中古マンション売却,失敗事例
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マンションの売却失敗事例20選! 後悔しないための対策を伝授

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

ざっくり要約!

  • マンション売却で失敗を避けるためには、売却の流れを事前に理解しておくことが大切
  • マンション売却前、売却中、売却後、それぞれのタイミングの失敗事例と対策を知っておくべき

不動産取引は一生でそう何度も経験するものではなく、マンションの売却も多くの方にとって初めての経験です。経験不足を補うには事前に知識を備えておくことが有効であり、特にありがちな失敗例を知っておくと同様の失敗を防げます。

この記事ではマンション売却の基礎知識に加え、起こりがちな20の失敗事例と対策などを解説します。

マンションの売却失敗はなぜ起こる?

マンション売却では、誰でも多少の失敗はあると思われます。人生で何度も経験するものではないため、最初から完璧にできる人はむしろ多くありません。

小さな失敗はさまざまあれど、やはり避けたいのは「無駄に安く売ってしまった」という大きな失敗です。適正価格で売ることができれば、マンション売却は「合格点」といえます。

大きな失敗を防ぐための基本的な対策は、安く売らないために相場を調べ、複数の不動産会社に査定を依頼することです。

事前にマンション売却の流れを理解しておこう

マンション売却で失敗を防ぐには、まず売却の流れをしっかり理解しておくことが大切です。

マンションを含む不動産の売買では「売却まで時間がかかる」「売買契約と引渡の期間が開いてしまう」という2点が大きな特徴となります。

マンション売却の流れを簡単に示すと、以下の通りです。

【売却のみの場合】

  1. マンションの査定を依頼
  2. 不動産会社と媒介契約を締結
  3. 販売活動の開始
  4. 買付証明書(購入申込書)の受領
  5. 売買契約の締結
  6. 引っ越し
  7. 引き渡し
  8. 必要があれば売却の翌年に確定申告

マンションの売却では、最初に複数の不動産会社に査定を依頼します。依頼したい不動産会社が決まったら、不動産会社と媒介契約を締結します。媒介契約とは、仲介の契約のことです。

不動産会社に仲介を依頼したら、いよいよ販売活動の開始です。マンションは、売り出してから買主が見つかるまで2~3ヶ月程度の時間がかかります。販売期間に余裕を持っておかないと、「売り急ぎ」と呼ばれる「焦って安く売る失敗」につながるので注意が必要です。

買主が見つかったら、買付証明書を受領します。買付証明書とは、買主が正式に購入の意思を示した書面のことです。買付証明書の内容に問題がなければ、売買契約を締結します。

売買契約と聞くと、難しそうなイメージがありますが、実際には書面で「いつ、いくらで取引します」といった約束をするだけです。ただし売買契約時点では、所有権が買主に移転することはなく、売主のままです。所有権が移転するのは、あくまでも最後の「引渡時点」であると覚えておきましょう。

引渡は、売買契約の1~2ヶ月後に行うことが一般的となっています。売主は、売買契約時点で買主から手付金を受領し、次に引渡時点で買主から手付金を除いた残金を受け取ります。住みながら売る場合、売主は売買契約から引渡までの間に引っ越すケースがほとんどです。

その後、必要に応じて売却の翌年の2/16~3/15(原則)の間に確定申告を行います。

「費用」の失敗を避けるために事前にかかる費用を把握しておこう

マンション売却時の税金や諸費用を把握しておくことも、失敗を防ぐ対策になります。特に、諸費用の中で最も金額が大きくなる仲介手数料についてしっかり理解しておきましょう。

仲介手数料は売買代金が400万円超の場合、「(取引額×3%)+6万円(+消費税)」が上限額となっています。売買契約時点に50%を支払い、引渡時点に残りの50%を支払うのが一般的です。

例えば、マンションの売却価格が4,000万なら、仲介手数料は138.6万円です。売買契約時には半額の69.3万円を用意することになります。大きな金額になりますので、事前に把握しておくようにしましょう。

仲介手数料のほか、印紙税や登記費用、住宅ローン完済手数料などがかかることもあります。諸費用の総額は、売却金額の4%程度と考えておきましょう。

マンション「売却前」によくある失敗事例と対策

続いて、マンションの「売却前」によくある失敗事例と対策について解説します。

1.不動産会社選びで失敗

失敗談

3社に査定依頼したところ、A社:2,500万円・B社:2,600万円・C社:3,400万円という査定額を提示されたため、最も高額なC社に依頼。しかし、マンションを売り出してから3ヶ月経っても、4ヶ月経っても売れず、内見希望すら入らなかった。値下げを続け、最終的には1年経って2,500万円で売却。最初からA社やB社に頼めば良かったのかもしれない……

「査定額の高さだけで不動産会社を選んでしまった」というのは、典型的な失敗例です。

マンションの売却では、最初に不動産会社による査定を行います。査定額は、一般的に3ヶ月程度で売却できると考えられる予想価格です。売却を保証する価格ではないため、高い査定額を提示されたとしてもその価格で必ず売れるわけではありません。ゆえに、査定額の高さだけで不動産会社を決めるべきではありません。

査定額だけでなく、不動産会社が提供する無料サービスや、営業担当者の人柄等を加味した上で決めることをおすすめします。

2.媒介契約選びで失敗

失敗談

3つの媒介契約のうち、複数の不動産会社に依頼できることに魅力を感じ「一般媒介契約」を選択。しかし、5社に売却を依頼したにもかかわらず、どの会社からも報告がなく、販売状況がわからない状態になってしまった。不動産会社と締結する媒介契約には、上記のように3つの種類があります。例えば、友人や親戚に売却することになっても、専属専任媒介契約を締結している場合は自身が見つけた買主と売買契約をすることができません

契約の種類複数業者との契約自分が発見した相手との取引レインズへの登録義務報告義務
一般媒介契約義務なし義務なし
専任媒介契約×7営業日以内1回以上/2週間
専属専任媒介契約××5営業日以内1回以上/1週間

一方、「できるだけ多くの不動産会社に売却してもらったほうが良いに決まっている!」といった先入観で一般媒介契約を締結し、何社もの不動産会社と媒介契約を締結すると、1社1社のやる気が削がれてしまい、売却に力を入れてもらえなくなってしまう可能性もあります。

どの媒介契約が良いとは一概にいえませんが、適当に選択することはせず、3つの媒介契約の特徴を把握して検討するようにしましょう。

3.ローン残高の把握不足

失敗談

ローン残債を十分把握しておらず、売却期間中に、この売り出し価格ではローンが完済できないことが発覚。住宅ローンが完済できる金額に値上げしたものの、その心証が良くなかったのか、反響が大幅に減ってしまった。

住宅ローンが残っているマンションは、引き渡し時の買主の残代金の入金によって残債を一括返済します。そのため、住宅ローンが残っているマンションを売るには、売買代金が住宅ローン残債を上回っていることが基本的な条件です。

住宅ローン残債を正しく把握しておかないと、思っていたような売却活動ができない場合もあります。また、仲介手数料などの諸費用も発生するため、売買代金は住宅ローン残債に諸費用を加えた額よりも上回っていることが望ましいでしょう。

対策としては、査定を依頼する前に住宅ローン残高と諸費用を把握し、最低いくら以上で売る必要があるかをしっかり理解することが必要です。

4.必要書類の準備不足

失敗談

いつ売れるかわからなかったため、とくに準備を進めずのんびり構えていたら、急遽、購入申込みが入り、契約の流れに。仕事が忙しく、なかなか必要な書類が準備できず、契約の日取りが後ろ倒しになり買主さんに迷惑をかけてしまった。

マンション売却では、最後の引渡時に以下の書類が必要となります。契約の日取りが後ろ倒しになるだけならまだしも、準備が遅れると契約自体が破談になってしまったり、引渡のスケジュールに不都合が出たりするおそれがあります。

【引渡時に必要な書類】

  • 登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 印鑑証明書(3ヵ月以内に発行のもの)
  • 固定資産評価証明書
  • 住民票
  • 身分証明書
  • 固定資産税納税通知書の写し
  • 管理費および修繕積立金の額の確認書
  • 分譲時のパンフレット
  • 管理規約・理事会の会計報告書や議事録
  • 設備取扱説明書・保証書
  • 抵当権の抹消に必要な書類(銀行が用意する)

役所などで発行手続きに時間がかかる場合もあるため、書類はできるかぎり早めに揃えておくことが大切です。ただし、印鑑証明書は契約時点で3ヶ月以内に発行したものが有効とされるため、取得のタイミングには注意しましょう。また、不動産仲介会社にて用意できる書類もあるため、事前に仲介会社に対し必要書類を確認しておきましょう。

5.不動産会社に相談する前にリフォームを実施

失敗談

築古マンションだったため劣化や使用感が気になり、不動産会社に相談する前にリフォームを実施。見た目も綺麗になったところで売却活動をスタートしたが、買主はリフォームを前提にしており、現状はまったく気にしていないようだった。結局、高く売れるわけでもなく、リフォームにかけた費用や手間が無駄になってしまった。

マンションがどのような状態であっても、リフォームや修繕をしなければ売れないわけではありません。むしろ、失敗談のようにリフォームをかけた分だけ余計に手間がかかり、手残りが減ってしまう可能性もあります。

とくに近年は、買主自らがリフォームやリノベーションを計画していることも少なくありません。状態によっては、売却前のリフォームや修繕を要することもありますが、まずは現状のまま不動産会社に売却相談するようにしましょう。

6.売却に着手したのが遅すぎた

失敗談

「3月が最も不動産が売れる時期」ということを聞き、2月から不動産会社探しを始め、3月に媒介契約を交わして売却活動をスタート。しかし、すでに新年度に向けて住み替える人の多くが契約を済ませているようで、なかなか反響を得られなかった。値下げを繰り返し、最終的に売却できたのはゴールデンウィークに差し掛かる4月末になってしまった。

3月が最も成約数が多いというのは例年見られる傾向ですが、この事例では「売却にかかる期間」を考慮していませんでした。
2024年に首都圏で成約した中古マンションの平均成約日数は「85.3日」です。ただし「成約日数」とは、不動産会社がレインズ(不動産業者が閲覧できる物件情報システム)に物件情報を登録してから成約に至るまでの期間を指します。

一般的に売買契約から引き渡しまで1〜2ヶ月程度の期間が空くため、新年度が始まる前に新居に移りたいと考えている人の多くは、1〜2月頃に売買契約できるスケジュールで動いています。また、媒介契約からレインズ登録まで一般的に1週間から10日ほどのタイムラグがあるため、需要の高い時期に物件情報が行き渡っている状況にするには、11〜12月中には売り出しを開始するのが望ましいといえます。

マンション「売却中」によくある失敗事例と対策

マンション売却中 失敗事例

不動産会社を選び、媒介契約を締結したらマンションの売却がスタートします。ここではマンションの「売却中」に起こりがちな失敗事例と対策を4つ挙げます。

7.適切な売却時期や相場の把握不足

失敗談

とくに不動産が売りやすい時期や相場をリサーチせずに、売却を開始。問題なく売却できたものの、売却を終えてしばらく経ったとき、隣の部屋が自分の部屋より300万円も高く売れたことが発覚。お隣が成約したのは1月。やはり、新年度前は高く売れるのかもしれない……と後悔した。

知識不足などから「マンションの適切な売却時期や相場をしっかり把握していなかった」という失敗もあります。

例えば、近年のような「中古マンション価格が上昇しているとき」は売り時です。季節でいえば、入学や転勤などが増える異動シーズンの12〜2月は売り時といえるでしょう。

併せて相場も把握しておくと、査定価格に対して正しい判断ができます。マンションの場合、同じマンションの「売り物件の価格」が良い参考資料になるので、ネットなどで広告などが出ていないか探してみましょう。そこから「平米単価」を計算し、およその価格を把握しておくことをおすすめします。

8.売り出し価格が高すぎた

失敗談

少しでも高く売りたかったため、査定額を大きく上回る金額で売り出した。しかし、自分から見ても相場から大きく乖離した金額。なかなか売れず、徐々に価格を下げていったものの、相場と思われる金額にしても反響が少なかった。結果、売却には半年以上を要し、売値は相場を大きく下回った。

「少しでも高く売りたい」というのは、すべての売主に共通する気持ちです。しかし、マンションは高く売れば高く売れるものではなく、相場から大きく乖離した価格設定は、購入希望者の警戒心を招き、売却期間を長引かせるリスクがあります。

最も注目度が高い売り出し開始時に不信感を与えてしまうと、その後に価格を下げても警戒心は簡単に払拭されません。次第に「売れ残り感」も強まることで売却に時間を要し、結果的に相場より低い価格での売却を余儀なくされることもあります。

必ずしも査定額のまま売り出す必要はありませんが、高い金額で売り出す場合は「戦略」に基づいて価格を設定することが大切です。前提として「適正額」をしっかり把握し、反響が良くなかった場合に備えて値下げ幅や値下げのタイミングもあらかじめ考えて売却活動に臨みましょう。

9.不動産会社との連携不足

失敗談

専任媒介で売り出したものの、販売状況の報告は反響数や案内した数だけで、反響の内容や売却に至るまでの課題などは把握できなかった。その他も、メールで事務的なことでしか連絡がいただけず。「こんなものか」と思いつつも、より好条件で売るための方法なども話し合いたかった。

不動産会社との連携不足による失敗も考えられます。「いくら以上で売りたい」「いつまでに売りたい」「近所に知られたくない」などの希望条件は、遠慮なく不動産会社に伝えるようにしましょう。

また、売却活動を円滑に進めるために「◯時以降なら電話がとりやすい」「すべてLINEで連絡して欲しい」といった相談もできます。希望条件はもちろん、なるべくスムーズに連絡がとれる方法も伝えると、連携がとりやすくなります。

10.広告や写真の見せ方が悪く反響が得られなかった

失敗談

不動産会社に「室内の写真を撮らせてほしい」と言われたものの、散らかっているし片付けるのも面倒だったため、写真掲載は最低限にしてもらった。こだわってリフォームした箇所もあったが、見に来てもらったときに伝えればいいと思い、不動産会社には伝えず。結果、反響が少なく、内覧希望もなかなか入らず、売却に時間を要してしまった。

購入検討者は、ポータルサイトやチラシ、販売図面などに掲載される情報からしか物件をイメージできません。「内覧に来てもらったら見てもらえばいい、伝えればいい」と思っても、写真が少なかったり、魅力的なポイントが伝わらなかったりすると、そもそも問い合わせすら得られない状況に陥ってしまいかねません。

とくに写真の数や質は、反響数を大きく左右する重要なポイントのひとつです。室内が多少散らかっていても、不動産会社は撮影・編集のプロですので、アングル等を工夫して魅力的に撮影してくれます。また、リフォーム箇所・眺望・収納力・周辺の生活利便性など、強みになる情報は必ず事前に共有し、広告にしっかり反映してもらうことが大切です。

11.内覧時の準備不足

失敗談

内覧希望が入ったので、リビングだけ綺麗にして迎えたところ、全部の居室や収納を見たいと言われ、断らざるを得ない状況になってしまった。でもよく考えれば、数千万円の家をリビングだけ見て購入を決めてくれる人なんていない。購入検討者の気持ちになって、くまなく掃除・整理整頓すべきだった。

内覧(内見)とは、販売期間中に購入希望者に対して家の中を見せることです。住みながらマンションを売る場合、準備不足のまま内覧を行ってしまうと、なかなか売却に結びつかないこともあります。

内覧が決まったら、極力物は片付け、掃除を行い、キレイに見せる準備を整えた上で購入希望者を迎えましょう。

12.売却を焦りすぎて失敗

失敗談

売りに出したらすぐに内見希望が入り、売れるものだと思っていたため、1ヶ月を待たずして3,000万円から2,900万円に値下げ。その後も小刻みに値下げしていき、4度目の値下げで2,500万円にしたところ売却が決まった。売却にかかった期間は3ヶ月。もっと早く、高く売れる方法があったかもしれない……。

マンションの売却にかかる期間は平均して3〜4ヶ月です。しかし、これはあくまで平均であって、これ以上の期間がかかることも少なくありません。売却を焦るあまり、どんどん値下げしたり、すぐに不動産会社を変更したりしてしまっては、機会損失になってしまうおそれもあります。

値下げや不動産会社の変更が必要になる局面が出てくる可能性はありますが、焦らず、反響を見ながら売却戦略を考えていくことが大切です。

早く売りたいのであれば「買取」も検討してみましょう。買取とは、不動産会社にマンションを買い取ってもらうことを指します。買取価格は仲介で売却した場合と比べて2〜3割落ちる可能性がありますが、焦って値下げを繰り返すと、仲介で売ったとしても相場を大きく下回る金額になってしまう可能性があります。

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13.不動産会社の囲い込みにあってしまった

失敗談

不動産会社と専属専任媒介契約を締結し、売却活動をスタート。早く売りたいこともあって、相場より低い金額で売り出したものの、ほとんど反響はなく、内覧希望も入らずに3ヶ月が経過。さらに価格を下げ、相場の8割ほどの金額にしたところ、ようやく売買が成立したが、すぐに売れなかったのは本当に売り出し価格の問題だったのだろうか……。

相場より低い金額で売り出したものの、反響がほぼない。内覧の予約も入らないという状況では、不動産会社による「囲い込み」が疑われます。囲い込みとは、他社の客付けを拒み、自社内の顧客で売買を成立させようとする行為です。

限られた範囲で販売活動をされてしまっては、購入希望者はなかなか募れず、結果として売却に時間を要し、最終的に相場を大きく下回る価格での成約を余儀なくされることもあります。

囲い込みを避けるには、何より信頼できる不動産会社に依頼することが大切です。専任・専属専任媒介契約を結ぶときはとくに、不動産会社の実績やサービス内容などに加えて、信頼性を重視するようにしましょう。

14.価格交渉に全額応じて失敗

失敗談

内覧に来た購入希望者から「設備の交換が必要そうなので、その分を考慮してほしい」と値下げを打診された。当初の売り出し価格は3,480万円だったが「このチャンスを逃したら売れないかもしれない」と不安になり、相手の希望額である3,200万円で契約。
しかし後日、同じマンション内でほぼ同条件の部屋が3,400万円で成約していたことを知り「もっと交渉できたのでは……」と大きな後悔が残った。

購入申込時に価格交渉が入ることは、決して珍しいことではありません。交渉に応じるべきかどうかはそのときの状況や売主の意向によるため一概にはいえませんが「価格交渉に応じなくても購入してもらえる可能性はある」という点を理解しておきましょう。

購入希望者による価格交渉は、必ずしも「値下げしてくれなかったら買わない」という意思表示ではありません。「とりあえず値下げ交渉してみよう」という軽い気持ちから交渉されるケースもあるため、大幅な値下げを打診されたときほど、不動産会社と相談しながら慎重に判断することが大切です。

また、設備の不具合等が既にある場合、見積りを事前に取得し、価格交渉の目安を理解しておくことで、著しい価格交渉を防げる可能性があります。

15.契約内容をよく理解していなかった

失敗談

契約後、買主側から「住宅ローンが否認されたため契約を白紙にしたい」と連絡があり驚愕。担当者から「ローン特約があるので手付金を返して契約は解除になります」と説明されたが、ローン特約の意味をよく理解していなかったため、なぜ契約が解除になるのか納得できず、時間と気持ちの面で大きなストレスとなった。結局、売却時期も大幅にずれ込んでしまった。

売買契約書には、売主・買主双方にとって重要な取り決めが複数盛り込まれています。なかでも 「融資利用の特約(ローン特約)」 は、住宅ローンを利用して購入する場合に必ずといっていいほど付く条項で、買主のローンが否認された場合には、契約を無条件で白紙解除できるという内容です。ローン審査は、売買契約前の「仮審査(事前審査)」と契約後の「本審査」の2回実施されます。契約前に仮審査の結果を確認しておくことも大切です。

他にも、買い替え特約や手付け解除期日、契約不適合責任の扱いなど、必ずチェックしておきたい項目が多数あります。最初からすべてを理解することは到底できません。不明点がでてくれば都度、担当者に聞き「自分にどんな影響があるのか」「どのタイミングで何が起こり得るのか」を一つずつ確認していくことが大切です。

マンション「売却後」によくある失敗事例と対策

マンションを売った後も、まだ安心はできません。最後に、マンションの「売却後」によくある失敗事例と対策を5つ挙げます。

16.新居の購入が間に合わなかった

失敗談

売却が順調に進み、想定より早く買主が見つかったため契約・引渡し日が確定。しかし、新居購入のほうが思うように進まず、希望のエリアではなかなか条件に合う物件が見つからなかった。気づけば引渡し日が目前に迫り、結局、一旦賃貸へ仮住まいとして引っ越すことに。余分な引っ越し費用・賃料も発生し「もっと慎重に段取りしておけばよかった」と後悔が残った。

マンションの住み替えは「売り」と「買い」を同時に進める必要があるため、スケジュール管理が非常に重要です。「売り先行」で進める場合、売却が早く決まると、新居に移るまでに仮住まい期間を要することも少なくありません。

一方で「買い先行」にもデメリットはあります。今の住まいの住宅ローンが残っていて、新居も住宅ローンを組んで購入するとすれば、一時的に2つのローン返済が重複する期間が生じます。

「売り」と「買い」を同日に決済するという方法もありますが、2つの取引のタイミングを合わせようとするあまり、新居選びや売却金額に妥協が生じてしまう可能性があります。

すべての方に合う、万能な住み替え方法はありません。メリット・デメリットを比較し、住み替えに求める優先順位を整理したうえで、自分に合った進め方を選ぶことが大切です。

17.予想を上回る税金や諸費用が発生

失敗談

思っていた以上にマンションが高く売れたが、予想以上の諸費用がかかったうえに、売却後は想定していなかった税金が発生。手残りが少なく、新居の予算も下げざるを得なくなった。

マンション売却後に、予想を上回る税金や諸費用が発生するといった失敗もあります。税金に関しては「3,000万円控除」などの特例を利用することで免除される可能性がありますが、条件によっては特例を利用できない場合もあります。

例えば、マイホームの買い替え時、新居で住宅ローン控除を利用する人は、同時に売却物件で3,000万円特別控除などを利用することができません。そのため、事前に特例の要件をよく確認しておきましょう。

また、売却を進めていく中で「床のキズを修繕した」「ハウスクリーニングを依頼した」等の想定外の費用が生じることもあります。こうした事態に備えるために、一定の予備費を確保しておくのが適切な対策です。

・「3,000万円控除」に関する記事はこちら
マンション売却で活用可能! 3,000万円特別控除とは?

18.確定申告漏れ

失敗談

マンションの売却で譲渡所得が発生したが「3,000万円控除」の適用要件を満たしていたため、税額はゼロに。そのため確定申告も不要だと思い申告をしなかったら、後日、税務署から連絡が来てしまった。

マンションを売却した後の確定申告は、必須というわけではありません。確定申告が必要なのは、以下のケースです。

  • 譲渡所得(売却益)が発生した
  • 控除特例を適用する

譲渡所得は、以下の計算式で算出します。

譲渡所得 = 譲渡収入金額 −( 取得費 + 譲渡費用 )− 特別控除

譲渡収入金額とは、売却によって得たお金を指します。取得費が取得にかかった費用、譲渡費用は売却にかかった費用です。この計算で譲渡所得がプラスになった場合は、確定申告が必要です。また、譲渡所得を控除するための特例を適用する際にも、確定申告が求められます。

譲渡損失が出た場合は基本的に確定申告は不要ですが、譲渡損失を給与などの所得と損益通算する特例を適用するには確定申告が必要です。

19.住宅ローンの残債よりも売却価格が下回る

失敗談

査定額が住宅ローン残債を上回っていたため安心して売り出したところ、なかなか売れずに値下げを余儀なくされた。結局、売値は住宅ローン残債を下回る金額となり、持ち出し金が発生した。

査定額が住宅ローン残債と同程度だと、結果的に諸費用の支払いなどもあり、住宅ローンの完済が難しくなってしまうおそれがあります。また、査定額のとおり売れるとは限らないため、自己資金等に余裕がない場合には売却時期を再検討するなどの対応も求められます。どうしてもすぐに売却しなければならない場合は、任意売却住み替えローンの利用も検討してみましょう。

20.買主とのコミュニケーション不足

失敗談

動作不良のある設備があることをしっかり伝えずに、売買契約。内覧時に見てもらっていたと認識していたが、買主は把握していなかったようで、後日、追完請求をされた。どうすることもできず、費用を負担して修理した。

買主との連携不足による失敗もあります。決して少なくないのが「設備の不具合についてきちんと説明しなかった」というケースです。「正常に作動する」と思っていた設備が動かないなどで、売却後にクレームが来ることがあります。

契約不適合責任の期間内であれば、売主が費用を負担して修理しなければなりません。修理などができない場合は、代金の減額を請求される可能性もあります。また、売主に過失がある場合は、損害賠償請求や契約解除に発展するおそれもあります。

設備の操作にコツなどがある場合には使い方をわかりやすく説明するなど、売買時点の状態をしっかり把握してもらうように努めましょう。

マンション売却時の失敗を避けるためにも事前準備を

マンション売却時の失敗を避けるためには、事前の準備が大切です。具体的には以下の準備をしておきましょう。

【失敗を避けるための準備】

  • 売却の流れを十分に理解すること
  • 売却の全体スケジュールに余裕を持つこと
  • 仲介手数料等の費用の詳細と支出のタイミングを知っておくこと
  • 万が一のために10万円程度の予備費を確保しておくこと
  • 税金について仕組みを理解しておくこと

初めてマンションを売る場合、不安に思うことが多くて当然です。わからないことがあったら不動産会社に確認しつつ、焦らずじっくりと進めていきましょう。

この記事のポイント

マンション売却時に起こりうる失敗を避けるにはどうしたらいいですか?

マンション売却で失敗を防ぐには、まず売却の流れをしっかり理解しておくことが必要です。

さらに、マンション売却時の税金や諸費用について把握しておくことも忘れないようにしましょう。不明点がある場合は、不動産会社に問い合わせるようにしてください。

詳しくは「マンション売却時に起こりうる失敗を避けるには?」をご覧ください。

マンション「売却中」によくある失敗事例と対策を教えてください。

マンションの適切な売却時期や相場をしっかり把握していなかった、不動産会社との連携が不足していた、準備不足のまま内覧を行ってしまったなどの失敗事例があります。

対策としては、マンションの売りどきや相場を把握しておくこと、不動産会社に希望条件をしっかり伝えること、内覧が決まったら室内をキレイに片付けておくことなどがあります。

詳しくは「マンション「売却中」によくある失敗事例と対策とは?」をご覧ください。

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