駅徒歩10分,資産価値
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駅から徒歩10分の物件の資産価値は高い?評価される立地条件とは

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。
https://grow-profit.net/

ざっくり要約!

  • 利便性の高い駅付近のエリアは購入需要だけでなく賃貸需要も集中するため、駅から10分圏内の物件は資産価値が高くなる
  • 物件の価値は単純に駅からの距離だけでなく、駅の性格によっても大きく左右される

不動産の資産価値を図るひとつの目安として、「駅から徒歩10分」という物差しがあります。

駅から徒歩10分圏内の物件は、いざ賃貸に出しても借主を見つけやすいため、賃貸も売却もしやすく、貸せない物件よりも相対的に資産価値が高いです。

つまり、駅から徒歩10分圏内の物件は、マイホームとして買う人だけでなく、投資家も購入希望者となり得ることから、需要が強く自然と価値が上がりやすくなっています。

この記事では、「駅徒歩10分の資産価値」について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

駅徒歩10分は資産価値が高い?徒歩分数が与える影響

駅徒歩10分は資産価値が高い?徒歩分数が与える影響

不動産の資産価値を考えるうえで、駅距離は非常に重要です。

特に賃貸需要は利便性の高いエリアに偏在することから、駅から近い物件は賃貸も売却もできて資産価値が高まりやすくなります。

賃貸需要の高い地域では、建物の築年数が経過しても賃料がほとんど下がらないことが多いです。

駅に近い物件の収益性は建物が古くなっても高く保たれることから、長期に渡り高い資産価値を維持しやすいといえます。

一方で、駅から遠い物件の場合、売却はできるものの、賃貸に出すと借主は決まりにくいです。

貸せない物件は、資産価値のひとつである収益性を保ちにくいです。
そのため、売却しかできない物件は、賃貸も売却もできる物件と比べると収益性は低く、必然的に資産価値が下がるといえます。

なお、資産価値で重視されるのは、直線距離ではなく道路距離(実際の道のりの距離)です。

距離は1分80mで計算するルールがあるため、駅から10分圏内の物件は道路距離が駅から800m以内の物件ということになります。

「駅から徒歩10分」の物件の資産価値の特徴と人気の理由・メリット

「駅から徒歩10分」の物件の資産価値の特徴と人気の理由・メリット

ここでは、駅徒歩10分の物件の資産価値が高い理由や購入するメリットについて解説します。

「駅から徒歩10分」の物件の資産価値の特徴

駅から徒歩10分圏内の物件は、単純に歩く距離が少ないです。

バス便を使わなくて良いことから、車の渋滞に巻き込まれる心配もなく、駅までの時間のゆらぎも少なくなります。

また、深夜や雨の日、雪の日等に子どもや配偶者を車で送迎する必要もなく、家族の負担が軽い点も挙げられます。

人気の理由とメリット

駅から徒歩10分の物件は利便性が良く、借主にも買主にも人気の物件となることから、必然的に資産価値が高くなります。

一般的に、商業施設や医療施設は駅周辺に集積しています。
そのため、駅近くの物件は買い物や通院に便利なことが多いです。

利便性の高いエリアは、購入需要だけでなく賃貸需要も集中します。

特に賃貸需要は利便性が重視されるため、駅から10分圏内の物件に偏在することが多いです。

「駅から徒歩10分」以外に物件の価値を左右する条件5つ

「駅から徒歩10分」以外に物件の価値を左右する条件5つ

不動産の資産価値は、単純に駅からの距離だけで決まるものではありません。

この章では、駅距離以外に物件の価値を左右する重要な立地条件について解説します。

1.エリア自体の人気の高さ

不動産の価値を決める要素に、地域の名声があります。
例えば、東京であれば港区の麻布や白金、渋谷区の松濤や広尾、目黒区の青葉台、大田区の田園調布といった地域が高級住宅街です。

関西であれば、芦屋市の六麓荘や西宮市の西宮七園(甲子園や苦楽園、甲陽園等)が高級住宅街となります。

これらの高級住宅街は、駅からの距離とは無関係に高い相場が形成されている点が特徴です。

東京港区の麻布は、会社役員等のお車付きの人も購入することが多く、電車での移動があまり想定されていないために駅から遠くても高い資産価値があります。

また、地方都市には公立の小中学校の学区が良い地域が存在し、このような学区の良い地域も資産価値が高いです。

学区が良い地域は子どもをその学校に通わせるためにわざわざ引っ越してくる人も多いため、駅から遠くても賃貸需要が強いケースがあります。

2.駅の性格

駅からの距離以上に重要なものとして、駅の性格が挙げられます。

人気の路線の駅やターミナル駅、他路線への乗り換え可能駅等の便利な駅は賃貸需要も購入需要も共に強いです。

例えば、東京ではJR山手線やJR中央線が非常に人気の高い路線であり、これらの沿線の駅であれば駅から10分超の物件でも強い賃貸需要が存在します。

このように10分超でも強い賃貸需要が存在する駅の場合、駅からの距離が資産価値に与える影響は低くなります。

一方で、各駅しか停まらない駅や地下鉄の支線の駅等の人気のない駅は、駅から徒歩5分を超えてしまうと急激に賃貸需要が弱まります。

そのため、あまり人気のない駅の場合、徒歩10分では高い資産価値を保つには不十分となり、徒歩3~5分以内の物件でないと高い資産価値が保てないことも多いです。

3.駅からの動線

駅から物件までの動線上に何があるかも重要なポイントです。

駅には、いわゆる表口や裏口のように発展している側と発展していない側が存在することがあります。

同じ駅から徒歩10分といっても、発展している側と発展していない側では価値が異なることが一般的です。

例えば、商業施設が充実しており、駅からの帰宅動線上に買い物ができるような配置の物件は価値が高くなります。

一方で、わざわざ駅の反対側に回らないと買い物ができないような立地は、同じ駅距離でも価値は低いです。

4.住環境の充実度

住環境の充実度は、駅の性格と連動しています。
人気の路線の駅やターミナル駅、快速停車駅等は必然的に駅の周辺に商業施設も充実しており、生活利便性は高いです。

人気のない駅の場合、駅周辺にスーパーやドラッグストア等の生活利便施設がほとんど存在しない場所もあります。

このような駅周辺に生活利便施設がない場所は、たとえ駅から近くてもその資産性は低いです。

5.管理体制|マンションの場合

マンションの場合、立地の悪い物件は所有者不明の空き家が増え、十分な管理費を徴収できずに結果的に管理体制が悪化することがあります。

管理体制が悪化した物件は資産価値を落とす原因となり、さらなる悪循環を生みます。

「駅から徒歩10分」の物件でも資産価値が下がりやすい条件3つ

「駅から徒歩10分」の物件でも資産価値が下がりやすい条件3つ

駅に近くても資産価値が下がりやすい要素は存在します。

この章では、資産価値が下がりやすい条件に付いて解説します。

騒音がひどい・治安が悪い

駅から近くても、駅至近や線路沿いにある物件は、騒音が懸念されて資産価値が下がることがあります。

近年、駅至近に建つ新築マンションは非常に防音性が高いですが、それでも静かな場所から引っ越してきた人にとってはうるさく感じる場合もあります。

電車が通るたびに、小さくてもガタガタと音がすると、人によっては気になってしまいます。

そのため、駅に近すぎる物件は将来的に売却しにくくなる可能性もあるため、避けた方が無難です。

また、利便性の高いターミナル駅等では、駅周辺に歓楽街も存在します。
歓楽街を通らないと帰宅できない物件は治安が悪く、売却しにくくなることから資産価値も下がりやすいです。

建物の日当たりが悪い

駅に近いエリアは、規制の上で高層建築物の建築が可能な場所が多いです。
隣地に高層建築物が建つと、日照や眺望の条件が悪くなるため、資産価値が落ちます。

駅周辺のマンションを購入する場合には、日照を害されるリスクの少ない高層階の部屋や広い道路側に面した部屋を購入することが適切です。

旧耐震基準で建てられている

旧耐震基準とは1981年5月31日以前に建築確認申請を通過した建物、新耐震基準とは1981年6月1日以降に建築確認申請を通過した建物のことです。

新耐震基準の建物は、以下のような耐震性を満たしている建物となります。

【新耐震基準の耐震性】
・数十年に一度生じる震度5程度の希な地震に対して、ほとんど損傷しない
・数百年に一度生じる震度6強程度のごく希な地震に対して、建物が倒壊しない

旧耐震基準の建物は上記の耐震性を満たしていないことから、耐震性が低いです。

そのため、旧耐震基準で建てられている建物は駅からの距離に関わらず、一般的に資産価値が低くなります。

「駅から徒歩10分」の物件の購入検討時に確認すべき点

「駅から徒歩10分」の物件の購入検討時に確認すべき点

この章では、物件を購入する際に検討すべき点について解説します。

駅の性格

物件購入で検討すべきは、駅距離以前にまずは駅の性格です。

人気の路線にある駅や、快速停車駅、ターミナル駅、他路線への乗り換え可能駅といった便利な駅であるかどうかが、駅からの距離以上に資産価値を大きく左右します。

良い駅であれば、駅から15分圏内の物件を購入しても、資産価値は十分に高く保てる可能性があります。

住環境や利便性

良い駅は周辺に商業施設も充実しており、良い駅を選べば必然的に生活利便性が高まることが多いです。

ただし、駅には出口のよって発展している側と発展していない側が存在します。
資産価値が高いのは、発展している側の物件です。

駅から物件までの動線上に生活利便施設が挟まっているような立地の物件が理想となります。

管理状況|マンションの場合

立地が先か、管理状況が先かという問題はありますが、立地の悪い物件は所有者不明の空き家が増え、管理状況が悪化することが多いです。

資産価値を保つには、将来的に空き家が増える可能性の低いマンションを買う必要があります。

立地の良いマンションは空き家が増える可能性が低いため、購入するなら立地の良いマンションを選ぶことが鉄則です。

まとめ

以上、駅徒歩10分の資産価値について解説してきました。
駅から徒歩10分圏内の物件は賃貸にも出しやすいことから、賃貸が難しい物件と比べると相対的に価値が高くなります。

物件の価値は単純に駅からの距離だけでなく、駅の性格によっても大きく左右される点が特徴です。
不動産を購入するにあたり、参考にして頂ければと思います。

この記事のポイント

駅から徒歩10分の物件の資産価値は?

駅から徒歩10分の物件は利便性が良く、借主にも買主にも人気の物件となることから、必然的に資産価値が高くなります。

一般的に、商業施設や医療施設は駅周辺に集積しています。

そのため、駅近くの物件は買い物や通院に便利なことが多いです。

詳しくは「駅から徒歩10分」の物件の資産価値の特徴と人気の理由・メリット」をご覧ください。

「駅から徒歩10分」とある場合、駅から何 m 離れている計算になる?

駅から10分圏内の物件は、道路距離が駅から800m以内の物件ということになります。

距離は1分80mで計算するルールがあるためです。

詳しくは「駅徒歩10分は資産価値が高い?徒歩分数が与える影響」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

共働き世帯の増加により、近年は駅からの距離だけでなく駅の性格を重要視する人が増えてきました。共働き世帯は利便性を強く重視しており、ターミナル駅や乗り換え可能駅等の通勤や通学に便利な駅が選ぶ傾向があります。
そのため、資産価値を決める要素は、駅からの距離よりも駅の性格の方が重要です。駅からの距離は多少妥協したとしても駅の性格は妥協しない方が結果的に資産価値の高い物件が購入しやすいです。需要が閑静な住宅街から利便性が高い住宅街にシフトしており、駅の性格はますます重要視されていくと考えられます。

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