ざっくり要約!
- マンション査定だけを依頼しても費用を請求されることはない
- マンション査定にはいくつか種類があり、状況や希望に合わせて査定方法を選ぶのがおすすめ
マンションの資産価値を知りたいけれどすぐに売却するかどうかわからず、不動産会社に査定だけ依頼してもよいものかと、悩んでいる方は多いかもしれません。
今回は、不動産会社にマンション査定だけ依頼できるのか、査定だけ依頼しても費用がかからないのかといった、不動産会社には聞けないよくある疑問にお答えします。
また一般的な査定方法と事前に知っておきたい注意点、不動産鑑定が必要なケースを紹介しています。マンションの資産価値を調べたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
記事サマリー
マンション査定だけを依頼することは可能

結論から言えば、マンション査定だけをしてもらうことは可能です。しかし無料で査定依頼できることもあり、後ろめたさを感じる方も少なくないでしょう。
なぜマンション査定だけ依頼しても問題ないのか、本当に無料なのか、もう少し詳しく解説します。
査定=売却ではない
不動産会社にマンション査定をしてもらったとしても、必ず売却しなければならないわけではありません。
売却するつもりで査定依頼しても、想定外の査定額を見て撤回するケースもあります。また売却を検討していたけれど、担当者の話を聞いてみて、今ではないと判断することもあるでしょう。
不動産会社の担当者も「査定=売却」とは考えていません。もう少し気楽な気持ちで、マンション査定を依頼してみましょう。
査定の理由は人によりそれぞれ
マンション査定を依頼する理由は人それぞれ異なり、売却するとは限らないケースでも不動産会社の査定は利用されています。
たとえば以下のようなケースです。
- 相続したマンションの資産価値をとりあえず知りたい
- 共有名義のマンションを売却したら、自分の持分がいくらになるか知りたい
- 現在は住んでいないマンションを、売却するか賃貸するか迷っている
- 住宅ローンの月々の返済を負担に感じていて、売却代金で完済できるか確認したい
- 古くなったマンションをリフォームして住み続けるか、売却するか迷っている
査定だけの場合も費用は無料になる
マンション査定だけを依頼しても、費用は請求されません。
また最初から「売却するつもりはない」と伝えても、査定のみしてもらうことが可能です。
不動産会社にとって「無料査定=営業活動の一環」です。不動産会社にとって査定依頼者は、将来顧客になる可能性があり、査定を受けることで媒介契約につながるかもしれません。
すぐに売却するつもりはないと伝えたとしても、基本的に断られることはないでしょう。
不動産会社が依頼者(売主・買主)から受け取ることができるのは、原則成功報酬である仲介手数料のみです。
つまり実際に支払いが発生するのは、売買契約が成立したタイミングです。
そもそも成約に至っていない売主に対して、手数料は請求できません。
たとえば遠方にあるマンション査定を依頼したケースで、多額の交通費がかかるような場合は、事前に費用がかかる旨の説明があります。
その時点で依頼するかどうか判断すればよく、マンションの近くにある不動産会社に依頼することで、費用をかけずに査定してもらうことも可能でしょう。

マンション査定だけをする際の一般的な方法3つ

マンション査定には、いくつかの方法があります。もし査定のみをしてもらうときは、どのタイプの査定を依頼したらよいのでしょうか?
ここでは、3種類の査定方法を紹介します。希望や状況、求める精度に合わせて選びましょう。
1.気軽なAI査定
マンション査定の中でも、気軽に依頼できるのは「AI査定」です。
AI査定とは、過去の成約事例やレインズ(不動産流通のネットワークシステム)から入手したデータをもとに、AIによって自動的に査定額を算出する査定方法です。不動産会社が運営するサイト、もしくは不動産会社のホームページ上から依頼できます。
査定したいマンションの所在や築年数、広さなどの情報を入力するだけで査定でき、ネット上で完結します。
入力にかかる時間も1分程度で、24時間いつでも依頼できる手軽さが魅力です。
また入力するのは名前と連絡先であるメールアドレスのみです。電話番号が不要なため、営業電話がかかってくることもありません。
ただし簡易査定や訪問査定に比べて精度が低く、相場価格と差が出ることがあります。実際に売却を検討している方は、より精度の高い訪問査定を検討しましょう。
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2.AIより精度の上がる簡易査定
AI査定よりも精度が高い査定額を知りたいときは、「簡易査定」を依頼しましょう。不動産会社のホームページ上から、もしくは不動産会社へ直接電話やFAXで依頼することもできます。
マンションの住所や築年数や階数、広さなどの物件情報と、同じマンションや近隣マンションの取引価格などを考慮して、担当者が査定額を算出する査定方法です。
実際にマンションの室内を調査せずに査定額を出すため、机上査定と呼ばれることもあります。
依頼先やタイミングによっても変わりますが、査定書を手にするまでに3日~1週間程度かかることを想定しておきましょう。
簡易査定はAI査定に比べて精度は高くなりますが、室内を調査せずに査定するため、あくまでも目安とし、実際に売却する際は訪問査定を依頼しましょう。
3.より精度の高い訪問査定
マンションの売却を視野に入れている場合は、より精度の高い「訪問査定」を選択しましょう。簡易査定と同様に、不動産会社のホームページ上から、もしくは電話やFAXから依頼できます。
マンションの基本的な情報や近隣マンションの成約事例だけでなく、マンションを実際に調査して得た情報も考慮して査定するため、3つの査定のうちで最も精度の高い査定といえます。
たとえば日当たりや眺望、内装の状態、設備の有無、周辺環境など、すべて査定に反映してもらえるのがメリットです。
室内の調査に1~2時間、査定書を受け取るまでに1週間程度かかります。日程の調整に時間がかかることもあるため、余裕をもって依頼するようにしましょう。
・「マンション査定 相場」に関する記事はこちら
マンション査定で出る相場はどれくらい?都市部や築年数別の価格を紹介

場合によっては不動産鑑定士に依頼する

マンションの資産価値を調べる方法として、不動産鑑定士に不動産鑑定を依頼する方法があります。
不動産鑑定評価書の作成は不動産鑑定士の独占業務であり、国家資格である不動産鑑定士が作成した評価書には公的証明力があります。
たとえば金融機関が不動産の担保評価を調査する際や、不動産の権利調整が必要な裁判の資料として利用されています。
不動産の価値を正しく評価する必要がある場合は、後々のトラブルを回避するためにも、不動産鑑定士へ不動産鑑定を依頼しましょう。
不動産の価値を正しく評価する必要がある場合として、以下のようなケースが考えられます。
- 相続した複数の不動産の資産価値を確認し、相続人でできるだけ平等に分割したい
- 共有名義を解消するために、共有している兄弟の持ち分を買い取りたい
不動産鑑定士に不動産鑑定を依頼する場合は、不動産の種別や規模に応じた費用(20万円程度~)がかかります。
不動産会社へ支払う仲介手数料とは異なり、法律によって上限額は定められていません。依頼を検討する場合は、事前に見積を依頼するようにしてください。
マンション査定だけするときの注意点

マンションの査定だけ依頼するときには、いくつか注意点があります。ここではとくに注意したいポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
状況に合った査定方法を選ぶ
マンション査定にはいくつか種類がありますが、状況や希望に合わせて査定方法を選ぶようにしてください。
たとえば以下の通りです。
AI査定
- 営業電話は避けたい
- おおよその目安を今すぐ知りたい
- 個人情報の流出が心配
簡易査定
- 室内を見せずに査定したい
- AI査定よりも精度が高い査定を希望
- なるべく時間をかけずに査定額を知りたい
訪問査定
- 価格次第で売却を検討する可能性がある
- 時間をかけても精度が高い査定を依頼したい
- マンション売却について担当者と相談したい
査定後に営業電話やメールが届く
マンション査定後には、担当者から電話がかかってくることが一般的です。AI査定も例外ではなく、メールが届くでしょう。「査定だけ依頼したつもりなのに…」と、煩わしさを感じるかもしれません。
不動産会社は、マンション査定を営業活動の一環として行っています。査定依頼者のその後の状況を確認するために、連絡を取ろうとすること自体は不自然なことではありません。
もし売却するつもりがないのであれば、当分は売却する予定がなく、連絡が不要である旨を伝えましょう。
訪問査定では「査定だけしたい」と言わない
マンション査定を依頼しても、かならずしも売却する必要はなく、査定だけを依頼することも可能です。
しかし訪問査定の場合は「査定だけ依頼したい」とは言わないようにしてください。
訪問査定は時間をかけて現地(室内や周辺)を調査することになり、査定報告書の作成にもかなりの労力がかかります。
時間をかけて査定書を作成してくれる担当者に「査定だけお願いしたい」と、あえて伝える必要はないでしょう。
マンション査定は不動産会社にとって営業活動の一環だとしても、担当者に対して失礼にならないように注意したいものです。状況が変わって売却することになったときでも、相談しやすい関係性は築いておきましょう。
たとえば査定額によっては売却する可能性があるのであれば、ぜひ正直な気持ちを伝えるようにしてください。
・「マンション査定 注意点」に関する記事はこちら
マンション査定での注意点とは?査定前と後に分けて徹底解説!
売却を決めたら再度の査定が必須になる
マンションの価値は経年により減少する特徴があり、周辺環境や不動産市況によっても変動します。
査定後すぐに売却する場合は別ですが、3ヵ月程度経っている場合は、再度査定を依頼するようにしてください。
不動産査定書には有効期限が記載されているケースが多いため、その期日を目安にするとよいでしょう。
依頼先は複数社を慎重に選ぶ
マンションの仲介実績が少なすぎる、もしくは担当者の経験が不足している場合は、正しい査定額を提案できない可能性があります。
不動産会社の評判や担当者が親身に対応してくれるかどうかも考慮して、依頼先としてふさわしいか判断するようにしてください。
また不動産会社によっては媒介契約をしてもらうために、相場よりも高い価格を提示することもあります。訪問査定は3~4社へ依頼し、かならず複数の査定額を参考にするようにしましょう。
・「マンションの査定額アップのポイント」に関する記事はこちら
マンションの査定額を上げるには?査定額アップのポイントを徹底解説

この記事のポイント
- マンション査定だけをする方法には何がある?
マンション査定の中でも、気軽に依頼できるのは「AI査定」です。査定したいマンションの所在や築年数、広さなどの情報を入力するだけで査定でき、ネット上で完結します。
AI査定よりも精度が高い査定額を知りたいときは「簡易査定」を依頼しましょう。もしマンションの売却を視野に入れている場合は、より精度の高い「訪問査定」を選択してください。詳しくは「マンション査定だけをする一般的な方法3つ」をご覧ください。
- マンション査定だけするときの注意点は?
マンション査定を依頼してもかならずしも売却する必要はなく、査定だけを依頼することも可能ですが、訪問査定の場合は「査定だけ依頼したい」とは言わないようにしてください。
訪問査定は時間をかけて現地(室内や周辺)を調査することになり、査定報告書の作成にもかなりの労力がかかります。時間をかけて査定書を作成してくれる担当者に「査定だけお願いしたい」と、あえて伝える必要はないでしょう。
マンション査定は不動産会社にとって営業活動の一環だとしても、担当者に対して失礼にならないように注意したいものです。状況が変わって売却することになったときでも、相談しやすい関係性は築いておきましょう。詳しくは「マンション査定だけするときの注意点」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
不動産会社にマンション査定だけを依頼することは可能です。そして査定のみの場合でも、無料で依頼できます。もしおおまかな査定でよいのであれば、訪問査定ではなくAI査定や簡易査定を検討するなど、状況や希望に合った査定方法を活用しましょう。マンションの査定額は、不動産会社によって異なることがあります。査定を依頼する際は、信頼できる担当者なのか見極めるようにし、高すぎる査定額には注意してください。
なお、不動産査定書には、査定価格だけでなく類似マンションの成約価格や、査定価格を算出した根拠がコメントとして書かれています。査定額の高さだけで勝負しようとする担当者の不動産査定書は、記載されている内容が乏しい傾向があります。不動産査定書は査定価格だけを見るのではなく、丁寧に調査したうえで作成しているかどうかもチェックするようにしてください。

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