マンション売却,仲介業者の,選び方
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マンション売却の不動産仲介業者の選び方を徹底解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 不動産会社は、購入希望者の対応・案内や、物件を高く売るための戦略立案など、マンション売却において重要な役割を担っています。
  • 不動産会社の大手は集客力やブランド力、中小は地域情報への詳しさや柔軟な対応が強みのため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
  • 良い不動産会社を選ぶには、売却したいエリアや物件種別の実績、担当者の専門性や人柄、査定額の根拠や売却戦略を比較検討することが重要です。

マンションの売却を成功させるには、信頼できる不動産仲介会社を選ぶことが欠かせません。ただし、不動産会社は数多く存在しており、どこに依頼するべきか迷う方も多いでしょう。仲介業者の選び方を誤ると、希望の価格で売れなかったり、売却までに時間がかかったりすることもあります。

この記事では、マンション売却における不動産会社の役割をはじめ、大手と中小規模の会社の特徴、仲介会社を選ぶ際のポイントや注意点について詳しく解説します。ご自身の状況に合った仲介会社を見つけるための参考として、ぜひご活用ください。

マンション売却における不動産会社の役割

マンション売却において、不動産会社は単に買い手を見つけるだけでなく、専門的な知識を活かして売主を多角的にサポートする役割を担います。具体的にどのような業務を行っているのかを見ていきましょう。

  • トラブルのない売買をサポート
  • 購入希望者の対応・案内
  • マンションを高く売るための戦略立て

トラブルのない売買をサポート

不動産会社は、売買契約書の作成や重要事項説明書の準備など、専門的な知識が不可欠な法的手続きをサポートします。不動産取引には複雑な法律や規制が関わるため、書類に不備があると、後々買主との間で大きなトラブルに発展しかねません。

特に、2020年4月の民法改正で導入された契約不適合責任では、売主は買主に対して契約内容に適合した物件を引き渡す義務を負います。信頼できる不動産会社に依頼することで、こうした法的なリスクを回避し、安心して取引を進めることが可能です。

購入希望者の対応・案内

不動産会社は、売主の代理人として、購入希望者への対応全般を担います。具体的には、問い合わせへの対応、内覧の日程調整や当日の案内、価格交渉などが含まれます。

これらの業務を売主が個人で行うのは、時間的にも精神的にも大きな負担です。不動産会社に任せることで、売主は手間を省き、スムーズな売却活動が期待できます。

マンションを高く売るための戦略立て

物件の価値を最大限に引き出し、より良い条件で売却するための戦略を立てることも、不動産会社の重要な業務です。周辺の相場や最近の取引事例、物件の特性などを分析し、客観的なデータに基づいた適正な査定価格を算出します。

そのうえで、売り出しのタイミングや、効果的な広告方法などを盛り込んだ具体的な販売計画を立案します。経験豊富な不動産会社は、物件の魅力を引き出すアドバイスをしてくれます。的確な売却戦略があることで、希望に近い価格での早期売却がしやすくなるでしょう。

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大手?中小?不動産会社はどこがいい?

不動産会社は、全国的に事業を展開する「大手」と、特定の地域に根差して営業する「中小規模」の会社に大別されます。

それぞれに異なる強みや特徴があるため、どちらが良いとは一概にはいえません。ご自身の状況や売却する物件に合わせて選ぶことが重要です。

大手不動産会社の特徴

大手不動産会社は、テレビCMなどでも知られる高い知名度と、全国に広がる店舗網が大きな特徴です。豊富な資金力を背景とした大規模な広告宣伝活動により、多くの購入希望者の目に触れる機会が多く、高い集客力が期待できます。

また、これまでの膨大な取引データに基づいた精度の高い査定や、社員教育が行き届いていることによる安定したサービス品質もメリットです。

一方で、担当者の異動があったり、マニュアルに沿った画一的な対応になったりする可能性も考えられます。ブランド力による安心感や、幅広い集客力を重視する方に向いているといえるでしょう。

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中小規模の不動産会社の特徴

中小規模の不動産会社は、特定のエリアに特化した「地域密着型」であることが多いです。その地域の相場や住民の特性、生活情報などに精通しており、大手にはない独自のネットワークを持っている場合があります。

社長自らが営業の第一線に立つことも少なくなく、顧客一人ひとりに対して柔軟できめ細やかな対応が期待できるのが魅力です。

ただし、広告宣伝力は大手に及ばないケースが多く、会社の力量が担当者の能力に大きく左右される傾向もあります。売却するエリアの地域性を重視したい方や、担当者と密に連携を取りながら売却を進めたい方におすすめです。

マンション売却における不動産会社選びのポイント

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マンション売却の成功は、パートナーとなる不動産会社選びにかかっているといっても過言ではありません。ここでは、不動産会社を選ぶ際の3つのチェックポイントを解説します。

  • 実績
  • 担当者の人間性や専門性
  • 査定額の根拠・売却戦略

実績を見る

不動産会社を選ぶ際には、まずその会社の実績を確認することが重要です。特に、売却したいマンションと同じエリアや、類似した物件種別の取引実績が豊富かどうかをチェックしましょう。実績が豊富な会社は、その地域での売却ノウハウや顧客情報を蓄積している可能性が高いです。

会社のウェブサイトで公表されている取引件数や成約事例を確認するほか、査定を依頼した際に担当者に直接質問してみるのもよいでしょう。地域に根差した売却活動を得意とする会社であれば、より効果的な販売戦略が期待でき、早期かつ高値での売却につながりやすくなります。

担当者の人間性や専門性もチェック

マンション売却では、不動産会社の担当者と長期間にわたって密に連携を取ることになります。そのため、担当者の専門知識やスキルはもちろん、誠実さや相性といった人間性も重要な判断基準です。

質問に対して的確に答えられるか、売主の不安や要望に寄り添った対応をしてくれるか、連絡がスムーズかといった点を確認しましょう。信頼関係を築ける担当者であれば、些細なことでも相談しやすく、安心して売却活動を任せられます。

査定額の根拠・売却戦略を比較する

複数の不動産会社に査定を依頼すると、提示される査定額は会社によって異なります。単純に最も高い金額を提示した会社を選ぶのではなく、その金額がどのような根拠に基づいて算出されたのかを確認することが大切です。

周辺の取引事例や市場動向など、客観的なデータに基づいた明確な説明があるかどうかがポイントです。

また、査定額と合わせて、どのような販売活動を行い、いつまでに売却を目指すのかといった具体的な売却戦略を提示してくれるかも確認しましょう。納得感のある説明と戦略を提示してくれる会社を選ぶことが、適正価格での売却につながります。

マンションを好条件で売りたいならこんな仲介業者には注意!

良い仲介業者を選ぶ一方で、注意すべき業者の特徴も知っておくことが大切です。一部の不誠実な業者と契約してしまうと、売主が不利益を被る可能性があります。特に注意したい3つのポイントについて解説します。

  • 高預かりしようとする仲介業者
  • 囲い込みしようとする仲介業者
  • 売主の意向を聞かない仲介業者

高預かりしようとする仲介業者

「高預かり」とは、仲介業者が媒介契約を結びたいがために、相場よりも著しく高い査定額を提示して売主の期待を煽る行為です。売主は高い価格で売れると期待して契約しますが、実際にはなかなか買い手が見つかりません。

その結果、業者は「この価格では売れない」と大幅な値下げを提案してきます。結局、売却までに時間がかかり、最終的には相場より安い価格で手放すことになるケースも少なくありません。査定額を提示された際は、その根拠をしっかりと確認し、高すぎる金額には注意が必要です。

囲い込みしようとする仲介業者

「囲い込み」とは、仲介業者が売主と買主の双方から仲介手数料を得る「両手仲介」を狙うために、他の不動産会社からの購入希望者の紹介を意図的に断る行為です。

売主から売却依頼を受けた物件情報を、他の業者に公開しない、あるいは紹介があっても「すでに申し込みが入っている」などと嘘をついて断ってしまいます。

囲い込みをされると、売却の機会が大幅に減少し、売却期間が長引いたり、値下げを余儀なくされたりする可能性があります。判断は難しいですが、仲介手数料が無料や極端に安いことをうたう業者には、このようなリスクが潜んでいる場合もあるため、慎重に検討する必要があります。

売主の意向を聞かない仲介業者

不動産会社の担当者が、売主の意見や希望を尊重せず、一方的に売却活動を進めようとする場合も注意が必要です。たとえば、売主が希望していない値下げを強引に迫ったり、売却を急がせようとしたりするケースが挙げられます。

売却の主役はあくまで売主です。信頼できる担当者は、売主の状況や考えを丁寧にヒアリングし、専門家としてのアドバイスを交えながら、二人三脚で売却のゴールを目指してくれます。コミュニケーションが一方通行だと感じたり、不信感を抱いたりした場合は、その業者との契約は見送るのが賢明でしょう。

不動産会社選びで失敗しないために必要なこと

より良い条件での売却や、スムーズな取引をおこなうには、業者選びの段階で押さえておきたいポイントがあります。ここでは、不動産会社選びで失敗しないために大切なことを3つ紹介します。

  • 複数社を比較する
  • 相場感などを養っておく
  • スケジュールに余裕を持つ
  • 不動産売却の知識を身につけておく

複数社を比較する

不動産会社を選ぶ際は、必ず複数の会社に査定を依頼し、比較検討することが基本です。1社だけの査定では、その価格や提案内容が適正なのかを客観的に判断できません。

複数の会社から話を聞くことで、査定額の相場観がわかるだけでなく、各社の強みや担当者の対応の違いも見えてきます。手間はかかりますが、最低でも3社程度を比較することをおすすめします。

査定額の高さだけでなく、担当者の専門性や誠実さ、提案される売却戦略などを総合的に評価し、最も信頼できると感じた会社をパートナーに選びましょう。

相場感などを養っておく

不動産会社と対等に話を進めるためには、売主自身もある程度の相場観を養っておくことが大切です。事前に不動産ポータルサイトなどで、自分のマンションと似た条件の物件がいくらで売り出されているかを調べておきましょう。

相場を知っておくと、不動産会社が提示する査定額が妥当な範囲内かを判断しやすくなります。担当者の説明を鵜呑みにせず、自分なりの基準を持つことで、より的確な判断ができるようになり、不利な条件での契約を防ぐことにつながります。

スケジュールに余裕を持つ

マンションの売却活動は、一般的に4〜5ヶ月程度の期間がかかるといわれています。売却を急ぐあまり、焦って不動産会社を決めてしまうと、十分な比較検討ができずに後悔する可能性があります。

また、売却期間が短いと、値下げ交渉に応じざるを得なくなるなど、不利な状況に陥りがちです。売却を決意したら、まずは全体のスケジュールを把握し、不動産会社選びから売却完了まで、時間に余裕を持った計画を立てることが重要です。

不動産売却の知識を身につけておく

不動産会社にすべてを任せきりにするのではなく、売主自身も最低限の知識を持っておくことで、より納得のいく売却がしやすくなります。とくに、マンションの売却では大きな金額が動くため「知らなかった」ことが思わぬ損失やトラブルにつながることもあります。
たとえば、媒介契約の種類や売却にかかる費用、税金といった基本的な知識を知っておくと、営業担当者の説明も理解しやすくなります。不動産会社の提案が本当に自分に合っているのかを冷静に見極めるためにも、一定の知識を身につけておくことは非常に有効です。

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まとめ

マンション売却を成功させるには、信頼できる不動産会社を選ぶことが不可欠です。不動産会社は、法的な手続きのサポートから購入希望者の対応、専門的な売却戦略の立案まで、多岐にわたる役割を担います。大手と中小、それぞれの特徴を理解し、ご自身の物件や状況に合った会社を見極めることが重要です。

会社選びの際は、売却実績や担当者の専門性・人柄、査定額の根拠などを複数の会社で比較検討しましょう。また、「高預かり」や「囲い込み」といった不誠実な業者には注意が必要です。

自分に合った不動産会社を見つけることで、納得のいく価格で、安心して売却を進めることができます。東急リバブルでは、お客様の状況に合わせた最適な売却プランをご提案します。ぜひお気軽にご相談ください。

この記事のポイント

マンションを売却する際、不動産会社はどういう役割を果たすのですか?

マンション売却において、不動産会社は単に買い手を見つけるだけでなく、専門的な知識を活かして売主を多角的にサポートする役割を担います。

詳しくは「マンション売却における不動産会社の役割」をご覧ください。

不動産会社は大手や中小など、どこがいいのでしょうか?

不動産会社は、全国的に事業を展開する「大手」と、特定の地域に根差して営業する「中小規模」の会社に大別されます。それぞれに異なる強みや特徴があるため、どちらが良いとは一概にはいえません。

詳しくは「大手?中小?不動産会社はどこがいい?」をご覧ください。

不動産会社はどうやって選べば良いでしょうか?

マンション売却の成功は、パートナーとなる不動産会社選びにかかっているといっても過言ではありません。

「マンション売却における不動産会社選びのポイント」では、不動産会社を選ぶ際の3つのチェックポイントを解説します。

ライターからのワンポイントアドバイス

不動産会社を選ぶ際、査定額や会社の知名度に注目しがちですが、担当者の「得意分野」が売りたいマンションの特性と合っているかも重要なポイントです。たとえば、タワーマンションの売却実績が豊富な担当者もいれば、ファミリータイプの物件を得意とする担当者もいます。
査定を依頼する際には、「このマンションと同様の物件を売却した経験はありますか?」といった質問をしてみましょう。過去の具体的な取引事例や、その際に工夫した点などを聞くことで、担当者の専門性や経験値をより深く知ることができます。

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