25年地価公示、4年連続で全国的に上昇
2025年03月19日
─国交省、名古屋圏・地方4市は伸び鈍化
国土交通省は18日、25年地価公示(25年1月1日時点、標準地=2万5563地点)を公表した。全国の地価は、全用途平均+2・7%(前年+2・3%)、住宅地+2・1%(+2・0%)、商業地+3・9%(+3・1%)で、全て4年連続で上昇し、上昇幅が拡大した(表)。景気回復に加えインバウンド需要が伸びていることもプラスとなり、全体では上昇基調が続いた。一方、上昇幅の縮小がみられた地域もあった。
三大都市圏は、全用途平均+4・3%(+3・5%)、住宅地+3・3%(+2・8%)、商業地+7・1%(+5・2%)で、いずれも4年連続で上昇し、上昇幅が拡大した。圏域別でみると、東京圏・大阪圏は上昇幅の拡大が続いたが、名古屋圏は上昇幅が縮小した。
名古屋圏の地価は、コロナ後(22年以降)上昇を維持している。国交省は「状況が悪化しているわけではない」としつつ、上昇幅減少の要因は「東京・大阪と比べると有名な観光名所がなく、インバウンド需要が薄い」(国交省)という点を挙げた。自動車産業中心の名古屋は他圏域に比べテレワーク実施率が低いという特徴もある。この2~3年、東京圏ではテレワークで住宅需要が郊外へと広がった。「名古屋ではそうした住宅需要の面的な拡大がみられない」(同)。富裕層や国内外の投資家も多くないため、実需以外で大きく上昇する要因も少ない。商業地は回復が続いていたオフィス需要に一服感が出ているという。
地方圏は全用途平均、住宅地、商業地のいずれも4年連続で上昇したが、地方の地価の牽引役である地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)は、全用途平均、住宅地、商業地とも上昇幅が縮小した。
各市の状況をみると、札幌市は住宅地+2・9%(前年+8・4%)、商業地+6・0%(+10・3%)。仙台市は住宅地+6・3%(+7・0%)、商業地+8・3%(+7・8%)。広島市は住宅地+2・4%(+2・0%)、商業地+4・6%(+4・2%)、福岡市は住宅地+9・0%(+9・6%)、商業地+11・3%(+12・6%)。顕著なのは札幌だ。
札幌市中心部の高い住宅需要はここ数年、周辺市に波及し、周辺市の地価も押し上げていた。国交省は「今回そういったところの減少が出てきている」と指摘する。江別市は住宅地0・0%(+11・7%)、商業地+0・9%(+10・6%)。新球場の開業が話題となった北広島市も住宅地+2・2%(+11・4%)、商業地+13・9%(+21・2%)で、上昇は維持するもペースダウンは明らかだ。国交省は札幌市の住宅需要について「中心部が高く買えなくなった人が、中古物件や賃貸にシフトあるいは様子見している」と話す。
(提供:日刊不動産経済通信)
