柑橘系果実とハーブが香るボルドーワイン?これまでのイメージを一新!

公開日 2022.07.20
柑橘系果実とハーブが香るボルドーワイン?これまでのイメージを一新!

いわばフランスワインの代表格がボルドーワイン。ただ、皆さんが「ボルドーワイン」と聞いて思い浮かべるのは、十中八九、赤ワインではないでしょうか?実際、白金高輪にあるサンク・センスワインショップで、贈答や手土産に選ばれるNo.1ブランドが、ボルドーの赤ワインです。贈る側、そして贈られた側からも、安定感や格式を持つ伝統的な赤ワインが喜ばれています。

日本ですっかり盤石の地位を確立したボルドーワインですが、オススメは赤ワインだけではありません。実は、普段使いの軽快な白ワインから、特別な日に開けたい、とっておきの白ワインまで、幅広い種類が造られています。加えて、ボルドーは極甘口の貴腐(きふ)ワインの産地としても世界有数です。このチャンスに、ボルドーワインのイメージを一新していきましょう。

もくじ

地元でも大人気!アルカッション湾の生牡蠣に「アントル・ドゥー・メール」

地元でも大人気!アルカッション湾の生牡蠣に「アントル・ドゥー・メール」

ボルドーは、パリ・モンパルナス駅からTGVで2時間ほど南西へ行ったところに位置します。フランスで9番目の人口を有する中規模都市。私自身も3年の歳月を過ごした思い出深い街です。海が近く、大河沿いにあるボルドーは、ワインの積出港として栄えた歴史を持ちます。比較的温暖で川が多く、大西洋に近い開けた立地は、日本人にとっても住みやすい土地柄だと思います。特産はやはりワイン。郊外の大型量販店や、街の片隅にある小さなグローサリーストアで売られているワインの多くは地元ボルドー産。確かに、日本でも、例えば日本酒造りが名高い県で、わざわざ他県の日本酒を買う人は多くないでしょう。

まずボルドーの白ワインでご紹介したいのが、生牡蠣はもちろん、魚介や野菜を使った前菜に合う「アントル・ドゥー・メール地区」。主に「ソーヴィニヨン・ブラン」というグレープフルーツなど柑橘系果実やハーブの香りを持つ、酸味がキリリとした白ブドウ品種が使われます。この品種を100%使ったニュージーランド産の白ワインは日本でも人気が高くなっています。しかし、ボルドーはもうひと味違います。実は、ボルドーでは、伝統的に一つのブドウ品種だけでワインを造ることは少なく、ほとんどが複数のブドウ品種をブレンドすることで、バランスに優れた味わいにしているのです。

「シャトー トゥール・ド・ミランボー レゼルヴ2020」は、ソーヴィニヨン・ブラン80%、セミヨン17%、ミュスカデル3%を絶妙にブレンド。スッキリしたなかにも、セミヨンがもたらす果実の厚みやまろやかさ、スパイス的なミュスカデルが全体の奥行きを感じさせてくれます。地元で大人気の大西洋に面するアルカッション湾の生牡蠣は、小粒でミネラルが豊富。軽快なボルドー産白ワインとの相性も抜群で、いくらでも食べてしまう危険な組み合わせです笑!

もちろんクラシックで格式高いイメージを持つボルドーの名にふさわしい、とっておきの白ワインもあります。オススメは「ペサック・レオニャン地区」。ボルドー市街のすぐ南側に位置し、白も、赤も、特筆すべき秀逸なワインが造られています。日本では知らない人が多いエリアかもしれません。フレンチオーク小樽でじっくりと熟成させ、ボトルでの長期熟成によって花開く潜在力を持つ、高品質な白ワインです。大き目のグラスでゆっくりと楽しみたい、記念日やお祝いの日に楽しむワインが見つかります。

黄金色に輝き、蜜のように甘い世界三大貴腐ワインの一つ「ソーテルヌ」

黄金色に輝き、蜜のように甘い世界三大貴腐ワインの一つ「ソーテルヌ」

貴腐ワインの名を耳にしたことがあるでしょうか。とても貴重な極甘口ワインで、特殊な菌がブドウの果皮につき水分が蒸発。糖度が上がり「カビ付き干しブドウ」状態となって、甘味が凝縮したワインになります。菌の作用により、特有の複雑な香りや味わいが生まれます。とりわけ名高いのが「ソーテルヌ地区」。黄金色に輝き、蜜のように甘い、極上の貴腐ワインを生む世界的な銘醸地です。

世界三大貴腐ワインの一つがこの「ソーテルヌ」。他の二つは、ドイツの「トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ」、ハンガリーの「トカイ」です。日本では食後に甘いデザートを食べる習慣があまりありません。一方、フランスでは男女を問わず、デザートが大好き。フレンチのコースを構成するメイン料理と同じぐらい大事な一皿がデザートです。日本の男性がパスするなんて、信じられない!というのが彼らの感想です。

お好みで、フォワグラやメイン料理の後のフロマージュに合わせても良いでしょう。なかでも、塩気を持つ香りの強いブルーチーズとは抜群。料理とワインの相性には、互いの強い個性をぶつけあうことで引き出される第3の味わいがあります。日本の、お汁粉に塩昆布という組み合わせがあるように、甘口ワインにブルーチーズは絶妙なバランス。これまでにない食体験になるかもしれません。個人的には、スライスしたリンゴとブルーチーズ、そこにナッツ、ハチミツのお供もオススメです。

聞きなれないボルドーワイン産地の名前が多く、すぐには頭には入らないことでしょう。ここでは、赤だけでないボルドーの産地の懐の深さを感じていただけたら嬉しく思います。レストランに行った際には、ボルドー産のすっきりした白ワインや、時には甘口の貴腐ワインがあれば、グラスワインで気軽に楽しんでみるのも素敵ですね。

オススメワイン インデックス

シャトー・リューセック 2018
ソーテルヌの貴腐ワイン。力強さと豊かさ、深みのある美しい黄金色に輝き、魅惑的な香りが忘れられない記憶に。「ソーテルヌ第1級格付け」を持つシャトーの中でもトップクラスの人気と実力を誇ります。また、1984年以降、ボルドーを代表する赤ワインで名前が知られるシャトー・ラフィット・ロートシルトと同じロートシルト家が所有し、ますます高い評価を得ています。
ブドウ品種:セミヨン 75%、ソーヴィニヨン・ブラン 25%
トカイ・アスー 5プットニョシュ 2012 ドメーヌ・ディズノク
ハンガリーを代表する貴腐ワイン。ソーテルヌとならび、世界三大貴腐ワインの一つとして高い人気を持ちます。長い歴史を誇る名産地ですが、一時期は凡庸なワインしか造られない時代もありました。
1992年、フランスの保険会社AXAミレジムが所有し、大規模な投資が行われ本来の秀逸なワインに。色調は黄金色で、白い花や南国系フルーツ、ハチミツの風味が広がります。豊かさ、複雑さに圧倒されるでしょう。
ブドウ品種:フルミント75%、ハールシュレヴェリー15%、ゼータ10%

※当コラムは、著者個人の見解に基づくものであり、東急リバブルの公式発表や見解を表すものではございません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。

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