中古マンション,売却期間
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中古マンションを売却する平均期間はどのくらい? 売れないときの対処法も解説

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

ざっくり要約!

  • 中古マンションの売却にかかる期間は、平均して4〜5ヶ月程度
  • マンションの売却が長引く理由のひとつとして、売却価格が相場よりも高いことが考えられる

マンションを売りに出しても、すぐ売却できるとは限りません。「自宅はいつになったら売却できるのだろう」と、実際に不安を感じている方は多いことでしょう。

家の売却にかかる期間は、平均4〜5ヶ月程度です。もちろんすぐ売却できることもあれば、それ以上に長引くこともあります。

今回は、家の売却が平均的な期間よりも長引く理由と、早く売却するためにしておきたいことを解説します。

想定以上に長引いてしまったときの対処法も紹介しますので、これから家を売却する方だけでなく、現在売れずに困っている方もぜひ参考にして、早期売却を目指しましょう。

マンションの売却にかかる平均期間は約4〜5ヶ月

首都圏中古住宅・土地のレインズ登録から成約に至るまでの平均日数の図
東日本不動産流通機構のデータを基に筆者作成

家の売却には平均で3~6カ月かかるといわれています。マンションの方が比較的東日本不動産流通機構によれば、2024年の首都圏中古マンションの売却にかかった期間は「85.3日」です。ただし、この期間は不動産業者専用の物件情報システムである「レインズ」に登録してから成約に至るまでの日数であり、レインズ登録には1週間程度、契約から引き渡しまで1〜2ヶ月程度かかることを踏まえると、不動産会社と媒介契約を締結してから物件を引き渡すまでに、平均して4〜5ヶ月程度の期間がかかっているものと推測されます。

マンションの成約に至るまでの期間はここ数年、長期化の傾向が見られます。とはいえ、2025年に中古戸建ての売却にかかった期間は平均して「97.3日」、土地は「89.4日」であることを考えると、中古マンションは比較的スムーズに売却できることがわかります。

しかし、上記の期間はあくまで平均です。築年数が古い物件や需要が少ないエリアについては、半年や年単位の時間がかかることもあります。

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マンションの売却期間に影響する5つの要素

マンションの売却期間に影響すると考えられるのは、次の5つの要素です。

1.不動産会社の営業力

マンションがスムーズに売れるかどうかは、不動産会社の営業力にかかっているといっても過言ではありません。担当者の営業スキルが不足していたり、もしくはモチベーションが低かったりすると、買い手が見つかりづらく、早期売却は望めないでしょう。

2.マンションの売却価格

やはり、価格は安いほうが早く売れる可能性が高まります。売り手としては、少しでも高く売却したいと考えるでしょうが、高すぎる価格設定は売却までに時間がかかってしまう要因になり、長期化すると売れ残り感が出てしまうおそれがあります。

3..売り出すタイミング

不動産を早く売るには、売り出すタイミングが重要です。異動や転勤に加え、子どもの入学や新学期に合わせて引っ越しを希望する人が多いことから、不動産売買は2〜3月あたりに活況を呈するものです。また、異動などが多い9~10月頃も、2〜3月に準じて不動産取引が活発になる傾向にあります。

4.物件の魅力

売り出すタイミングが良く、適正価格で売り出し、担当者の営業力が高かったとしても、物件の魅力が低いと売却に時間を要する可能性があります。物件の魅力とは、見た目や周辺環境、利便性などを指します。売却時にはできる限り物件の魅力を引き出すとともに、物件の条件に見合った価格に設定することが早期売却の秘訣です。

5.内覧時の印象

マンションを購入する人のほとんどが、購入を決める前に内覧をします。内覧とは、実際に物件を見ることです。ここでの印象が「購入検討者」を「買主」に変えます。当然ながら、汚いより綺麗なほうが、狭く見えるより広く見えたほうが成約率は高まります。

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マンションを早く売るためにしておきたい4つのこと

次に家をできるだけスムーズに売るために、売却時に押さえておきたいポイントを4つ紹介します。

1.マンションの売却タイミングを考える

不動産の需要は2〜3月や9〜10月頃に高まるとはいえ、マンションを売るからには事情や都合もあるはずです。時期を狙って売り出すこともなかなか難しいことから「避けるべき時期」を知っておくと良いでしょう。

不動産の動きが鈍くなりやすいのは、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの長期休暇中です。売却期間中に長期休暇が入ることはあっても、注目度が高い売り出し直後に長期休暇が入るタイミングはできる限り避けたほうが賢明でしょう。

季節以外にも、競合となる物件が多く売りに出ているタイミングで売り出してしまうと、売却スピードや金額に影響しかねません。たとえば、同じマンションの別の部屋が自身の部屋より安く売りに出ている場合は、売り出すタイミングをずらすことも検討してみましょう。

2.適切な価格を設定する

中古マンションを早く売るには、適正価格で売り出すことが大切です。基本的に売り出し価格が相場より高ければ高いほど、売却には時間がかかると考えておきましょう。

不動産会社が提案する査定額は、基本的に3〜4ヶ月程度で売ることを想定した金額です。それより早く売りたい場合は、売り出し価格を査定額から5〜10%程度低く設定するのも一案でしょう。

3.マンション売却に強い不動産会社を選ぶ

マンションが早期に売れるかどうかは、不動産会社の営業力によるところが大きいというのは先述のとおりです。営業力は個人の担当者の力量にも左右されますが、不動産会社によっても傾向は分かれます。

実は一口に「不動産会社」といっても、得意な物件やエリアは異なります。マンションを売却したいときは、マンション売却が得意で、同じエリアで販売実績が多い不動産会社を選ぶことが大切です。不動産会社のホームページを見ることで、得意とする不動産の種別やエリアが推測できることもありますが、わからないときは担当者に同じマンション内や近隣における売却実績があるか聞いてみましょう。

・「不動産会社の選び方」に関する記事はこちら
家を売るならどこがいい? 不動産会社の選び方のコツを伝授

4.物件を魅力的に見せる工夫をする

見た目を良くするには、徹底的な整理・整頓・清掃が重要です。リフォームやハウスクリーニングも効果的ですが、かけた費用の分だけ高く売れるとは限らないため、これらの実施は慎重に検討しましょう。

また、物件の魅力を高めるには「ホームステージング」も効果的です。ホームステージングとは、売却中の物件をモデルルームのように演出することを指します。家具などのレンタルにはお金がかかりますが、最近は写真やVR上でステージングをする「バーチャルホームステージング」というサービスも見られます。

また東急リバブルでは、一定要件を満たした売り物件に対し「ルームデコレーション」のサービスを提供しています。

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マンションの売却期間が長引いたときの効果的な対処法3選

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家の売却が平均期間よりも長引いてしまったときは、何らかの対処が必要です。ここでは、値下げ以外の主な対処法を3つ紹介します。

1.不動産会社に買い取ってもらう

マンションの売却期間が長期化した場合は、不動産会社に買い取ってもらうことも検討しましょう。不動産会社はリフォームして再販することを目的にマンションを買い取るため、採算が取れると判断されればすぐにでも売買が決まります。

ただし、不動産会社の買取価格は相場価格の7〜8割程度になるのが一般的です。とはいえ不動産会社によって買取価格は異なるため、少しでも高く売るには複数社に買取査定してもらうことが大切です。

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2.担当者・不動産会社を変える

不動産会社の担当者には、知識はもちろんのこと、コミュニケーション力や誠実さも求められます。大手不動産会社で実績が豊富であったとしても、担当者に大きな問題がある場合はトラブルに発展することもあるでしょう。

マンションを売却するときは、不動産会社の営業力と担当者のスキルを確認し、信頼できる相手なのかどうかも見極め、必要であれば変更も検討しましょう。

3.内覧対応を見直す

内覧件数が比較的多いのにもかかわらず、成約に結びつかない場合は、内覧時の対応が悪い可能性があります。対応を見直し、場合によっては改めるべきことがないか、担当者に相談するのも良いでしょう。

内覧に備えて家をできるだけきれいに清掃し、室内の整理整頓も心がけましょう。とくに水回りが汚れていると印象が悪く、部屋が散らかっていると実際よりも狭く感じます。

また内覧中に購入希望者から質問があったときは快く回答し、購入後の生活がイメージできるように情報を提供します。このとき、過度にアピールをしすぎないように注意してください。売主の印象が悪いと、購入物件の候補から外されてしまうことがあります。

まとめ

マンションの売却が長期化すると、家族にとってストレスになることがあります。毎週末内覧の予定が入ってしまうと家族で外出できず、子どもから不満の声が出ることもあるでしょう。

不動産会社の担当者と良好な関係性を築けると、不安を軽減できることがあります。不動産会社の実績やスキルも重要ですが、担当者との相性も含めて依頼先を決定しましょう。

今回紹介した売却が長期化している要因や、売れないときの対処法を参考にして、ぜひ早期成約を目指してください。

この記事のポイント

家の売却が平均期間より長引く理由は?

家がスムーズに売れるかどうかは、不動産会社の営業力次第といわざるをえません。

担当者の営業スキルが不足している、もしくはモチベーションが下がっている状態では、買い手が見つかりづらく、早期売却は望めないでしょう。

また不動産売却には知識はもちろんのこと、コミュニケーション力や誠実さも必要です。

大手不動産会社で実績が豊富であったとしても、担当者に大きな問題がある場合は、トラブルに発展することもあるでしょう。

詳しくは「マンションの売却期間に影響する5つの要素」をご覧ください。

家の売却期間が長引いたときの効果的な対処法は?

家の売却が平均期間よりも長引いてしまったときは、何らかの対処が必要です。たとえば仲介での売却が難しい場合は、買取による売却を検討しましょう。

買取とは、不動産会社が再販することを目的として家を買い取ることをいいます。仲介による売却よりも安くなりますが、短期間での売却が可能です。

売却したい時期が決まっている場合や、住み替えなどで早く現金化したいときは買取がおすすめです。

詳しくは「マンションの売却期間が長引いたときの効果的な対処法3選」をご覧ください。

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