不動産売買 必要書類一覧
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不動産売買で売主が準備すべき必要書類一覧! 必要なタイミングやポイントを完全ガイド

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 不動産売却の必要書類は、査定時、媒介契約時、売買契約時、引き渡し時の4つのタイミングで異なります。
  • 印鑑証明書には3か月の有効期限が定められているため、取得時期については不動産会社の指示に従うことが大切です。
  • 住宅性能評価書やホームインスペクションの報告書などがあると、買主の安心感につながり、売却活動を有利に進められる可能性があります。

不動産を売却する際には、さまざまな書類の準備が必要です。手続きをスムーズに進めるには、どの段階でどのような書類が必要かを、あらかじめ把握しておくことが大切です。

この記事では、不動産の売却で売主が準備すべき書類を、査定から引き渡しまでの流れに沿って解説します。書類を準備する際の注意点や、代理人に売却を依頼する場合の必要書類もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

不動産売買で売主が準備すべき必要書類一覧

不動産の売却では、手続きの段階ごとに必要な書類が異なります。どのタイミングで何を用意すべきかを事前に把握しておきましょう。

各段階で必要となる主な書類は、以下のとおりです。

時期必要書類
査定時・登記済権利証または登記識別情報
・固定資産税納税通知書
・間取り図、測量図 など
媒介契約時・本人確認書類
・実印
・登記済権利証または登記識別情報
売買契約時・本人確認書類
・実印
・印鑑証明書
・登記済権利証または登記識別情報
・固定資産税評価証明書
・印紙税(収入印紙)
引き渡し時・登記済権利証または登記識別情報
・実印
・印鑑証明書
・抵当権抹消関連書類(住宅ローンが残っている場合)
・売却代金の振込先口座情報
・建築確認済証、検査済証
・付帯設備の取扱説明書
・物件の鍵 など

各書類は、不動産会社との契約や買主への所有権移転など、重要な手続きに不可欠なものです。それぞれの段階で必要な書類について、以下で詳しく見ていきましょう。

査定時に必要な書類

不動産会社に売却査定を依頼する際には、物件の状況を把握できる書類を用意しておくと、より精度の高い査定を受けられます。査定時にあると良い主な書類は、以下のとおりです。

書類名概要取得方法
登記済権利証または登記識別情報物件の所有者であることを証明する書類物件取得時に法務局から発行。再発行は不可。
固定資産税納税通知書・課税明細書毎年支払う固定資産税額が記載された書類毎年4月〜6月頃に市区町村から郵送される。
間取り図物件の広さや部屋の配置物件の購入時に不動産会社から受け取る。
測量図土地の正確な寸法がわかる図面法務局で写しを取得可能。
建築確認済証、検査済証建物が建築基準法に適合していることを証明する書類物件の購入時に不動産会社から受け取る。

これらの書類が手元になくても査定は可能ですが、用意しておくとスムーズです。例えば、登記済権利証(または登記識別情報)は物件の所有者を確認する重要な書類であり、固定資産税納税通知書は税額から物件の評価額を推測するのに役立ちます。

書類を紛失した場合は、不動産会社に相談すれば、手続きの案内をしてもらえるのが一般的です。

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媒介契約時に必要な書類

売却活動を依頼する不動産会社が決まり、媒介契約を結ぶ際には、本人確認と物件の所有者確認のための書類が必要です。媒介契約時に求められる主な書類は、以下のとおりです。

書類名概要取得方法
本人確認書類運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど、顔写真付きの身分証明書。
実印売主本人の実印。
共有名義の場合は全員分が必要。
登記済権利証または登記識別情報物件の所有者であることを証明する書類。物件取得時に法務局から発行。再発行は不可。

媒介契約は、不動産の売却活動を正式に依頼するための手続きです。法律上は認印でも契約可能ですが、トラブルを防ぐために実印が必要とされるケースが多いです。

また、登記済権利証は査定時に用意するのみでなく、各段階で提示を求められるのが一般的です。

売買契約時に必要な書類

購入希望者が見つかり、売却の条件がまとまると、買主と売買契約を締結します。この段階では、契約手続きと税金の支払いに必要な書類を用意します。

書類名概要取得方法
本人確認書類運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書。
実印・印鑑証明書売主本人の実印、印鑑証明書。
共有名義の場合は全員分が必要。
印鑑証明書は市区町村の役所で取得。
登記済権利証または登記識別情報物件の所有者であることを証明する書類。買主や司法書士が確認する。物件取得時に法務局から発行。再発行は不可。
固定資産税評価証明書固定資産税の基準となる評価額を証明する書類。市区町村の役所または都税事務所で取得。
仲介手数料の半金不動産会社に支払う仲介手数料の一部。
印紙税(収入印紙)売買契約書に貼付する印紙。契約金額によって税額が異なる。郵便局や法務局などで購入。

固定資産税評価証明書は、登録免許税の算出や、買主と精算する固定資産税・都市計画税の日割り計算の基準として用います。

また、売買契約書は課税文書にあたるため、契約金額に応じた収入印紙が必要です。一般的には、不動産会社が印紙を用意するケースが多く、売主は印紙代を現金で精算します。支払方法などは事前に不動産会社に確認しておくとよいでしょう。

引き渡し時に必要な書類

売買契約後、買主の住宅ローン審査などを終えると、最終段階として物件の引き渡しと残代金の決済に進みます。このときに必要となる主な書類は、以下のとおりです。

書類名概要取得方法
登記済権利証または登記識別情報所有権移転登記に必要。司法書士に預ける。物件取得時に法務局から発行。再発行は不可。
実印・印鑑証明書登記手続きに使用。発行から3ヶ月以内のもの。印鑑証明書は市区町村の役所で取得。
抵当権抹消関連書類住宅ローンを完済し抵当権を抹消するための書類一式。決済日の2~3週間前までに連絡し、金融機関から取り寄せる。
売却代金の振込先口座情報通帳やキャッシュカードなど、金融機関名、支店名、口座番号がわかるもの。
建築確認済証、検査済証建物が建築基準法に適合していることを証明する書類。物件の購入時に不動産会社から受け取る。
付帯設備の取扱説明書・保証書エアコンや給湯器などの設備に関する書類一式。
物件の鍵玄関の鍵や宅配ボックスのカードキーなど、すべての鍵。

引き渡し日には、司法書士の立ち会いのもとで所有権移転登記の手続きを行います。そのため、登記に必要な書類は漏れなく揃えておく必要があります。

住宅ローンが残っている場合は、残代金の決済と同時に抵当権抹消登記も行います。借入先の金融機関へ決済日を伝え、抵当権抹消に必要な書類を取り寄せておきましょう。

このほか、物件の鍵や付帯設備の取扱説明書、建築確認済証などを買主に引き継ぎます。準備する書類は多岐にわたるため、不動産会社の担当者に確認しながら進めると安心です。

代理人に不動産売買を委託する際に必要な書類

代理人 不動産売買 委任

遠方に住んでいる、あるいは高齢などの理由で、売主本人が売買契約や引き渡しの手続きに立ち会えないこともあります。このような場合、家族などを代理人として売却手続きを委任することが可能です。

代理人に手続きを依頼する際は、通常の売却で必要な書類に加えて、委任状などの書類を用意します。ここでは、必要書類と委任状の記載内容について解説します。

必要書類

代理人に不動産売却を委任する際には、売主本人に関する書類に加えて、代理人に関連する書類を揃える必要があります。具体的には、主に以下の書類が求められます。

  • 委任状
  • 売主(本人)の印鑑証明書
  • 売主(本人)の本人確認書類
  • 代理人の実印
  • 代理人の印鑑証明書
  • 代理人の本人確認書類

各書類は、売却手続きを代理人が行う権限があることを、買主や司法書士、金融機関などに対して証明するものです。特に、売主本人の意思で手続きを委任したことを示す委任状は重要です。

不動産会社によっては、このほかの書類を求められる場合もあるため、事前に何が必要かを確認しておきましょう。

委任状に記載する内容

委任状は、売主本人が代理人に対して、どの範囲まで権限を委任したかを明確にするための法的な書類です。記載内容に不備があると無効と見なされる可能性もあるため、間違いのないように作成しなければなりません。

委任状には、主に以下の項目を記載します。

  • 代理人の氏名、住所
  • 委任する具体的な内容
  • 対象となる不動産の表示(所在地、地番、家屋番号など)
  • 委任状の作成年月日
  • 委任者(売主本人)の氏名、住所、実印の押印

委任する内容には「売買契約締結」「残代金受領」「所有権移転登記申請」など、具体的な行為を列挙することが重要です。「不動産売買に関する一切の権限」のような曖昧な表現を使わないようにしましょう。具体的に記載することで代理人が行える範囲が明確になり、後のトラブルを防ぐことになります。

委任状の書式には法的な決まりがなく、通常は不動産会社や司法書士が用意した書式を使用します。また、認印でも委任状は成立しますが、高額な取引であるため、実印を用いるのが一般的です。

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不動産売買に必要な書類を準備するときの注意点・ポイント

不動産売却の必要書類を準備する際には、注意すべき点があります。手続きをスムーズに進めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 登記簿と現住所・氏名が異なる場合
  • 早く準備しすぎてもNGな書類もある
  • 売却金額が上がる可能性のある書類

登記簿と現住所・氏名が異なる場合

結婚や引越しなどで、登記簿の記載と現在の氏名・住所が異なる場合は、引き渡し時までに登記名義人表示変更登記が必要です。この手続きをしなければ、売主が所有者本人であると確認できず、買主への所有権移転登記ができません。

手続きには、現在の氏名や住所が記載された住民票や戸籍謄本などが必要です。変更登記はご自身で行うことも可能ですが、司法書士に依頼するのが一般的です。所有権移転登記とまとめて依頼する場合は、住民票が必要な時期などを確認しておきましょう。

手続きには時間がかかる場合もあるため、氏名や住所に変更があることに気づいた時点で、不動産会社や司法書士に相談するのが確実です。

早く準備しすぎてもNGな書類もある

不動産売却の必要書類のなかには、有効期限が定められているものがあるため、取得のタイミングには注意が必要です。

特に、引き渡し時の登記申請で使う印鑑証明書は、法律で発行後3か月以内と定められています。売買契約時にも必要となるケースが多いですが、こちらは法的な有効期限がないため、不動産会社の指示に従いましょう。

再取得の手間を避けるためにも、担当者にスケジュールを確認しながら準備を進めることが大切です。

参考:法務局|「印鑑証明書」はどのような申請に必要ですか?

売却金額が上がる可能性のある書類

必須ではありませんが、用意しておくと買主に安心感を与え、売却価格に良い影響を与える可能性のある書類も存在します。たとえば、次のようなものが挙げられます。

  • 住宅性能評価書
  • 既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書
  • 耐震診断報告書、耐震基準適合証明書
  • インスペクション(住宅診断)の報告書

これらの書類は、建物の品質や性能、安全性を専門家が客観的に証明するものです。インスペクションの報告書があれば、建物の現在の状態を正確に把握できます。

また、瑕疵保険に加入している物件は、引き渡し後に雨漏りなどの欠陥が見つかった場合でも保険金で補修費用が支払われます。買主は安心して購入を決断しやすくなるでしょう。

住宅診断の費用や保険料などがかかるものの、建物の状態を客観的に示すことで、売却活動を有利に進められる場合があります。実施の可否や費用対効果については、仲介を依頼する不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

まとめ

不動産の売却では、査定から引き渡しまでの各段階で、さまざまな書類が必要です。登記済権利証や本人確認書類などを適切なタイミングで不備なく揃えましょう。印鑑証明書のように有効期限のある書類は、取得するタイミングもポイントです。

必要な書類は不動産会社からも案内されますが、あらかじめ全体像を把握し、計画的に準備を進めるとスムーズです。不明な点があれば担当者に相談してみましょう。

東急リバブルでは、専門知識豊富なスタッフがお客様の状況に合わせて売却活動をサポートしています。不動産売買の準備や手続きに不安がある方は、お気軽にご相談ください。

この記事のポイント

不動産を売買するとき、売主が準備すべき書類はありますか?

不動産の売却では、手続きの段階ごとに必要な書類が異なります。どのタイミングで何を用意すべきかを事前に把握しておきましょう。

詳しくは「不動産売買で売主が準備すべき必要書類一覧」をご覧ください。

代理人に委託する場合、どんな書類が必要ですか?

遠方に住んでいる、あるいは高齢などの理由で、売主本人が売買契約や引き渡しの手続きに立ち会えないこともあります。このような場合、家族などを代理人として売却手続きを委任することが可能です。

詳しくは「代理人に不動産売買を委託する際に必要な書類」をご覧ください。

不動産売買の必要書類を準備する際の注意点はありますか?

不動産売却の必要書類を準備する際には、注意すべき点があります。

手続きをスムーズに進めるために、「不動産売買に必要な書類を準備するときの注意点・ポイント」に記載のポイントを押さえておきましょう。

ライターからのワンポイントアドバイス

不動産売却で必要になる登記済権利証や登記識別情報は、登記申請時の本人確認で使われる重要な書類です。万が一紛失しても再発行はされませんが、売却手続きは進められます。その場合、司法書士に依頼して本人確認情報を作成してもらい、登記済権利証の代わりとするのが一般的です。手続きの詳細や費用は事務所によって異なり、目安として5~10万円程度かかるため、事前に見積りを依頼しておくとよいでしょう。
権利証を紛失したことに気づいた際は、まず仲介を依頼している不動産会社の担当者に相談してみてください。司法書士などと連携しながら、その後の手続きについて案内してもらえます。

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