ざっくり要約!
- 買取保証とは一定期間仲介による売却を行い、約束した期限までに仲介で売れなかったら最後は不動産会社が買い取るという売却方法
- 買取保証のメリットは期限内に確実に売却できる点
不動産の売却方法のひとつに、買取保証があります。
買取保証とは、一定期間仲介による売却を試し、期限までに仲介で売れなかったら最後は買取になるという売却方法のことです。
買取保証は仲介と買取をミックスした売却方法であるため、仲介と買取の両方のメリットとデメリットを有します。
買取保証とはどのような売却方法なのでしょうか。
この記事では「不動産の買取保証」について、特徴や注意点について客観的な立場から解説します。
記事サマリー
不動産の買取保証とは

買取保証とは、仲介と買取を併せた売却方法のことです。
最初に不動産の買取保証の概要について解説します。
不動産の買取保証の定義や仕組み
買取保証とは、まず一定期間仲介による売却にチャレンジし、約束した期限までに仲介で売れなかったら最後は不動産会社が買い取るという売却方法になります。
買取保証とは一般名称であり、会社によっては同様のサービスを「売却保証」「買取保証付き仲介」と呼ぶこともあるようです。
仲介とは、不動産会社のあっせんを通じて買主(最終消費者)に市場価格で売る方法のことを指します。
仲介は市場価格で高く売れるというメリットがありますが、売却までに時間がかかる点がデメリットです。
仲介は、売却に時間はかかっても、高く売りたいという人に適した売却方法となります。
買取とは、再販を目的とした不動産会社に対して下取り価格で売る方法のことです。
買取は早く売れるというメリットがありますが、売却価格が安くなるという点がデメリットとなります。
買取は、価格を多少犠牲にしても、とにかく早く現金が欲しいという人に適した売却方法です。
買取保証では、最初に仲介による売却を行います。
買取保証は、あらかじめ仲介による売却期限(例えば3カ月)が決められている点が特徴です。
売却期限までに買主が見つかった場合、そのまま市場価格で買主に高く売却することになります。
一方で、売却期間までに買主が見つからなかった場合、仲介を行っていた不動産会社が買主となり、すぐさま下取り価格による売却が実行されます。
なお、買取保証は全ての不動産会社が行っているわけではありません。
不動産会社は仲介しか行っていない会社もあれば、買取は行っていても買取保証は行っていない会社もあります。
買取保証を利用したい場合には、あらかじめ買取保証を行っているかを調べてから依頼することが適切です。
即時買取との違い
即時買取とは、いわゆる買取だけを行うことです。
買取保証との違いは、買取保証は先に一定期間仲介による売却を試みるのに対し、即時買取はすぐに買取が実行されるという点です。
| ・「仲介と買取の違い」に関する記事はこちら 不動産の仲介と買取の違いとは? メリット・デメリットを比較 |
不動産の買取保証の売却の流れ

買取保証の流れは、以下の通りです。
- 査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 仲介による売却活動を行う
- 期限まで売れなかったら買取が実行される
最初に、買取保証を行っている不動産会社に対して査定を依頼します。
買取保証の査定は、仲介による売却価格と買取による売却価格の2つが提示されることが通常です。
依頼したい不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。
媒介契約とは、不動産会社と締結する仲介の契約のことです。
媒介契約を締結したら、普通の仲介と同様の売却活動を進めます。
買取保証では、あらかじめ仲介の売却活動期限が定められている点が特徴です。
仲介の売却活動期限は、一般的には3カ月程度が多くなっています。
仲介で売却に要する平均的な期間は3カ月程度であるため、通常であれば3カ月という期限内で売却できる可能性は高いです。
期限内に買主が現れたら、普通の仲介と同様に買主と売買契約を締結し、その約1~1.5カ月後に引渡を行います。
期限内に買主が現れなかったら、買取が実行されます。
買取による買主は、通常は仲介を行っていた不動産会社です。
| ・「専属専任媒介契約」に関する記事はこちら 専属専任媒介契約とは?専任媒介・一般媒介との違いやメリットを解説 ・「媒介」に関する記事はこちら 媒介とは?意味や仲介との違いをわかりやすく解説 |
不動産の買取保証のメリット4つ

この章では、不動産の買取保証のメリットについて解説します。
スケジュールを組みやすい
買取保証は、期限内に仲介で売却できなかったら、最後は買取が実行されます。
そのため、期限内に確実に売却できる点がメリットです。
売却しなければならない期限が決まっている人は、スケジュールを組みやすくなります。
買取になると仲介手数料が発生しない
買取保証は、期限内に仲介で売却できれば、不動産会社に対して仲介手数料を支払う必要があります。
一方で、期限内に仲介で売却できず、買取になった場合には仲介手数料は発生しません。
ただし、売却価格は仲介の方が高いです。
買取は、仲介手数料は発生しないものの、売却価格は安くなります。
高く売却できる余地がある
買取保証は、期限内に仲介で売ることができれば高く売却できます。
即時買取を選択すると早くは売れますが、最初から下取り価格で売ることが確定しているため、高く売れることはありません。
買取保証は、前半の仲介で高く売れる可能性が残っているため、売却期限まで数カ月程度の時間がある人にとってはメリットがあります。
利益還元保証をしている会社もある
買取保証を提供している会社の中には、利益還元保証サービスを提供している不動産会社もあります。
利益還元保証サービスとは、最終的に買取になり、その後に不動産会社が転売した際、想定以上の利益が出た場合には元の売主に余剰の利益を還元するという制度です。
東急リバブルも、買取保証で利益還元保証サービスを提供している会社のひとつになります。
| ・「リバブル売却保証」について詳しくはこちら 買換え時のサポート「リバブル売却保証」 |
不動産の買取保証のデメリット3つ

この章では、不動産の買取保証のデメリットについて解説します。
買取になると仲介より売却価格が安くなる
買取保証は、仲介の期限内に売却できれば市場価格で高く売ることはできます。
しかしながら、仲介の期限が過ぎ、買取が実行されてしまうと売却価格が安くなる点がデメリットです。
買取による売却価格の目安は、仲介による売却価格の70~90%程度となります。
熱心に売却活動してもらえないケースがある
買取仲介を依頼すると、悪徳な不動産会社は仲介で熱心に売却活動をしないケースがあります。
理由としては、不動産会社は仲介よりも買取の方が儲かるからです。
仲介は、売主と買主の両方から仲介手数料を得たとしても、利益は物件価格の6%程度となります。
それに対して、買取の利益は物件価格の10%程度です。
不動産会社は仲介よりも買取を行った方が得するため、一部の不動産会社には仲介はわざと手を抜き、買取に持ち込みたいという動機が存在するのです。
売却活動中は他の不動産会社への変更が難しい
買取保証は、不動産会社と締結する媒介契約が専任媒介契約または専属専任媒介契約であることが条件となっていることが多いです。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、1社だけにしか依頼できない契約になります。
専属専任媒介契約では、自己発見取引と呼ばれる売主が自分で買主を見つけてくる行為が禁止されている契約です。
専任媒介契約や専属専任媒介契約は、最大3カ月の契約期間が存在し、原則として契約期間内に不動産会社を切り替えることはできません。
そのため、売却活動を開始した後に、途中で不動産会社を切り替えたいと思っても変更ができない点がデメリットとなります。
不動産の買取保証が向いている人・向いていない人

買取保証には、利用に適した人と、適していない人がいます。
この章では、どのような人が買取保証に向いているのか、または向いていないのかについて解説します。
向いている人
買取保証は、売らなければいけない期限まで余裕があるものの、期限までには確実に売らなければならない人に向いています。
例えば相続税の納税期限までに現金化したい人等は、買取保証が適しています。
向いていない人
買取保証は、時間に余裕のある人、もしくは時間に全く余裕のない人には向いていません。
時間に余裕があれば、単純に仲介で高く売ることが適しています。
一方で、時間に全く余裕がなければ、即時買取が適した売却方法です。

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不動産の買取保証を依頼する際の注意点

この章では、不動産の買取保証を依頼する際の注意点について解説します。
複数の会社を検討する
買取保証を利用する際は、複数の不動産会社に査定を依頼し、条件を比較することが注意点です。
査定では仲介による売却価格と買取による売却価格が提示されます。
仲介による売却価格は予想価格に過ぎませんが、買取による売却価格は買い取ることが確定している金額です。
買取になる可能性も考慮すると、不動産会社は買取による売却価格の査定結果が高い会社の方が良いといえます。
仲介期間中の売却状況を都度報告してもらう
買取保証では、仲介の売却活動期間中に不動産会社に手を抜かれてしまうというリスクがあります。
そのため、仲介期間中は不動産会社と十分にコミュニケーションを取り、進捗状況を把握することが重要です。
不動産会社に任せきりにせず、売主も積極的に関与することで不動産会社に緊張感が生まれるため、仲介で売却できる確率が高くなります。
まとめ
以上、不動産の買取保証について解説してきました。
買取保証は、仲介と買取の両方のメリットとデメリットを併せ持つ売却方法です。
買取保証は、売却期限まである程度の余裕を持っているものの、期限までに確実に売らなければならない人におすすめの売却方法となります。
買取保証を選択したら、仲介による売却期間中は不動産会社と十分にコミュニケーションを取り、仲介での売却を実現できるようにすることが望ましいです。
最終的な買取は、万が一売れなかったときのお守り程度に捉えて、仲介で高く売ることを目指して頂ければと思います。
この記事のポイント
- 不動産の買取保証とは?
買取保証とは、まず一定期間仲介による売却にチャレンジし、約束した期限までに仲介で売れなかったら最後は不動産会社が買い取るという売却方法になります。
買取保証とは一般名称であり、会社によっては同様のサービスを「売却保証」「買取保証付き仲介」と呼ぶこともあるようです。
詳しくは「不動産の買取保証とは」をご覧ください。
- 不動産の買取保証のメリットは?
買取保証は、期限内に仲介で売却できなかったら、最後は買取が実行されます。
そのため、期限内に確実に売却できる点がメリットです。
詳しくは「不動産の買取保証のメリット4つ」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
買取保証で成功するコツは、仲介で売るときの売り出し価格を高過ぎない価格で設定することです。売り出し価格が高過ぎると期限まで売れず、結局買取で安く売ることになる可能性が高くなります。売主としては、期限内に仲介で高く売った方が得ですし、仲介で売り切った方が売却活動も早く終わります。
仲介の売却期間は、売り出し価格が大きな影響を及ぼします。低めに設定すれば早く売れ、高めに設定すると売れなくなるため、期限内に売るには強気な価格設定は避けることが望ましいです。

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