ざっくり要約!
- 一人暮らし世帯の電気代は月間平均6,000円程度
- 電力消費量が大きい家電は、冷蔵庫・洗濯機・テレビ・照明器具
- 電気代を抑えるには、アンペア数の見直しや省エネ家電への買い替え、省エネ住宅への転居などが有効
一人暮らしにかかる生活費において、特に気になるのが「電気代」ではないでしょうか。近年はエネルギー価格の高騰もあり、電気代の負担は緩やかに増えています。快適な生活環境を整えるためにも、まずは一人暮らしの電気代の相場を知り、賢く節約する方法を身につけておくことが大切です。
この記事では、一人暮らしの電気代の平均額から、料金の仕組み、効果的な節約術まで解説します。
記事サマリー
一人暮らしの電気代の平均月額
一人暮らしの世帯にかかる電気代は、時期や地域によって異なります。実際にどの程度の電気代がかかっているのか、時期別・地域別で見てみましょう。
全国平均
一人暮らし世帯における時期ごとの平均電気代は、以下の通りです。
1~3月 | 4~6月 | 7~9月 | 10~12月 | |
---|---|---|---|---|
2024年 | 7,150 | 5,839 | 6,771 | 6,356 |
2023年 | 9,340 | 5,486 | 5,842 | 5,833 |
2022年 | 7,749 | 6,333 | 6,418 | 6,557 |
2021年 | 6,641 | 4,990 | 5,131 | 5,200 |
2020年 | 6,535 | 5,916 | 5,330 | 5,135 |
出展:総務省統計局「家計調査」
各年とも、冷暖房の利用が増える1~3月、7~9月の電気代が高い傾向があります。特に寒さが厳しい1~3月は暖房器具の使用が増え、電気温水器など給湯に関わる電力消費も増えるため、年間でもっとも電気代が高額です。
また、直近の3年ほどを見ると、平均電気代が年々引き上がる傾向が見られます。この背景には原油や天然ガスといったエネルギーの価格高騰の影響があり、今後も継続して電気代は上がり続けると考えられます。
エリア別
一人暮らし世帯における地域別の平均電気代は以下の通りです。
全国 | 北海道・東北地方 | 関東地方 | 北陸・東海地方 | 近畿地方 | 中国・四国地方 | 九州・沖縄地方 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | 6,756 | 7,500 | 6,566 | 6,794 | 6,648 | 7,437 | 6,274 |
2023年 | 6,726 | 8,103 | 6,635 | 7,252 | 6,052 | 7,394 | 5,513 |
2022年 | 6,808 | 6,900 | 6,731 | 7,109 | 6,254 | 7,449 | 6,927 |
2021年 | 5,482 | 6,218 | 4,967 | 5,699 | 5,131 | 6,593 | 5,820 |
2020年 | 5,791 | 6,463 | 5,594 | 5,956 | 5,641 | 6,186 | 5,554 |
出展:総務省統計局「家計調査」
全国平均に比べ、北海道・東北地方、北陸・東海地方、中国・四国地方では電気代が高い傾向が見られます。これは発電方式を火力等に依存しているため、燃料となる原油や天然ガスの高騰が電気代に反映されていることに起因するものと考えられます。
電気代はどんな費用で構成されている? なぜ値上げ傾向にあるの?
電気代は主に3つの要素で構成されています。どのような名目の要素なのかを理解し、効果的な節約方法を検討しましょう。
基本料金
基本料金は、電力会社との契約に応じて決まる固定費です。電気をまったく使用しなかった月でも発生する費用であり、契約アンペア数が大きいほど高くなります。
一人暮らしの場合、必要以上に大きなアンペア数で契約していると、無駄な固定費を払い続けることになりかねません。
電力量料金
電力量料金は、実際に使用した電力量(kWh)に応じて計算される費用です。多くの電力会社では、使用量に応じて1kWhあたりの単価が段階的に上がる「段階制料金」を採用しており、電気を使えば使うほど高い単価が適用されます。
さらに、電力量料金には「燃料費調整額」が含まれることが一般的です。発電に必要な原油や天然ガスなどの価格変動を電気料金に反映させるための費用であり、近年の燃料価格高騰が電気代値上げの大きな要因となっています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを普及させるために、電気を使用するすべての人から集められる費用です。電力会社が再生可能エネルギーで発電された電気を買い取る費用の一部を、国民全体で負担する仕組みとなっています。
再エネ賦課金の単価は国が決定し、電気の使用量に応じて請求されます。なお、近年は再生可能エネルギーの導入拡大にともなう賦課金の上昇傾向が顕著であり、電気代全体を押し上げる一因となっています。
電気使用量の大きい家電は?

一人暮らしの住まいでも、生活に欠かせない家電は意外と多いものです。効率的に電気代を節約するためにも、特に電気使用量が大きいとされる家電の種類を知っておきましょう。
冷蔵庫
冷蔵庫は、家庭における電力消費量の大きな割合を占める家電の一つです。24時間365日稼働し続けるため、一人暮らし用のコンパクトなものでも、電気代を押し上げる要因となります。
庫内の温度を下げる際に電力を消費するため、扉の開閉回数を減らしたり、設定温度を適切に設定したりすることで、消費電力を抑えやすくなります。また、古い冷蔵庫は消費電力が大きい傾向があるため、電気代が気になる場合は買い替えも視野に入れるとよいでしょう。
洗濯機
乾燥機能付きの洗濯機は、多くの電力を消費する家電です。温水洗浄機能や乾燥機能は便利である一方、その分電力消費量も大きくなります。洗濯物の量に合わせて適切なコースを選んだり、乾燥機能の使用頻度を見直したりすることで、電気代を節約しやすくなります。
可能であれば、一部の洗濯物は天日干しするだけでも、電気代の削減に貢献します。また、2、3日に一度まとめ洗いをするなど、使用回数を減らす工夫も有効です。
テレビ
テレビは、画面サイズの大きさと視聴時間の長さに比例して電力消費量が増加します。近年のテレビは省エネ性能が向上しているとはいえ、長時間利用した場合の電気代は無視できません。
電気代を下げるには、画面の明るさ調整や省エネモードなど、電力消費量を抑える機能の活用が有効です。また、BGM代わりにテレビをつけっぱなしにしてしまう習慣があるようなら、小まめに電源を消すように心がけましょう。
照明器具
照明器具の消費電力はそれほど大きくなくても、家全体で複数の照明を使えば、電力消費量は大きくなります。特に、白熱電球や蛍光灯などの古いタイプの照明は、LED照明に比べて多くの電力が必要です。
明るさが不要な部屋の消灯や、日中の自然光の利用といった基本的な対策だけでも、照明器具の電力消費量を大きく下げられます。また、照明器具を省エネ性能の高いLEDに交換することも、長期的な電気代削減に効果的です。
・「電気代」に関する記事はこちら
こたつの電気代はどれくらい?1ヶ月の電気代の目安と節約方法を紹介
床暖房の電気代はどれくらい?他の暖房器具との差は?
一人暮らしの電気代を抑えるコツ
電気代を下げるためには、日常生活における小さな工夫を積み重ねることが大切です。ここでは、一人暮らしの電気代を効果的に抑えるための具体的なコツを3つご紹介します。
アンペア数を変更する
契約アンペア数を見直すことは、基本料金を直接削減できる有効な手段です。現在契約しているアンペア数が、ご自身のライフスタイルに対して過剰ではないか確認してみましょう。一人暮らしの場合、同時に多くの家電を使用する機会が少なければ、低いアンペア数で十分であるケースは少なくありません。
ただし、アンペア数を下げすぎるとブレーカーが頻繁に落ちる可能性もあるため、生活しにくくなるおそれがあります。普段よく使う家電の消費電力を把握した上で、適切なアンペア数を選びましょう。
省エネ家電に買い替える
省エネ性能の高い最新モデルに買い替えることで、電気代を大幅に削減できる可能性があります。特に、冷蔵庫やエアコン、照明器具などは技術革新による省エネ効果が大きいため、買い替えにより電気代の大幅な削減が期待できます。
購入時の初期費用はかかりますが、毎月の電気代の差額を考慮すると、長期的に見てお得になるケースは少なくありません。省エネ性能が高い家電に付けられる「省エネルギーラベル」「統一省エネラベル」などを参考に、エネルギー消費効率のよい製品を選びましょう。特に、一人暮らしを始めるタイミングは、省エネ性能を重視した家電を購入する絶好のチャンスです。
省エネ住宅に住み替える
住まい自体の性能も、電気代、特に冷暖房費に大きく影響します。断熱性や気密性が高い住宅は外気の影響を受けにくいため、夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を少ないエネルギーで維持することが可能です。
近年は、賃貸住宅でも断熱性・気密性に配慮した省エネ性能の高い物件が増えています。これから引っ越しや住宅購入を検討している方は、物件探しの際に、断熱効果の高い窓の構造や断熱材の種類といった住宅性能にも注目してみましょう。
・「省エネ」に関する記事はこちら
高気密・高断熱の家に住む際のポイントは?エアコンの使い方も紹介
2025年4月省エネ基準適合義務化スタート!4号特例縮小の影響は?
まとめ
一人暮らしの電気代は、生活の基盤となる重要なコストです。平均額を知り、ご自身の状況と比較することから始めましょう。電気代の内訳を理解し、どの家電が多く電力を消費しているかを把握すれば、具体的な節約策が見えてきます。
契約アンペア数の見直しや省エネ家電への買い替え、そして、これから住む家を選ぶ際には、断熱性・気密性といった住宅性能にも目を向けることが、長期的な電気代削減と快適な一人暮らしの実現につながります。物価高の時代だからこそ、賢い知識と工夫で、無理なく電気代と付き合っていきましょう。
この記事のポイント
- 一人暮らしの電気代の平均はどのくらいですか?
一人暮らしの世帯にかかる電気代は、時期や地域によって異なります。実際にどの程度の電気代がかかっているのか、時期別・地域別で見てみましょう。
詳しくは「一人暮らしの電気代の平均月額」をご覧ください。
- 電気使用量の大きい家電はどれですか?
一人暮らしの住まいでも、生活に欠かせない家電は意外と多いものです。効率的に電気代を節約するためにも、特に電気使用量が大きいとされる家電の種類を知っておきましょう。
詳しくは「電気使用量の大きい家電は?」をご覧ください。
- 電気代を抑えるコツはありますか?
電気代を下げるためには、日常生活における小さな工夫を積み重ねることが大切です。ここでは、一人暮らしの電気代を効果的に抑えるための具体的なコツを3つご紹介します。
詳しくは「一人暮らしの電気代を抑えるコツ」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
一人暮らしの電気代が引き上がる原因は「電源のつけっぱなし」と「冷暖房の利用頻度」にあります。見ていないテレビや使っていない部屋の照明、電気ポットの保温を切るだけでも、月間の電気代は大きく変わります。冷暖房は健康に影響が出ない範囲で利用頻度を下げましょう。特に冬場のエアコンは、電気毛布への置き換えや厚着といった対策で使用する時間を大幅にカット可能です。

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