マーケットレポート
マーケットレポート2026, 06
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「平均価格」と「中央値」から見る首都圏新築マンション価格の変化
今回は、首都圏の新築マンション価格について、「平均価格」と「中央値」の推移をもとに、その動向を見ていきます。一般的に、マンション価格に関するニュースでは「平均価格」が取り上げられることが多いですが、平均値は超高額物件や相対的に安価な物件の影響を受けやすい特徴があります。そこで今回は、株式会社不動産経済研究所が公表した「首都圏マンション 戸当たり価格と専有面積の中央値の推移」をもとに、市場の変化を「中央値」の視点から整理していきます。
中央値とは、価格順に並べた際に中央に位置する値であり、超高額物件の影響を受けにくい指標とされています。
首都圏全体で価格上昇が続く
首都圏新築マンション価格推移(平均値・中央値)
首都圏全体で見ると、新築マンション価格は長期的な上昇傾向が続いています。
2025年の首都圏新築マンション価格は、平均価格が9,182万円、中央値が6,998万円となりました。2014年時点では、平均価格が5,060万円、中央値が4,620万円であったことを踏まえると、この10年余りで価格水準が大きく変化していることが分かります。
次に、中央値の上昇率に着目してみます。
首都圏新築マンション中央値の上昇率の推移
これを見ると、2023年以降は中央値の上昇率がやや拡大していることが分かります。特に2023年は前年比+11.5%、2025年は+9.4%の上昇となっており、これまで比較的緩やかだった中央値の動きにも変化が見られます。
一般的に、平均価格は一部の超高額物件の影響を受けやすい指標ですが、中央値は市場全体の価格水準を反映しやすいとされています。そのため、中央値の上昇率が高まっているということは、高額物件だけでなく、首都圏全体で価格水準が底上げされている可能性を示していると考えられます。
エリアごとに異なる「価格上昇の中身」
エリア別平均値と中央値の差の推移
平均価格と中央値の差をエリア別に見ると、都心部ほど乖離が大きくなっていることが分かります。
特に都心6区(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・渋谷区)では、2023年に平均価格と中央値の差が5,314万円まで拡大しました。東京23区全体でも同年は3,283万円の差となっており、都心部では超高額住戸やタワーマンションの供給が、平均価格を大きく押し上げている可能性が考えられます。
一方で、東京都下や埼玉県、千葉県などでは、都心部と比較すると、平均価格と中央値の乖離は比較的小さい水準で推移しています。
もちろん、近年は周辺エリアでも乖離が拡大する傾向は見られるものの、都心部ほど極端ではありません。このことから、周辺エリアでは一部の超高額物件による影響というよりも、市場全体の価格水準そのものが徐々に上昇している側面が大きいと考えられます。
このように、エリアによって価格上昇の背景にも違いがあることが見えてきます。
今後のマンション価格はどうなるのか
近年のマンション価格上昇は、都心部における高額物件の供給だけでは説明しきれない局面に入っているように見受けられます。建築費や人件費、用地取得費の上昇などを背景に、市場全体の価格水準そのものが押し上げられている可能性も考えられます。
また、都心部では供給可能な用地が限られつつあることから、今後も高額物件の供給状況によって平均価格が大きく変動する可能性があります。
今後は、「平均価格が上昇したかどうか」だけでなく、中央値やエリアごとの差異にも着目することで、市場の実態をより的確に捉えやすくなるでしょう。
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