、賃貸住宅は15%の増加だった。要因として、オフィス空室率の低下傾向が鮮明なことや賃貸住宅の賃料上昇が顕著なことが影響と分析。機関投資家が求める利回り水準を下回っても許容する国内外の富裕層の存在感が強まり、収益不動産の売買市場は活況とみている。
同社の法人営業本部リサーチコンサルティング部・中井将之次長は「国内外の富裕層による築古物件も許容する購入姿勢や、利回り2%台の取引なども珍しくない。都心の収益物件は様々な富裕層のニーズが高まっている」との感触だ。資産ポートフォリオの分散や資産価値の上昇で収益確保、安定的な賃料収入、インフレ対策、税制上の利点などから、一般の投資家ではみられない低水準の利回りの取引があるという。
取引事例からは、24年度下期に都心6区のオフィス売買でNOI利回りの平均値が低下し、築30年超の建物もあった。売主が不動産業者、買主が地方在住の会社経営者の取引では、立地が渋谷区、価格は10億円強、NOI利回りは2%台半ば。相続も見据えた資産整理で、現金や流動性の高い資産などで購入された。
都心6区の賃貸住宅は、24年度下期に港区、中央区、渋谷区などの物件が中心で、平均築年数は上昇し、NOI利回りはやや低下傾向。具体的には、一般事業法人が売主で、アジア大手企業の会長が買主の事例があった。中央区の中心地に近い築浅物件で、取引価格は20億円台、NOI利回りは2%台後半。今後も都内の賃貸住宅や区分マンションを取得する予定という。
(提供:日刊不動産経済通信)