ざっくり要約!
- 首都圏の中古マンション売却相場は築年数が古いほど下がるが、下落ペースは一律ではなく、築26年以降に下落幅が大きくなる
- 税率が下がる「所有期間5年超」のタイミングや価格が大きく下がる前の「築20年まで」が売り時のひとつ
マンションの売却を検討する際、「築年数が経つといくら下がるのか」「いつ売るのがベストなのか」と悩む方は少なくありません。マンションの売却相場は、基本的に築年数が古くなるほど下落しますが、築年帯によって下落のペースや売却のコツは異なります。
この記事では、最新のデータに基づき、築年数ごとのマンション売却相場の推移や高く売るためのベストなタイミングについて詳しく解説します。築年帯ごとの売却のコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
マンションの売却相場と築年数の関係
マンションの売却相場は、築年数が古くなるほど下落する傾向にあります。これは、マンションの価値が「土地」と「建物」で構成されており、建物部分は経年によって価値が減少していくためです。
東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」によれば、2025年に首都圏で成約した中古マンションの築年帯別の平均価格・平米単価は以下のとおりです。
| 築年帯 | 平均平米単価(万円/㎡) | 前の築年帯からの下落率 |
|---|---|---|
| 築0〜5年 | 143.64 | ー |
| 築6〜10年 | 131.94 | ▲8.1% |
| 築11〜15年 | 114.11 | ▲13.5% |
| 築16〜20年 | 99.13 | ▲13.1% |
| 築21〜25年 | 86.10 | ▲13.1% |
| 築26〜30年 | 64.45 | ▲25.1% |
| 築31〜35年 | 44.14 | ▲31.5% |
| 築36〜40年 | 40.40 | ▲8.5% |
| 築41年〜 | 47.50 | +17.6% |
最も平均平米単価が高いのは「築0〜5年」の143.64万円/㎡で、最も低い「築36〜40年」は40.40万円/㎡と、3分の1以下の水準です。
注目したいのは下落の「ペース」です。下落率を見ると、築20年までは5年ごとに8〜13%程度と比較的緩やかですが、築26〜30年にかけては25.1%、築31〜35年にかけては31.5%と、下落幅が一気に大きくなります。
一方、築36〜40年では下落率が8.5%まで縮小し、築41年超ではむしろ単価が上昇に転じています。これは、建物の価値がほぼ底を打ち、土地の価値が価格を下支えするようになることに加え、都心部のヴィンテージマンションが高値で取引されていることも影響していると考えられます。
・ヴィンテージマンションに関する記事はこちら
ヴィンテージマンションとは?人気の理由や魅力、入居時の注意点を解説
成約した中古マンションの2割以上が築40年超
同データによれば、2025年に首都圏で成約した中古マンションの平均築年数は「26.58」年で、上昇傾向が続いています。築年帯別の構成比率を見ると、築20年超の物件が成約全体の60%以上を占め、築41年以上のマンションは23.5%と、全築年帯の中で最も高い比率です。
また、新規登録件数に対する成約件数の割合(対新規登録成約率)は、2024年から2025年にかけてすべての築年帯で上昇しており、たとえば築26〜30年は16.6%から26.2%へ、築41年超も13.2%から20.9%へと大きく伸びています。築年数が古いマンションの「売れやすさ」は高まっているといえるでしょう。
・「築40年のマンション」に関する記事はこちら
築40年のマンションの売却相場は? 好条件で売るコツを伝授
マンションを売却するベストなタイミングは?

マンションを売却するベストなタイミングは、家庭の事情によって異なります。しかし、所有期間や築年帯が手残りや売却金額に影響する可能性があるため、次のポイントを押さえておきましょう。
所有期間が5年を超えてから
マンションの価格はここ数年、上昇し続けており、購入時より高く売れることも少なくありません。しかし、マンションの売却による譲渡所得(売却益)は、課税の対象となります。譲渡所得税の税率は、マンションの所有期間によって以下のように異なります。
| 所有期間 | 所得税・復興特別所得税 | 住民税 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
所有期間が5年以下か5年超かで税率が大きく異なるため、所有期間が5年を超えたタイミングで売却することで税額を抑えられることもあります。
ただし、マイホームの売却では「3,000万円特別控除の特例」が適用できるため、そもそも課税対象とならない場合があります。適用には一定の条件があるため、事前に条件や税金について調べたうえで売却時期を検討しましょう。
・「長期譲渡所得」に関する記事はこちら
長期譲渡所得とは?短期との違いや計算方法、特別控除、軽減税率などをわかりやすく解説!
・「3,000万円控除」に関する記事はこちら
3,000万円控除とは?制度の概要、適用条件や具体的な計算方法も解説!
価格が大きく下落する「築25年」まで
前述のデータが示すとおり、築25年までの下落率は5年ごとに8〜13%程度ですが、築25年を過ぎると下落幅が拡大し、築26〜30年にかけて約25%、築31〜35年にかけて約32%も下落します。
資産価値が大きく落ちる前、目安として築25年までに売却することで、より高い価格での成約に期待できます。
築36年以降・大規模修繕の直後
築26年から築35年まで大きく価値を落とした後、売却相場はほぼ横ばいになります。築36年以降は大きく減価しないことから、自分たちの都合も考慮しながらゆっくり売却を検討しやすい時期ともいえるでしょう。
ただし、高経年のマンションは立地や管理状態などの条件がシビアに見られやすい傾向にあります。マンションの大規模修繕工事が終わった直後は、外観や共用部分がきれいになり、買主からの印象が良くなるタイミングです。修繕積立金が適切に使われ、管理が行き届いていることの証明にもなるため、売り出し時期の候補として意識しておくとよいでしょう。
【築年帯別】マンションの売却相場と高く売るコツ
続いて、築年帯別の特徴や首都圏の相場、高く売るコツを見ていきましょう。
築5年前後
| 築年帯 | 平均成約価格(万円) | 平均平米単価(万円/㎡) |
|---|---|---|
| 築0〜5年 | 8,666 | 143.64 |
| 築6〜10年 | 8,201 | 131.94 |
近年は新築マンションの供給数が減少しているため、築浅物件が新築の代替として高い需要を集めています。築5年までの築浅のマンションは、新築に近い価格水準で取引されており、築年帯の中で最も高値売却が期待できる時期です。築6〜10年になっても平均成約価格は8,201万円と、わずかな下落に留まります。
競合物件と差別化するには、新築時のパンフレットやオプション設備の保証書などを活用し、物件の魅力を最大限にアピールすることがコツです。ただし、前述のとおり所有期間5年以下の売却は譲渡所得税の税率が高くなるため、税金面も考慮して売却時期を検討しましょう。
築15年前後
| 築年帯 | 平均成約価格(万円) | 平均平米単価(万円/㎡) |
|---|---|---|
| 築11〜15年 | 7,335 | 114.11 |
| 築16〜20年 | 6,709 | 99.13 |
築15年前後のマンションは築10年以内の物件と比べると当然値下がりするものの、まだ大きく価値を落とす時期ではありません。また、対新規登録成約率は築11〜15年が40.9%と全築年帯で最も高く、売り出せば最も成約に結びつきやすい築年帯といえます。
給湯器などの住宅設備が交換時期を迎え、内装の使用感も出てくる頃ですが、売却前に交換・修繕するかは慎重に判断しましょう。かけた費用を回収できるだけ高く売れるとは限らないため、まずは現状のまま不動産会社に相談し、ハウスクリーニングの実施なども含めて一緒に売却方法を検討するのがおすすめです。
築25年前後
| 築年帯 | 平均成約価格(万円) | 平均平米単価(万円/㎡) |
|---|---|---|
| 築21〜25年 | 6,075 | 86.10 |
| 築26〜30年 | 4,286 | 64.45 |
築25年前後のマンションは流通量が多く、競合物件との差別化が売却成否を左右します。具体的な施策としては、インスペクション(建物状況調査)、ホームステージング、ハウスクリーニングなどが挙げられます。
また、マンション全体の大規模修繕工事の時期と重なることも多いため、修繕履歴や長期修繕計画、管理状況の良さを資料で示せるようにしておくと、買主の安心材料になります。
・「インスペクション」に関する記事はこちら
インスペクションとは?メリットや費用、注意点、自治体の補助金を解説
・「ホームステージング」に関する記事はこちら
ホームステージングとは?メリットや売却への効果、自分で行うポイントも解説
・「ハウスクリーニング」に関する記事はこちら
ハウスクリーニングの相場はいくら?水回りから一戸建てにかかる費用まで紹介
・東急リバブルの売却サービス一覧
築35年前後
| 築年帯 | 平均成約価格(万円) | 平均平米単価(万円/㎡) |
|---|---|---|
| 築31〜35年 | 2,638 | 44.14 |
| 築36〜40年 | 2,761 | 40.40 |
築30年前後で平均成約価格は大きく落ち、この築年帯以降は相場がほぼ横ばいになります。築35年前後のマンションは新耐震基準で建築されており、住宅ローンや住宅ローン控除の面でも買主が購入しやすい築年帯です。
改修を視野に入れている買い手も多いですが、基本的に売主が事前にリフォーム・リノベーションする必要はありません。買主の好みに合わない改修は、かえって売りにくくなるおそれもあるため注意が必要です。
・「耐震基準」に関する記事はこちら
旧耐震と新耐震の違いは?地震発生時のリスクも解説
・「マンション売却前のリフォーム」に関する記事はこちら
中古マンション売却時にリフォームは必要?判断基準や費用を解説
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旧耐震物件
1981年5月以前に建築確認申請されたマンションは、旧耐震基準で建築されています。耐震診断や耐震補強工事をしていなければ耐震性に一定の不安があり、住宅ローン控除の適用要件を満たさない場合があるため、新耐震基準のマンションと比べると売りにくい傾向は否めません。
とはいえ、立地や管理状態が良好であれば十分に売却可能です。条件面で不安がある場合は、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」も選択肢に入れて検討しましょう。
・「マンション買取」に関する記事はこちら
マンションの買取とは?買取向きの物件と詳しい売却方法を徹底解説
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築年数が古いマンションでも売却できる?
築年数が古いマンションであっても、条件次第では安定した需要が見込めます。ここでは、築古でも需要が高いマンションの特徴と売れない場合の対処法を見ていきましょう。
築古でも需要が高いマンションの特徴
立地が良いマンション
都心部や駅近など利便性の高い立地にあるマンションは、築年数が経過していても一定の需要が見込まれます。また周辺に商業施設や医療機関、学校などがそろっているエリアは、実需層だけでなく投資目的の購入検討者からも評価されやすい傾向にあります。
築41年超の平均平米単価が築36〜40年を上回っているのも、都心の好立地物件が価格を押し上げているためと考えられます。
管理状態が良いマンション
築年数が古いマンションほど、管理状態の良し悪しが資産価値に大きく影響します。共用部の清掃状況や修繕履歴、長期修繕計画の有無、修繕積立金の水準などは、購入検討者が必ず確認するポイントです。「マンションは管理を買え」といわれるように、管理が行き届いたマンションは築年数以上に良い評価を受けることも少なくありません。
リノベーション済みマンション
専有部分がリノベーションされているマンションは、築年数の古さを感じにくく、購入後すぐに住める点が評価されます。工事内容や履歴が書面等で確認できると、さらに安心材料になります。
売れない場合の対処法
相場をよく確認する
同じエリア内の築古物件の成約事例や現在の売り出し事例を確認し、価格設定を見直しましょう。立地や広さが同じでも、築20年・築30年の物件と同水準の価格で売るのは現実的ではありません。
不動産会社の担当者と相談しながら、成約事例や市場動向を踏まえて価格をすり合わせることが大切です。
・「売却相場の調べ方」に関する記事はこちら
マンション売却相場の調べ方は?地域別・築年数別の目安売却相場も紹介
・東急リバブルの売出相場検索はこちら
リノベーションプランを付けて売却する
リノベーション後の間取りイメージや参考プラン、概算費用を提示することで、購入検討者が「この物件でどんな暮らしができるか」を想像しやすくなり、築古物件への心理的なハードルを下げる効果に期待できます。
・「マンション売却時のリフォーム」に関する記事はこちら
中古マンション売却時にリフォームは必要?判断基準や費用を解説
東急リバブルの「CGリフォームイメージ」はこちら
不動産会社に買い取ってもらう
早期売却を優先したい場合や内見対応の負担を避けたい場合は、不動産会社による買取も現実的な選択肢です。買取価格は市場相場より下がりやすいものの、売却時期や条件が読みやすい点がメリットです。
・「マンションの買取」に関する記事はこちら
マンションの買取価格は相場の7〜9割! 査定依頼方法と不動産会社の選び方
マンション買取のデメリットとは?仲介との価格差や不動産会社選びの注意点
売却保証を活用する
「仲介で高く売りたいが、売れ残りも不安」という場合は、一定期間内に売却できなかったときに不動産会社が買い取る「売却保証」の利用も検討しましょう。仲介での高値売却に挑戦しつつ、売却期限を確定できるため、住み替えなどスケジュールが決まっている売却に向いています。

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築何年のマンションが売却できる限界なのか
結論からいえば「築何年までなら売れる」という明確な限界はありません。前述のとおり、2025年に首都圏で成約した中古マンションのうち最も比率が高い築年帯は「築41年〜」であり、実際に築40年、50年のマンションも数多く取引されています。
ただし、築年数が古くなると、住宅ローンが組みにくくなるケースが増え、購入できる層が限られる傾向にあります。重要なのは築年数そのものよりも、立地・管理状態・修繕履歴・価格設定といった複合的な条件です。見た目に老朽化が進んだマンションであっても、相場や需要を踏まえた価格設定にすることで、購入検討者の関心を集めることは可能です。
まとめ
マンションの売却相場は築年数とともに下落しますが、下落ペースは一律ではなく、築年帯ごとの特徴や適切な売り時を把握することで、損をせずに売却することが可能です。所有期間による税金の違いや、大規模修繕のタイミングなども考慮し、計画的に売却を進めましょう。
なかなか買い手が見つからない場合は、リノベーションプランを提案して販売したり、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」を選択したりする方法があります。東急リバブルでは、一定期間で売却できなかった場合に当社が買い取る「売却保証」や建物の不具合を保証する「リバブルあんしん仲介保証」をご用意しており、古いマンションの売却も強力にサポートします。

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この記事のポイント
- マンションの売却相場は築年数でどのように変わりますか?
築年数が古くなるほど下落しますが、ペースは一律ではありません。築20年までは緩やかで、築26〜35年にかけて下落幅が大きくなり、築36年以降は横ばいになります。
詳しくは「マンションの売却相場と築年数の関係」をご覧ください。
- マンションを売却するベストなタイミングはいつですか?
税率が下がる「所有期間5年超」、価格が大きく下がる前の「築20年まで」などが挙げられます。
詳しくは「マンションを売却するベストなタイミングは?」をご覧ください。
- 築年数が古いマンションでも売却できますか?
売却可能です。2025年の首都圏では、築41年以上の成約が全築年帯で最も高い比率でした。
詳しくは「築年数が古いマンションでも売却できる?」をご覧ください。
- 古いマンションがなかなか売れない場合はどうすればいい?
価格設定の見直しのほか、リノベーションプランを付けた売却、買取、売却保証の活用といった方法があります。
詳しくは「売れない場合の対処法」をご覧ください。
- 築何年までのマンションなら売却できますか?
明確な限界はありませんが、築50年以上のマンションも需要や相場を見定めれば売却可能なケースがほとんどです。
詳しくは「築何年のマンションが売却できる限界なのか」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
近年、中古マンション価格は著しく上昇しています。築年数が古いマンションも、予想を上回る金額で売れるかもしれません。一方で、金利は上昇傾向にあり、インフレが進む中、条件の良くないマンションの売れ行きは鈍化しているという声も聞かれます。築年数が古く、立地や管理状態が良好ではないマンションについては、早期売却も検討しましょう。


