全国ビル業況、65%がビル事業の支出増
2025年06月04日
―ザイマックス総研、改修・運用経費重く
ザイマックス不動産総合研究所は、早稲田大学建築学科の石田航星研究室と共同で全国のオフィスビルオーナーを対象とする業況調査を行い結果を公表した。直近1年間のビル事業で「収入が増えた」との回答が33%だったのに対し、「支出が増えた」との答えは65%と過半に上った。この1年の業況を「良い」と評価したのは62%で、今後の見通しも短期的には「楽観」が「悲観」を16㌽上回ったが、中長期的には逆に悲観派が楽観派を20㌽上回った。懸案事項として、改修や運用に伴う経費負担の増加を上げる声が多かった。
調査は3~4月に実施。売上高1千万円以上(東京都のみ3千万円以上)の全国2万3830社を対象とし、1020件の有効回答を得た。直近1年の収支を問う設問では、収入は不変が52%、増加が32%、減少が14%だったのに対し、支出は不変31%、増加65%、減少3%と、収入よりも支出の増加が強く出た。今後の見通しでは、向こう3年程度の短期では37%が楽観、21%が悲観と楽観視する向きが多いが、今後5~10年の長期では楽観18%、悲観38%と逆転した。
ビル事業を営む上での懸案事項は「ビルの老朽化」が72%と最多。次点以下は「コスト増加」(67%)、「ビルの物理的寿命」(50%)、「空室増加」(45%)などの順だった。ビルの価値を高める上で何が障壁になるかを問うと、「多額の投資が必要」(56%)、「費用対効果が不明」(37%)、「建物の寿命」(32%)などの回答があった。行政への期待では「税負担の軽減」(57%)を求める声が最も多く、他には「耐震・省エネ化の補助拡充」、「建替えの容積率緩和」などの声もあった。
(提供:日刊不動産経済通信)