鉄骨造,耐用年数
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鉄骨造の耐用年数は何年?厚さ別の法定耐用年数や寿命を延ばすコツを解説

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。
https://x.com/sakuragirie

ざっくり要約!

  • 鉄骨造の住宅の耐用年数は鉄骨の厚みが4ⅿⅿ超であれば34年、4ⅿⅿ以下の場合は27年
  • 鉄骨造の法定耐用年数は固定資産の減価償却に使われ、住宅ローンの可否や最長返済期間を判断するときにも利用される

鉄骨造の法定耐用年数は一律ではなく、使われている骨格材の厚みによって19年、27年、34年の3段階に分かれます。

鉄骨造は木造に比べると耐用年数が長いことは想像できるものの、いつまで住めるのか判断するために、寿命を知りたいと思っている方は少なくないでしょう。

この記事では、鉄骨造の耐用年数と、鉄骨造以外の構造別の耐用年数について解説します。減価償却の計算方法や、耐用年数を超えた鉄骨造の建物の売却方法、快適に暮らす方法まで紹介しますので、鉄骨造の建物を所有している方はもちろん、建築を予定している方もぜひ参考にしてください。

鉄骨造の「耐用年数」とは

鉄骨造,耐用年数

耐用年数と一口にいっても、「法定耐用年数」や「物理的耐用年数」「経済耐用年数」の3つがあり、それぞれ定義や年数は異なります。

法定耐用年数はあくまでも税務上必要な数値であり、実際の寿命とは必ずしも一致しません。

3つの法定耐用年数のうちで、寿命の概念に近いのは物理的耐用年数でしょう。

耐用年数定義年数の目安
法定耐用年数国税庁が減価償却のために定めた税務上の基準年数(構造や用途によって異なる)19~34年(住宅)鉄骨の厚みと用途で異なる
物理的耐用年数物理的に使用可能な期間(メンテナンスの有無によって異なる)50~60年
経済耐用年数建物の市場価値が持続する期間(市場や環境によって異なる)30年程度

鉄骨造の法定耐用年数はどれくらい?

鉄骨造,法定耐用年数,どれくらい

鉄骨造の法定耐用年数は一律ではなく、使われている骨格材の厚みによって19年、27年、34年の3段階に分かれます(住宅の場合)。

ここでは比較のために鉄骨造だけでなく、鉄骨鉄筋コンクリートや木造の耐用年数も紹介します。以下は国税庁が公表している法定耐用年数の抜粋です。

鉄骨造の法定耐用年数一覧表

下記の表中に「金属造」とあるのが鉄骨造です。鉄骨の厚みによって法定耐用年数は異なり、住宅と事務所でも違うことがわかります。

鉄骨造の住宅の耐用年数は鉄骨の厚みが4ⅿⅿ超であれば34年、4ⅿⅿ以下の場合は27年です。

建物の構造住宅の耐用年数事務所などの耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄筋コンクリート造47年50年
金属造で鉄骨の厚さが4mm超34年38年
金属造で鉄骨の厚みが3mm超4mm以下27年30年
金属造で鉄骨の厚みが3mm以下19年22年
木造22年24年

軽量鉄骨プレハブ造の場合|骨格材の厚み6mm未満

一般的に鉄骨の厚みが6mm未満の場合 、軽量鉄骨プレハブ造と呼ばれます。鉄骨の厚みによって耐用年数が異なるため、軽量鉄骨であっても鉄骨の厚みが4mm超であれば、耐用年数は住宅の場合34年、鉄骨の厚みが4mm以下であれば27年になります。

軽量鉄骨は住宅や賃貸住宅でよく採用されている構造で、2~3階建ての低層住宅が中心です。

その名前の通り軽量であることが特徴です。重量鉄骨と比べて材料費が安く、そのうえ短い工期で建築できるので、建築コストを安く抑えられるのがメリットです。

重量鉄骨造の方が耐震性は高くなりますが、軽量鉄骨造であっても構造が弱いということではありません。構造計算上、耐力が確保されているのであれば、特段心配はありません。

ちなみにプレハブとは工場で部材を大量に生産し、ある程度工場で組み立ててから現地で完成させる工法です。管理された工場で生産するため、品質が均一であり工期を大幅に短縮できるのがメリットです。コストパフォーマンスもよいため、多くのハウスメーカーで採用されています。

重量鉄骨造の場合|骨格材の厚み6mm超

一般的に鉄骨の厚みが6mm超の場合、重量鉄骨造に区分されます。耐用年数は住宅の場合34年です。

重量鉄骨造は強度が高いことから、大規模なマンションや商業施設に採用されることが多い構造です。

柱や梁が太いため、少ない柱でも大きな空間を作ることができます。

軽量鉄骨よりも材料費が高額で工期も長くかかるため、コストが高額になるのがデメリットといえます。また柱が太く壁が厚くなるため、比較的敷地が狭い個人住宅には向きません。実際、個人住宅に採用しているケースは少ないでしょう。

出典:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

鉄骨造以外の構造別の法定耐用年数比較

鉄骨造以外の構造別の法定耐用年数比較

鉄骨造を検討するうえで、他の構造との違いを知ることは重要です。それぞれを比較することで、鉄骨造の特徴を理解することができるでしょう。

以下の表は、構造ごとの違いを比較し、特徴やメリットなどをわかりやすくするためにまとめたものです。

構 造法定耐用年数建築コスト感メリット デメリット
鉄骨造 (S造)19~34年建築コストを抑えやすい工期を短縮できる 遮音性はやや劣る
木造 (W造)22年他の構造に比べて安価工期が短い・調湿性がある 耐火性・耐震性で劣る
鉄筋コンクリート造 (RC造)47年木造の1.5~2倍程度耐火性・遮音性がある 気密性が高く結露しやすい
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)47年最も高額耐震性・耐火性に優れている 重量が重く地盤改良が必要になることがある
出典:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

・「鉄筋造(RC造)と鉄骨造の防音性」に関する記事はこちら
鉄筋造(RC造)と鉄骨造はどっちが防音性が高い?違いや調べ方を紹介
・「木造マンションのメリット・デメリット」に関する記事はこちら
木造マンションのメリット・デメリットとは? 遮音性や耐震性は大丈夫?

耐用年数は減価償却の計算に使われる|計算方法を紹介

耐用年数,減価償却,計算方法

法定耐用年数とは、固定資産の減価償却費を算出する際に用いる年数です。

個人が減価償却費を計算するのは、確定申告で譲渡所得を計算するときです。

課税対象となる譲渡所得金額は、譲渡による所得から取得費を差し引いて計算しますが、建物の取得費は所有期間中の減価償却費相当額を差し引くことになります。
ここからはパターン別に、減価償却費の計算方法を紹介します。
戸建ての減価償却費の計算方法は以下の通りです。

3,000万円の鉄骨造(鉄骨の厚みが4mm超)の建物の場合を計算してみます。この場合土地の代金は償却しないので含めません。

建物の構造耐用年数(法定耐用年数の1.5倍)償却率
鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造70年0.015
金属造(鉄骨の厚みが4mm超)51年0.020
金属造(鉄骨の厚みが3mm超4mm以下)40年0.025
金属造(鉄骨の厚みが3mm以下)28年0.036
木造33年0.031

減価償却費=取得価格×定額法の償却率
3,000万円×0.020=60万円

毎年60万円ずつ価値が下がり、耐用年数(法定年数の1.5倍)の51年後にはゼロになります。

出典:「減価償却費」の計算について|国税庁
No.3252 取得費となるもの|国税庁

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1. 新築物件の場合

重量鉄骨造のマンションを新築した場合の、減価償却費を計算してみましょう。

条件
物件:重量鉄骨造のマンション
法定耐用年数:34年
定額法の償却率(事業用):0.030(国税庁「減価償却資産の償却率等表」より)
※1998年4月1日以降に取得した建物は「定額法」
取得価額:5,000万円

減価償却費は、「減価償却費 = 取得価額 × 償却率」で求められます。
減価償却費(年間):5,000万円×0.030=150万円になります。

ちなみに事業用(賃貸や投資物件)と居住用(マイホーム)では、計算ルールが異なります。事業用では法定耐用年数をそのまま使いますが、居住用の場合は法定耐用年数が1.5倍になるため、51年(34×1.5)になります。

比較のために同じ条件(重量鉄骨造・5,000万円)とし、居住用の償却率(0.020)で計算すると
5,000万円×0.020=100万円になります。

2.中古物件|耐用年数の一部を経過

次は、中古物件を購入した場合で、法定耐用年数を超えていないケースの減価償却費を計算してみましょう。

条件
物件:重量鉄骨造のマンション
築年数:築15年
取得価額:5,000万円

重量鉄骨造の法定耐用年数は34年ですが、築15年の中古物件を購入しているため、以下の計算式で耐用年数を求めます。

(法定耐用年数 - 経過年数) + (経過年数 × 20%)
(34年-15年)+(15年×20%)=22年

国税庁の「減価償却資産の償却率等表」で耐用年数が「22年」の定額法償却率を確認し、建物の取得価額に乗じて減価償却費(年間)を算出します。

償却率:0.046(耐用年数22年)
減価償却費(年間):5,000万円×0.046=230万円となります。

新築よりも中古物件のほうが、節税効果が高いことがわかります。

3.中古物件|法定耐用年数をすべて経過

中古物件ですでに耐用年数を超えている場合は、以下の計算式でまず耐用年数を算出します。

耐用年数=(法定耐用年数×20%)

34年×20%=6.8年→端数は切り捨てで「6年」になります。

国税庁の「減価償却資産の償却率等表」で耐用年数「6年」の定額法償却率を確認し、建物の取得価額に乗じて減価償却費(年間)を算出します。

償却率:0.167(耐用年数6年)
減価償却費(年間):5,000万円×0.167=835万円となります。

新築物件や築15年の物件よりも、減価償却費がかなり高くなることがわかります。

ただし減価償却できるのは、耐用年数の6年間です。

7年目からは減価償却費はゼロになり、税金の負担は大きくなります。

デッドクロス(ローンの元金返済額が減価償却費を上回っている状態)を理解し、7年目に備えて対処しましょう。

鉄骨造の耐用年数にまつわる注意点

鉄骨造の耐用年数,注意点

鉄骨造の住宅を購入または建築する前に、知っておきたいポイントや注意点を紹介します。

耐用年数と実際の建物の寿命は異なる

法定耐用年数とは固定資産の減価償却に使われる年数であって、実際の建物の寿命とは異なります。

減価償却とは固定資産取得にかかった費用を、購入した期ですべて計上することはできず、耐用年数に応じて分割して計上する会計処理です。

減価償却では土地は年数によって価値は目減りしませんが、建物は時間とともにその資産価値が減少すると考えます。

つまり法定耐用年数が過ぎると、税務上は資産価値がなくなります。

したがって税制上は資産価値がないからといって、住めないということではありません。建物には定期的なメンテナンスが必要ですが、適切に手入れすることによって建物の寿命を伸ばすことができます。

耐用年数は住宅ローンにも影響

法定耐用年数は固定資産の減価償却に使われるものですが、住宅ローンの可否や最長返済期間を判断するときにも利用されます。

つまり住宅ローンの担保評価として建物に資産価値があるのか、あるとすればいくらなのか判断する時に使われます。

住宅ローンは借入する人の収入や年齢も審査するため、法定耐用年数だけでは判断されませんが、影響する可能性は十分あるでしょう。

築年数が古く、法定耐用年数を超えているような物件は、担保価値を低く見積もられることが多いです。

希望する金額の借り入れができなかったり、完済までの期間を短く設定され、審査が通りにくくなったりします。

特に築年数が古い中古住宅の購入を検討する場合は、事前に金融機関に相談しておくことをおすすめします。また審査基準は金融機関によっても異なりますので、複数の金融機関に相談してみるという方法もあります。

デッドクロスと節税効果の終了

投資物件は減価償却期間が終わると、デッドクロスと呼ばれる現象が起きやすくなります。この現象をよく理解しておかないと、資金繰りに困ることになりかねません。不動産経営を始めるのであれば、デッドクロスと減価償却費の関係性をよく理解しておきましょう。

不動産経営におけるデッドクロスとは、ローンの元金返済額が、減価償却費を上回ることをいいます。

手元の資金は増えていないのに、会計上は利益が出ていることになるため、所得税の支払いは増えることになります。

しかし帳簿上は黒字のため、気づいた時には「黒字倒産」という事態に陥りかねません。デッドクロスを正しく理解し、キャッシュフローが悪化したときの対処を考えておきましょう。

・「不動産投資による収益化」に関する記事はこちら
家賃収入とは?不動産投資による収益化までの流れと注意事項を解説

耐用年数を超えた鉄骨造物件の売却方法4つ

耐用年数を超えた鉄骨造物件,売却方法

耐用年数を超えたからといって、売却できなくなるわけではありません。建物の状態に合わせて、売却方法を検討しましょう。

ここでは、4つの売却方法を紹介します。

1.現状のまま中古物件として売却

年数に応じたメンテナンスが施されている建物であれば、築年数が古くても中古物件として売却することも可能です。

基本的には、リフォームなど手を加える必要はありません。不動産会社へ仲介を依頼し、現状のまま売り出しましょう。

中古物件として売却できれば、他の売却方法よりも高く売れる可能性があり、費用や手間をかけずに済むため、最もおすすめな売却方法といえます。

2.不動産会社に買い取りを依頼

一般市場で買い手が付きにくい状態であれば、不動産会社へ買取を依頼しましょう。不動産会社はリフォームやリノベーションをしてから再販することを想定しているため、築年数が古くても、買取に応じてもらえる可能性があります。

買取(直接取引)は仲介手数料がかからず、契約不適合責任を免除にできるなどのメリットがある一方で、買取価格は相場の7割程度になる傾向があります。

仲介だけでなく、買取にも対応している不動産会社もあります。まずはどちらが適しているのか、価格も含めて担当者に相談してみると良いでしょう。

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3.古家付き土地として売却

建物の築年数が古く、劣化が進んでいてほとんど価値がない場合は、古家付き土地として売却しましょう。

引き渡し条件を現況有姿にしておけば、解体費用は買主の負担になり、土地として売却すれば、建物の契約不適合責任も免除にできるでしょう。

土地を探している人はもちろん、「古くてもいいから安い家を探している」という人もターゲットになるため、価格によっては中古物件として売り出すよりも買い手が付きやすくなるのもメリットです。

また築年数が古くても、家があることで住宅用地の特例が適用されるので、固定資産税が高くなる(元の税額になる)こともありません。

・「築40年の家を売るコツ」に関する記事はこちら
築40年の家を好条件で売るには?リフォームをしなければ売れないのか

4.更地にして売却

建物の状態が悪く、そもそも住むのが困難である、もしくは倒壊のおそれがあるような場合は、更地にして売却しましょう。

見栄えの悪い古い家がある状態よりも、更地にすることで印象が良くなれば、早期売却につながるかもしれません。

ただし更地にする費用は、売主の負担になります。

また更地にしてしまうと住宅地の特例が適用されず、固定資産税が高くなってしまうため、固定資産税の賦課期日である1月1日を迎える前に、売却できるようなスケジュールを組みましょう。

※固定資産税は、毎年賦課期日である1月1日時点で所有している人が納税義務者になります。また住宅用地か否かの判断も1月1日時点でされるため、年度の途中で更地にしたとしても、即座に住宅用地の特例が適用されなくなるわけではありません。

・「更地」に関する記事はこちら
更地とは?意味や固定資産税対策について紹介

 鉄骨造の耐用年数を超えても快適に暮らすためのコツ

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鉄骨造の建物の耐用年数を超えても、快適に暮らすためにはどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

ここでは、確認しておくべきポイントや快適に暮らすためのコツを紹介します。

メンテナンスを適切に行う

鉄筋コンクリート造のマンションでは、12~15年おきに大規模修繕工事を予定していることが多く、不具合が出る前に防水工事などを行います。

これは劣化を未然に防ぐことによって、建物の寿命は延ばせると考えられているからであり、適切にメンテナンスを行えばマンションは100年以上持つともいわれています。

国土交通省の資料によると、鉄筋コンクリート造の耐用年数は120年、外装工事を行うことで150年になるとの報告もあります。

メンテナンスによって寿命を延ばすことができるのは、鉄筋コンクリート造に限った話ではなく、鉄骨造のマンションや建物も同様です。

躯体が鉄骨造で丈夫な構造であったとしても、屋根の防水層や外壁の目地部分の小さな亀裂などから雨漏りする可能性があり、メンテナンスをせずに放置すれば結果として建物の寿命を縮めることにもなりかねません。

また設備などのわかりやすい故障と異なり、気づかぬうちに劣化が進行してしまう可能性があり注意が必要です。

出典:期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について|国土交通省

ハウスメーカーの保証制度を確認する

多くの鉄骨造系のハウスメーカーには、定期点検やメンテナンスを受けることを条件に保証期間を延長する保証制度が用意されており、なかには最長60年まで延長可能なケースもあります。

こういったことからも、定期的な点検やメンテナンスによって建物の寿命を延ばすことができることがわかります。

有償点検や、ハウスメーカーが提案する補修工事をすることが条件であったとしても、定期的なメンテナンスによって建物の劣化を未然に防ぐことができれば、長い目で見ると改修費用を軽減できる可能性があります。

快適かつ安心して暮らすためにも、定期的な点検やメンテナンスを受けることをおすすめします。

家を建てる前に地盤も確認しておく

家を新築するときには地盤調査が必要になります。地盤が軟弱である場合は、その度合いに応じて地盤改良が必要になるためです。また建て替え時にも地盤調査は必要になります。

建物のメンテナンスが十分であっても、軟弱な地盤だと地盤沈下を起こしかねません。最悪の場合、住めなくなることもあります。

地盤沈下すると家は傾き、建具が開かなくなることがあり、傾きの度合いによっては住む人の健康状態にも影響する可能性があります。

地盤調査はその土地の広さや方法によっても異なりますが、一般的なスウェーデン式サウンディング試験の場合は半日から1日で調査することができます。

地盤調査の費用はスウェーデン式サウンディング試験であれば5万円程度、ボーリング調査の場合は30万円前後です。調査の結果、地盤改良が必要になった場合は、方法や度合いによっても異なりますが50~100万円追加でかかる可能性があります。

・「地盤調査・地盤改良」に関する記事はこちら
地盤調査や地盤改良を解説!方法や費用を知っておこう

建物を建てる地域の特徴を知る

たとえば海に近いエリアに建物を建築する場合は、塩害対策が必要になります。具体的には海岸から2㎞以内の地域です。

塩害とは潮風に含まれた塩が原因となる、建物や車などに起きるトラブルです。一般的な地域よりも金属系の素材が錆びやすく、外壁などの塗装面が剥がれやすくなります。

対策としては塩害に強い建材(ガルバ二ウムや樹脂サイディング)を採用し、こまめな水洗いなど清掃を心がけることです。また外壁や屋根の改修は、他の地域よりも早い周期で行う必要があるでしょう。

一般的に外壁塗装などのメンテナンスは10年に一度行う必要があるといわれていますが、塩害地域の場合は7~8年に一度を目安にしましょう。

まとめ

法定耐用年数とは、減価償却費を算出する際に用いる数値であり、実際の寿命とは異なります。また定期的な点検やメンテナンスを施すことによって、建物の寿命を延ばすこともできます。

鉄骨造の建物の物理的な耐用年数は、50~60年ともいわれており、法定耐用年数を超えたとしても、売却できなくなるわけではありません。

売却するか、リフォームして住み続けるか迷っているのであれば、売却方法も含めてまずは不動産会社に相談してみましょう。

この記事のポイント

鉄骨造の法定耐用年数はどれくらい?

鉄骨造の住宅の耐用年数は鉄骨の厚みが4ⅿⅿ超であれば34年、4ⅿⅿ以下の場合は27年です。

鉄骨の厚みによって法定耐用年数は異なり、住宅と事務所でも違います。

詳しくは「鉄骨造の法定耐用年数はどれくらい?」をご覧ください。

耐用年数を超えた鉄骨造物件は売却できる?

耐用年数を超えた鉄骨造物件は以下の4つの方法で売却できます。

  • 1.現状のまま中古物件として売却
  • 2.不動産会社に買い取りを依頼
  • 3.古家付き土地として売却
  • 4.更地にして売却

詳しくは「耐用年数を超えた鉄骨造物件の売却方法4つ」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

建物の寿命は構造や環境、メンテナンス状況によって変わるため、一概に判断できるものではありません。さらにいえば、適切なタイミングで必要なメンテナンスを施すことで、寿命を延ばすことも可能です。建物がどの程度劣化しているのか知りたいときは、ホームインスペクション(住宅診断)の実施がおすすめです。現状のコンディションを把握でき、修繕にかかる金額も想定できるため、売却するかリフォームするかの判断材料にもなるでしょう。

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