マーケットレポート
マーケットレポート2026, 07
2026年7月16日時点公表分ダウンロードDOWNLOAD
首都圏の賃貸市場で起きている変化とは?レインズ成約データから読み解く家賃上昇の実態
近年、「家賃が上がっている」という話を耳にする機会が増えました。実際に、首都圏の賃貸市場ではどのような変化が起きているのでしょうか。今回は、東日本不動産流通機構(レインズ)が公表している首都圏賃貸居住用物件の成約データをもとに、賃料や専有面積の推移を確認しながら、市場の変化について読み解いていきます。
成約㎡単価は過去最高水準へ
まず注目したいのが、成約㎡単価の推移です。
レインズ成約賃料の推移
2012年7~9月期には2,874円/㎡だった成約㎡単価は、2026年1~3月期には3,947円/㎡まで上昇しています。約14年間で37%以上の上昇となっており、特に2023年以降は前年同期比で+4~8%と、上昇スピードが加速しています。
一方で平均面積は縮小傾向
次に、成約面積についてみていきましょう。
レインズ賃貸成約面積の推移
これを見ると、毎年1~3月期には成約面積が低下する傾向が見られます。進学や就職、転勤などに伴う単身者向け住戸の需要増加が影響している可能性があります。
この季節要因を排除するために、12か月移動平均を点線で示したのがこちらの推移です。2000年代後半には35㎡前後だった平均面積は、近年では31~33㎡程度となっています。先ほどお伝えしたとおり、成約賃料は上昇していることを踏まえると、「より広い部屋に住むために家賃を払っている」というよりも、「以前より狭い部屋でも高い家賃を支払う市場になっている」と見ることもできます。
ただ、長らく縮小傾向が続いていた成約面積ですが、2024年以降はわずかながら拡大の兆しも見られます。まだ短期間の変化であり判断は難しいものの、「狭くてもよい」から「多少広くても借りる」へと需要が変化し始めている可能性もあります。
家賃上昇の背景にあるもの
家賃上昇の背景として考えられる要因には、
・都心部への人口集中
・単身世帯の増加
・建築費や人件費の上昇
・新築供給の減少
・住宅購入コストの上昇
などが挙げられます。特に近年は、住宅ローン金利の上昇や物件価格の高騰により、「購入より賃貸を選ぶ」層も増えていると考えられます。
まとめ
首都圏の賃貸市場では、家賃の上昇だけでなく、「㎡単価の上昇」と「面積の縮小」が同時に進行しています。
表面的な家賃だけを見るのではなく、1㎡あたりの賃料や住戸面積の変化にも目を向けることで、市場の実態がより見えやすくなります。
今後もデータを継続的に追いながら、首都圏の賃貸市場がどのように変化していくのかを見ていきたいと思います。
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