固定資産税 上がる 理由
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固定資産税が上がる理由とは? 7つの要因と対処法を伝授

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 固定資産税が上がる主な要因には、地価の上昇や新築住宅に対する減額措置の終了、評価替えなどがあります。
  • 住宅用地の特例が解除されると、土地の課税標準額が最大で6倍になり、税額も増える可能性があります。
  • 負担を抑える対策として、リフォーム時の減税制度の活用や、特定空き家に指定されないための適正な管理が挙げられます。

固定資産税の納税通知書が届いた際、税額が以前より高く、驚いた経験を持つ方もいるかもしれません。固定資産税は一定のルールに基づいて計算されますが、地価の変動や特例の適用状況によって、税額が増減する場合があります。仕組みを理解していないと、予期せぬ出費につながる可能性があります。

この記事では、固定資産税が上がる理由や計算方法、負担を軽減するための対策について解説します。税額が上がる仕組みを把握し、今後の資金計画や不動産の売却を検討する際の判断材料としてお役立てください。

固定資産税とは?

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や家屋などの固定資産を所有している人に課される地方税です。ここでは、固定資産税の基本的な仕組みや計算方法、税額が見直されるタイミングについて解説します。

  • 地方税の一つ
  • 税額の計算方法
  • 評価替えは3年に一度

地方税の一つ

固定資産税は、国ではなく市町村(東京23区は都)に納める地方税です。納税義務者は、毎年1月1日現在、固定資産課税台帳に所有者として登録されている人です。

したがって、年の途中で土地や家屋を売却した場合でも、その年の納税義務は1月1日時点の所有者にあります。実際の不動産取引では、引き渡し日を基準に日割り計算を行い、買主が売主に相当額を支払うことで精算するのが一般的ですが、これはあくまで当事者間の取り決めであり、自治体への納税義務者は変わりません。

また、都市計画区域内の市街化区域にある土地や家屋には、固定資産税とあわせて都市計画税が課される場合があります。

税額の計算方法

固定資産税の額は、原則として「固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)」で算出されます。標準税率は1.4%ですが、自治体の条例により異なる税率が設定される場合があるため、納税通知書などで確認しておきましょう。

固定資産税評価額とは、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、各市町村長が決定する価格のことです。土地の評価額は固定資産税路線価を基準とし、地価公示価格の7割程度が目安とされています。

一方、家屋の評価額は、再建築価格を基準に築年数や構造などを考慮して個別に算定されるため、一律の割合では表せません。

評価替えは3年に一度

土地や家屋の価格は、経済状況や地域の開発状況によって変動します。そのため、固定資産税評価額は3年に一度、見直しが行われます。これを「評価替え」と呼びます。

評価替えの年は「基準年度」と呼ばれ、原則として、次の基準年度までの3年間は評価額が据え置かれます。ただし、地目変更や家屋の増改築などがあった場合は、基準年度以外でも評価額の見直しが行われます。

直近では2024年が基準年度にあたり、次回は2027年に評価替えが行われる予定です。

固定資産税が上がる7つの理由

固定資産税 上がる 理由

固定資産税が上がる背景には、地価の変動だけでなく、特例措置の終了や建物の状況変化など、様々な要因が関係しています。主な理由は次の7つです。

  1. 地価の上昇
  2. 新築住宅の優遇期間が終了
  3. 家屋の解体で「住宅用地の特例」が終了
  4. 空き家法に基づき「住宅用地の特例」が終了
  5. 用途変更
  6. 増改築
  7. 税制改正

1.地価の上昇

土地の固定資産税評価額は、地価の動向に大きく影響を受けます。周辺エリアで大規模な再開発が行われたり、新駅が開業したりして利便性が向上すると、地価公示価格や路線価が上昇し、それに伴って固定資産税評価額も上がります。

評価替えのタイミングで地価が上昇していれば、土地の税額は増額となります。特に都市部や人気エリアでは、地価の上昇傾向が続きやすく、評価替えのたびに税負担が増えるケースも少なくありません。

ただし、急激な税負担の増加を避けるために「負担調整措置」が設けられており、評価額の上昇分がそのまま税額に反映されず、緩やかに上昇する場合もあります。

2.新築住宅の優遇期間が終了

新築住宅を購入した場合、一定期間は固定資産税が2分の1に減額される特例措置があります。この適用期間が終了すると、本来の税額に戻るため、固定資産税が上がったように感じられます。

減額される期間は、一般の戸建て住宅で新築後3年間、3階建て以上の耐火・準耐火構造住宅(マンションなど)で5年間です。認定長期優良住宅の場合は、それぞれ5年間、7年間に延長されます。

なお、この減額措置には床面積(50㎡以上280㎡以下)などの要件があり、減額対象となるのは居住部分の床面積120㎡までです。

3.家屋の解体で「住宅用地の特例」が終了

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、200㎡以下の部分は評価額の6分の1、200㎡を超える部分は3分の1を課税標準とする軽減措置があります。

しかし、建物を取り壊して更地にするなど、住宅用地としての要件を満たさなくなると、この特例の対象外となります。その結果、土地の課税標準額が最大で6倍(都市計画税は3倍)になり、税額も大きく増える可能性があります。

ただし、建て替えのために一時的に更地にする場合など、一定の要件を満たせば特例が継続されるケースもあります。

4.空き家法に基づき「住宅用地の特例」が終了

空き家対策特別措置法(空き家法)に基づき、自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定され、改善勧告に従わない場合、住宅用地の特例が解除される可能性があります。

特定空き家とは、倒壊の危険がある状態などを指し、管理不全空き家は特定空き家になる前の段階を指します。

これらに指定されたからといって直ちに特例が外れるわけではありませんが、自治体からの指導や勧告を無視し続けると、特例の対象から除外され、土地の固定資産税が更地と同様の水準まで上昇するリスクがあります。

5.用途変更

土地や建物の用途を変更した場合も、固定資産税額が変わる要因となります。

住宅用地の特例は「居住用の家屋」の敷地に対して適用されるため、店舗や事務所などの事業用として使用する割合が増えると、特例の適用範囲が縮小する場合があります。

具体的には、居住部分の床面積が全体の2分の1以上あれば敷地全体が住宅用地扱いになりますが、事業用部分が増えて居住部分が2分の1未満になると、住宅用地として扱われる面積が減ったり、特例が受けられなくなったりするケースがあります。

6.増改築

家屋の増築や大規模な改築を行うと、建物の資産価値が上がったとみなされ、固定資産税評価額が上昇することがあります。

家屋の増築や大規模な改築など、建物の資産価値に影響する工事を行った場合には、建築確認申請の有無にかかわらず、自治体が家屋調査を行い、固定資産税評価額が見直されることがあります。増築によって床面積が増えたり、設備をグレードアップしたりすると、その分だけ評価額に反映されます。

一方で、耐震改修やバリアフリー改修など、一定の要件を満たすリフォームを行った場合は、減額措置を受けられるケースもあります。

7.税制改正

固定資産税に関する制度は、国の税制改正によって変更されることがあります。

例えば、負担調整措置(評価額が急激に上昇した場合でも、税額の上昇を緩やかにする仕組み)の計算式が見直されたり、特定の減税措置が廃止されたりすることで、結果的に税額が上がることがあります。

税制改正の内容は毎年公表されるため、ニュースや自治体の広報などを通じて最新の情報を確認しておきましょう。制度の変更によって、これまでの特例が受けられなくなる可能性もあります。

固定資産税の負担増の対策は?

固定資産税の上昇を抑える、あるいは負担を軽減するためには、制度を正しく理解し、適切なタイミングで行動することが重要です。ここでは、代表的な3つの対策について解説します。

  • 減税措置の適用を受ける
  • 空き家の適正管理
  • 家屋を解体するタイミングを検討する

減税措置の適用を受ける

リフォームを行う際は、固定資産税の減額措置が適用される要件を満たすかどうかを確認しましょう。

「耐震改修」「バリアフリー改修」「省エネ改修」などの工事を行い、一定の条件を満たすと、工事完了翌年度の家屋にかかる固定資産税が減額されます(1年度分)。例えば、省エネ改修工事の場合、翌年度の固定資産税の3分の1が減額されます。

減額対象は家屋分のみであり、床面積などの要件もあります。制度を利用するには工事完了後3ヶ月以内の申告が必要なため、自治体の案内を確認しておきましょう。

空き家の適正管理

所有している空き家が「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されないよう、定期的な管理を行うことが不可欠です。

特定空き家等に指定されるのは、近隣からの通報や自治体の調査により、管理状態が悪いと判断された場合です。定期的に換気や清掃を行い、庭木の手入れや破損箇所の修繕を実施することで、建物の劣化を防ぎ、近隣トラブルも回避できます。

ご自身での管理が難しい場合は、不動産会社などが提供する空き家管理サービスの利用も選択肢のひとつです。また、使用する見込みがない空き家は売却も検討してみましょう。

家屋を解体するタイミングを検討する

建物の解体を検討している場合は、その時期を慎重に判断しましょう。

固定資産税の賦課期日は1月1日です。1月1日時点で居住用家屋が存在していれば、その年は住宅用地の特例が適用されます。しかし、年内に解体して1月1日時点で更地になっていると、特例が適用されず、土地の税額が上がります。

ただし、家屋の評価額が高い場合などは、土地の税額が上がっても家屋分の税金がなくなることで、トータルの税額が安くなるケースもあります。必ずしも解体を先延ばしにするのが得策とは限らないため、具体的な金額を試算してみましょう。

まとめ

固定資産税が上がる背景には、地価の上昇や新築減税の終了、建物の解体による特例解除などの理由が存在します。空き家の放置による特例解除や、家屋の解体による税額の増加は、事前の対策や調整が可能です。

また、固定資産税の通知書が届いたら、まずは内容を確認し、増加の理由を把握することが大切です。その上で、減税制度の活用や空き家の適切な管理など、状況に応じた対策を講じましょう。

不動産の維持費や売却についてお悩みの際は、ぜひ東急リバブルにご相談ください。豊富な知識と経験を持つスタッフが、お客様の状況に適したご提案をいたします。

この記事のポイント

固定資産税とはなんですか?

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や家屋などの固定資産を所有している人に課される地方税です。

詳しくは「固定資産税とは?」をご覧ください。

固定資産税はなぜ上がるのですか?

固定資産税が上がる背景には、地価の変動だけでなく、特例措置の終了や建物の状況変化など、様々な要因が関係しています。

詳しくは「固定資産税が上がる7つの理由」をご覧ください。

固定資産税が高くて負担です。何か対策はありますか?

固定資産税の上昇を抑える、あるいは負担を軽減するためには、制度を正しく理解し、適切なタイミングで行動することが重要です。

詳しくは「固定資産税の負担増の対策は?」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

固定資産税の納税通知書が届いた際は、必ず内容をチェックしましょう。評価額に不服がある場合は、納税通知書の交付を受けた日の翌日から3ヶ月以内に、固定資産評価審査委員会へ審査の申し出が可能です。また、自治体側に誤りがあった場合には、地方税法により直近5年の範囲内で還付を受けられる可能性があります。

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