賃料相場 調べ方
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賃料相場の調べ方は? 賃貸住宅の家賃はどう決めればいい?

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 賃貸住宅の家賃設定は、周辺の類似物件と比較して算出する賃貸事例比較法が一般的であり、立地や設備などの個別要素を考慮して決定します。
  • 賃料相場は、不動産ポータルサイトで最新の募集情報を確認するほか、公的機関が公表する統計データや家賃に関する指標をチェックすることで調べられます。
  • 収益を最大化するには、諸経費を含めた収支計画を立て、地域に詳しい不動産会社へ賃料査定を依頼し、相談しながら決めるのが望ましいです。

賃貸経営の検討や所有マンションを賃貸に出す際、多くの方が直面する課題が家賃設定です。適正な賃料での貸し出しは、安定した収益の確保に欠かせません。設定が低すぎれば収益を逃し、逆に高すぎれば空室が続く要因となります。市場相場を把握し、納得感のある条件を提示することが成約へのポイントです。

この記事では、賃料相場の調べ方や家賃決定の手順、賃料アップの施策などを詳しく解説します。市場の実態に即した決め方を理解することで、空室リスクを抑えた安定的な経営を実現できます。理想的な募集条件を整えるための参考にしてください。

記事サマリー

賃料の基本の決め方は3つ

賃貸経営において、適切な家賃設定は収益性を左右する要素です。家賃を決める際には、主に以下の3つの手法が用いられます。ここでは、それぞれの考え方について解説します。

賃貸事例比較法

賃貸事例比較法は、周辺にある類似物件の賃料事例を収集し、対象物件と比較して家賃を算出する方法です。実務において一般的に用いられており、物件の所在地や間取り、駅からの距離などの条件が近い事例を参考にすることが一般的といえます。

具体的な手順を確認しましょう。

  1. 類似する募集事例や成約事例を収集する
  2. 立地や築年数などの個別要素を比較する
  3. 市場性に応じた補正を行い賃料を算出する

市場の需要を反映しやすいため、空室リスクを抑えた現実的な設定が可能です。なお、一般的に広告に掲載される募集賃料と、実際に契約に至る成約賃料には乖離がある場合もあるため、その点も把握しておきましょう。

積算法

積算法は、土地や建物の取得価格に維持管理費や期待される利益を上乗せして家賃を算出する手法です。投資した資本に対して、どの程度の収益を確保すべきかというオーナー側の視点に基づいています。

主な考え方の流れは次のとおりです。

  1. 土地と建物の価格をもとに必要収益を検討する
  2. 期待利回りに基づく純賃料を想定する
  3. 固定資産税や管理費などの諸経費を加算する

この方法で家賃を決めると、収益の見通しを立てやすいというメリットがあります。一方で、算出された賃料が周辺の市場相場と大きく乖離する場合があるため、賃貸事例比較法と併用して調整するのが合理的です。

収益分析法

収益分析法は、物件を運営することで得られる総利益を分析し、そこから支払可能な賃料を逆算する手法です。居住用マンションよりも、店舗や事務所、一棟ビルといった事業用不動産の評価に適しています。

算出の手順は次のとおりです。

  1. 事業活動による総収益を把握する
  2. 経費や資本利潤を差し引く
  3. 賃料に充てられる金額を算出する

事業収益に基づいた合理的な賃料設定が可能になります。一般の居住用物件で用いられるケースは比較的少ないものの、収益性から賃料の妥当性を測る一つの視点となります。

賃貸住宅の家賃の決め方は「賃貸事例比較法」が一般的!3ステップで解説

賃貸マンションやアパートの家賃設定では、市場の動向を反映できる賃貸事例比較法が主流です。適正な価格を導き出すための具体的な3つの手順を見ていきましょう。

1.相場の確認

最初の手順は、物件が所在するエリアの賃料相場を大まかに把握することです。周辺の類似物件と比較して高すぎれば敬遠され、低すぎれば収益を逃すことになります。まずは広さや間取り、駅からの距離といった条件が近い物件の価格帯を確認しましょう。

不動産ポータルサイトなどを活用し、同じ駅や町名での平均的な賃料水準を調査します。この段階で、このエリアの1Kなら8万円前後といった基準を設けることで、その後の調査がスムーズに進みます。

2.競合物件の調査

次に、ターゲット層が重なる具体的な競合物件を詳細に調査します。所在地が近いだけでなく、室内の設備や管理状況まで踏まえて比較することが大切です。

たとえば、同じ築年数でもオートロックの有無や宅配ボックスの設置によって、入居者の募集状況は変わります。競合がどのような条件で募集し、どれくらいの期間で成約しているかを知ることで、自物件の立ち位置を把握できます。

3.個別要素による補正

調査結果をもとに、所有物件ならではの強みを反映させて最終的な金額を調整します。日当たりの良い南向きや眺望の良さは、賃料を高く設定できるプラスの要素です。

逆に、幹線道路沿いの騒音や周辺の競合物件と比べて築年が古いなどの場合は、相場より低めに設定する判断も必要でしょう。物件の個性を評価し、入居希望者が納得できる水準に補正を加えることで、空室リスクの低減につながります。

賃料相場の調べ方【3つの方法を完全ガイド】

賃貸経営を安定させるには、客観的なデータに基づく相場把握が欠かせません。納得のいく家賃設定を行うために、以下の3つの方法を順番に解説します。

1.不動産ポータルサイトを活用する

一般の入居希望者も利用するポータルサイトは、手軽に市場価格を把握できる手段です。駅からの距離や専有面積などの条件を絞り込み、類似物件の募集価格を確認しましょう。

常に最新の募集情報が掲載されているため、現在の市場ニーズを反映したデータを得られます。ただし、掲載されているのはあくまで募集賃料であり、実際の成約賃料とは異なる場合がある点を把握しておきましょう。交渉によって調整された事例なども考慮し、複数の物件を比較しながら相場観を養いましょう。

2.統計情報をチェックする

公的機関や民間調査会社が公表する統計データは、信頼性の高い情報源といえます。客観的な数値に基づいた相場を知ることで、偏りのない判断が可能になります。

たとえば総務省の小売物価統計調査では、主要都市別の平均的な家賃水準などを確認できます。こうした統計データは多くの世帯を対象とした平均像を示すものであるため、最終的には同条件の募集・成約事例を参考に微調整を行うのが望ましいでしょう。

3.地価や不動産価格指数などの推移からマクロな市場動向を読み解く

長期的な視点で賃料を予測するには、地価公示などの経済指標の確認も有効です。市場全体のトレンドを把握することで、将来の賃料変動に備えられます。

国土交通省の不動産価格指数は主に売買価格の動向を示すものですが、市場全体の温度感を知る補助的な材料となります。たとえば地価が上昇傾向にあるエリアでは、将来的に賃料も追随して上がる可能性があります。ただし賃料は供給数や居住者の所得状況などにも左右されるため、売買市場の流れはあくまで予測の材料の一つとして捉えましょう。

競合物件の抽出方法

適正な家賃設定には、比較対象となる競合物件の選定が重要です。精度の高い比較を行うために、ここでは3つのポイントを見ていきましょう。

立地だけでなくターゲットが近い物件を選ぶ

競合を選ぶ際は、所在地が近いだけでなく、入居者のターゲット層が重なる物件を抽出することが大切です。たとえば同じ町内であっても、単身向けと家族向けでは比較対象になりません。

自物件がどのような層を対象としているのかを明確にし、同じ属性の入居者が比較検討するであろう物件を分析しましょう。たとえば、学生向けであれば通学の利便性や周辺の生活環境が近い物件を優先します。ターゲットを揃えることで、入居希望者の視点に立った、より実態に即した賃料設定が可能になります。

できる限り詳細な情報を取得する

競合物件を抽出するうえでは、表面的な条件だけでなく、設備の内容や管理状態などの詳細な情報を集めることが不可欠です。たとえばオートロックやネット無料といった設備の有無は、成約率を左右します。

宅配ボックスや浴室乾燥機などのニーズが高い設備が競合物件に備わっている場合、家賃に反映されている可能性があります。こうした情報はポータルサイトのみでは把握しきれないケースも多いため、地域に詳しい不動産会社から情報を得ることも検討しましょう。細かな差を把握することが、物件の強みを活かした賃料設定のポイントとなります。

過去の取引事例からミクロなマーケット動向を推測する

募集中の物件だけでなく、過去の成約事例を参考にすることも有効です。実際にいくらで取引されたかというデータは、エリアのリアルな需要を反映しています。

特に、当初の募集賃料から値下げして成約した事例などは、賃料の上限を見極める判断材料となります。不動産会社が保有する成約データを活用すれば、成約までの期間や条件の変遷も確認できるでしょう。過去の動向から現在の需要を推測することで、空室期間を短縮するための現実的な家賃設定が期待できます。

賃料を左右する10の要素

賃料 左右 要素

賃貸物件の家賃は、多くの要素が組み合わさって決定されます。資産価値を適切に評価するために、以下の10の項目を押さえておきましょう。

1.立地

立地は家賃を左右する大きな要因のひとつです。基本的には最寄り駅からの距離が近いほど賃料は高くなり、特に徒歩10分以内は高い需要が見込まれます。

また、特急や急行の停車駅、複数路線が利用可能な駅の周辺も賃料相場が押し上げられる傾向にあります。駅周辺のスーパーやコンビニ、病院といった生活利便施設の充実度も、入居者が物件を選ぶ際の大切なポイントです。

2.構造

建物の構造も賃料に影響を及ぼします。一般的に、木造や鉄骨造に比べて、鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションは強度が高いため、賃料が高く設定されるのが一般的です。

特に、上下階の生活音が響きにくいRC造は、プライバシーや快適性を重視する層に好まれる傾向にあります。構造の違いによる性能の差は、物件の付加価値として家賃に反映させることが可能です。

3.広さ

専有面積が広くなるほど、賃料は上昇するのが基本です。間取りが同じでも、収納スペースや居住空間にゆとりがある物件は価値が高まります。

ただし、単に広いだけでなく、ターゲットに合わせた使い勝手の良い広さであることが重要です。単身者向けならコンパクトで機能的な配置、家族向けなら部屋数の確保など、ニーズに合った広さが適正な賃料維持に繋がります。

4.階数

集合住宅では所在階によって賃料に差が生じます。見晴らしや日当たりが良く、防犯面でも安心感のある高層階は、低層階よりも高く設定されるのが一般的です。

特に、上階に住戸がない最上階や独立性の高い角部屋は人気があり、強気の価格設定が可能です。一方で、1階部分は専用庭などの付加価値がない限り、プライバシー面から賃料が抑えられる傾向があります。

5.日当たり・眺望・方位

室内の明るさや窓からの景色も、賃料を左右する大切な個別要素です。一般的に、日中の日照時間が長い南向きの部屋は人気が高く、賃料が高くなりやすい傾向にあります。

また、目の前に公園が広がっているなど眺望に恵まれた部屋も、居住満足度を高める要素として評価されます。こうした視覚的な快適性は、生活の質に直結するため、家賃設定におけるプラスの材料となります。

6.築年数

築年数も賃料に直結する項目であり、新築や築浅の物件ほど高額になります。年数の経過に伴い建物や設備が劣化するため、賃料は徐々に下落していくのが一般的です。

ただし、築年数が古くても、適切なメンテナンスやリフォームが行われていれば、価値を維持できる場合があります。内装が最新の状態に更新されている物件は、周辺の築浅物件に近い賃料で貸し出せる可能性もあります。

7.設備

設備の充実度は入居者の満足度を高め、競合物件との差別化に役立ちます。オートロックや宅配ボックス、無料インターネットなどは、現代の賃貸探しにおいて必須条件とする人も多く、賃料アップに寄与します。

エアコンや温水洗浄便座といった標準設備に加え、浴室乾燥機や追い焚き機能などの人気設備を導入することで、相場より高い賃料設定や成約率の向上が期待できるでしょう。

8.募集時期

賃貸市場には繁忙期と閑散期があり、募集を開始する時期によっても賃料が変動します。進学や就職、異動が重なる1月から3月は需要がピークに達し、多少高めの設定でも入居者が決まりやすい時期です。

対して、引越しが落ち着く梅雨時や夏場は閑散期となり、入居者を確保するために賃料の調整やフリーレントの提供が必要になるケースもあります。時期に合わせた戦略が重要です。

9.賃貸条件

敷金や礼金の有無、更新料の設定といった契約条件も、実質的な賃料負担に影響を与えます。家賃そのものは相場通りでも、礼金をゼロに設定すれば初期費用を抑えたい層に選ばれやすくなります。

また、ペットの飼育や楽器の相談が可能といった条件を設けることで、需要が限定される代わりに、希少価値による賃料の維持や、空室期間の短縮を図ることが可能になります。

10.競合物件の数・条件

周辺に似たような条件の物件がどれくらいあるかという需給バランスも、家賃設定を左右します。新築マンションが乱立するエリアでは供給過剰となり、賃料の引き下げ競争が起きることもあります。

逆に、人気エリアで供給が少ない場合は、築年数が経過していても強気の賃料を維持できるでしょう。常に周辺の競合状況を確認し、自物件の希少性を把握しておくことが適正な賃料維持には不可欠です。

エリア別・物件タイプ別の賃料相場データ

賃料 相場 最新データ
出典:アットホーム調べ

2025年12月に公表された民間の定点調査や公的統計に基づき、主要エリアや物件タイプごとの平均的な賃料相場をまとめました。

東京23区のマンション賃料相場

2025年12月時点の東京23区における賃料は、都心部を中心とした需要の高さもあり、高水準で推移しています。港区などのプライムエリアでは、シングル向けでも14万円から16万円を超える事例が目立ちます。

一方、足立区や江戸川区などのエリアのシングル向けの物件賃料は、6万円から8万円台が目安となり、区によって大きな価格差があるのが特徴です。

とはいえ、東京23区は不動産価格の高騰やインフレなどを背景に、シングル向けに限らず募集賃料が大幅に上昇傾向にあり、全体でみれば前年比+10%程度と急騰しています。

主要都市(大阪・名古屋・福岡)の賃料相場

地方主要都市でも、中心部の利便性が高いエリアを中心に賃料の上昇が見られます。大阪市では梅田周辺などの再開発エリアが相場がを底上げしており、東京23区に匹敵する上昇率を見せています。

名古屋市の中区や福岡市の中央区でも上昇傾向にあり、職住近接を求める層による都心回帰の流れが鮮明です。各都市とも、主要駅へのアクセスの良さが賃料を左右しています。

単身向け(1K・1DK)の平均賃料

1Kや1DKなどの単身者向け物件は、都市部では安定した需要を背景に底堅く推移しています。東京23区の平均は10万円を超えていますが、郊外や地方都市では5万円から7万円程度が一般的です。

単身層は駅からの距離や設備の充実度を重視するため、これらが優れている物件は相場より高い賃料でも成約しやすく、収益性の向上が図りやすい傾向にあります。

ファミリー向け(2LDK・3LDK)の平均賃料

家族世帯向けの物件は、専有面積が広いため賃料も高額になります。とくに東京23区や大阪市では顕著に上昇しており、家計に占める負担感が増しているのが現状です。

その他の主要都市でも15〜20万円程度の設定が多く、2024年から2025年の上昇率でいえば、福岡市や仙台市が東京23区を上回っています。

築年数別の賃料推移

築年数による賃料の下落率は、物件の種別や立地によって異なります。一般的に新築から築10年程度までは下落幅が大きく、築20年を過ぎると緩やかになると言われますが、実際には維持管理の状態や立地に大きく左右されます。

都市部のRC造マンションでは、適切にリノベーションを行うことで、築30年を超えても新築に近い賃料を維持している例も存在します。定期的な設備の更新により、経年による価値低下を抑えることが可能です。

賃貸住宅の家賃を決める際の注意点

家賃設定は一度決めると変更が難しいため、客観的な判断が求められます。空室リスクを回避し、安定した収益を確保するために、ここでは賃料設定時の注意点を解説します。

競合物件の「成約賃料」を確認する

相場を調べる際は、募集価格だけでなく、実際に取引された成約賃料を確認することが重要です。募集価格はオーナーの希望が反映されているため、市場の実態よりも高く設定されている場合があります。

実際には、募集賃料から一定価格値下げした金額で成約しているケースも少なくありません。募集価格のみを基準にすると、入居者が決まらず空室が続く原因となります。不動産会社に依頼し、直近の成約データを参照することで、乖離のない適正な賃料を設定できるでしょう。

市況を正しく理解する

市場全体の流れを把握し、自物件の立ち位置を見極めることが大切です。近年は資材高騰などの背景もあり、都市部を中心に賃料は上昇傾向にあります。

入居者が入れ替わるタイミングは、家賃を改定する機会でもあります。周辺相場が以前より上がっている場合は、募集賃料を据え置かずに引き上げる検討も必要です。逆に、供給過剰で相場が下がっている場合は、早期成約を優先して柔軟に対応しましょう。常に最新の市況を把握しておくことが、機会損失を防ぐポイントです。

ターゲットを明確にする

どのような層に入居してほしいかを具体的にイメージして家賃を決めましょう。単身者、カップル、子育て世帯など、ターゲットによって許容できる賃料帯や評価されるポイントは異なります。

たとえば、目安として手取り収入の3分の1以内と言われることが多いですが、審査基準は金融機関や個人の支出状況によっても異なります。ターゲットとなる層の平均的な収入やライフスタイルを考慮し、無理のない範囲で最大限の賃料を狙うことが、長期的な安定稼働には欠かせません。

収益をシミュレーションする

期待した家賃収入から、諸経費を差し引いた、実際に確保できる金額を具体的に算出しましょう。ローンの返済や管理費、修繕積立金、固定資産税などのランニングコストを考慮する必要があります。

希望の利益を確保するためにいくらの家賃設定が必要かを逆算し、それが相場と合致しているかを確認します。利回りばかりを重視して相場から乖離した賃料を設定しても、空室が続けば収益は上がりません。長期的な収支計画を立て、空室期間も含めた現実的なシミュレーションを行うことが重要です。

不動産会社に相談しながら決める

オーナー自身の判断だけでなく、地域の市場に精通した不動産会社のアドバイスを受けるのが確実です。プロは日々多くの物件を扱っており、ネットには出てこない生の需要を把握しています。

物件の強みを客観的に評価してもらい、ターゲット設定や賃料調整について意見を聞くことで、より精度の高い家賃設定が可能になります。信頼できるパートナーを見つけ、市場動向に基づいた助言を得ることは、リスク回避と収益最大化の両立において有効な手段といえるでしょう。

不動産会社が決まっていない場合は賃料査定を依頼する

管理や仲介を依頼する会社が未定であれば、複数の不動産会社に賃料査定を依頼しましょう。各社の査定額やその根拠となるデータを比較することで、エリアの適正な相場が見えてきます。

査定の過程で担当者の対応や提案力、地域への詳しさを測ることもできます。高い査定額を提示する会社ではなく、市場の実態に即した納得感のある説明をしてくれる会社を選ぶことが大切です。良きパートナー選びは、将来の安定した賃貸経営への一歩となります。

賃料アップのための具体的施策6選

相場より高い賃料での成約や、資産価値の維持を目指すためには、物件の魅力を高める工夫が必要です。安定した収益を得るための6つの施策を紹介します。

1.リフォーム・リノベーション

築年数が経過した物件でも、内装や間取りを一新することで賃料を大幅に引き上げられる可能性があります。壁紙の張り替えや床材の変更といった簡易的なものから、水回りの交換を含むリノベーションまで、予算に合わせた対策を検討してみましょう。

現代のニーズに合わせたデザインや機能を取り入れることで、築浅物件にも負けない競争力が生まれ、相場以上の賃料設定も期待できるでしょう。

2.初期費用を下げる

月々の家賃を高く維持するために、入居時のハードルを下げる工夫も検討しましょう。礼金をゼロにしたり、一定期間の賃料を無料にするフリーレントを導入したりすることで、入居を検討する層を広げられます。

初期費用の負担が軽くなれば、多少家賃が高くてもトータルで考えれば負担が少ないと判断されやすくなります。キャッシュフローを考慮しつつ、成約を促すための効果的な手段といえます。

3.人気な設備・サービスを導入する

賃料アップに直結しやすい設備を導入しましょう。特にインターネット無料や高速回線の導入、宅配ボックスの設置はニーズが高く、付加価値として認められやすい要素です。

こうした設備は入居者がポータルサイトで検索する際の条件にもなるため、反響数の増加も期待できます。時代の変化に合わせた設備投資を行うことが、長期的な空室対策と賃料維持に繋がります。

4.セキュリティを強化する

防犯性能の向上は、特に女性や単身層にとって魅力的な訴求ポイントになります。オートロックの導入や防犯カメラの増設、モニター付きインターホンへの交換などは、安心感を高めるだけでなく、物件の格付けを上げることにも寄与します。

セキュリティが充実している物件は、周辺の類似物件よりも高い賃料設定が受け入れられやすく、防犯意識の高い良質な入居者を確保する上でも有効です。

5.共用部の清掃・メンテナンスを徹底する

エントランスや廊下、ゴミ置き場などの共用部を常に清潔に保つことは、物件の第一印象を左右します。管理が行き届いている物件は、入居者からの信頼が高まり、退去の抑制にも繋がります。

照明の球切れを放置しない、植栽の手入れを行うといった細かなメンテナンスの積み重ねが、物件全体の品位を保ちます。清潔感のある住環境は、適正な賃料を維持するための基本であり、欠かせない要素です。

6.不動産会社・管理会社を変える

物件そのものに問題がなくても、販促活動や管理体制が不十分であれば、賃料アップは望めません。魅力的な物件写真を掲載しているか、幅広いネットワークで客付けを行っているかを確認しましょう。

実績のある不動産会社であれば、市場動向に応じた的確な改修案や賃料設定の提案も期待できます。現状に満足できない場合は、管理会社を見直すことで成約賃料や稼働率が大きく改善されるケースも珍しくありません。

・「賃貸管理会社」に関する記事はこちら
賃貸管理会社とは? 頼れる委託先の選び方を紹介

まとめ

適切な家賃を決めるためには、ポータルサイトや統計データを用いて周辺相場を把握し、類似物件との比較を行うことが不可欠です。賃貸事例比較法を活用し、立地や設備などの個別要素を評価することで、市場ニーズに合致した賃料を算出できます。さらに、リフォームや人気設備の導入を検討すれば、収益の最大化も図れるでしょう。

市場動向に基づいた家賃設定は、空室期間を短縮し、安定した賃貸経営を維持する上で重要です。賃料相場の詳細な調査や査定を検討している方は、ぜひ東急リバブルへお問い合わせください。地域に精通したプロが、お客さまの状況に合わせた最適なプランを提案いたします。

この記事のポイント

賃貸住宅の家賃はどうやって決めれば良いでしょうか?

賃料の基本的な決め方は「賃貸事例比較法」「積算法」「収益分析法」の3つです。物件種別なども踏まえ、適切な方法で賃料を決めていきましょう。

詳しくは「賃料の基本の決め方は3つ」をご覧ください。

賃料相場はどうやって調べれば良いですか?

賃貸経営を成功させるためには、客観的なデータに基づいた賃料相場の把握が不可欠です。

「賃料相場の調べ方【3つの方法を完全ガイド】」では、賃料相場を調べるための方法を3つ紹介します。

賃料はどのような要因に左右されますか?

賃貸住宅の家賃は、立地や構造などさまざまな要素に左右されます。

詳しくは「賃料を左右する10の要素」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

賃料を設定する際、見落としがちなのがターゲット層の支払い能力です。一般的に、無理なく支払える家賃の目安は、手取り月収の3分の1以内といわれています。
例えば、所有する物件のターゲットを月収30万円の単身社会人と設定した場合、家賃の上限は10万円程度と推測できます。この上限を超えてしまうと、入居希望者の対象から外れてしまう可能性が高まります。エリアの平均的な所得水準を調べてみたり、不動産会社にターゲット層の年収や勤務先の傾向などをヒアリングしたりすることも有効です。

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