国税庁は7月1日、2026(令和8)年分の路線価を公表しました。路線価は、道路(路線)ごとに定められる標準的な宅地1㎡あたりの価額で、相続税や贈与税を計算する際の土地評価の基準となります。毎年1月1日時点で評価され、その水準は地価公示価格などの8割程度が目安とされています。
2026年の全国平均は前年比2.9%の上昇となり、伸び率は2年連続で2010年以降の最大を更新しました。上昇は5年連続で、上昇した都道府県も36と前年の35から増加しています。都道府県別では東京都の上昇率が9.4%と突出し、沖縄県(6.6%)、大阪府(5.1%)が続きます。
・「公示地価」に関する記事はこちら
2026年公示地価、5年連続上昇でバブル後最大更新!需要は都心部に集中
記事サマリー
【全国】2026年路線価上昇率ランキング

| 1 | 長野県白馬村 | +32.7% |
| 2 | 長野県野沢温泉村 | +31.3% |
| 3 | 北海道富良野市 | +28.0% |
| 4 | 東京都台東区浅草 | +27.5% |
| 5 | 東京都足立区千住 | +24.2% |
全国で最も上昇率が高かったのは長野県白馬村で、前年比上昇率は32.7%。全国トップは3年連続です。2位には同じ長野県の野沢温泉村が入り、3位の富良野とあわせて、上位には海外での知名度が高いスキーリゾートが並びました。白馬村の観光客数は年々増加しており、2025年は290万人以上が訪れています。
日本政府観光局によれば、2025年の訪日外客数は約4,260万人と2年連続で過去最多を更新しました。4位にランクインした浅草も外国人観光客に人気のエリアです。

【東京都】2026年路線価上昇率ランキング
| 1 | 台東区浅草1丁目(雷門通り) | +27.5% |
| 2 | 足立区千住3丁目(北千住駅西口駅前広場通り) | +24.2% |
| 3 | 中野区中野5丁目(中野駅北口駅前広場前) | +22.4% |
| 4 | 文京区小石川1丁目(春日通り) | +22.2% |
| 5 | 北区赤羽1丁目(赤羽駅西口広場通り) | +21.6% |
標準宅地平均で前年比9.4%上昇した東京都で最も上昇率が高かったのは、2年連続で浅草の雷門通りです。昨年の+29.0%から上昇率はわずかに下がりましたが、浅草は全国ランキングでも4位にランクインしています。
2位の北千住駅前、3位の中野駅北口駅前も2025年と同順位です。4位の小石川、5位の赤羽を含め、都心部の不動産価格高騰を背景に、都心へのアクセスが良く、これまで相対的に割安とされてきたエリアが躍進していることが今年の路線価の特徴のひとつと言えるでしょう。
【神奈川県】2026年路線価上昇率ランキング
| 1 | 鎌倉市小町1丁目(鎌倉駅東口駅前通り) | +20.0% |
| 2 | 横浜市旭区二俣川2丁目(二俣川駅南口駅前通り) | +16.7% |
| 3 | 横浜市港南区上大岡西1丁目(鎌倉街道) | +15.8% |
神奈川県の標準宅地の前年比上昇率は、平均4.5%でした。上昇率ランキング1位は、2年連続で鎌倉駅周辺。インバウンド需要の拡大が続き、上昇率は前年の19.0%からさらに拡大しています。
2位の二俣川駅周辺は、2024年には県内トップ、2025年は3位の上昇率でした。2023年3月の相鉄・東急直通線の開業以降、継続的に地価が上昇しています。駅前では再開発が進み、駅前の交通広場の整備や高層マンションの建築、大規模商業施設のリニューアルなどが相次いでいます。
3位には上大岡駅周辺が入りました。京急線と地下鉄ブルーラインが乗り入れる県内有数のターミナルであり、横浜駅方面へのアクセスの良さから住宅需要が堅調です。
【埼玉県】2026年路線価上昇率ランキング
| 1 | さいたま市大宮区桜木町2丁目(大宮駅西口駅前ロータリー) | +12.5% |
| 2 | 川口市栄町3丁目(駅前産業道路) | +12.2% |
| 3 | さいたま市浦和区高砂1丁目(浦和駅西口駅前ロータリー) | +12.1% |
埼玉県は5年連続で路線価が上昇しましたが、標準宅地の平均上昇率は2.3%と昨年に引き続き全国平均を下回っています。 ランキングトップは2025年と同じく大宮駅西口駅前ロータリーで、上昇率も11.9%から拡大しました。昨年3位だった川口市の駅前産業道路は、2025年5月に大型ショッピングモール「ららテラス川口」がオープンしたことなどを背景に、2位に浮上しています。
3位の浦和駅西口駅前ロータリーは昨年の2位からランクダウンとなりましたが、上昇率は10.8%から上昇。2026年6月には複合施設「浦和カルエ」が竣工し、今後の上昇にも期待されます。
【千葉県】2026年路線価上昇率ランキング
| 1 | 松戸市本町(松戸駅西口) | +12.8% |
| 2 | 習志野市津田沼1丁目(ぶらり東通り) | +11.9% |
| 3 | 船橋市本町1丁目(船橋駅前通り) | +9.4% |
千葉県の標準宅地の平均上昇率は4.4%と、前年からさらに拡大しました。ランキングトップは松戸駅周辺です。都心へ直結する交通利便性の高さに対して安価なことから、川口や北千住と同様に、都心近接かつ割安なエリアとして需要が集まっています。
3年連続で県内トップだった津田沼駅周辺は、2025年に野村不動産が駅南口の再開発計画の中断を発表した影響もあってか、上昇率は前年の18.3%から11.9%に縮小し2位となりました。建築費高騰の波は、各地の再開発計画に大きく影響しています。
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日本各地で進む再開発。東京・大阪の注目エリア
・「松戸」駅周辺の物件一覧はこちら
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【主要都市】2026年路線価上昇率ランキングトップ
| 都道府県 | 平均前年比変動率 | 上昇率トップ(かっこ内は前年比上昇率) |
|---|---|---|
| 北海道 | +1.8% | 富良野市北の峰町(+28.0%) |
| 宮城県 | +3.3% | 仙台市太白区あすと長町1丁目(+7.1%) |
| 愛知県 | +2.2% | 一宮市栄3丁目(+10.0%) |
| 大阪府 | +5.1% | 吹田市豊津町(+18.1%) |
| 兵庫県 | +2.4% | 芦屋市船戸町(+13.3%) |
| 福岡県 | +4.2% | 春日市春日原北町3丁目(+16.0%) |
| 沖縄県 | +6.6% | 名護市為又(+16.3%) |
主要都市の上昇率トップは、全国ランキングでも3位に着けた富良野です。そのほか国内外の観光需要が高いエリアが目立つ一方で、郊外エリアの躍進も目立ちます。首都圏と同様に、都市部の地価やマンション価格の高騰により、比較的地価が安い郊外エリアの需要が高まっている様子がうかがえます。
2026年6月には、日本銀行は再びの利上げを決定しました。住宅ローン金利は上昇傾向にあり、建築費も顕著に上昇していることから、全国的に「郊外シフト」の動きがさらに加速していく可能性があります。
まとめ
2026年の路線価は、前年に続き全国的にインバウンド需要の高まりが反映されました。加えて、北千住や赤羽、松戸、川口など、都心近郊エリアの存在感も強まっています。
金利上昇や都心部を中心とした市場の過熱感などが懸念されるものの、都道府県庁所在都市の最高路線価が35年ぶりに下落ゼロとなるなど、地価上昇の裾野は全国に広がっています。都心部に限らず、需要が集中するエリアの地価は今後さらに上昇する可能性があります。

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