女性マンション購入
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女性がマンションを購入すると後悔する?「良かった」と思えるメリットを紹介

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。
https://grow-profit.net/

ざっくり要約!

  • 単身世帯でマンションを購入している人は男性に比べて女性が多くなっており、女性の方がマンション購入に強い関心があることがわかる
  • 住宅ローンの指標で最も重要なのは返済負担率であり、一般的に適切な返済負担率は、額面年収の20%以内とされる

女性や男性に関わらず、マンションは希望条件やライフスタイルに合った良い物件を買うことができれば満足します。

不動産は個別性が強いため、100点満点の物件は存在しません。

しかしながら、自分の基準による100点に近い物件は存在するため、そのような物件を購入すれば快適なマンションライフを実現できるでしょう。

マンション購入で後悔しないためには、どのような物件を選べば良いのでしょうか。
この記事では「女性のマンション購入」について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

マンションを購入する女性の割合や年収

マンションを購入する女性の割合や年収

マンションを購入している女性は、以前よりも多く見かけるようになりました。
最初に、マンションを購入する女性の割合や年収について解説します。

マンションを購入する女性の割合

参考までに首都圏で新築マンションを購入している単身女性と単身男性の割合を示すと、下表の通りです。

単身女性単身男性
2024年10.0%7.6%
2023年11.0%8.1%
2022年10.9%7.3%
2021年11.1%6.9%
2020年8.6%5.8%
出典:2024年首都圏新築マンション契約者動向調査|株式会社リクルート

まず、単身女性と単身男性を比べると、単身女性の方が購入している割合が多いです。

もともと単身世帯は女性よりも男性の方が多いですが、マンションを購入している人は女性の方が多くなっており、女性の方がマンション購入に強い関心があることがわかります。

また、近年における新築マンションの契約者の約1割は女性です。
シェアが1割を占めると、マーケットの中ではもはやニッチな存在ではなく、無視できないターゲット層であるといえます。

すでに単身女性を意識した間取りを提供しているデベロッパーも存在しますが、今後は女性を意識したマンションが増えていく可能性は高いです。

また、銀行においても、単身女性向けのローンを商品化する動きが今まで以上に出てくることが予想されます。

マンションを購入した女性の年齢・年収・マンション価格

新築マンションを購入した単身女性の年齢や年収、マンション価格の割合トップ3は下表の通りです。

【年齢】

順位年齢割合
1位40代26.2%
2位35~39歳20.2%
3位30~34歳18.1%

【年収】

順位年収割合
1位600~800万円未満19.3%
2位400~600万円未満18.1%
3位800~1,000万円未満8.3%

【価格】

順位価格割合
1位3,500~4,000万円未満16.0%
2位4,000~4,500万円未満15.2%
3位3,000~3,500万円未満6.9%
出典:2024年首都圏新築マンション契約者動向調査|株式会社リクルート

総括すると、単身女性の場合は30~40代で年収400~800万円の人が、3,500~4,500万円の物件を購入しているイメージとなります。

女性のマンション購入で借りられる住宅ローンの目安

女性のマンション購入で借りられる住宅ローンの目安

男女に関係なく、住宅ローンには適切な目安が存在します。
この章では、住宅ローンの目安について解説します。

返済負担率から考える

住宅ローンの指標で最も重要なのは、返済負担率です。

返済負担率とは、額面年収に対する住宅ローンの年間返済額が占める割合を指します。

一般的に適切な返済負担率は、額面年収の20%以内とされています。
年収が低い場合は、25%以内を許容範囲とする考え方もあります。

一方で、銀行が許容する返済負担率は30%以内であることが多いです。

30%以内に収まっていると審査に通ってしまう可能性がありますが、そこは無理せず自制して20%以内に留めることが理想です。

年収倍率から考える

年収倍率とは、住宅の価格が年収の何倍かを示す指標のことです。
結論からすると、年収倍率は金融機関のローンの審査には、ほとんど関係ありません。

金融機関は返済負担率を主に重視しています。理由としては、年収倍率という概念には借入期間が全く考慮されていないからです。

例えば、仮に年収800万円の人が4,000万円をフルローンで借りるとすると、年収倍率は5倍(=4,000万円÷800万円)となります。

金利にもよりますが、30年ローンを組むと返済負担率は20%以内となり、おおむね適切な借入の範囲です。

しかしながら、極端な例として1年ローンを組むと、年収800万円の人が1年で4,000万円を返済しなければなりません。

同じ年収倍率でも、30年ローンなら正常な範囲内で、1年ローンなら無理な借入ということになります。

つまり、借入期間を全く考慮していない年収倍率という数値は、銀行にとってほとんど意味がなく、あまり意識する必要はないのです。

ただし、適切な返済負担率を守ると、結果的に年収倍率がたまたま5~7倍程度に収まることは多く、適正な年収倍率は5~7倍程度であるとされるケースもあります。

年収別・借入可能額の目安

以下の条件にて、返済負担率を20%とした場合、年収別の借入可能額を示すと下表のようになります。

(条件)
借入期間:30年
金利:1.5%(全期間固定)
返済方法:元利均等返済

年収借入可能額
400万円19,310,000円 
600万円28,970,000円
800万円38,630,000円

実際には変動金利も組み合わせることで、金利はさらに安くすることはできます。

金利を低く抑えたり、借入期間を35年にしたりすると借入可能額をさらに増やすことは可能です。

女性がマンションを購入するメリット

女性がマンションを購入するメリット

マンション購入にはさまざまなメリットがあります。
この章では主なメリットを紹介します。

資産として活用できる

マンションを購入すると、資産として活用できます。

今後、日本はインフレが継続する懸念が高いことから、現金の価値は目減りし、不動産のような資産の価値が相対的に上がっていく見込みが強いです。

マンションを購入するということは、価値の下がる現金を価値の上がる資産に換えることであるため、攻めというよりも守りの行動と捉えた方が実態に合っているといえます。

将来の住まいに対する不安が軽減する

マンションはローンを完済すれば、維持費を抑える形で住むことができます。

一般的に分譲マンションの維持費は賃貸マンションの家賃よりも安いため、老後に収入が減っても分譲マンションであれば安心して住み続けられます。

自由にリフォームできて生活が充実する

マンションを購入すれば所有権を得るため、自由にリフォームをすることが可能です。
趣味のために部屋を改装することもでき、充実したライフスタイルを送ることができます。

女性がマンションを購入するデメリット

女性がマンションを購入するデメリット

マンション購入には一定のデメリットも存在します。
この章では、マンション購入のデメリットも紹介します。

住み替えしづらい

購入は賃貸とは異なり、簡単に住み替えることはできません。

不動産は売却するのに数カ月以上の時間がかかるため、買い替えようと思っても簡単にはできない点がデメリットです。

そのため、購入は賃貸で借りるとき以上に、慎重に物件を選ぶ必要があります。

税金や管理費が発生する

マンションは、維持費として固定資産税や都市計画税の他、管理費や修繕積立金が発生します。

これらの維持費は、住宅ローンを完済しても生じ続ける費用です。

管理費や修繕積立金を抑えるには、戸数の多いマンションを選ぶことが基本となります。
修繕積立金は築年数が古くなると上がることから、築年数は浅いほど安いといえます。

また、タワーマンションは管理費や維持費が高いため、収入にもよりますが避けた方が無難です。

女性がマンション購入で後悔しないためのポイント

女性がマンション購入で後悔しないためのポイント

マンション購入で後悔しないためには、良い物件を選ぶことが何よりも重要です。
この章では、物件選びのポイントについて解説します。

立地・周辺の利便性

マンション選びで最も重要なのは、立地です。

建物は築年数が古くなると価値が下がっていきますが、良い立地は年数が経過しても価値は下がりません。

むしろ良い立地は土地価格が上がる可能性があるため、マンション価格自体も将来値上がりすることが期待できます。

立地選びのポイントは、まずは駅の性格です。

ターミナル駅や快速停車駅、乗り換え可能駅等の便利な駅は、周辺にスーパーや病院も集まっているため、必然的に生活もしやすくなっています。

良い駅を選んだら、次は駅からの距離が重要となります。
10分以内であれば将来売却しやすく、5分以内であれば将来賃貸にも出しやすいです。

駅と物件との動線上に、スーパーやコンビニ、ドラッグストア等の生活利便施設があるとなお良いといえます。

セキュリティ

マンションは、戸建てよりも総じてセキュリティ性は高いです。
築年数が古い物件は、オートロックがない場合もあるため、オートロックの有無は最低でも確認すべきといえます。

また、4階以上の部屋を選ぶと、泥棒の侵入リスクが大きく減るため、セキュリティを重視するなら4階以上の部屋がおすすめです。

マンションは階数が高いほど眺望や日照が優れることから、セキュリティ面だけでなく、居住の快適性からも階数は高い方が良いといえます。

資金計画

無理のない資金計画を立てるには、返済負担率と完済年齢の2点がポイントです。

完済年齢とは、住宅ローンを完済するときの年齢を指します。
返済負担率は20%、完済年齢は65歳以下とすることが理想です。

また、インフレ下では借金も相対的に価値が下がっていくため、借金を過度に恐れる必要もありません。

現金はいざというときに必要となることから、手持ちの現金はある程度残しておき、借りられるローンは適切な範囲で借りてしまうという考えも堅実な資金計画です。

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まとめ

以上、女性のマンション購入について解説してきました。
近年は女性でもマンションを購入している方は、たくさんいらっしゃいます。

住宅ローンの審査を通すには、返済負担率が最も重要な指標です。
マンション購入で失敗しないようにするには、特に立地を重視して購入することがポイントとなります。
物件選びをする際に、参考にして頂けると幸いです。

この記事のポイント

女性がマンションを購入する年収は?

単身女性の場合、30~40代で年収400~800万円の人が、3,500~4,500万円の物件を購入している傾向があります。

詳しくは「マンションを購入する女性の割合や年収」をご覧ください。

年収400万円の女性がマンション購入で借りられる住宅ローンの目安は?

返済負担率を20%とした場合、年収400万円の女性の借入可能額は19,310,000円となります。

詳しくは「女性のマンション購入で借りられる住宅ローンの目安」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

マンション購入に女性だから、男性だからといった性差で特別な違いは存在しません。男女に関わらず、マンションは良い物件を買うと「買って良かった、正解だった」と思えるようになります。
女性がマンション購入を検討すると外野から雑音が聞こえるかもしれませんが、とにかく良い物件を選ぶことに集中することをおすすめします。都会のマンションライフは快適ですばらしいものとなります。まずは物件をいろいろと見て検討し、これだと思う物件が見つかったら即決できる準備をして頂けたらと思います。

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