線路沿い 家 やめたほうがいい
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線路沿いの家はやめたほうが良い?後悔しないためのチェックポイント

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 線路沿いの家は、電車の騒音や振動、鉄粉による空気の汚れといったデメリットが生じる可能性がありますが、物件の構造や立地、対策によって影響の度合いは異なります。
  • 駅に近いことによる利便性の高さや、周辺相場より価格・賃料が割安になる傾向がある点は、線路沿いの家が持つ大きなメリットです。
  • 内見時には窓の開閉で遮音性を確認したり、時間帯や曜日を変えて訪れたりして、実際の騒音や振動、周辺環境を自分の目で確かめることが重要です。

線路沿いの家は、駅に近く便利なイメージがある一方で、「電車の音がうるさいのでは」といった懸念から、選択肢から外している方もいるかもしれません。住んでから後悔しないためには、メリットとデメリットの両方を理解し、ご自身のライフスタイルに合うかどうかを見極めることが大切です。

この記事では、線路沿いの家はやめた方が良いと言われる具体的なデメリットから、意外と知られていないメリットまでを徹底解説します。さらに、快適に暮らすためのコツや、物件を検討する際に確認すべきチェックポイントも紹介しますので、ぜひ住まい選びの参考にしてください。

線路沿いの家はやめたほうが良いと言われる理由

線路沿いの家での暮らしには、利便性の高さといった魅力がある一方で、次のようなデメリットが考えられます。

  • 騒音
  • 振動
  • 治安
  • 空気汚染

どのような点が懸念されるのか、具体的に見ていきましょう。

騒音

線路沿いの家で、多くの人が懸念するのが騒音の問題です。電車が通過するときの走行音だけでなく、警笛やアナウンス、踏切の警報音などが聞こえてくる可能性があります。特に、始発電車の音で早くに目が覚めてしまったり、終電の音で就寝を妨げられたりするケースも考えられます。

また、電車の種類によっても音の大きさは異なります。通勤電車に加えて、特急や貨物列車が通過する路線では、騒音や振動がより大きくなる傾向があります。こうした音の問題は、生活リズムや心身の健康に影響を及ぼすこともあるでしょう。

振動

騒音とあわせて、電車の通過に伴う振動もデメリットのひとつです。特に、線路との距離が近い低層階の住戸や、地盤が比較的軟弱なエリアでは、振動を感じやすい場合があります。建物が揺れることで、家具がガタガタと音を立てたり、建具がきしんだりすることもあるかもしれません。

わずかな振動であっても、日常的に繰り返されるとストレスに感じる可能性があります。建物の構造によっても揺れの伝わり方は異なるため、物件を検討する際には、構造面にも目を向けることが大切です。

治安

駅が近いことは利便性の高さにつながりますが、治安の面では注意が必要な場合もあります。駅周辺は不特定多数の人が行き交うため、それに伴いトラブルが発生する可能性もゼロではありません。

また、線路が高架になっている場合、高架下は夜間に人通りが少なく、暗がりや死角が生まれやすい場所になることもあります。物件の周辺だけでなく、駅から自宅までの道のりに、夜間でも安心して歩ける明るさや人通りがあるかを確認しておくとよいでしょう。

空気汚染

線路沿いでは、電車の車輪とレールが摩擦することで発生する鉄粉が飛散することがあります。この鉄粉が洗濯物や外壁、車などに付着し、汚れてしまう可能性があります。特に白い衣類や車は汚れが目立ちやすいため、気になる方もいるかもしれません。

また、路線によってはディーゼル車が運行している場合もあり、その排気ガスによる影響も考えられます。頻繁な掃除が必要になったり、洗濯物を屋外に干しにくくなったりする点は、デメリットといえるでしょう。

線路沿いの家のメリット

線路沿いの家には、デメリットを上回る魅力的なメリットも存在します。住まい選びの選択肢を広げるためにも、主な利点を理解しておきましょう。

  • 利便性が高い
  • 価格・賃料が相場より安いことがある
  • 開放感が高い物件が多い
  • 防犯性が高いという見方も

利便性が高い

線路沿いの家が持つ最大のメリットは、駅に近いことによる利便性の高さです。駅まで徒歩数分という物件も多く、通勤や通学にかかる時間を短縮できます。雨の日や荷物が多い日でも、駅までの移動が苦になりにくいでしょう。

また、駅の周辺にはスーパーマーケットやコンビニエンスストア、飲食店、金融機関などが集まっていることが多いため、日常の買い物や用事を効率的に済ませられます。生活の利便性を重視する方にとっては、大きな魅力となる点です。

価格・賃料が相場より安いことがある

線路沿いの物件は、騒音や振動といったデメリットを懸念する人もいるため、同じエリアの他の物件と比較して価格や賃料が割安に設定されていることがあります。駅近という好条件でありながら、手頃な価格で住まいを確保できる可能性があるのは大きなメリットです。

限られた予算の中で、できるだけ利便性の高い場所を選びたい方にとっては、線路沿いの家は魅力的な選択肢となり得ます。掘り出し物の物件が見つかることもあるでしょう。

開放感が高い物件が多い

線路沿いの土地は、安全上の理由から線路との間に一定の空間が設けられており、建物が密集しにくい傾向があります。そのため、隣の建物との距離が保たれ、日当たりや風通しが良い物件が多く見られます。

また、目の前に高い建物が建つ可能性が低いため、眺望が確保されやすいのも特徴です。窓からの景色が開けていると、部屋全体が明るく開放的な雰囲気になります。日中の多くの時間を室内で過ごす方にとって、心地よい住環境は大きなメリットです。

防犯性が高いという見方も

治安の面で懸念されることがある一方で、防犯性の高さにつながる側面もあります。線路沿いは電車の往来があるため、日中はもちろん、夜間でも人目につきやすい環境です。電車のヘッドライトや車内の明かりが周辺を照らすため、完全に暗くなることが少ないでしょう。

空き巣などの侵入窃盗犯は、人目を避ける傾向があります。そのため、常に人の気配や明かりがある線路沿いの家は、侵入のターゲットになりにくいと考えることもできます。

線路沿いの家でも安心・快適に暮らすにはどうすればいい?

線路沿い 家 安心

線路沿いの家で快適に暮らすためには、物件選びの段階で以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 遮音性の高い家を選ぶ
  • 高層階を選ぶ
  • 注意深く内見する

遮音性の高い家を選ぶ

騒音の問題を軽減するためには、遮音性の高い構造の家を選ぶことが有効です。例えば、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造のマンションは、木造や鉄骨造の建物に比べて遮音性に優れています。

また、窓の仕様も重要です。二重サッシや防音ガラスが採用されている物件であれば、外からの音を大幅に軽減できます。内見の際には、建物の構造とあわせて窓の性能も確認しましょう。リフォームが可能であれば、後から二重サッシを設置することもひとつの方法です。

高層階を選ぶ

同じ建物内でも、階数が高くなるほど線路からの距離が離れるため、騒音や振動の影響は受けにくくなります。特に、地響きのような低い振動は、高層階には伝わりにくい傾向があります。

また、高層階であれば、線路を走る電車の車内からの視線も気になりにくくなるでしょう。よりプライバシーが守られた空間で、開放的な眺望を楽しむことができます。騒音や振動、プライバシーの面で懸念がある場合は、高層階の部屋を中心に検討することをおすすめします。

注意深く内見する

線路沿いの物件を検討する際は、必ず内見を行い、ご自身の感覚で環境を確かめることが大切です。資料上の情報だけでは、実際の騒音の聞こえ方や振動の感じ方はわかりません。内見時には、窓を開けた状態と閉めた状態の両方で、音の伝わり方の違いを確認しましょう。

また、平日と休日、朝と夜など、異なる時間帯に複数回訪れることで、電車の本数や周辺の雰囲気の変化も把握できます。手間はかかりますが、後悔のない住まい選びのためには欠かせないプロセスです。

線路沿いの家を検討・内見するときチェックポイント

線路沿いの家の内見では、通常の物件とは異なる視点でのチェックが必要です。住み始めてから「こんなはずではなかった」とならないよう、次のポイントを確認しましょう。

  • 眺望・外部からの視線
  • 振動・騒音
  • 電車の運行時間・本数
  • 再開発・都市計画
  • 家の周辺や駅までの道のり

眺望・外部からの視線

線路沿いの家は眺望が良いことが多いですが、同時に電車内からの視線が気になる可能性もあります。特に、通勤ラッシュの時間帯は多くの乗客が乗っているため、部屋の中が見えてしまうのではないかと不安に感じるかもしれません。

内見の際には、実際に窓の前に立ち、電車が通過するときの目線の高さを確認しましょう。カーテンやブラインドを閉めずに生活できそうか、プライバシーが保たれるかをチェックすることが重要です。

振動・騒音

騒音や振動の感じ方には個人差があるため、内見時にご自身で体感することが不可欠です。不動産会社の担当者に許可を得て、窓を開けたり閉めたりして遮音性能を確かめましょう。

また、部屋の隅々まで歩いてみて、場所によって振動の伝わり方に違いがないかも確認します。壁や床に耳を当ててみると、より細かな振動を感じ取れる場合もあります。静かな環境で集中したい作業がある方などは、特に念入りにチェックすることをおすすめします。

電車の運行時間・本数

路線の運行状況によって、騒音や振動の影響を受ける時間帯や頻度は大きく異なります。始発電車や終電の時刻、ラッシュ時の運行本数などを事前に調べておきましょう。これらの情報は、鉄道会社のウェブサイトなどで確認できます。

特に、貨物列車が深夜に運行する路線では、就寝中に大きな騒音や振動で目が覚めてしまう可能性もあります。ご自身の生活リズムと照らし合わせ、許容できる範囲かどうかを判断することが大切です。

再開発・都市計画

現在だけでなく、将来的な周辺環境の変化にも目を向けておきましょう。駅周辺の再開発計画や、線路の高架化、新駅の設置といった都市計画が進められている場合があります。

これらの計画によって、利便性が向上する可能性がある一方で、工事期間中の騒音や交通量の変化も予測されます。自治体のウェブサイトや都市計画図などで情報を確認し、長期的な視点で住環境を評価することが、後悔しない物件選びにつながります。

家の周辺や駅までの道のり

物件そのものだけでなく、周辺環境の確認も重要です。特に、駅までの道のりは毎日利用することになるため、安全性や利便性をしっかりとチェックしましょう。

例えば、夜間でも明るく人通りがあるか、歩道が整備されていて歩きやすいか、踏切を渡る必要がある場合は「開かずの踏切」ではないか、といった点です。実際に自分の足で歩いてみることで、地図上ではわからない街の雰囲気や気づきを得られるでしょう。

まとめ

線路沿いの家は、騒音や振動といったデメリットがある一方で、駅に近い利便性の高さや、価格・賃料が割安な傾向にあるといったメリットもあります。これらの特性を理解した上で、ご自身のライフスタイルや価値観に合うかどうかを慎重に判断することが重要です。

物件選びの際には、遮音性の高い構造か、窓は二重サッシかといった点を確認し、実際に内見で音の聞こえ方や振動を体感することが欠かせません。

線路沿いの物件に興味があるものの、ご自身での判断に不安を感じる場合は、不動産のプロに相談することをおすすめします。東急リバブルでは、お客様のご希望に寄り添い、最適な住まい探しをサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

この記事のポイント

線路沿いの家はなぜやめたほうがいいのでしょうか?

線路沿いの家での暮らしには、利便性の高さといった魅力がある一方で、デメリットもあります。

詳しくは「線路沿いの家はやめたほうが良いと言われる理由」をご覧ください。

線路沿いの家のメリットは?

線路沿いの家には、デメリットを上回る魅力的なメリットも存在します。住まい選びの選択肢を広げるためにも、主な利点を理解しておきましょう。

詳しくは「線路沿いの家のメリット」をご覧ください。

線路沿いの家で安心して暮らすには?

線路沿いの家で快適に暮らすためには、物件選びの段階でいくつかのポイントを押さえておくことが重要です。

詳しくは「線路沿いの家でも安心・快適に暮らすにはどうすればいい?」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

線路沿いの物件は、音の問題から敬遠されがちですが、視点を変えると魅力的な住まいになります。例えば、窓から電車が走る様子を眺められる「トレインビュー」は、乗り物好きの方やお子様にとっては付加価値です。夜になると、走る電車の光が夜景の一部となり、日々の暮らしに彩りを与えてくれるでしょう。
ご自身のライフスタイルや価値観によっては、線路沿いの環境はメリットとなります。物件選びの際は、デメリットだけでなくポジティブな側面にも目を向けてみることをおすすめします。

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