ざっくり要約!
- 専用庭付きマンションとは、主に1階の住戸に庭が付いているマンションを指す
- 専用庭は、区分所有者に「専用使用権」が与えられているが、「共用部」に該当する
都市部では、庭のある住まいを叶えることは年々難しくなっていますが、それを叶える一つの選択肢として、「専用庭付きマンション」があります。
この記事では、専用庭付きマンションのメリット・デメリット、専用庭付きマンションの購入や賃貸を検討する際のポイントについて解説します。
記事サマリー
専用庭付きマンションとは?
専用庭付きマンションとは、主に1階の住戸に庭が付いているマンションを指します。専用庭は、区分所有者(専有部を所有している人)が専用で利用できるスペースですが、専有部ではなく、共用部に該当するので注意が必要です。
専用庭は、日常的には自由に使えるものの、火災などの緊急時には避難経路として使われます。そのため、管理規約の専用庭使用細則に基づくルールに従わなくてはなりません。
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専用庭付きマンションのメリット
専用庭付きマンションは、部屋から庭に出られるので、戸建て住宅に近い住み心地が大きな魅力です。
ガーデニングを楽しめる
マンションでも専用庭があれば、ガーデニングを楽しむことができます。季節の花々を育てたり、ハーブや野菜を栽培したりと、土に触れることが好きな方には大きな魅力となるでしょう。
専用庭は、大きな樹木を植えるのは難しいケースもありますが、管理規約で許可されていれば地植えも可能です。ベランダよりも本格的にガーデニングを楽しむことができます。
子どもの遊び場にも
専用庭は、子どもが安全に外遊びができる場所として重宝します。砂場遊びや水遊び、ボール遊びなどを自宅でできるのは、忙しい親にとって大きなメリットになるでしょう。
管理規約で許可されていれば、遊具を設置することも可能です。公園に連れて行くのが難しい日でも、子どもは自由に遊べ、親は近くで見守ることができます。
居室内も開放感がある
専用庭に面した居室は、窓を開ければプライベートな庭が広がり、内と外がつながる開放感を得られます。居室が実際の面積よりも広く感じられるでしょう。
また、専用庭があることによって、光や風を取り入れやすく、室内に居ながら外のような心地よさを感じることもできます。
専用駐車場が付いているマンションもある
専用庭付きマンションの中には、庭から直接アクセスできる専用駐車場が付いているケースもあります。車から室内までの動線が短くなるため、車の荷物の出し入れがラクになるのが大きなメリットです。
また、エントランスを通らずに庭から外へ出られるので、一戸建てに近い利便性を得られます。犬の散歩をする方にとっても便利な動線になるでしょう。
専用庭付きマンションのデメリット
様々な魅力がある専用庭付きマンションですが、月々の使用料や庭の手入れなど、一定の負担が生じます。
使用料がかかるのが一般的
専用庭付きマンションでは、一般的に専用庭使用料がかかります。住戸に庭があれば、使わなくても使用料がかかるので、注意が必要です。
使用料は物件によって異なりますが、月に数百円から千円台が相場となっています。大きな金額ではありませんが、10年20年と長期間居住する場合には負担になる可能性も。庭の活用頻度と合わせて検討したほうがよいかもしれません。
手入れが必要
専用庭はマンションの共用部であり、マンション全体の景観に大きく関わります。そのため、専用庭付きの住戸に住む場合は、草木が伸びすぎないよう剪定したり、雑草を抜いたりといった定期的な手入れや管理をしなくてはなりません。
ガーデニングが趣味の方は楽しみながらできるかもしれませんが、忙しい方や高齢の方にとっては大きな負担になるでしょう。
防犯対策が必要
庭付きマンションはほとんどが1階のため、不審者の侵入リスクがあります。基本的な窓の施錠に加え、センサーライトや防犯砂利の設置など、入念な防犯対策が必要です。
また、専用庭付きマンションは、上層階から見渡せる構造になっているケースが多く、プライバシーを確保する必要があります。子どもが水遊びをする際には、サンシェードで日除けと目隠しを兼ねると良いでしょう。
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自由に使えるわけではない
専用庭には「専用使用権」が与えられており、区分所有者が日常的に使用できる空間です。ただし、何をしても自由というわけではなく、管理規約に従う必要があります。
例えば、煙や臭いが発生するバーベキューや大人数での集まりなど、周辺住民の迷惑になる行為は基本的に制限されます。
また、専用庭は火災時の避難経路になるため、避難の妨げになるような大型の遊具や物置などを置くことはできません。マンションの外観を大きく変えるようなリフォームも原則的に禁止されています。
専用庭付きマンションを検討するときのポイント

専用庭付きマンションの購入や賃貸を検討する際には、管理規約や過去のトラブル履歴を確認しておくことがポイントです。
管理規約・使用細則を確認する
専用庭付きマンションを選ぶ際には、必ずマンションの管理規約、特に「専用庭使用細則」を確認することが重要です。
細則には、専用庭の使用条件や制限事項が詳細に記載されています。例えば、物置やビニールハウス設置、ペットの放し飼いなどが禁止されているケースが多いので注意しましょう。
また、専用庭を部分的に改変した場合は、規約の範囲内であっても、退去時に原状回復しなくてはならないことにも注意が必要です。
目線・侵入経路を確認する
専用庭付きマンションを検討する際には、外部からの視線や侵入経路についても慎重に確認しておきましょう。
窓の高さとフェンスの高さのバランスは、プライバシー確保の上で重要です。一方で、プライバシーを守るフェンスや植栽が、不審者の隠れ場所になってしまうことも。このような死角がないか確認しておくことも大切です。
売主にトラブル履歴などをヒアリングする
専用庭付きマンションを購入する際は、売主や不動産会社から過去のトラブル履歴についてヒアリングしておくと安心です。近隣住民とのトラブルや、庭の使用に関する苦情歴などは、今後の生活に大きく影響するかもしれません。
また、トラブルになりやすいのが「排水」です。排水に問題があると、ゲリラ豪雨や台風の際に庭が水浸しになることも。排水トラブルがないか確認しておきましょう。
まとめ
専用庭付きマンションは、ガーデニングや子どもの遊び場として活用できることが大きな魅力です。専用庭に出入口や専用駐車場があると、一戸建てのような感覚で使うことができます。
一方で、使用料が発生したり、定期的な手入れが必要になったり、経済的な負担や手間が生じるというデメリットもあります。専用庭付きマンションを検討する際には、メリットとデメリットを天秤にかけてよく検討することが大切です。
また、専用庭はあくまで「共用部」です。管理規約やマナーを守った上で、マンションならではの利便性と緑のある豊かな生活を楽しみましょう。
この記事のポイント
- 専用庭付きマンションとはどのようなマンションですか?
専用庭付きマンションとは、主に1階の住戸に庭が付いているマンションを指します。
詳しくは「専用庭付きマンションとは?」をご覧ください。
- 専用庭付きマンションのメリットは?
専用庭付きマンションは、部屋から庭に出られるので、戸建て住宅に近い住み心地が大きな魅力です。
詳しくは「専用庭付きマンションのメリット」をご覧ください。
- 専用庭付きマンションのデメリットは?
様々な魅力がある専用庭付きマンションですが、月々の使用料や庭の手入れなど、一定の負担が生じます。
詳しくは「専用庭付きマンションのデメリット」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
専用庭は原則的として、物置のような大型の収納を置くことができません。ガーデニング用品や子どもの遊び道具を収納したい場合は、ベンチとしても使える小型の収納ボックスを置くと良いでしょう。他にも、耐久性に優れたガルバリウム鋼板の収納もおすすめです。お手入れが簡単で見た目もおしゃれなFRP(繊維強化プラスチック)製の収納もあります。

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