ざっくり要約!
- 北欧住宅とは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークなど、ヨーロッパ北部の国々に見られる住宅を指す
- 北欧住宅は、高気密・高断熱・高耐久で、シンプルなデザインや大きな屋根が特徴
三角屋根に木製窓、シンプルでおしゃれなデザインが特徴的な「北欧住宅」。北欧への憧れから、北欧住宅を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
北欧住宅はデザイン性のみならず、高気密・高断熱・高耐久と住宅性能の高さも魅力です。この記事では、北欧住宅の特徴やメリット・デメリット、日本の風土との相性について解説します。
記事サマリー
北欧住宅とは?
北欧住宅とは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークなど、ヨーロッパ北部の国々に見られる住宅を指します。厳しい寒さに耐える断熱性や気密性の高さ、独自のデザイン性を有していることが特徴です。
また北欧では、家はメンテナンスをしながら親から子へと受け継いでいくのが一般的です。耐久性の高さやメンテナンスしやすいシンプルな構造も特徴となっています。
北欧住宅の特徴
北欧住宅には、厳しい気候条件から生まれた特徴があります。これらの特徴は機能性とデザイン性を両立させており、日本でも注目を集めています。
高気密・高断熱
北欧は、夏は快適に過ごせる気候ですが、冬はマイナス10℃から20℃と厳しい寒さになります。このような気候に耐えるために、古くから住宅には高気密・高断熱が求められてきました。
北欧住宅の断熱材は、外壁の枠組みに隙間なく充填され、さらに室内側と外壁側にも断熱材が追加されます。断熱材は合わせて3層となり、この厚みのある断熱材が高断熱を実現しています。
また、断熱性を左右する窓は、熱伝導率の低い木製サッシに3層ガラスが一般的です。北欧住宅でよく見られる回転窓は、気密性が高いという特徴もあります。
| ・「気密・断熱」に関する記事はこちら 高気密・高断熱の家に住む際のポイントは?エアコンの使い方も紹介 断熱等級とは? 省エネ基準と新設された等級5・6・7は何が違う? |
高耐久
北欧では、ひとつのものを受け継ぎながら、長く大切に使う文化が根付いています。家も例外ではなく、親から子へと受け継がれ、北欧では築100年という家もめずらしくありません。
家を長持ちさせるには、構造躯体が健全であることが重要です。北欧住宅で使われる木材は含水率の低いものが選ばれ、構造躯体が劣化しにくく、強度が高い状態を維持します。
シンプルなデザイン
北欧住宅は長く住めるように、メンテナンスを重視したシンプルな構造になっています。また、北欧は林業が盛んなこともあり、木をふんだんに使用した内装も特徴です。
木と調和するナチュラルカラーやアースカラーといったシンプルな色合いが主体で、全体的に温かみを感じられるデザインとなっています。
大きな屋根と大きな窓
大きな三角屋根は、北欧住宅を象徴するデザインです。屋根に雪が積もらず滑り落ちるようにするための機能的な工夫ですが、意匠としても優れています。
また、北欧は日照時間が短く、採光できる時間が貴重です。そのため、できるだけ多くの光を取り入れられるように、窓を大きくしたり、配置を工夫したりしています。
自然との調和
北欧住宅は、自然素材を多く取り入れ、人工的な素材はできるだけ使わないことも特徴です。屋外にはウッドデッキを設置し、室内にも木を多用します。屋内外のデザインに一体感をもたせ、自然との調和も図っています。
| ・「北欧」を含む物件一覧はこちら |
北欧住宅のメリット

北欧住宅は、高気密・高断熱という特徴から光熱費削減を期待できます。また、シンプルな内装は、家具やインテリアが映えるので飽きが来ません。
光熱費削減に期待できる
北欧住宅の最大のメリットは、断熱性・気密性・省エネ性の高さです。外気の影響を受けにくい構造により、冷暖房効率が良く、年間を通じて光熱費の削減を期待できるでしょう。
また、省エネ住宅であることは環境負荷の軽減にもつながり、持続可能な住まいの実現にも貢献します。
家具やインテリアが映える
北欧住宅は、フローリングや建具に無垢材が使われており、木やアースカラーが主体となったシンプルな内装が特徴です。家具やインテリアが美しく映えるベースが整っているともいえるでしょう。
シンプルな内装は、アクセントで色や柄を取り入れたりしながら、変化のある部屋作りを楽しむことができます。
開放感のある暮らしができる
北欧住宅は、吹き抜けを取り入れることが多く、開放感のある間取りが特徴です。採光のために窓が大きくなっているので、家全体が明るく、風も良く通ります。
また、自然素材を多く取り入れ、フローリングは無垢材を使用しているため、素足で気持ちよく過ごすことができます。
北欧住宅のデメリット
北欧住宅は魅力的な住まいですが、建築費が高く、メンテナンスに手間がかかります。
建築費が高い
高気密・高断熱の新築住宅は、一般的な住宅と比較して建築費が高い傾向にあります。
さらに北欧住宅は、無垢フローリングや木製サッシなど、内外装に自然素材を多く取り入れるため、それも建築費を押し上げる要因になっています。
また、中古住宅として流通している北欧住宅の物件も、性能の高さや希少性から相場より高い価格で取引される可能性があるでしょう。
特別なメンテナンスが必要なことも
北欧住宅には、木製窓や薪ストーブなど、日本の住宅にはあまり見られない設備が採用されることがあります。
木製の窓枠や玄関ドア、ウッドデッキなどは、紫外線によって劣化することがあり、定期的な塗装が必要です。
薪ストーブは、シーズンオフの際に清掃や点検を行う必要があります。部材の交換、サビの除去や補修、煙突掃除など、メンテナンスに手間や費用がかかることを理解した上で導入することが大切です。
北欧住宅は日本の風土に合わない?
北欧の厳しい寒さにも耐える高断熱住宅は、日本の風土に適しているのでしょうか。過剰と感じる方もいるかもしれません。
しかし、日本でも夏と冬では大きな寒暖差があり、北欧住宅の高い断熱性と気密性は、日本の住宅にとっても大きなメリットがあります。
また、断熱性は冬だけに必要なものではありません。夏は暑い日射熱が室内に入るのを防ぎ、冷房効率を上げることにもつながります。高断熱が過剰になることはないと考えて良いでしょう。
断熱の目的は「暖める」ことだけではない
断熱の目的は、夏の日射熱を遮り、冬は暖めた熱を逃がさないことにあります。高断熱住宅は冷暖房効率を上げ、光熱費を削減することが大きな役割です。
しかし、断熱の目的はそればかりではありません。家の中の温度差がなく、均一に保たれた状態は、命を守ることにもつながります。高断熱住宅は、以下のような疾患や事故を防ぐ効果を期待できます。
- ヒートショックの防止
- 高血圧症の防止
- 循環器疾患の予防
- 熱中症の予防
日本でも省エネ意識が高まっている
先進国の中でも住宅の省エネ化が遅れていた日本ですが、温暖化や気候変動などを鑑み、省エネに対する意識は日本でも高まっています。
国では、2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出実質ゼロ)を目指し、2025年4月から原則すべての新築住宅に省エネ基準適合を義務付けました。
新たに建てられる住宅には、断熱等性能等級4以上が求められ、なおかつ一次エネルギー消費量等級4以上であることも求められます。これは、高気密・高断熱であることに加え、冷暖房や給湯などのエネルギー消費を抑える性能も求めるものです。
| ・「省エネ基準適合義務化」に関する記事はこちら 2025年4月省エネ基準適合義務化スタート!4号特例縮小の影響は? |
資産価値の維持にも期待できる
先に述べた省エネ基準適合義務化は、現時点で最低限必要とされるもので、断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級は、段階的に引き上げられることが決まっています。
2030年には、省エネ基準がZEH水準である断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級5に適合義務化される予定です。さらに等級6、等級7へと住宅市場全体が高水準を求めることも予想されます。省エネ性能の高い北欧住宅は、住まいの資産価値維持という観点からも期待ができるでしょう。
まとめ
北欧住宅とは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークなど、ヨーロッパ北部の国々に見られる住宅を指します。高気密・高断熱、シンプルなデザイン性が主な特徴となっています。
北欧住宅は省エネ性が高く、光熱費の削減効果を見込めることがメリットです。省エネ基準適合が義務化された今、日本においても検討する価値が高い住まいといえるでしょう。
| ・「北欧」を含む物件一覧はこちら |
この記事のポイント
- 北欧住宅とはどのような住宅ですか?
北欧住宅とは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークなど、ヨーロッパ北部の国々に見られる住宅を指します。厳しい寒さに耐える断熱性や気密性の高さ、独自のデザイン性を有していることが特徴です。
詳しくは「北欧住宅とは?」をご覧ください。
- 北欧住宅はどのような特徴がありますか?
北欧住宅には、厳しい気候条件から生まれた特徴があります。これらの特徴は機能性とデザイン性を両立させており、日本でも注目を集めています。
詳しくは「北欧住宅の特徴」をご覧ください。
- 北欧住宅は日本風土に合うのでしょうか?
日本でも夏と冬では大きな寒暖差があり、北欧住宅の高い断熱性と気密性は、日本の住宅にとっても大きなメリットがあります。
詳しくは「北欧住宅は日本の風土に合わない?」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
室温と健康は関係が深く、冬の室温は18℃以上にすることをWHO(世界保健機関)では強く勧告しています。室温が下がると、血圧が上がって高血圧症になったり、足元が冷えて血流低下が起きたりすることも。様々な疾患を招く原因になります。また、室温18℃未満の場合は、入浴温度を高める傾向にあり、温度差によるヒートショックの危険性も指摘されています。家全体が暖かく快適に過ごせる北欧住宅は、健康面でもメリットの多い住まいといえるでしょう。

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