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ざっくり要約！
- 回遊動線とは、ある場所を起点にぐるりと一周できる間取りのこと
- 回遊動線は、家事動線を短く効率的にするための方法でもあり、間取りに採用する人が増えている
新築やリフォームで間取りを検討していると、よく耳にする「回遊動線」。行き止まりがないから便利とは聞くものの、デメリットはないか、後悔しないか気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、回遊動線のメリット・デメリットを始め、どのような間取りの回遊動線が便利なのかを解説します。回遊動線の採用を迷っている方は、ぜひご覧ください。
記事サマリー
回遊動線とは？
まず動線とは、家の中での人の動きを線で表したもので、一般的には短いほど合理的に動けると考えられています。
しかし、短い動線だけでは間取りが成り立ちません。そこで、家の中の行き止まりをできるだけなくし、間取りに回遊性をもたせたものを「回遊動線」と呼んでいます。
回遊動線は、ある場所を起点にぐるりと一周できるので、家の中での行ったり来たりという動きを最小限にできるのが特徴です。回遊動線は、家事や朝の支度がスムーズになるといわれ、間取りに採用する人が増えています。
家事動線とは
家事動線とは、料理・洗濯・掃除など、家事を行う際に人が移動する経路のことです。
洗濯を例に挙げると、洗う・干す・たたむ・収納するという一連の流れをつなげたものが家事動線になります。
家事動線が長くなると、無駄な動きが増えて疲れやすくなるので、できるだけ短くすることがポイントです。回遊動線は、家事動線を短く効率的にするための方法でもあります。
| ・「家事動線」に関する記事はこちら 家事動線が良い間取りにするには？「家事楽」にするためのポイント |
どんな間取りなら回遊動線が良くなるの？
一般的に回遊動線は、アイランドキッチンや水回り周辺に採用されます。間取り全体に回遊性がなくても、部分的に回遊動線を取り入れることで便利になる場合もあります。
複数アクセス・複数ルート
朝混雑しやすい洗面室やトイレまでのルートは複数あったほうが安心です。家族の渋滞や衝突を避けることができます。また、洗面室は狭い空間ではありますが、出入口を二箇所作ることで混雑を緩和することも可能です。
他にも、ウォークスルーのファミリークローゼットを作ると、通り抜けができるようになり、ルートを増やすことにつながります。
回遊動線は間取り全体で考えがちですが、コンパクトな回遊動線が利便性を上げることもあります。どこに回遊性を取り入れれば便利になるか、自分のライフスタイルと照らし合わせて考えてみましょう。
水回りが一箇所にまとまっている
キッチン・洗面所・ランドリールームといった水回りが一箇所にまとまった間取りは、家事を同時進行しやすく合理的です。
この間取りでは、キッチンを中心にトイレ・洗面所・ファミリークローゼット・玄関を一周できる回遊動線になっています。料理と洗濯の同時進行が可能なだけでなく、帰宅した家族が上着を仕舞い、洗面所で手を洗うという流れまで考えられた間取りです。
| ・「ファミリークローゼット」に関する記事はこちら ファミリークローゼットのある間取り。新しい生活様式にあった生活動線とは |
アイランドキッチンを中心としたダイニング
アイランドキッチンにダイニングテーブルが横付けされた人気の間取りです。壁が少ないLDKは開放的に過ごせるだけでなく、家族のコミュニケーションを取りやすいことも魅力となっています。
前述の間取りと同様に、玄関に上着を掛けた後に手を洗える動線になっているので、お子さんが衛生習慣を身につけやすい間取りです。
| ・「アイランドキッチン」に関する記事はこちら アイランドキッチンの魅力を解説！メリットとデメリットもあわせて紹介 |
回遊動線が良い家のメリット
回遊動線を間取りに取り入れると、家事や生活がスムーズになります。特に、家族の忙しさが集中する朝に効果を実感できるでしょう。
家事効率が良くなる
料理や洗濯など、家事は同時進行することも多く、キッチンと洗面所を行ったり来たりというご家庭も多いのではないでしょうか。このような場合、キッチンと洗面所の間取りに回遊性をもたせると、便利な動線になります。
また、ご家庭によっては、ファミリークローゼットも回遊動線に組み込むことで、洗濯家事を合理化することも可能です。
朝の準備も渋滞しにくい
家族全員が忙しく動き回る朝の時間帯でも、行き止まりがない回遊動線があることで、スムーズに動けるようになります。
洗面所やトイレ、キッチンなどの水回りに複数の経路があることで、家族同士がぶつかったり、渋滞したりするストレスを軽減することができます。特に、家族の人数が多いほど、回遊動線の良さを実感できるでしょう。
開放感のある間取りになる
回遊動線は必然的に壁が少なくなるため、開放的な間取りになります。視線が抜けることで、実際の面積以上に広く感じられる効果があるでしょう。
また、家族の気配を感じやすいので、自然とコミュニケーションを取りやすい環境になることもメリットです。
回遊動線はいらない？ 3つのデメリット
回遊動線は通路や出入口が増える関係上、他の空間を圧迫する場合があります。家具の配置や収納計画に注意が必要です。
家具が配置しにくい
回遊動線は出入口が増える分、壁面が減り、家具の配置をしにくい場合があります。壁に沿って配置するテレビボードや本棚といった家具の配置が制限されることもあるでしょう。
また、家具の配置が固定化されやすく、模様替えが難しいことも。インテリアがワンパターンになりやすいというデメリットもあります。
使用しにくいルートがあることも
人は無意識に使いやすいルートを選ぶので、使われないルートが出てくることもあります。それが、回遊動線を「いらない」と感じてしまう原因のひとつです。無理に回遊動線を作らず、空間を他の用途に使えば良かったと後悔するケースもあるようです。
回遊動線で使われないルートを生まないためには、家族の行動パターンや実際の生活を具体的にイメージして計画することがポイントになります。
収納スペースが小さいことも
回遊動線を導入すると出入口や通路が増え、十分な収納を確保できないこともあります。家族の物の量によっては、回遊動線よりも収納計画を優先したほうが良いケースもあるでしょう。
また、回遊動線上の通路に収納を設けるのも一案です。家事動線を考慮して通路上に収納を作ると、意外と使い勝手の良い収納になる場合があります。
扉のある収納は通行の妨げになることがあるので、壁内に納まるニッチ収納やデッドスペースを活かしたオープン棚がおすすめです。
回遊動線が良い家を検討するときのポイント
回遊動線を取り入れると暮らしやすくなりますが、ライフスタイルによってはメリットが少ない場合もあります。回遊動線にこだわりすぎないことも大切です。
本当に生活動線が良いかイメージしてみる
回遊動線が本当に必要かどうか見極めるには、間取り図を見ながら、朝の家族の動きを具体的にイメージすることが大切です。
回遊動線は便利な間取りではありますが、家族の支度時間にバラつきがある場合は、回遊動線を取り入れるメリットは少ないかもしれません。
ただし、回遊動線は家族の現況だけでなく、将来も踏まえた上で計画することが重要です。ご自分やお子さんの将来もイメージしつつ検討しましょう。
家具の配置をシミュレーションする
デメリットで述べた通り、回遊動線は出入口が増えて壁面が少なくなるので、家具の配置がしにくい場合があります。家具は採寸し、間取り図に配置を書き込むなどしてシミュレーションしておきましょう。
また、生活動線上に家具を配置すると、通行の妨げになる場合があります。特に、扉が大きく開く開き戸や引き出し式の収納は注意が必要です。引き出し式の収納であれば、物を隠すことができ、通行の邪魔にもなりません。
リフォームも併せて検討する
ご家庭によって、使いやすく利便性の高い間取りは異なります。回遊動線の間取りの家を購入した場合は、必要に応じてリフォームを検討するのも良いでしょう。
例えば、居室のドアが複数あると回遊性があり便利ですが、収納が不足しているならドアをふさいで収納スペースに転用すると、収納不足を解消できます。
回遊動線の家を無理にそのまま使う必要はありません。ご家族のライフスタイルに合わせて最適な選択をすることが何よりも重要といえます。
| ・「リフォーム・リノベーションの費用」に関する記事はこちら リノベーション費用の相場とは？マンション・戸建てでどう変わる？ マンションのリフォーム費用はどのくらい？注意点や補助金も紹介 |
まとめ
回遊動線とは、ある場所を起点にぐるりと一周できる間取りを指します。家の中での行ったり来たりという無駄な動きを最小限にできることが大きなメリットです。
ただし、回遊動線は物や家具が多いご家庭や、収納スペースをしっかり確保したいと考える方には適さないことも。ライフスタイルに合っているかよく検討することが大切です。
この記事のポイント
- 回遊動線とはなんですか？
回遊動線は、ある場所を起点にぐるりと一周できるので、家の中での行ったり来たりという動きを最小限にできるのが特徴です。
詳しくは「回遊動線とは？」をご覧ください。
- どのような間取りなら回遊動線が良くなりますか？
一般的に回遊動線は、アイランドキッチンや水回り周辺に採用されます。間取り全体に回遊性がなくても、部分的に回遊動線を取り入れることで便利になる場合もあります。
詳しくは「どんな間取りの回遊動線が良いの？」をご覧ください。
- 回遊動線の良い家を検討するとき、何に気をつければ良いですか？
回遊動線を取り入れると暮らしやすくなりますが、ライフスタイルによってはメリットが少ない場合もあります。回遊動線にこだわりすぎないことも大切です。
詳しくは「回遊動線が良い家を検討するときのポイント」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
回遊動線は間取り全体に取り入れようとすると、面積の都合上難しいケースが少なくありません。コンパクトな回遊動線が利便性を上げることもあるので、どこに回遊性を取り入れるべきかよく検討しましょう。筆者は回遊動線のない家で生活していますが、キッチンと洗面の行き来がしやすければ……と考えることはよくあります。回遊動線にする場所に迷ったら、キッチンと洗面に回遊性を取り入れると良いかもしれません。
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