ざっくり要約!
- 元利均等返済は、金利が一定であれば毎月の返済額が変わらない返済方式
- 元金均等返済は、毎月返済する元金の金額が一定となる返済方式
住宅ローンを組む予定の方のなかには「元利均等返済と元金均等返済のどちらを選べばよいかわからない」と悩む方も少なくありません。
両者は返済の仕組みや家計への影響が異なり、自身の状況に合わない返済方法を選ぶと、将来的な負担増加につながるおそれがあります。
この記事では元利均等返済と元金均等返済の違いや、メリット・デメリット、向いている方の特徴を解説します。双方の比較シミュレーションについても紹介するので、これから住宅ローンを検討している方はぜひ参考にしてください。
記事サマリー
元利均等返済と元金均等返済の違い

住宅ローンの返済方式には、主に「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
どちらを選ぶかによって、毎月の返済額や総返済額、将来の家計負担に違いが生じるため、仕組みや特徴を理解したうえで検討する必要があります。
以下で元利均等返済と元金均等返済の主な違いを表にまとめました。
| 元利均等返済 | 元金均等返済 | |
| 月々の返済額 | 常時一定している | 借入当初は大きく徐々に減少していく |
| 総返済額 | 元金均等返済よりも多い | 元利均等返済よりも少ない |
| 借入可能額 | 元金均等返済よりも多い | 元利均等返済よりも少ない |
| 5%ルール・125%ルール | 適用される(※変動金利) | 適用されない |
そのうえで次項では、それぞれの仕組みやメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
| ・「住宅ローンの選び方」に関する記事はこちら 住宅ローンの選び方はコレ!基礎知識・選ぶポイント・4つの手順 |
元利均等返済の仕組みとメリット・デメリット
元利均等返済は、金利が一定であれば毎月の返済額が変わらない返済方式です。
返済当初は利息分の割合が高くなるため、元金は緩やかに減っていきます。
その後、返済が進むにつれて元金の割合が高まり、借入残高の減少スピードは徐々に早まります。
以下で元利均等返済のメリット・デメリットについてみていきましょう。
メリット
元利均等返済を利用するメリットは主に次の2つです。
- 毎月の返済額が変わらないため、資金計画を立てやすい
- 元金均等返済に比べ、当初の返済負担が少ない
元利均等返済は、返済期間を通じて毎月の返済額が一定となるため、家計の見通しを立てやすい点が特徴です。
住宅ローン以外にも生活費や教育費などの支出があるなかで、返済額が変動しないことは家計管理のしやすさにつながります。
また、返済初期の金額が元金均等返済よりも低く設定されていることから、購入直後の返済負担を抑えたい方にも利用しやすい返済方式です。
デメリット
一方で、元利均等返済には次のようなデメリットが存在します。
- 返済当初は利息割合が高いため、元金がなかなか減らない
- 返済総額が多くなる
元利均等返済は、返済開始直後は利息の割合が高いため、借入残高が減るペースが遅くなります。
その結果、元金均等返済と比べると返済総額が多くなる点に注意が必要です。
こうした特徴を踏まえると、自己資金が増えたり、家計に余裕が出てきたりしたタイミングで繰り上げ返済を活用することもひとつの方法です。
繰り上げ返済を行なって元金を減らすことで、その後に発生する利息負担を軽減できます。
元金均等返済の仕組みとメリット・デメリット
元金均等返済は、毎月返済する元金の金額が一定となる返済方式です。これに借入残高に応じた利息分を上乗せして返済額が決まります。
そのため、毎月の返済額は一定ではなく、返済当初は返済額が高く、返済が進むにつれて徐々に減っていく仕組みです。
次項で元金均等返済のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
メリット
元金均等返済の主なメリットは次の2つです。
- 毎月の返済額が徐々に少なくなっていく
- 元利均等返済と比べ、総返済額が少ない
元金均等返済は、返済が進むにつれて利息の負担が軽くなるため、毎月の返済額が徐々に下がっていく点が特徴です。
将来的に住宅ローン以外の支出が増える局面でも、返済額が下がっていくことで家計への影響を抑えやすくなります。
また、毎月一定額の元金を返済することで借入残高が早く減り、元利均等返済よりも総返済額が抑えられる点もメリットです。
デメリット
一方で元金均等返済には以下のようなデメリットがあります。
- 返済開始当初の返済負担が重い
- 取扱いのない金融機関もある
元金均等返済では、返済開始当初は借入残高が多く利息部分も大きいため、毎月の返済額が高くなります。
そのため、収入や家計に十分な余裕がない場合は、返済開始当初に家計が圧迫されてしまうおそれがあります。
また、金融機関によっては元金均等返済に対応しておらず、選択肢が限定されてしまう点もデメリットのひとつです。元金均等返済を検討する場合は、希望する金融機関で取り扱っているかをあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
元利均等返済に向いている人・元金均等返済に向いている人

金融機関によっては元金均等返済を取り扱っていないこともあり、必然的に元利均等返済を選ぶ機会が多くなります。
とはいえ、返済方式にはそれぞれ特徴があり、可能であれば自身の収入状況や将来のライフプランに合った方法を選びたいところです。
ここでは、元利均等返済と元金均等返済に向いている方の特徴をみていき、あわせて返済方式を選ぶ際のポイントについても解説します。
元利均等返済が向いている人
元利均等返済は主に以下のような方に向いている返済方式です。
- 返済当初の金額を抑えたい人
- 毎月の返済額を一定にしたい人
元利均等返済は、返済開始直後の負担を抑えやすく、毎月の返済額が変わらない点が特徴です。たとえば、住宅購入後に子どもが生まれ、これから教育費や生活費が増えていく家庭では、返済額が一定であることで家計の見通しを立てやすくなります。
また、年収がまだ高くない段階で住宅ローンを組む場合でも、返済当初の負担を抑えられるため、無理なく返済を続けられます。収支のブレを抑えながら計画的に貯蓄や資産形成を進めたい方にとっても、有利な返済方式となるでしょう。
元金均等返済が向いている人
一方で元金均等返済は次のような方に向いています。
- 借入当初の返済額に耐えられる収入がある人
- 総返済額を抑えたい人
たとえば、一定の収入があり返済開始直後の負担に対応できる方や、子育てが一段落して生活費に余裕がある世帯であれば、比較的無理なく利用できるでしょう。その後は返済が進むにつれて利息負担が軽くなり、毎月の返済額は元利均等返済よりも抑えられます。
また、借入初期の返済額は大きくなるものの、利息総額を抑えやすいことから、月々の返済額の安定性より返済総額を重視したい方にも適しているでしょう。
どちらを選ぶべき?選び方のポイント
返済方式を選ぶ際のポイントは、毎月の返済額だけを比較するのではなく、将来のライフプランを踏まえて総合的に判断することです。
たとえば共働き世帯であっても、将来的に子どもが生まれたり、育児・介護などを理由に一時的に片働きになったりするケースも考えられます。
夫婦のどちらか一方の収入を中心に家計を支えている場合は、病気やケガなどで働けなくなる事態も想定しておく必要があるでしょう。
そのうえで、実際の借入額や金利をもとに元利均等返済と元金均等返済それぞれの返済額をシミュレーションし、無理のない返済計画を立てることが重要です。後述する比較シミュレーションも参考にしながら検討してみてください。
| ・「年収400万円の適切な住宅ローン借入額」に関する記事はこちら 年収400万円の適切な住宅ローン借入額はいくら?無理なく返済できる借入額を紹介 ・「年収600万円の適切な住宅ローン借入額」に関する記事はこちら 年収600万円の適正な住宅ローン借入額はいくら?無理なく返せる借入額を紹介 ・「年収800万円の適切な住宅ローン借入額」に関する記事はこちら 年収800万円の適正な住宅ローン借入額はいくら?頭金の目安と返済シミュレーションも紹介 |
元利均等返済・元金均等返済の違いがわかる比較シミュレーション

元利均等返済と元金均等返済のどちらが自分の家計に合っているのかは、多くの方が悩むポイントです。
そこでここでは、借入条件をそろえたうえで、それぞれの返済方法についてシミュレーションを行い、返済額や総返済額の違いを確認していきます。
| ・「住宅ローンは年収の何倍が理想?」に関する記事はこちら 住宅ローンは年収の何倍が理想なのか?借入可能額と返済可能額の違いとは |
元利均等返済のシミュレーション
次の条件で、元利均等返済を選択した場合の返済シミュレーションをみていきましょう。
- 借入額:4,000万円
- 金利:1%
- 返済期間:35年
| 毎月の返済額 | |
| 1カ月目 | 11万2,914円 |
| 10年目 | |
| 20年目 | |
| 返済総額 | 4,743万7,999円 |
| 利息総額 | 743万7,999円 |
※融資実行日の変更等により返済総額が変動する場合があります
この条件で元利均等返済を選択すると、毎月の返済額は1カ月目から完済まで11万2,914円と一定です。
返済開始から10年目、20年目以降も返済額は変わらず、家計の見通しを立てやすいことがわかります。
元金均等返済のシミュレーション
続いては元金均等返済をみていきましょう。条件は先ほどと同じ内容でシミュレーションしています。
| 毎月の返済額 | |
| 1カ月目 | 14万2,817 円 |
| 10年目 | 11万9,047 円 |
| 20年目 | 10万9,523 円 |
| 返済総額 | 4,703万709円 |
| 利息総額 | 703万709円 |
※融資実行日の変更等により返済総額が変動する場合があります
この条件で元金均等返済を選択した場合、1カ月目の返済額は14万2,817円となり、元利均等返済よりも約3万円高くなります。
ただし、返済が進むにつれて利息負担が軽くなるため、返済額は徐々に減少し、20年目には10万9,523円まで下がります。20年目時点では、元利均等返済よりも毎月の返済額が抑えられていることがわかります。
また、利息総額は703万709円となり、元利均等返済と比べて約40万円利息を抑えられる見込みです。
金利変動と元金均等返済・元利均等返済の関係

住宅ローンの金利タイプには、市場金利の動向によって適用金利が変わる「変動金利」と、一定期間は金利が変わらない「固定金利」があります。
変動金利を選択した場合、返済方式によって金利変動時の影響の受け方や制度の扱いが異なります。
金利変動時の元利均等返済と元金均等返済の違いは、以下の表のとおりです。
| 元利均等返済 | 元金均等返済 | |
| 5年ルール | 適用あり | 適用なし |
| 125%ルール | 適用あり | 適用なし |
| 金利上昇時の影響 | 利息の割合が増え、元金が減りにくい | 影響は比較的少ない |
元利均等返済で変動金利を利用している場合、金利が変わっても原則として5年間は毎月の返済額は変わりません。また、返済額が見直される際にも、従来の返済額の125%までという上限が設けられています。
ただし、金利が上昇すると返済額に占める利息の割合が増えるため、元金の減りが鈍くなり、借入残高がなかなか減らない状況が生じます。
一方、元金均等返済の場合は5年ルールや125%ルールは適用されません。
そのため、金利が上昇した場合はその影響が毎月の返済額に直接反映されます。ただし、毎月返済する元金は一定であるため、金利が上昇しても元金の減り方が大きく鈍る状況は生じにくいです。
反対に、金利が下がった場合には利息負担が軽くなり、返済額が下がる可能性があります。
| ・「変動金利」に関する記事はこちら 住宅ローンの変動・固定金利の推移は?今後の選択ポイントを解説 ・「住宅ローンの5年ルール」に関する記事はこちら 住宅ローンの5年ルールはどう計算される?金利が上昇するとどうなる? |
住宅ローン控除と元利均等返済・元金均等返済の関係

住宅ローン控除は、一定条件を満たすことで、入居した年から最長13年間にわたり、年末時点の住宅ローン残高の0.7%分が所得税から控除される制度です。
所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一定額が控除されます。
返済方式との関係をみると、元利均等返済は返済当初の元金の減りが緩やかなため、年末時点のローン残高が多く残りやすく、住宅ローン控除の面では有利といえるでしょう。
一方、元金均等返済は元金の減少ペースが早いため、年末残高が小さくなり、控除額は相対的に少なくなります。
ただし、住宅ローン控除の有利・不利は、金利水準や借入期間、控除を受けられる税額などによっても変わります。
返済方式だけで判断せず、総返済額や家計への影響も含めて総合的に判断することが重要です。
| ・「住宅ローン控除」に関する記事はこちら 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)で税金はいくら戻る?要件や手続き方法を解説 |
元利均等返済・元金均等返済のどっちにするか迷ったときの相談先

住宅ローンについて相談できる窓口は複数あります。元利均等返済と元金均等返済のどちらを選ぶべきか迷った場合は、それぞれの返済方式の特徴を踏まえたうえで、第三者の意見を参考にすることも有効です。
ここでは、返済方式を選択する際に活用しやすい相談先を紹介します。
金融機関
住宅ローンを取り扱う金融機関では、無料で相談できる窓口を設けているケースが多く、元利均等返済と元金均等返済のどちらにするか迷った場合にも相談が可能です。
金融機関を相談先として活用するメリットは、次のとおりです。
- 実際の条件を踏まえたうえで相談できる
- 相談からローンの申し込みまで一連の流れで対応してもらえる
金融機関では、利用者の年収や借入希望額、返済期間などの具体的な条件をもとに、返済方式ごとの返済額をシミュレーションしてもらえます。
また、返済方式の検討からローン商品の選定、申し込みまでをまとめて進められる点も特徴です。
ただし、金融機関は自社の住宅ローン商品を案内する立場であるため、他の金融機関の商品と比較した提案が受けにくい点に注意が必要です。
不動産仲介会社
不動産仲介会社でも、住宅購入とあわせて住宅ローンの相談をできるケースがあります。
物件探しと並行して住宅ローンの相談を進められることが多く、購入価格や諸費用を踏まえた現実的な相談が可能です。
不動産仲介会社を活用するメリットは、次のとおりです。
- 住宅ローンに詳しい担当者が在籍している、または専門家と連携している
- 購入予定の物件情報を把握しており、前提条件を踏まえた相談がしやすい
不動産仲介会社では、複数の提携先を持っていることが多く、条件を比較しながら検討できる点が特徴です。
一方で不動産仲介会社によっては、住宅ローンに関する専門性に差が出やすく、5年ルールや125%ルールといった制度面まで踏み込んだ知識が十分でない場合もあります。
もし返済方式や制度面について不安がある場合は、不動産仲介会社が提携している専門家に相談し、内容を確認しておくと安心です。
| ・「住宅ローンは何歳まで組める?」に関する記事はこちら 住宅ローンは何歳まで組める?借入時の平均年齢と年代別の注意点 ・「住宅ローンを一括返済できない家の売却」に関する記事はこちら 住宅ローンを一括返済できない家を売却するにはどうすればいい? 対処法と注意点を解説 |
まとめ
元利均等返済は毎月の返済額が一定で家計管理がしやすい返済方式です。一方の元金均等返済は返済当初の負担は大きいものの、元金の減りが早く総返済額を抑えやすい返済方式となります。
返済当初の負担を抑えたい場合や家計管理のしやすさを重視するなら元利均等返済、当初の返済額が高くなっても利息を抑えたい場合は元金均等返済が有効な選択肢となるでしょう。
また、返済方式は金利タイプや住宅ローン控除との関係、将来の収入変動も含めて総合的に検討することが重要です。比較シミュレーションや相談窓口を活用しながら、自身のライフプランに合った返済方式を選択してください。
この記事のポイント
- 元利均等返済と元金均等返済はどっちがいい?
どちらもメリット・デメリットがあるため、毎月の返済額と総返済額を比較してライフプランに合ったものを選ぶのがおすすめです。
元利均等返済は毎月返済額が一定で家計管理しやすい反面、総支払額が多くなりがちです。
一方で元金均等返済は総支払額は少なくなりますが、当初の返済額が高く家計負担が大きくなりやすい傾向があります。
詳しくは「元利均等返済と元金均等返済の違い」をご覧ください。
- 元利均等返済に向いている人は?
元利均等返済は、返済当初の金額を抑えたい人、毎月の返済額を一定にしたい人に向いています。
詳しくは「元利均等返済に向いている人・元金均等返済に向いている人」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
住宅ローンの返済方式で迷った場合は、金融機関や不動産仲介会社だけでなく、外部のファイナンシャルプランナー(FP)に相談する方法もあります。特定の金融機関に属さないFPであれば、家計状況や将来のライフプランを踏まえた中立的な視点から助言を受けられます。返済方式の選択に不安がある場合は、第三者の意見を取り入れることで、より納得できる選択がしやすくなるでしょう

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