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土地境界線立会いとは?注意点や拒否時の対応・トラブル予防法も解説

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。
https://grow-profit.net/

ざっくり要約!

  • 土地の境界線立会いとは、隣地所有者同士が実際に現地で立ち会って土地の境界を確認する行為のこと
  • 土地境界線の立会いをスムーズに進めるには、信頼できる土地家屋調査士に依頼することが適切

土地を保有していると、境界の立会いを求めたり、逆に求められたりすることもあります。

土地の境界確定には時間がかかるため、隣地所有者に境界の立会いを求める場合には、土地家屋調査士に依頼しながらスムーズに進めていくことが適切です。

一方で、隣地所有者から境界の立会いを求められた場合には、特段の理由がない限り断らず、協力しておくことが後々の自分のためにもなります。

土地の境界立会いには、どのような注意点があるのでしょうか。
この記事では、土地境界線の立会いの注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

土地の境界線立会いとは?必要になる場面も紹介

土地の境界線立会いとは

土地の境界線立会いとは、隣地所有者同士が実際に現地で立ち会って土地の境界を確認する行為のことです。

一般的には土地家屋調査士が帯同し、隣接している土地の所有者全員が一堂に会して行われます。

1つの境界点に対して、2つの土地が接していれば2人の土地所有者が立会い、3つの土地が接していれば3人の土地所有者が立ち会うことが通常です。

土地境界線の立会いは、確定測量図を作成する際、未確定部分の境界点において行われます。

土地境界線の立会いに関連がある確定測量図・境界確認書とは

確定測量図とは、民々境界、官民境界を含めて全ての境界が確定しているときに発行される実測図のことです。

※民々境界・・・個人や法人が所有する「民有地」同士の境界線のこと
※官民境界・・・国や地方自治体が所有する「官有地」と個人や法人が所有する「民有地」との境界線のこと

確定測量図は、土地を売却するときや土地を分筆(土地を切って分けること)するときに必要となります。

土地境界線の立会いは、自分が隣地所有者に求めるばかりではありません。
隣地所有者が確定測量図を作成するときは、自分が隣地所有者から境界確定を求められることもあります。

隣地所有者から境界確定を求められた場合、境界確認書(もしくは控え)を無料でもらえることが一般的です。

境界確認書とは、隣地所有者同士で土地の境界ラインを確認しあった書面を指します。

境界確認書の作成には一定の費用が発生するため、隣地所有者から境界立会いの申し出があれば断らずに受けておくことが望ましいです。

一度作成した筆界確認書は、将来自分の土地の境界を確定する際に役に立ちます。

・「境界標」に関する記事はこちら
境界標とは?種類や見方、復元方法を解説

土地の境界線立会いの一般的な流れ

土地の境界線立会いの一般的な流れ

土地の境界線立会いは、通常は20~30分程度です。
この章では、土地の境界線立会いの一般的な流れについて解説します。

1.土地の資料を用意し現地の下調べをする

土地の境界線立会いをする際は、下調べをしておくことが適切です。

法務局で取得できる公図(土地の形状が記載された地図のこと)を取得し、どの部分の境界を確定するのかを把握しておきます。

また、可能であれば事前に現地に赴き、境界標がないことや越境の状態等も確認しておくことが望ましいです。

2.土地の境界線を確認する

当日の立会いでは、現地に依頼者と隣地所有者、土地家屋調査士が集合します。

立会いに関しては、土地家屋調査士が中心となって進めていくことが通常です。

隣地所有者もいるため、疑問点があればその場で土地家屋調査士に説明を求めると話がスムーズに進みます。

3.必要に応じて境界確認書を作成し署名捺印する

土地境界線の立会いでは、最終的に境界確認書を作成することが通常です。

越境物がある場合には、越境の覚書も作成します。
越境の覚書とは、越境物が存在する場合にその越境物の所有者や是正方法を隣地所有者との間で確認した書面のことです。

境界確認書や越境の覚書は、双方が実印で押印することが望ましいとされています。
実印で押印し、それぞれ印鑑証明書も添付しておくのが理想です。

・「土地売却時の測量」に関する記事はこちら
土地売却時の測量は義務?測量の流れや期間、費用を解説
・「地積測量図」に関する記事はこちら
地積測量図とは?取得方法や確定測量図との違いを解説

土地の境界線立会い当日の注意点

土地の境界線立会い当日の注意点

この章では、土地の境界線立会い当日の注意点について解説します。

時間に遅れない

立会いでは、依頼者の他、隣地所有者や土地家屋調査士といった関係者が立ち会います。
当日の土地境界線の立会いは、時間に遅れないことが基本です。

なお、土地家屋調査士には事前に携帯番号を教えてもらっておき、万が一、遅刻しそうな場合は土地家屋調査士に連絡することが望ましいといえます。

原則として土地の登記名義人が務める

土地境界線の立会いは、原則として所有者本人が行います。

相続等が発生し、名義変更がなされていない場合には、実際に所有権を有する相続人が立ち会います。

また、所有者本人が認知症等になっている場合には、代理人である成年後見人が立ち会うことが原則です。

納得した上で署名押印する

境界確認書は、境界ラインに納得したうえで署名押印することが基本です。

疑問点があれば、土地家屋調査士にアドバイスを受けることが望ましいといえます。

時効で隣地の一部を取得している可能性がある場合には、時効取得を証明できる資料を用意しておくことが適切です。

土地の境界線立会いを依頼して拒否された時の対処法

土地の境界線立会いを依頼して拒否された時の対処法

土地の境界には、「筆界」と「所有権界」の2種類が存在します。

筆界とは、その土地が法務局に初めて登記されたときに、その土地の範囲を区画するものとして定められた境界のことです。

所有権界とは、土地の所有者の権利が及ぶ範囲を画する境界を指します。

筆界と所有権界は、一致することが通常です。

しかしながら、土地の一部について売却したり、一方が時効によって隣地の一部を取得したりすると筆界と所有権界が一致しないケースが出てきます。

筆界と所有権界の違いをまとめると、下表の通りです。

項目筆界所有権界
根拠法律不動産登記法民法
性質地図上の土地の区画を示す線所有権の範囲を示す線
変更の可否登記によらなければ変更できない所有者間の同意等により変更できる
法的特徴公法上の境界私法上の境界

土地の境界立会いは、何らかの理由で拒否されることもあります。

筆界と所有権界には、それぞれ境界が確定できない場合に備えて法的制度が存在します。
この章では、土地の境界線立会いを依頼して拒否された場合の対処法について解説します。

筆界特定制度を利用

筆界特定制度とは、「筆界」の争いについて迅速かつ適正に解決を図る制度のことです。

筆界特定制度は、土地の所有者が法務局に申請をすることで手続きが開始されます。
申請が行われると、筆界特定登記官が土地家屋調査士や弁護士等の意見を踏まえて筆界の特定を行います。

隣地所有者には、意見を述べ、測量に立ち会う機会も与えられる点が特徴です。
筆界特定制度によって筆界が特定されると、登記官が職権で筆界の登記を行います。

土地家屋調査士会ADRを利用

土地家屋調査士会ADRとは、「所有権界」の争いについて迅速かつ適正に解決を図る制度のことです。

土地家屋調査士会ADRは、土地の所有者が各都道府県のADRセンターに申請することで手続きが開始されます。例えば東京都なら東京土地家屋調査士会の境界紛争解決センターです。

申請が行われると、中立の土地家屋調査士が間に入り、話し合いが行われます。
和解が成立すれば、最終的に和解契約書が作成されます。

訴訟の申し立て

筆界特定制度や土地家屋調査士会ADRでは解決が困難な場合、裁判(訴訟)によって解決することも可能です。

筆界に関しては「境界確定訴訟」、所有権界に関しては「所有権確認訴訟」がそれぞれ存在します。

いずれも解決までに2~3年程度かかってしまうこともあるため、近年は訴訟があまり利用されない傾向にあります。

土地境界線立会い依頼でトラブルにならないようにするためには?

土地境界線立会い依頼でトラブルにならないようにするためには

この章では、土地境界線立会い依頼でトラブルにならないようにするための対処法を解説します。

日頃から良好な関係を築く

土地境界線立会いでトラブルを防ぐには、日頃から隣地所有者と良好な関係を築いておくことが重要です。

例えば、自分の土地の樹木が伸びて隣地に越境している場合には、早急に是正するといったことも関係を良好に保つコツとなります

隣地所有者には事情を説明する

隣地所有者を知っている場合には、直接隣地所有者に事情を説明すると話がスムーズです。
顔見知り同士であれば、いきなり土地家屋調査士に打診してもらうよりも、本人が直接依頼した方が好感は持たれやすいといえます。

なお、遠方の土地や法人が持っている土地の場合、隣地所有者に直接打診できないことも多いです。

そのようなケースでは土地家屋調査士が打診することが一般的であり、必ずしも本人が直接打診する必要はありません。

信頼できる専門家を選ぶ

土地境界線の立会いをスムーズに進めるには、信頼できる土地家屋調査士に依頼することが適切です。

不動産会社や各都道府県の土地家屋調査士会に紹介してもらうのが良いといえます。

出典:土地家屋調査士に相談する|日本土地家屋調査士会連合会

まとめ

以上、「土地境界線の立会いの注意点」について解説してきました。
土地境界線の立会いは、主に不動産を売却するときや分筆をするときに必要です。

立会いの注意点としては、「原則として土地の登記名義人が務める」や「納得した上で署名押印する」等がありました。

立会い当日に向けては、事前に下調べをしておくことが重要です。
土地境界線立会いでトラブルを防ぐためには、日頃から良好な関係を築いておくことが望ましいといえます。
境界立会いを行うにあたり、参考にして頂けると幸いです。

この記事のポイント

土地の境界線立会いとは何ですか?

土地の境界線立会いとは、隣地所有者同士が実際に現地で立ち会って土地の境界を確認する行為のことです。
一般的には土地家屋調査士が帯同し、隣接している土地の所有者全員が一堂に会して行われます。

詳しくは「土地の境界線立会いとは?必要になる場面も紹介」をご覧ください。

土地の境界線立会いの注意点は?

土地境界線の立会いは、原則として所有者本人が行います。
相続等が発生し、名義変更がなされていない場合には、実際に所有権を有する相続人が立ち会います。

詳しくは「土地の境界線立会い当日の注意点」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

不動産は売却が必要となるときは緊急性を要し、時間が足りないことがよくあります。緊急で売却したいときに、境界が確定していないことは売却の大きな障害です。
土地の境界確定には時間がかかるため、土地の境界は不動産に何らかの動きがあったときに行うことをおすすめします。例えば、建物を建築するときや相続が発生したとき等は境界確定が必須ではありませんが、境界確定を済ましておくには良いタイミングです。境界確定は、隣地所有者に打診しやすいタイミングが生じたときに、実施しておくことが望ましいといえます。

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