ざっくり要約!
- 築年数経過による修繕費の増加や、管理委託費や修繕積立金などの値上がりといった正当な理由があれば家賃の値上げは可能
- 入居者に納得してもらうために、家賃の値上げが妥当であることをしっかりと説明して文書で示すことが大切
家賃の値上げ交渉は、正当な理由を満たせば可能です。
家賃相場が全国的に上昇している今、家賃を値上げしたいけれど「本当にできるのか」「空室が増えてしまうのではないか」と心配している方向けに、家賃値上げを実現する方法を詳しく解説します。
値上げ交渉が認められない事例や値上げ交渉の進め方、配慮すべきリスクなど、賃貸オーナーなら知っておくべきポイントを網羅的に紹介します。家賃交渉を成功させたい方は、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
家賃の値上げ交渉は正当な理由を満たせば可能

家賃の値上げに関して「正当な理由」があれば、借主に値上げ交渉することが可能です。
近年の不動産価格や固定資産税、電気代の上昇などを背景に、家賃の増額交渉を行うオーナーが増えています。
しかし入居者は家賃が上がることをデメリットと感じるため、値上げに納得してもらうのに苦労するケースもあるでしょう。
家賃を上げるためには借地借家法に基づく正式な手続きや契約が求められ、複雑な交渉が伴うこともあるため、まずは賃貸管理会社や不動産会社に相談することをお勧めします。それでも難航する場合は、家賃交渉を得意とする弁護士に相談しましょう。
家賃値上げが増えている背景
現在、全国的に家賃の上昇傾向が続いており、実際に家賃の値上げ交渉を成功させたオーナーも少なくありません。
ひと昔前は、築年数が古くなれば、家賃を下げて入居者を募集するのが常識でした。したがって「本当に家賃を上げられるのだろうか」と、懐疑的に見ている人も少なくないでしょう。
近年の物価高によって建築費が高騰しており、修繕費や人件費、固定資産税などの上昇も相まって、賃貸オーナーの負担増につながっているのは間違いありません。よって値上げせざるを得ないというのがオーナーの本音であり、家賃が値上がりしている背景だといえます。
また新築マンションの価格高騰によって、購入を断念した人たちが賃貸物件に流れ、賃貸需要が増加しています。借主に交渉しやすい状況であることも、家賃値上げが実現している要因の1つといえるでしょう。
コロナ禍では郊外への移住が目立ちましたが、「都心回帰」のニーズも顕著です。家賃の値上げ交渉をするのであれば、人々が物価高を受け入れ始めた今がチャンスかもしれません。
家賃の値上げ交渉における正当な理由とは

家賃の値上げを交渉するには「正当な理由」が必要であり、借地借家法によって以下のように定められています。
土地・建物の税負担や不動産の価値の増減、経済事情の変動などによって、近隣の家賃相場と比べて現在の家賃が不相当となった場合は、増額(減額)を請求できます(借賃増減請求権)。
家賃の値上げ交渉をする場合、どのようなことが「正当な理由」にあたるのでしょうか。ここでは正当な理由と認められる、4つのポイントを解説していきます。
出典:借地借家法(平成三年法律第九十号)|e-Gov 法令検索
管理物件の維持費や税金の増加
築年数経過による修繕費の増加や、管理委託費や修繕積立金などの値上げは、オーナーの負担を増やすことになります。
また固定資産税や都市計画税といった税負担が増加した場合、たとえ微増だとしても、オーナーの利益を圧迫しかねません。これらの直接的な支出増加は、十分「正当な理由」に当たります。
ちなみに固定資産税は3年に1度「評価替え」が行われ、税額が見直されます。たとえば再開発や地価高騰エリアでは、次回の評価替えで大幅増額となるリスクがあるため注意が必要です。
建物及び土地の価格上昇
近年の地価高騰や再開発などによってエリア全体の不動産価値が上昇するなど、近隣の不動産相場が上がっている場合、家賃を値上げするのに十分な状況が揃っているといえます。
既存家賃のままでは、オーナーが本来得られるはずであった適正な利益を失うという、機会損失が生じてしまうからです。
ただしオーナーの主観ではなく、客観的に見て近隣の家賃相場との乖離が明らかであることが大切です。
・「2026年の公示地価」に関する記事はこちら
2026年公示地価、5年連続上昇でバブル後最大更新!需要は都心部に集中
近年続いている物価の値上がり

近年、生鮮食品やエネルギーをはじめ、あらゆる分野で物価が高騰しており、建築費や修繕費なども例外ではありません。
総務省の消費者物価指数を見ても、歴史的ともいえる上昇トレンドが継続しており、貨幣価値が実質的に低下している状態です。
アパートやマンションを維持管理するためにかかる、修繕費や共用部分の電気代、管理委託費などが上昇していることも、家賃値上げの正当な理由になります。
賃貸借契約を結んだ時点よりも、維持管理にかかる費用が増加していることを示す書面等を用意し、家賃値上げ交渉時に資料として提示しましょう。
周辺の家賃相場との乖離
周辺の類似物件と比べて明らかに家賃が割安な場合、値上げの正当な理由になります。
近隣の類似物件の家賃相場を調査し、入居者への説明資料として文書化しておきましょう。
SUUMOやLIFULL HOME’Sなど不動産ポータルサイトなどを利用し、駅距離や築年数、設備、面積などの条件が近い物件を調べ、比較表などを作成すると効果的です。
たとえば「周辺の類似物件の平均家賃は〇万円だが、当物件は〇万円で、毎月〇万円も乖離している」という事実を数字で可視化できると説得力が増すでしょう。
もし家賃相場の調査が難しければ、賃貸管理会社や不動産会社へ相談することをおすすめします。

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家賃の値上げ交渉が認められない事例とは

家賃値上げの目的や契約内容によっては、値上げが認められないケースもあります。
ここでは、家賃の値上げが認められない事例を紹介します。
周辺の家賃相場から大きく逸脱した値上げ
家賃を相場より大幅に高く設定することは認められません。
もし市場価格を大きく超える家賃を設定すれば、賃貸市場の公平性が損なわれ、法的なトラブルに発展する恐れがあります。そのため、家賃設定は近隣物件との比較を行い、適正な価格にすることが必要です。
賃貸人の収入を増やすためだけを目的とした値上げ
市場価格に変動がないにもかかわらず、収入増加を目的とした家賃の増額は不当とされます。
このような場合の家賃値上げは賃借人にとって不公平であり、問題を引き起こす可能性が高いです。値上げを検討する場合は、正当な理由が必要です。
賃貸借契約書に家賃の値上げを行わないと記載がある
賃貸借契約で家賃の固定が合意されている場合、契約期間中の家賃値上げは不可能です。
契約により家賃が一定期間固定されることは、双方の公平な関係を保持し、契約の信頼性を高めるために重要です。社会状況が変化しても、契約を遵守することが求められます。
家賃値上げの相場はいくら?適正な値上げ幅の決め方

家賃の値上げ幅が大きいと退去リスクが高まるため、入居者が負担を感じにくい金額を設定しましょう。
家賃値上げの目安は現行家賃の3~5%程度、1,000~3,000円程度が一般的です。
ただし同じ3,000円の値上げだとしても、元の家賃が5万円の物件と10万円の物件では、入居者の捉え方は異なります。金額だけでなく、上昇率(割合)も考慮するようにしてください。
家賃の値上げ交渉の進め方

家賃の値上げ交渉は、できるだけ慎重に進めましょう。タイミング的には、更新契約の3~6か月前から進めるのが理想です。
ここでは、一般的な値上げ交渉の手順を解説します。

1.家賃の値上げの金額と値上げを行う時期を決める
家賃の値上げを決定する前に、周辺の物件との比較分析を行い、維持管理費の増加も調査する必要があります。新しく設定する家賃は、入居者が納得しやすい額でなければならず、同時に近隣の家賃相場にも適合する必要があります。
更新契約の直前に値上げを通知することになれば、入居者とのトラブルに発展しやすくなります。
入居者が、新しい家賃が適正なのかじっくりと検討できるように、十分に期間を設けるようにしましょう。
2.家賃値上げの正当な理由を文書化する
入居者に納得してもらうためにも、値上げが妥当であることをしっかりと説明し、文書で示すことが大切です。家賃の値上げを行いたい場合、まず値上げの理由を明確にし、それを文書に記録します。
税金の増額や管理費の上昇、家賃相場の高騰が理由であれば、固定資産税通知書、修繕費明細、近隣の類似物件の家賃相場をまとめたものなどを準備しましょう。
3.家賃値上げの請求を賃借人に通知する
家賃の値上げ額が決まったら、賃借人へその旨を通知します。
通知期間について法律による規定はありませんが、入居者が十分に検討できるように配慮する必要があります。少なくとも2~3か月前など、余裕を持ったタイミングで通知するようにしましょう。
なお、家賃値上げの通知書には、以下の内容を記載するようにしてください。
- 通知書の発送日
- 物件名・所在地・部屋番号
- 賃貸人・賃借人の氏名
- 賃貸借契約の期間
- 現行の賃料
- 値上げ後の賃料
- 家賃値上げの理由
- 回答期限
- 賃貸人の連絡先
4.賃借人との値上げ交渉を実施する
入居者が家賃の値上げに反対する場合、個別に交渉を行い、値上げの理由とその妥当性をわかりやすく説明する必要があります。
決して感情的にならず、データや資料をもとに話を進めてください。一方的に値上げを要求するのではなく、相談ベースで話を進めると合意を得やすいでしょう。
5.話し合いが無事にまとまったら合意書を作る
家賃の値上げについて入居者と合意が得られた場合、口約束ではなく書面化することが大切です。
改定後の賃料や適用開始日、差額精算方法など、合意した内容を記載した書面を作成し、両当事者が保持するようにしてください。
これにより、将来的な誤解や紛争発生のリスクを防ぐことができます。
家賃の値上げ交渉を賃借人に拒否されたらどうする?

家賃の値上げを賃借人と交渉し、拒否されてしまった場合、基本的には値上げすることができません。借地借家法には、賃借人の権利を保護する面もあるためです。
対処法としては、複数回にわたっての借主との話し合いを重ねて条件を調整し、着地点を探りましょう。話し合いを重ねても入居者が値上げに応じない場合は民事調停を申し立て、それでも解決しないときは、賃料増額訴訟を行うことになります。
ここでは、家賃値上げ交渉の流れと、民事調停や賃料増額訴訟の概要を解説します。
まずは再交渉と条件調整を行う
借主が合意しなければ、家賃の値上げはできません。値上げに応じてもらえるまで交渉を重ねて着地点を探り、条件調整を行いましょう。
たとえば段階的な家賃値上げや住宅設備の改善など、折り合いがつきそうな条件を提案してみましょう。
民事調停を申し立てる
入居者と話し合いを重ねても合意に至らない場合は、民事調停を申し立てます。民事調停とは、裁判官と調停委員が間に入り、当事者間の話し合いを通じて、民事上の紛争解決を目指す手続きです。
民事調停は訴訟に比べて低コストで済み、手続きが簡単なうえ、2~3回の調停で解決することが多いのが特徴です。
相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てるのが原則で、窓口に備え付けられている「申立用紙」を利用して申し立てを行います。
調停で解決しない場合は賃料増額訴訟を行う
民事調停で解決しないときは、賃料増額訴訟を行い、解決することになります。裁判所が賃料増額を正当だと認めれば、増額請求を出した時点までさかのぼって差額を請求できます。
ただし、裁判には多額の費用がかかり、判決が出るまでに1年以上かかるケースも少なくありません。
なるべく民事調停での解決を図り、賃料増額訴訟は最終的な手段だと心得ましょう。
・「家賃交渉の相場やタイミング」に関する記事はこちら
家賃交渉の相場やタイミングは?入居中・更新時のコツを紹介
家賃の値上げ交渉を行う際に配慮すべきリスク

家賃の値上げで重大なトラブルに発展させないためにも、配慮すべきリスクを把握しておきましょう。
ここでは、家賃値上げで起こり得る、主なリスクについて解説します。
裁判に発展してしまう事例も存在する
家賃の交渉が決裂し、双方の意見が折り合わない場合、最終的に裁判に発展することがあります。裁判が行われると、多額の裁判費用や長期間の手続きが必要になります。
また、裁判が進行中は、新しい家賃の適用が停止されるため、オーナーは収入の増加を見込めません。
裁判を避けるためにも、事前のコミュニケーションを丁寧に行うことが重要です。
賃借人に退去されて空室が増える
家賃の値上げが入居者にとって受け入れ難く、他の類似物件のほうが条件がよいと思えば、多くの場合は退去を考えるでしょう。
退去が重なれば空室は増え、家賃収入は減り、キャッシュフローは悪化してしまいます。家賃収入でローン返済ができなくなれば、自己資金から返済せざるを得なくなってしまいます。
家賃の値上げを進める場合は、退去リスクを軽減するためにも、入居者との良好な関係を維持することを心がけましょう。
・「賃貸需要の高い立地・物件」に関する記事はこちら
空室リスクを減らす! 賃貸需要の高い立地・物件の見分け方
入居者との関係が悪化することがある
家賃の値上げ要求は、入居者との関係悪化を招き、クレーム増加や更新拒否などが起こる可能性もあります。
そうした事態を防ぐために、オーナーが単に「収入を増やしたい」という願望から、値上げを要求しているのではないことを理解してもらいましょう。
建物を適切に維持するためには費用がかかること、近隣相場と比較しても値上げが妥当であることを丁寧に説明し、誠実な態度で接することが大切です。
家賃の値上げ交渉を成功させるためのポイント

家賃の値上げ交渉を成功させるためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、とくに大切なポイントを4つ紹介します。
- 賃借人が納得できる理由を文書などで丁寧に説明する
- 賃借人に何らかのメリットがある条件を付与して交渉する
- 賃借人から反感を買うほどの過剰な家賃の値上げは避ける
- 家賃の値上げ交渉を行うことをなるべく早い段階で通知する
- 段階的な値上げを提案する
賃借人が納得できる理由を文書などで丁寧に説明する
家賃の値上げを通知する際には、なぜ値上げが必要なのかを、具体的かつ客観的なデータと共に詳しく説明することが重要です。
例えば、固定資産税の増額や維持管理費の上昇を明示し、これらが直接家賃に影響を与える理由を丁寧に解説します。
また、賃借人の疑問や懸念に対して、公平かつ開かれた態度で応答し、理解と共感を得る努力が必要です。
賃借人に何らかのメリットがある条件を付与して交渉する
家賃の値上げを受け入れやすくするためには、入居者にも何らかのメリットを提供することが効果的です。
例えば、設備の改善やサービスの向上を提案し、これらの改善が家賃の値上げに見合う価値があることをアピールします。
更新料の割引や一部サービスの無料提供など、具体的なメリットを提示することで、交渉が前向きに進む可能性が高まります。
賃借人から反感を買うほどの過剰な家賃の値上げは避ける
値上げの金額は、現実的かつ妥当な範囲内に保つことが重要です。市場の家賃相場を踏まえた上で、合理的な範囲の値上げを提案するべきです。
大幅な値上げは入居者に強い反感を買う原因となり、最悪の場合、退去につながることもあります。値上げの提案は慎重に、そして公平に行う必要があることを覚えておきましょう。
家賃の値上げ交渉を行うことをなるべく早い段階で通知する
家賃の値上げを計画している場合、なるべく早い段階で入居者に通知することが望ましいです。これにより、入居者は値上げに対して十分な時間をもって検討し、必要に応じて質問や懸念をオーナーに伝えることができます。
早期の通知は信頼関係を保ち、交渉を円滑に進めるためにも効果的です。
段階的な値上げを提案する
家賃の値上げ交渉をするのであれば、段階的な値上げを提案しましょう。いきなり高額な値上げを提案してしまうと、入居者は経済的な負担を感じて、拒否する可能性が高いからです。
たとえば5,000円の値上げを目指すのであれば、まずは2,000円の値上げを提示し、次回の更新で3,000円の値上げにするなど、入居者が受け入れやすい条件を提案するようにしてください。
家賃の値上げ交渉を賃貸管理会社に丸投げできる?

家賃の値上げ交渉は、借主と貸主の間で行う重要な行程です。賃貸管理会社はこの行程においてサポートする役割を担いますが、法的な交渉そのものを完全に代行することはできません。
借地借家法などの法的要素が絡むため、実際の交渉には法的知識を持つ弁護士が必要とされることが一般的です。
賃貸管理会社の役割と限界
賃貸管理会社は、家賃の値上げに関する交渉で有用なサポートを提供します。
具体的には賃貸人と賃借人の間を取り持ち、意向を取り次ぐことや、交渉に必要な市場データや物件の状況に関する詳細な情報を提供することが主な役割です。
これにより、双方が納得できる解決策を見つける手助けをします。
しかし、交渉そのものを賃貸管理会社が直接行うことは「非弁行為」とみなされる可能性があります。このような活動は法律で禁止されており、違法な行為に該当する恐れがあるため、注意が必要です。法的に複雑または敏感な問題については、弁護士などの法的資格を持つ専門家に相談することが重要です。
・「賃貸管理会社」に関する記事はこちら
賃貸管理会社とは? 頼れる委託先の選び方を紹介
賃貸管理会社の選び方
家賃の値上げ交渉に際して賃貸管理会社を利用する場合は、その実績や取り扱い経験を重視して選ぶことが大切です。実績が豊富な会社であればあるほど、交渉の際に必要となるデータの提供や、賃借人とのスムーズなコミュニケーションのための戦略を効果的に提案できる可能性が高まります。
また、賃貸管理会社を選ぶ際は、その会社が法律を遵守しているかどうかも確認しておくと安心です。適切な法的な手続きを理解し、適法なサービスを提供しているかどうかが、トラブルを避けるために重要となります。
まとめ
正当な理由があれば家賃の値上げ交渉は可能ですが、賃借人が応じなければ、家賃を上げることはできません。
賃借人が納得できるような理由を文書で丁寧に説明し、段階的な値上げや賃借人にとってメリットとなる条件を提案するなどし、良好な関係性を保てるような工夫をしましょう。
なお値上げ交渉について賃貸管理会社や不動産会社に相談することはできますが、交渉そのものを丸投げすることはできません。自らが交渉するのが難しいときは、弁護士に相談するようにしましょう。
この記事のポイント
- 家賃の値上げ交渉はよくあることですか?
現在、全国的に家賃の上昇傾向が続いており、実際に家賃の値上げ交渉を成功させたオーナーも少なくありません。
近年の物価高によって建築費が高騰しており、修繕費や人件費、固定資産税などの上昇も相まって、賃貸オーナーの負担増につながっているのは間違いありません。よって値上げせざるを得ないというのがオーナーの本音であり、家賃が値上がりしている背景だといえます。
詳しくは「家賃値上げが増えている背景」をご覧ください。
- 家賃の値上げをするための正当な理由とは?
家賃の値上げを交渉するには「正当な理由」が必要であり、借地借家法によって以下のように定められています。
土地・建物の税負担や不動産の価値の増減、経済事情の変動などによって、近隣の家賃相場と比べて現在の家賃が不相当となった場合は、増額(減額)を請求できます(借賃増減請求権)。
出典:借地借家法(平成三年法律第九十号)|e-Gov 法令検索
詳しくは「家賃の値上げ交渉における正当な理由とは」をご覧ください。
- 家賃の値上げを拒否されたらどうする?
借主が合意しなければ、家賃の値上げはできません。値上げに応じてもらえるまで交渉を重ねて着地点を探り、条件調整を行いましょう。
たとえば段階的な家賃値上げや住宅設備の改善など、折り合いがつきそうな条件を提案してみましょう。
詳しくは「家賃の値上げ交渉を賃借人に拒否されたらどうする?」をご覧ください。
- 家賃の値上げ交渉が失敗したら?
家賃の値上げが入居者にとって受け入れ難く、他の類似物件のほうが条件がよいと思えば、多くの場合は退去を考えるでしょう。
退去が重なれば空室は増え、家賃収入は減り、キャッシュフローは悪化してしまいます。家賃収入でローン返済ができなくなれば、自己資金から返済せざるを得なくなってしまいます。
家賃の値上げを進める場合は、退去リスクを軽減するためにも、入居者との良好な関係を維持することを心がけましょう。
詳しくは「家賃の値上げ交渉を行う際に配慮すべきリスク」をご覧ください。
- 家賃の値上げ交渉を成功させるためのポイントは?
家賃の値上げ交渉を成功させるために、以下のポイントを大切にしましょう。
- 賃借人が納得できる理由を文書などで丁寧に説明する
- 賃借人に何らかのメリットがある条件を付与して交渉する
- 賃借人から反感を買うほどの過剰な家賃の値上げは避ける
- 家賃の値上げ交渉を行うことをなるべく早い段階で通知する
- 段階的な値上げを提案する
詳しくは「家賃の値上げ交渉を成功させるためのポイント」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
賃借人の立場からすれば、急に家賃を値上げするといわれても、易々とは受け入れ難いでしょう。丁寧な説明を心がけ、くれぐれも入居者との関係性を悪化させるような言動は避けるようにしてください。
民事調停や賃料増額訴訟となれば、手間も費用もかかります。賃貸管理会社や不動産会社に家賃の値上げを成功させた事例がないか相談し、なるべく穏便に進めることをおすすめします。

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