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東急リバブルの一棟投資用不動産「ウェルスクエア」事業。── 【第二話〜創世期篇〜】条件の悪い土地に命を吹き込む!既存事業の強みを活かした独自の開発アプローチ

 前回は、東急リバブルの不動産開発事業を担うアセット事業本部と、一棟投資用不動産「ウェルスクエア」事業について紹介しました。
 今回は、不動産流通企業である東急リバブルが、なぜ「ウェルスクエア」事業をスタートさせたのか、そこに不動産流通企業としてどのような工夫やこだわりがあったのかを紹介したいと思います。

●事業をスタートさせたきっかけと狙い、また、第一号案件について紹介してください。

間山:
「ウェルスクエア」事業がスタートしたのは、「既成概念にとらわれず、新しいことにチャレンジしよう」という社内活動がきっかけです。
前回もお話ししましたが、当社の売買仲介部門の営業担当者は地域に精通し、日々の営業活動によって多岐にわたる不動産情報を取得しています。その中で、土地情報の多くは戸建用地として一般のお客様や、建売業者などに販売されますが、なかには扱いが難しく売りづらい土地も存在します。
例えば、土地の一部しか道路に接していない旗竿地(敷地延長)や、不整形な土地などです。ある程度の面積があっても区画を切り分けることができず、建売業者も一般のお客様も手を出しにくい物件です。

旗竿地(敷地延長)の地型イメージ
▲旗竿地(敷地延長)の地型イメージ

しかし、そうした不動産をそのままにしておくのはもったいない。
当社が取得し、付加価値を加えることで、収益性の高い不動産へと変えることができたら面白いのではないかと考えました。
そこで着目したのが小規模集合住宅の開発です。前述の条件の悪い土地を優良な賃貸レジデンスの建築用地として活用することで資産価値を高め、投資家に売却して収益化を図る事業です。

古明地:
当初ターゲットに設定した事業エリアは、東急ブランドに馴染みのある城西南エリア(※)かつ、駅から徒歩10分以内という、高い賃貸需要と資産価値が見込める場所です。
第一号案件の用地は、大田区の土地でした。最寄り駅から徒歩7分の好立地で240㎡強の広さがある一方、土地の形状は接道する間口約10mに対して、奥行きが30m近くもある地型が不整形な物件でした。区画を切り分けて販売することが難しく、建売業者には扱いにくい地型。まさに、私たちが想定していた通りの土地でした。私たちは、ここに3階建て・総戸数13戸の賃貸レジデンスを建築しました。
(※)品川区・目黒区・大田区・世田谷区・渋谷区

外壁はサイディング貼りで、エントランスはオートロック付きの自動ドアを採用。共用部分には宅配ボックスや防犯カメラを設置し、全戸分の駐輪場も完備しました。前回も紹介したように、室内は、廊下や水回りをミニマムに設計し、極力居室部分の面積を増やすなどの工夫を凝らし、居住性を向上することに努めました。制約と向き合いながらも、賃貸事業で培った、こうした工夫の積み重ねにより、独自性のある商品をつくること、そしてマンションライクな集合住宅を比較的低コストで建てること。これが私たちの戦略でしたが、当時の担当者からは、「社内外から好意的なコメントや評価をいただき、ホッとしたのを覚えています」と聞いています。

間山:
住戸内の廊下や水廻りを圧縮することで、他社が手掛ける一般的な1LDKの物件よりも居室が約1畳ほど広くなる設計としたため、少しでも広い部屋に住みたいという入居者のニーズに強くアピールできる物件になりました。また、エレベーターを設置しないことで運営コストを抑えられるというメリットにもつながります。
入居者は20代から30代の単身者やDINKSをターゲットに当社の賃貸仲介部門がリーシングを行い、スムーズに入居が進みました。
投資家への一棟販売の営業は、土地情報を提供してくれた当社仲介営業センターが担当しました。集合住宅としての価値はもちろん、当社が事業主として企画・設計や販売を担い、賃貸管理もグループ企業の東急住宅リースが行うことで、高い信頼と安心感のある投資商品に仕上がったと思います。

ウェルスクエア事業のスキーム図
▲ウェルスクエア事業のスキーム図

●流動性の低い不動産を価値あるものに生まれ変わらせる「ウェルスクエア」事業は、社会的にも意義のある事業ですね。

間山:
旗竿地(敷地延長)の土地で多く見られるのは、過去に面積の広い土地を切り分けて相続や売却を行った結果、それ以上に分割することが難しくなったものです。売主様が現金化や住み替えを希望されても、市場での流動性が低くて売却しづらく、取引がなかなか前に進まないという現実があります。
そこで、当社が資金力を活かしてスピーディに購入させていただくことで、問題解決の一助となり、売主様の抱える不安や悩みを解消することが可能となります。

古明地:
東急ブランドに馴染みのある城西南エリアをターゲットに設定したのは、当社の情報収集力だけでなく、売主様に「東急グループの企業なら安心できる」と信頼感を持っていただくことができると考えたからです。実際、土地を手放すことを周囲に秘密にしたい、という売主様に「東急リバブルが直接買い取ります」と提案したところ、「東急さんであれば、こちらからぜひお願いしたい」と信頼して任せていただけた事例もあります。

間山:
一方、購入者のニーズですが、当時はゼロ金利時代で、資金の投資先に迷っている個人投資家の不動産投資ニーズが高まってきていたころでした。また、マーケットには常に、将来的な資産承継に向けた対策として不動産の購入を希望される方がいらっしゃいます。
ただ、投資家の方も規模が大きく高額なマンションまでは買えない一方、区分所有マンションなどの比較的価格が抑えられる物件をたくさん買っても管理負担が増加します。このような状況で、ちょうど良い1億円から3億円規模の物件を提供できる大手不動産会社は、私たち以外にはあまりなかったと思います。投資家が新しい投資先を求めているタイミングで、当社が的確なタイミングでウェルスクエアを供給できたのです。そういう意味で、購入者である投資家のニーズに見事にマッチしたと思います。

古明地:
物件の中には処分に困った結果、空き家・空き地のまま十数年、あるいは数十年が経過しているものもあります。こうした状態をそのままにしておくと、防災・防犯上の不安要素にもなりかねません。そこで、当社が購入し、耐火性の高い建物を建築することで、これらの問題の解決に貢献できます。
さらに、開発物件の多くは、前面道路幅員が4m未満のものが多く、こうした幅員の狭い道路は、緊急車両の通行等を考慮した場合、防災面での問題を抱えています。こうした道路に対しては、行政による狭あい道路拡幅整備条例に基づき道路拡幅のために開発用地の一部を道路として提供する、いわゆるセットバックが必要となります。このケースでは、行政と打ち合わせを行い、セットバック部分のアスファルト舗装や側溝などの整備を実施することもありますし、街並みを考慮した建物外観や外構をデザインするため、防災面は勿論、街のインフラや景観の整備に寄与することにもなります。
実際、近隣にお住まいの方からは「街並みが良くなった。明るくなって嬉しい」といった好意的なコメントをいただくこともあります。また、私たちが建築した賃貸住宅に主要ターゲットとする若い方々が入居することで、地域の活性化にもつながると考えます。

●とくに印象に残っている開発事例を教えていただけますか?

間山:
所有者の方が駐車場として運用していた物件を当社が購入したのですが、隣接するクリーニング店が駐車場の一部を通路として日常的に利用していました。開発事業の説明のために挨拶に行くと、「今後も使いたいのだけれど、どうにかなりませんか?」と聞かれたので、「通路部分をお譲りしましょう。購入しませんか?」と提案。そのぶん我々の開発面積は減りますが、建物の間取りを工夫することで解決しました。隣地の方には「東急リバブルさんに相談できてよかった」と喜んでいただけました。
東急ブランドが地元の方々に親しまれていたことがスムーズな問題解決の背景にあったのかもしれませんが、当社としても地元の方々との良い関係を築くことができた好事例になったと思います。

古明地:
ウェルスクエアを複数棟購入したお客様からは、この事業について、「少子高齢化が進み、都内の良好な住宅地がマーケットに放出されるなか、東急沿線を中心とした都内城西南を事業の主力エリアとしている東急リバブルが、働き盛りの20〜30代をターゲットとした良質な賃貸住宅(=投資商品)を開発し、税金対策など富裕層のニーズに応え顧客満足を向上させている」といった評価も得ています。

それはまさに私たちが企画し取り組んできたことに他なりません。我々の事業の価値を認めてくださったこと、想いを代弁してくれたことが嬉しかったですね。

[PROFILE]


●間山 寛昭(まやま ひろあき)
アセット事業本部 開発統括部 事業開発第一部 事業開発グループ(B) マネージャー(※2025年10月取材当時)

アセット事業本部 開発統括部 事業開発第一部 事業開発グループ(B) マネージャー(※2025年10月取材当時)

2005年入社。流通事業本部 大井町センターで仲介営業を担当した後、総務部に異動。2015年にアセット事業統括部に異動し「ウェルスクエア」事業の立ち上げに参加。用地買収から計画、建築、販売までの一連の業務を全て担当した。現在は主に用地買収を担っている。


●古明地 秀太(こめいじ ひでた)
アセット事業本部 ウェルスクエア計画部 事業計画グループ(B)マネージャー

アセット事業本部 ウェルスクエア計画部 事業計画グループ(B)マネージャー

2006年入社。賃貸物件の管理業務受託営業や賃貸借契約に関わる管理業務など担当。賃貸管理事業の東急住宅リース(株)への移管に伴い同社へ出向した後、不動産開発業に携わることを希望して当社に復帰。現在は主に、ウェルスクエア計画部で建築計画を担当している

※次回は、【第三話~成長期篇~】を紹介します。

■東急リバブル株式会社
「売買仲介」「賃貸仲介」「不動産ソリューション」「不動産開発・販売」「新築販売受託」
「資産コンサルティング」の6つの事業を基軸に、お客様の様々なニーズにお応えする「総合不動産流通企業」です。
お客様の大切な資産を安心して託していただくために、当社ならではのサービスや事業を創出し、
皆様に信頼される企業を目指しています。これからも総合不動産流通企業として様々なニーズにお応えし、常に新しい価値を提案し続けます。


HP:https://www.livable.co.jp/corp/
会社案内デジタル版:東急リバブル会社案内

■アセット事業本部
本部紹介動画:youtube.com/watch?v=q4kkWc93rRk&feature=youtu.be

■お問い合わせ先
東急リバブル株式会社 経営企画部 広報課 市川・中村

TEL:03-6778-8328

MAIL:kouhou-info@ma.livable.jp

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