DINKs,とは
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DINKsとは? 2人で豊かに暮らす住まいを選ぶときのポイント

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • DINKs(ディンクス)とは、共働きで意図的に子どもを持たない選択をした夫婦を指す
  • DINKsが不動産を購入する場合は、購入資金の負担割合や所有権の持分割合を明確にしておくことが重要

多様な価値観が認められるようになった現代では、子どもを持たない「DINKs(ディンクス)」というライフスタイルが広がりを見せています。

この記事では、DINKsについて解説するとともに、DINKsに向いた住まいの特徴や購入のポイントについて解説します。

DINKsとは?

DINKs(ディンクス)とは、「Double Income No Kids」の略で、共働きで意図的に子どもを持たない選択をした夫婦を指します。

DINKsは欧米で広まったライフスタイルで、女性の社会進出を背景に1990年代から日本でも広がりを見せてきました。時間や経済的なゆとりを求めて、DINKsという生き方を選ぶ夫婦も増えています。

DINKsの特徴

DINKsの最大の特徴は、夫婦ともに仕事を持ち、安定した収入を得ていることです。夫婦それぞれが仕事に没頭できるので、キャリア形成や昇進、転職など、仕事に重点を置いた生き方ができるというメリットがあります。

また、子育てにかかる時間や教育費の負担がなく、時間的にも経済的にも自由度が高いことも特徴です。休みの日には、夫婦で趣味や旅行を自由に楽しむこともできます。

DINKsが増えている理由

近年、DINKsが増えている背景には、女性の高学歴化や社会進出が大きく関わっています。結婚・出産をしても共働きを続ける世帯が増えたとはいえ、子育てと仕事の両立は簡単ではありません。

一度子育てが始まれば、成人するまでの期間は、時間的にも経済的にも制約が大きくなります。DINKsというライフスタイルを選ぶことで、時間的にも経済的にも自由でいられると考える夫婦が増えているのです。

DINKsが住まいを購入するときのポイント

DINKsやシニア世代の需要に合わせて、近年はコンパクトマンションの供給が増えています。DINKsには広さが必要ない分、立地や設備にこだわることも可能です。住まいを購入する際のポイントを解説します。

人のライフスタイルに合った物件を選ぶ

DINKs向けのコンパクトマンションは、一般的に30~50㎡台の広さが多く、1LDKまたは2LDKの間取りが中心となっています。

ただし、自宅で仕事をするフリーランスやリモートワークがある場合は、3LDKの間取りでそれぞれに仕事部屋を確保したほうが良いケースもあるでしょう。

また、日中不在のことが多い場合は、宅配ボックスがあると便利です。さらに、土間収納やパントリーがあると、荷物をすぐに開封できない場合にも一時置き場として重宝します。

老後に備える

DINKsは住宅ローンの返済と同時に、老後の生活資金を貯めていく必要があります。ライフプランは、余裕をもって前倒しで考えておいたほうが無難です。

また、老後だけでなく、病気やケガでどちらか一方が働けなくなった場合のリスクについても考慮しておくべきでしょう。

住まい選びについては、階段や段差の有無、エレベーターの有無、医療機関との距離など、高齢になった時をイメージして選んでおくと、老後を迎えても安心して暮らすことができます。

持分割合を検討する

持分割合とは、不動産を共有名義にする場合に、それぞれがどのくらいの権利を持っているかを示す割合のことです。夫婦で住まいを購入する場合は、購入資金の負担割合や所有権の持分割合を明確にしておくことが重要になります。

原則として、購入資金の負担割合と所有権の持分割合は同じでなくてはなりません。異なる場合は、夫婦間で贈与があったと見なされ、贈与税が課税される場合もあるので注意が必要です。

DINKsが利用できる住宅ローンの種類には、以下のようなものがあります。

ペアローン

共有名義の不動産に対して、夫と妻が単独で別々の住宅ローンを組み、それぞれが住宅ローンの債務者となるものです。

連帯保証

共有名義の不動産に対して、夫か妻のどちらかが住宅ローンの債務者となり、債務者でない方が連帯保証人となるものです。

連帯債務

共有名義の不動産に対して、夫婦が連名で住宅ローンの債務者となるものです。それぞれの収入の割合が、住宅ローンの借入割合になります。

DINKsに向いている住まいとは?

DINKs,住まい

DINKsの住まい選びは、子どもの教育環境や学区を考慮する必要がないので、その分自由に選ぶことができます。2人の希望や価値観を擦り合わせて選びましょう。

資産性・流通性が高いマンション

子どもを持たないDINKsは、ライフスタイルに応じて住まいを変えることは比較的容易です。ただし、住宅ローンが残債割れしてしまうと、手放しにくくなってしまうことも。転居の可能性も視野に考慮すると、資産性や流動性が高いマンションがDINKsには向いているでしょう。

利便性の高いマンションなら、転勤や海外赴任の際には賃貸に出すことも可能です。市場価値が高い物件なら、売却する際にも有利に働きます。

駅近物件

DINKsは、通勤や生活利便性を最優先に物件を選ぶことができます。駅近なら夜遅くまで営業しているスーパーやドラッグストアが充実しており、仕事帰りの買い物にも便利です。美味しい飲食店があれば、夕飯を作らずにお店で済ませることもできます。

また、駅近物件は医療機関が多い傾向にあるので、高齢になった時の通院の負担軽減にもなるでしょう。車の運転が難しい年齢になっても、駅が近ければ出掛けやすいというメリットもあります。

1人になれる空間が持てる間取り

夫婦2人で過ごす時間も大切ですが、時には1人で過ごす時間も必要です。個室の確保、またはリビングの一角に書斎などがあると良いでしょう。1人で過ごせる空間がない場合には、間取りを変えられるリノベーションもおすすめです。

コンパクトマンションでも、共用施設が充実しているマンションもあります。例えば、ジムやプール、バーカウンターのある物件なら、リフレッシュしつつ1人の時間を過ごすことができます。

まとめ

DINKsは、共働きで子どもがいない夫婦を意味し、経済的・時間的に自由でゆとりのあるライフスタイルが特徴です。一方で、老後の資金計画や介護に課題があり、全てにおいて自由とは言い切れません。

DINKsは、子育て環境を考慮する必要がないので、立地や利便性で住まいを選ぶことができます。資産性や流動性が高く、売却も見込める物件を選ぶと良いでしょう。物件購入の際には、2人の希望や価値観を擦り合わせ、住宅ローンや持分割合について検討を重ねることが重要です。

この記事のポイント

DINKsとはなんですか?

DINKs(ディンクス)とは、「Double Income No Kids」の略で、共働きで意図的に子どもを持たない選択をした夫婦を指します。

詳しくは「DINKsとは?」をご覧ください。

DINKsが住まいを購入するときのポイントはありますか?

DINKsには広さが必要ない分、立地や設備にこだわることも可能です。

住まいを購入する際のポイントを「DINKsが住まいを購入するときのポイント」にて解説します。

DINKsに向いている住まいはどのような住まいですか?

DINKsの住まい選びは、子どもの教育環境や学区を考慮する必要がないので、その分自由に選ぶことができます。

詳しくは「DINKsに向いている住まいとは?」をご覧ください。

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ライターからのワンポイントアドバイス

DINKsという生き方は広まりつつありますが、夫婦のどちらかが病気で働けなくなったり、介護が必要になったりといった可能性もあるので、対応策を考えておく必要もあります。また、DINKsというライフスタイルを選んだとしても、いつか、パートナーが子どもを持ちたいという考えに変わる時が来るかもしれません。お互いに意思に変わりがないかは、定期的に確認しておいたほうが良いでしょう。