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不動産売買契約における同日決済とは?仕組みやメリット・デメリットを解説

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。
https://x.com/sakuragirie

ざっくり要約!

  • 住み替えを検討する場合は「売り先行」もしくは「買い先行」のどちらかになるのが一般的
  • 自宅の売却と新居の購入を同時に進め、売りと買いの残代金決済と物件の引渡しを同日に行える場合がある

住み替えをするとき、自宅を売却してから新居を購入する「売り先行」か、新居を購入してから自宅を売却する「買い先行」のどちらかを選択するのが一般的です。

これらの方法以外に、自宅売却と新居購入の決済を同日に行う「同日決済」という方法があるのをご存知でしょうか。

本記事では、同日決済の仕組みや一般的な流れ、メリット・デメリットを解説します。同日決済は難易度が高い決済方法ともいえますが、選択肢のひとつとしてぜひ検討してみてください。

不動産の売買契約における同日決済の仕組み

不動産の売買契約における同日決済の仕組み

住み替えにおいて、売却と購入のタイミングを合わせるのは難しいため、基本的には「売り先行」もしくは「買い先行」のどちらかを提案されることが多いかもしれません。

もし売却と購入のタイミングが調整できるようであれば、不動産会社の担当者に「同日決済」ができないか相談してみましょう。

ここでは、同日決済の概要を解説します。

住み替える場合

住み替えを検討する場合は「売り先行」もしくは「買い先行」のどちらかになるのが一般的です。

買い手が見つからなければ家を売却できず、希望する物件が見つからなければ新居を購入できません。また相手側にも都合があるため、売却と購入のタイミングを合わせるのは、予想以上に難しいものです。

自宅を売却してから新居を購入する「売り先行」は、新居に引っ越す前までの仮住まいが必要になるのがデメリットです。

また、新居を購入してから自宅を売却する「買い先行」は、ローンの残債がある場合は二重ローンになってしまいます。

ただし、自宅の売却と新居の購入を同時に進めて、売りと買いの残代金決済と物件の引渡しを同日に行うことができれば、仮住まいをする必要がありません。

自宅の売却代金で住宅ローンを完済でき、手元に資金が残れば、新居購入費に充てることができます。

新居のための住宅ローンを新たに組めるため、基本的にはダブルローンになることがなく、つなぎ融資も必要ありません。

もし同日決済ができる可能性があれば、不動産会社の担当者に相談してみてください。

不動産売買のおける一般的な契約・決済と同日決済の流れ

不動産売買のおける一般的な契約・決済と同日決済の流れ

一般的な住み替えの流れと、同日決済する場合の流れは、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、それぞれの流れについて解説します。

一般的な決済の流れ

住み替えする場合、売主と買主それぞれの立場で取引することになります。

一般的な流れは、それぞれ次のとおりです。

売主の場合(残債がある場合)

  • 買主から売買代金(残代金)を受領する
  • 住宅ローンを完済・抵当権の抹消
  • 家の所有権移転登記の申請・家の引き渡し
  • 不動産会社へ仲介手数料を支払う

買主の場合(住宅ローンを組む場合)

  • 金融機関で融資を実行してもらう
  • 売主へ売買代金(残代金)を支払う
  • 家の所有権を移転してもらう・家の引き渡し
  • 金融機関が家に抵当権を設定する
  • 不動産会社へ仲介手数料を支払う

住み替えで同日決済する際の流れ

住み替えで同日決済にする場合は、午前中に自宅の決済を行い、午後は新居の決済をすることになるでしょう。

ここでは、同日決済までの流れを3つのステップで紹介します。

1.同日決済までの準備

同日決済をする場合は、売主と買主それぞれの立場でやるべきことを、事前に終えておかなければなりません。

不動産会社や金融機関の担当者と綿密な打ち合わせをし、当日に臨みましょう。

売主の場合

  • 引っ越し・残置物の撤去・処分
  • 金融機関へ住宅ローンを完済する旨の連絡(決済日の2〜4週間前までに行う)
  • 抵当権抹消の準備
  • 必要書類の準備(実印や印鑑証明書、権利証など)

買主の場合

  • 住宅ローン本申し込み
  • 必要書類の準備
  • 引っ越しの手配

2.持ち家を売る決済

同日決済をする場合は、自宅の残代金決済を先に行います。

買主が住宅ローンを利用する場合、その金融機関で決済を行います。

  • 買主から売買代金(残代金)を受領する
  • 住宅ローンを完済・抵当権の抹消
  • 家の所有権移転登記の申請・家の引き渡し
  • 不動産会社へ仲介手数料を支払う

3.新居を買う決済

同日決済をする場合は、新居の決済が後になります。

既存の住宅ローンを完済した状態でなければ、新たな住宅ローンを組めないからです。また完済した後に資金が残れば、新居の購入費に充てることもできます。

一般的な流れは以下の通りです。

  • 住宅ローンを借り入れる金融機関へ移動
  • 融資を実行してもらう
  • 売主へ残代金を支払う
  • 所有権移転登記の申請
  • 金融機関が抵当権を設定
  • 新居の引き渡し・引っ越し

・「不動産の売買契約」に関する記事はこちら
不動産の売買契約とは?簡単にわかりやすく解説!

不動産の売買契約で決済を同日にするメリット

不動産の売買契約で決済を同日にするメリット

家の売却と購入を同日に決済することで、さまざまなメリットがあります。

ここでは代表的なメリットについて解説します。

手続きの手間や日数が省ける

同日決済は家の売却と購入の決済を1日で行えるため、手間と時間を省けるのがメリットです。

不動産の決済は、金融機関の融資実行や所有権移転登記申請をするために、通常平日の昼間に行います。

つまり売りと買いを別日に行うと、仕事などを2日間休まなくてはなりませんが、同時にできれば1日で完了します。

また家の引き渡し後、すぐに新居へ入居できるため、仮住まいをする必要がなく、引っ越しも1回で済みます。仮住まい探しに苦労する方も少なくありませんので、その手間を省けるのも魅力です。

住み替えの場合は仮住まいや二重ローンが防げる

同日決済をすることで、仮住まいや二重ローンによる負担増を回避できるのもメリットです。

仮住まいが不要になれば、余分な家賃や敷金、仲介手数料などを支払う必要がありません。また住み替えで二重ローンになれば、金利負担が増えますが、同日に決済できれば、完済したうえで新たな住宅ローンを組むことができます。

同日決済は売りと買いのタイミングを合わせる必要がありますが、スケジュールさえ調整できれば、メリットが多い決済といえます。

・「家の買換えで知っておきたいこと」に関する記事はこちら
家の買換えで知っておきたいことを解説!住み替えローンやつなぎ融資についても紹介
・「二重ローン」に関する記事はこちら
ダブルローンとは?デメリットはある?住み替え時の注意点を解説

不動産の売買契約で決済を同日にする際の注意点・デメリット

不動産の売買契約で決済を同日にする際の注意点・デメリット

不動産の売買契約において同日決済を行なうのであれば、綿密な準備が欠かせません。

ここでは同日決済をするうえで、とくに注意したいポイントを紹介します。

資金を必ず用意しておく

同日決済日には、家の売却と購入を行うことになります。住宅ローンを利用する場合でも、家の購入代金以外にかかる諸費用を準備するのを忘れないようにしましょう。

決済日に必要となる主な支払いは下記のとおりです。

  • 残代金
  • 固定資産税等の清算金(マンションの場合は管理費や修繕積立金等の清算金)
  • 登記費用(登録免許税・司法書士への報酬)
  • 金融機関の事務手数料・ローン保証料・火災保険料
  • 不動産会社へ支払う仲介手数料

実際にかかる費用や金額については、不動産会社や金融機関の担当者に確認するようにしてください。

段取りをしっかり整えておく

同日決済を滞りなく進めるためには、事前の段取りが重要です。

決済当日は、売主・買主・司法書士・不動産会社の担当者など、関係者が一堂に会することになります。全員のスケジュールを確認したうえで、所要時間も考慮し、開始時刻を決めるようにしてください。

また必要書類に不足や不備があると、当日に決済ができません。必要書類に漏れがないようにリストアップしておき、売りと買いの書類は別々にまとめておくとよいでしょう。

事前に不動産会社や金融機関にしっかり相談する

家の住み替えで同日決済を希望していたとしても、かならずしも同日にできるとは限りません。相手側の都合を考慮する必要があり、また購入する物件によっては引き渡しの時期が先になることがあるからです。

同日決済がもし譲れない条件であれば、事前に不動産会社にその旨をしっかり伝え、金融機関の担当者とも相談しておくことをおすすめします。

・「マンション買い替えの基礎知識」に関する記事はこちら
マンション買い替えの基礎知識と手順。売り先行・買い先行の違いは?

まとめ

同日決済とは、不動産売却と購入の残代金決済を同じ日に行うことをいいます。

売りと買いを同日にできれば、売却代金を新居の購入資金に充てられるため、ダブルローンやつなぎ融資を利用する必要がないのがメリットです。

ただし売りと買いの決済を同時に行う当日は、予想以上にハードな一日になります。

不備がないように段取りを整え、不動産会社や金融機関としっかり打ち合わせをして臨みましょう。

この記事のポイント

不動産の売買契約で決済を同日にするメリットは?

同日決済は家の売却と購入の決済を1日で行えるため、手間と時間を省けるのがメリットです。
不動産の決済は、金融機関の融資実行や所有権移転登記申請をするために、通常平日の昼間に行います。
つまり売りと買いを別日に行うと、仕事などを2日間休まなくてはなりませんが、同時にできれば1日で完了します。

詳しくは「不動産の売買契約で決済を同日にするメリット」をご覧ください。

不動産の売買契約で決済を同日にする際の注意点は?

同日決済の当日には、家の売却と購入を行うことになります。
住宅ローンを利用する場合でも、家の購入代金以外にかかる諸費用を準備するのを忘れないようにしましょう。
実際にかかる費用や金額については、不動産会社や金融機関の担当者に確認するようにしてください。

詳しくは「不動産の売買契約で決済を同日にする際の注意点・デメリット」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

同日決済は売主や買主だけでなく、司法書士や金融機関のスケジュールを調整しなければなりません。また1つでも何か不備があれば、残代金決済できないばかりか、購入の契約にも支障が出てしまいます。
同日決済は、一般的な決済に比べて難易度が高い決済方法といえます。売却実績が豊富で、住み替えのノウハウを持ち合わせた担当者がいる不動産会社に相談するようにしてください。

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