土地売買 必要書類 法務局
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土地売買を法務局に申請するときの必要書類とは?申請の流れとともに紹介

執筆者プロフィール

品木 彰
品木彰
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大手生命保険会社に7年半勤め、個人営業と法人営業の両方を経験。人材サービス会社の転職エージェントとしての勤務経験もあり。 2019年1月からはフリーランスのWebライターとして独立。「お金に関する正しい知識を、より多くの人々に届けたい」という思いを原動力に、保険や不動産、資産運用、相続など幅広いジャンルの記事を執筆している。2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有。

ざっくり要約!

  • 所有権移転登記は売主と買主の共同申請であり、それぞれが書類を用意する必要がある
  • 売主側が用意する書類は、登記済証または登記識別情報と印鑑証明書。買主は住民票や身分証明書などを用意する。登記申請書は、買主と売主が共同で作成する。
  • 申請先は対象の土地を管轄する法務局で、申請方法は窓口持参・郵送・オンライン申請のいずれかを選べる

土地を売買する際は、法務局で「所有権移転登記」を申請し、名義を売主から買主へ移します。所有権移転登記は、売主と買主による共同申請です。

スムーズに手続きを進めるためには、自身が用意すべき書類だけでなく相手方の必要書類も把握し、計画的に準備をすることが大切です。この記事では、土地を売買する際に法務局へ提出する書類や申請の流れを解説します。

土地売買で法務局に提出する「所有権移転登記」の必要書類一覧

土地の売買で法務局へ提出する主な書類は、売主側の登記済証または登記識別情報と印鑑証明書、買主側の住民票の写しなどの住所証明情報、双方で作成する売買契約書や登記申請書です。

詳細は、以下をご覧ください。

〇売買による所有権移転登記で法務局へ提出する主な書類等

書類名用意する人取得場所備考(有効期限など)
登記済証または登記識別情報売主土地の名義人になった際に法務局から交付済み登記済証は登記完了後に返却
印鑑証明書市区町村役場(法人は登記所)作成後3ヶ月以内のもの
実印事前に市区町村で印鑑登録申請書または委任状への押印に用いる
固定資産税の課税明細書など納税通知書に同封、または自治体の窓口で取得登記を申請する年度のもの
住民票の写しなどの住所証明情報買主市区町村役場住民票の写しにはマイナンバーを記載しない
認印―抵当権設定登記をする場合は、実印と印鑑証明書が必要
登記申請書売主・買主法務局のWebサイトに様式と記載例申請人が作成する
登記原因証明情報(売買契約書など)当事者が作成契約書がない場合は契約内容を記載した書面を作成
委任状
代理人へ申請を依頼する場合に必要

所有権移転登記では、名義を失う売主を「登記義務者」、新たに所有者となる買主を「登記権利者」として共同で申請するため、それぞれが書類を準備する必要があります。

以下で、提出書類を詳しく解説します。

売主が用意する書類

登記義務者である売主が用意する主な書類は、以下の通りです。

〇売主が用意する主な書類

  • 登記済証または登記識別情報
  • 印鑑証明書(作成後3ヶ月以内)
  • 実印
  • 固定資産税の課税明細書など固定資産税評価額がわかる資料(登記を申請する年度のもの)
  • 身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)

登記済証と登記識別情報通知は、その土地の名義人になった際に法務局から交付された書類です。所有権移転登記をする際に登記済証の原本を提出すると、登記完了後に返却されます。

一方、登記識別情報として法務局へ提供するのは、通知書そのものではなく、記載された12桁の英数字です。書面で申請する場合は、英数字を記載した用紙を封筒に入れて提出します。

固定資産税評価額がわかる資料は、登録免許税の計算に用います。申請年度(4月1日から翌年3月31日)のものを用意しましょう。固定資産税評価額は、毎年4月から6月頃に市区町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に同封される課税明細書で確認できます。

手元にない場合は、不動産が所在する市区町村の役所で固定資産評価証明書を取得します。東京23区内の土地であれば都税事務所にて取得可能です。

申請書に記載する売主の住所・氏名は、登記記録の内容と一致していることが前提です。引っ越しなどで住所が変わっている場合は、所有権移転登記の前に住所変更登記が必要です。住所変更登記をする際は、住民票や戸籍の附票を別途準備します。

買主が用意する書類

買主が用意する主な書類は、以下の通りです。

〇買主が用意する主な書類

  • 住民票の写しなどの住所証明情報
  • 認印
  • 身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)

住民票の写しを提出する際は、マイナンバーの記載がないものを準備します。申請書に住民票コードを記載する場合は、写しの添付を省略できます。

登記申請書に記載した買主の氏名の末尾には認印を押すため、実印と印鑑証明書は基本的に不要です。ただし、買主が住宅ローンを利用する場合は「抵当権設定登記」もあわせて申請するため、原則として実印と印鑑証明書が必要です。

売主・買主の双方が関わる書類

売主・買主が共同で準備する書類は、以下の通りです。

〇売主・買主の双方が関わる書類

  • 登記申請書
  • 登記原因証明情報(売買契約書など)
  • 委任状(司法書士へ申請を依頼する場合)

登記申請書は、法務局で所有権移転登記を申請する際に提出する書類です。

登記原因証明情報は、名義が変わる原因となった事実とそれにもとづいて権利が移ったことを証明する書面です。契約の内容を記載した売買契約書などが当てはまります。

委任状は、司法書士などの代理人へ登記の申請を任せる場合に必要です。

【ケース別】追加で必要になる書類

農地やローンが残る土地を売る場合は、以下のような書類が必要です。

〇追加で必要になる書類の例

  • 農地(田・畑)を売買する場合:農地法にもとづく許可書または受理通知書
  • 住宅ローンが残っている土地を売る場合:抵当権抹消登記の必要書類(登記申請書・登記識別情報または登記済証、解除証書などの登記原因証明情報)

農地法の対象になるかどうかは、登記記録の地目(土地の種類)ではなく、現況を基準に判断します。耕作の目的に使用されている土地を売買する場合は、原則として同法にもとづく許可が必要です。

交付された許可書は、登記申請書に添付します。許可の取得先は、売買したあとの用途によって変わります。

  • 農地のまま所有者が変わる場合:土地がある市区町村の農業委員会(農地法第3条)
  • 農地以外の用途に変える目的で売る場合:都道府県知事等(同法第5条)

ただし、市街化区域内の農地を転用目的で売る場合は、あらかじめ農業委員会へ届け出るのみでよいとされています。届出が受理されると、受理通知書が交付されます。

また、住宅ローンの返済が終わっていない土地には、抵当権が残ったままです。抵当権とは、住宅ローンの返済が滞った場合に、金融機関が土地や建物を競売にかけて貸したお金を回収できる権利です。

ローンが残っている土地をそのまま売却することは基本的にできません。そのため、売却時にローンを完済して抵当権抹消登記を申請する必要があります。

抵当権抹消登記は、土地の所有者と金融機関による共同申請です。実務では、委任状を受け取った所有者が金融機関の代理人を兼ね、双方の手続きをまとめて進めるケースが多いです。

必要となるのは、登記識別情報または登記済証、解除証書などの登記原因証明情報、委任状であり、いずれも完済後に金融機関から交付されます。

法務局で土地の所有権移転登記を申請する流れ

土地売買 法務局 申請

法務局で登記手続きをする流れは以下の通りです。

  1. 必要書類の収集と登記申請書の作成
  2. 登録免許税の計算と納付準備
  3. 管轄の法務局へ申請
  4. 登記完了証・登記識別情報通知の受け取り

ステップ1:必要書類の収集と登記申請書の作成

登記申請書 記載例
出典:法務局「売買 記載例」

必要書類がそろったら、登記申請書を作成します。法務局の「不動産登記の申請書様式について」で公開されている売買による所有権移転登記の申請書様式と記載例をもとに作成を進めるとよいでしょう。

申請書に記載する主な項目は、登記の目的、原因、権利者と義務者の住所氏名、添付情報、課税価格、登録免許税、不動産の表示、連絡先の電話番号です。このうち「原因」の欄には、売買によって所有権が移転した日を記載します。契約を結んだ時点と一致するとは限らず、残代金の支払いなど、当事者が取り決めた条件を満たした日になる場合もあります。

不動産の表示は、登記事項証明書に記録されている通りに書き写しましょう。不動産番号を記載した場合は土地の所在・地番・地目・地積を省略できます。申請書はA4サイズの用紙に、パソコンで入力するか黒色のボールペンではっきりと記載しましょう。

ステップ2:登録免許税の計算と納付準備

登記申請書には納める登録免許税額を記載する欄があるため、自身で計算して記入します。計算式は次の通りです。

  • 登録免許税額=課税標準×税率

課税標準は、自治体が備える固定資産課税台帳に登録された価格です。課税明細書や固定資産評価証明書では、「価格」または「評価額」の欄を確認します。同じ書面に載っている「固定資産税課税標準額」とは別のものです。

土地の売買による所有権移転登記の税率は、本則では2%です。ただし租税特別措置法第72条の軽減措置により、2029年3月31日までは1.5%(1000分の15)が適用されます。
※上記の税率と適用期限は2026年8月現在のもの
※出典:国税庁「登録免許税の税額表」

たとえば、課税明細書に記載された価格が500万円の土地を売買した場合、登録免許税の税額は以下の通りです。

  • 登録免許税額=課税標準500万円×1.5%
    =75,000円

登録免許税は、現金納付・収入印紙・電子納付のいずれかの方法で納めます。実務では、税額と同額の収入印紙を専用の台紙に貼って納めるのが一般的です。

ステップ3:管轄の法務局へ申請(窓口・郵送・オンライン)

作成した登記申請書は、売買する土地の所在地を管轄する法務局へ提出します。法務局のホームページにある「管轄のご案内」で提出先を確認しておきましょう。

提出方法は窓口持参・郵送・オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)の3通りです。オンライン申請であれば、自宅などのパソコンから申請でき、登録免許税をそのまま電子納付できます。

本人であることを示す「電子証明書」が必要ですが、個人が申請する場合はマイナンバーカードに搭載された署名用電子証明書を利用できます。電子証明書がない場合は「QRコード付き書面申請」をするのも1つの方法です。これは、申請用総合ソフトで作成した書面を印刷し、添付書類とともに持参または郵送する方法です。

ステップ4:登記完了証・登記識別情報通知の受け取り

申請書を提出したあとは、法務局の登記官が処理を進めます。申請の内容どおりに登記ができると認められると、登記手続きは完了です。

申請書に軽微な誤りがある場合は、登記官の指示に従って補正できます。すぐに直せないときは取下書を提出すると申請は初めからなかったものとして扱われ、どちらもしない場合は却下されることもあります。

申請から完了までの目安は、1週間から3週間程度です。手続きが終わると、申請人には登記完了証、新たに登記名義人となる買主には登記識別情報通知が交付されます。

登記識別情報通知書を受け取れるのは、登記が完了した時から3ヶ月以内です。窓口で受け取る場合は、申請書に押印したものと同じ印鑑、受付番号がわかる資料、本人確認書類を持参します。

法務局での土地売買手続きに関するよくある質問

最後に、法務局で土地売買の登記手続きをする際にいただくことの多い疑問点に回答します。

権利証(登記済証・登記識別情報)を紛失した場合はどうすればいい?

権利証(登記済証)と登記識別情報は、再発行されません。紛失した場合でも、「事前通知制度を利用する」「司法書士などに本人確認情報を作成してもらう」といった方法で、所有権移転登記を申請できます。

事前通知は、登記官が売主の住所へ本人限定受取郵便などを送る手続きです。発送日から2週間以内に申し出ると、登記官が本人の意思を確認します。手数料はかかりません。

本人確認情報は、資格者代理人が申請者の身元を調べたうえで作成する書面です。登記官がその内容を相当と認めた場合は、事前通知が不要になります。ただし、作成には費用がかかる場合があるため、依頼する前に金額を確認しておきましょう。

・「権利証の紛失」に関する記事はこちら
土地の権利書を紛失したらどうする?登記簿との違いも解説

法務局の窓口で書類の書き方や審査内容を教えてもらえる?

一般的な書き方は、法務局の「登記手続案内」で相談できます。これは、専門的な知識がない人に向けて、登記申請書の作成に必要な一般的な情報を提供するサービスです。完全予約制で1回20分以内、電話・対面・ウェブ会議から選べます。

ただし、法務局は申請前の書類に不備がないか審査したり、作成を代行したりはしません。書類を提出したあとに、登記官が申請の適否を審査します。

土地の売買契約書に貼る印紙代(印紙税)はいくら?

土地の売買契約書に貼る収入印紙の額は、記載された金額によって変わります。不動産の譲渡に関する契約書のうち、記載された金額が10万円を超え、2027年3月31日までに作成されたものは、印紙税の軽減措置の対象です。

たとえば契約金額が1,000万円超5,000万円以下であれば、印紙税額は本則の2万円から1万円に軽減されます。

土地売買の書類準備は計画的に進めよう

土地売買で名義を移すためには、売主の登記済証または登記識別情報や印鑑証明書、買主の住民票の写し、双方で作成する売買契約書や登記申請書などさまざまな書類が必要です。

書類をそろえたあとは登記申請書を作成し、管轄の法務局へ提出するとともに登録免許税を納付します。必要書類の準備や登記申請書の作成、登録免許税の計算などには専門的な知識が必要になります。安全に手続きを進めるためには、不動産会社や司法書士にサポートを依頼するとよいでしょう。

土地の売却をご検討中の方は、東急リバブルの無料査定・売却サポートをぜひご利用ください。必要書類の準備や決済日までの段取りも、あわせてご相談いただけます。

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この記事のポイント

土地売買で法務局に提出する必要書類は?

売主は登記済証または登記識別情報、作成後3ヶ月以内の印鑑証明書、実印、固定資産税評価額が分かる資料を、買主はマイナンバーの記載がない住民票の写しと認印を用意します。

詳しくは「土地売買で法務局に提出する『所有権移転登記』の必要書類一覧」をご覧ください。

農地やローンが残っている土地を売る場合に追加で必要な書類は?

農地を売買する場合は、農地法にもとづく農業委員会や都道府県知事の許可書、市街化区域内の転用目的なら届出の受理通知書を登記申請書に添付します。

詳しくは「土地売買で法務局に提出する『所有権移転登記』の必要書類一覧」をご覧ください。

土地の所有権移転登記の登録免許税はいくら?

登録免許税は固定資産税評価額に税率をかけて計算し、土地の売買による所有権移転登記の税率は本則2%ですが、2029年3月31日までは軽減措置で1.5%が適用されます。評価額500万円の土地なら7万5,000円で、収入印紙を台紙に貼って納めるのが一般的です。

詳しくは「法務局で土地の所有権移転登記を申請する流れ」をご覧ください。

所有権移転登記はどこに、どうやって申請する?

売買する土地の所在地を管轄する法務局へ、窓口持参・郵送・オンラインのいずれかで申請します。申請から完了までは1週間から3週間程度が目安で、完了後に買主へ登記識別情報通知が交付されます。

詳しくは「法務局で土地の所有権移転登記を申請する流れ」をご覧ください。

権利証を紛失した場合はどうすればいい?

登記済証や登記識別情報は再発行されませんが、登記官が売主の住所へ本人限定受取郵便を送る事前通知制度を利用するか、司法書士などに本人確認情報を作成してもらえば所有権移転登記を申請できます。

詳しくは「法務局での土地売買手続きに関するよくある質問」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

品木 彰

土地の売却を考え始めたら、まず権利証(登記済証・登記識別情報)の所在を確認することをおすすめします。権利証は再発行されず、紛失していた場合は本人確認情報の作成などに費用と時間が余分にかかるためです。あわせて、登記記録上の住所が現在の住まいと一致しているかも確認しておきましょう。住所が異なっていることに早めに気づけると、所有権移転登記とあわせて住所変更登記の準備も効率的に進められます。

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