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閑静な住宅街とは? メリット・デメリットや探し方を解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 閑静な住宅街は、主に一戸建てが建ち並ぶ「第一種・第二種低層住居専用地域」などに指定されていることが多いです。
  • 閑静な住宅街のメリットは、騒音が少なく治安が良い傾向にあることや、公園・緑地が整備され子育てに適した環境であることなどです。
  • デメリットとしては、商業施設や駅から離れている場合があること、価格が比較的高い傾向にあることなどが挙げられます。

閑静な住宅街には、落ち着いた暮らしや良好な住環境のイメージがあります。緑豊かで静かな場所は、日々の喧騒から離れて暮らしたい人にとって理想的な環境かもしれません。しかし、実際に住む場合には、メリットだけでなく注意すべき点もあります。

この記事では、閑静な住宅街の特徴やメリット・デメリット、自分に合った閑静な住宅街の探し方などを詳しく解説します。理想の住まい選びの参考にしてください。

閑静な住宅街の特徴

閑静な住宅街とは、一般的に騒音が少なく、落ち着いた雰囲気を持つ住宅地を指します。ここでは、閑静な住宅街の具体的な特徴について見ていきます。

一戸建てが建ち並ぶエリア

閑静な住宅街の多くは、主に戸建て住宅が建ち並ぶエリアであることが特徴です。マンションなどの集合住宅が少なく、比較的ゆとりのある敷地に建てられた戸建てが多いため、圧迫感が少なく開放的な街並みが形成されています。

建物の高さや敷地面積に関する制限が設けられていることもあり、隣家との距離が保たれやすく、日当たりや風通しが良い住戸が多い傾向にあります。緑豊かな庭を持つ家も多く見られ、街全体として落ち着いた雰囲気が醸し出されています。

第一種・第二種低層住居専用地域など

閑静な住宅街は、都市計画法で定められた用途地域の中で、「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」に位置することが多いです。

これらの地域は良好な住環境を守るために、建てられる建物の種類や高さ、用途に厳しい制限が設けられています。小規模な店舗や事務所を兼ねた住宅、小中学校などは建てられますが、大規模な店舗や事務所は建設できません。

商業施設が少なく交通量が抑えられるほか、工場などの騒音もなく、静かで落ち着いた住環境が維持されます。

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第二種低層住居専用地域は閑静で住みやすい?メリット・デメリットや注意点を解説

閑静な住宅街に居住するメリット

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閑静な住宅街での暮らしには、多くの魅力があります。自身のライフスタイルに適したエリアを選ぶために、以下のメリットを把握しておきましょう。

  • 騒音に悩まされにくい
  • 総じて治安が良い
  • 子育てしやすい

騒音に悩まされにくい

閑静な住宅街の魅力は、その静かな環境にあります。第一種・第二種低層住居専用地域などでは、大きな商業施設や工場の建設が制限されています。また、幹線道路から離れていることも多く、車の騒音や繁華街の喧騒が届きにくいのが特徴です。

さらに、隣家との距離にもゆとりがあるため、生活音が気になりにくいメリットもあります。静かな環境は、在宅ワークに集中したい方や小さな子どもがいる家庭のほか、日々のリラックスタイムを大切にしたい方にとっても、価値のある要素といえるでしょう。

総じて治安が良い

閑静な住宅街は治安が良いことも魅力のひとつです。地域住民の防犯意識が高い傾向にあることや、不特定多数の人が頻繁に出入りするような施設が少ないことなどが理由として挙げられます。

また、住民同士のコミュニティが形成されやすく、地域の目が行き届きやすいことも、治安の良さに繋がっている可能性があります。子どもからご年配の方まで、多くの方が安心して暮らせる環境といえるでしょう。

子育てしやすい

閑静な住宅街は、子育てしやすい環境である点もメリットです。

車の通りが比較的少なく、道幅にゆとりのある場所も多いため、子どもが安全に歩きやすい環境といえます。公園や緑地なども計画的に配置されていることが多く、のびのびと遊べる場所が近所にあるのも魅力的なポイントです。

学校なども落ち着いた場所に位置することが多く、通学路の安全性が比較的高い点も安心材料となります。

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閑静な住宅街に居住するデメリット

静かで落ち着いた環境は多くのメリットがある一方で、利便性の面でデメリットが生じる場合があります。物件を探す際にはデメリットも把握したうえで検討することが重要です。ここでは、閑静な住宅街の主なデメリットについて4つ解説します。

  • 夜間は暗く人通りが少ない
  • 駅から遠いことも
  • 商業施設から距離があることも
  • 価格や賃料が高い傾向にある

夜間は暗く人通りが少ない

閑静な住宅街は、夜になると人通りが少なくなり、場所によっては街灯が少なく暗い道が存在する可能性があります。日中の静けさはメリットですが、夜間の静けさは、女性の一人歩きや子どもの帰宅時には不安要素となることも考えられます。

商業施設が少ないため、夜遅くまで営業している店舗の明かりも期待できません。防犯対策として、街灯の設置状況や道の明るさ、人通りの有無などを事前に確認しておくことが重要です。また、家族で帰宅時間を連絡し合うなどの対策も有効でしょう。

駅から遠いことも

閑静な住宅街は、良好な住環境を優先して開発されるため、必ずしも駅に近いとは限りません。駅から少し離れた場所に形成されるケースも多く見られます。

駅から徒歩圏内であっても、15分以上かかるなど、通勤・通学に時間を要する可能性があります。バス便の利用が必要になる場合や、自家用車が主な交通手段となることも考えられます。

駅からの距離は、日々の利便性に直結する重要な要素です。物件を選ぶ際には、最寄り駅までの実際の所要時間や交通手段、バスの本数などを具体的に確認し、自身のライフスタイルに合っているか慎重に判断する必要があります。

商業施設から距離があることも

閑静な住宅街は、住環境を守るために商業施設の建設が制限されていることが多いです。

そのため、日々の買い物に必要なスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどが自宅から離れている可能性があります。ちょっとした買い物でも、徒歩や自転車では時間がかかったり、車での移動が必要になったりすることもあります。

また、飲食店や娯楽施設なども少ない傾向にあるため、外食や休日のレジャーを楽しむ際には、別のエリアへ移動する必要が出てくるかもしれません。日常的な利便性を重視する方にとっては、この点がデメリットと感じられる可能性があります。

価格や賃料が高い傾向にある

一般的に、閑静な住宅街は住環境が良好であることから人気が高く、その結果として不動産価格や賃料が高くなる傾向にあります。特に、都心へのアクセスが良いエリアや、ブランドイメージのある高級住宅街では、その傾向が顕著です。

同じ広さや築年数の物件であっても、他のエリアと比較して高額になるケースが少なくありません。購入・賃貸ともに、予算との兼ね合いを十分に考慮する必要があります。

初期費用だけでなく、固定資産税や管理費などのランニングコストも高くなる可能性があるため、長期的な資金計画を立てることが重要です。

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高級住宅街の条件とは?住むメリット・デメリットも紹介

閑静な住宅街の探し方

理想とする住宅街を見つけるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。自身のライフスタイルや家族構成、将来設計に合ったエリアを選ぶ必要があります。ここでは、自分にぴったりの閑静な住宅街を見つけるための探し方について、いくつかの方法を紹介します。

  • 用途地域をチェックする
  • 不動産会社に希望を伝える
  • 内見時は家の中だけでなく周辺を散策してみる

・「閑静」な住宅街の物件一覧はこちら

用途地域をチェックする

閑静な住宅街を探す方法の一つが、用途地域を確認することです。用途地域は、自治体のウェブサイトや都市計画図などで確認できます。

特に「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」は、低層住宅中心の良好な住環境を保護することを目的とした地域です。高い建物や騒音の原因となる施設が建てられにくいため、閑静な環境が期待できます。

一方「第一種中高層住居専用地域」や「第二種中高層住居専用地域」などは住居系の用途が中心ですが、中高層のマンションなどが建てられるため、低層住居専用地域ほどの静けさは期待できない場合もあります。

・第一種低層住居専用地域にある一戸建て・土地の物件特集はこちら

不動産会社に希望を伝える

希望エリアの土地勘がない場合や効率的に物件を探したい場合は、不動産会社に相談するのが有効です。プロの視点から、希望条件に合った閑静な住宅街や物件を紹介してもらえます。

「静かな環境で暮らしたい」「子育てに適したエリアが良い」といった具体的な希望を伝えることで、インターネットだけでは得られない情報や、まだ公開されていない物件情報を提供してもらえる可能性もあります。

また、地域の特性や将来性、ハザードマップなどの情報にも詳しいため、安心して物件選びを進めることができます。複数の不動産会社に相談し、比較検討することも有効です。

内見時は家の中だけでなく周辺を散策してみる

気になる物件が見つかったら、必ず内見を行いましょう。その際、物件の内部だけでなく、周辺環境を自分の足で歩いて確認することが非常に重要です。地図上ではわからない交通量や近隣の建物の様子などを確認できます。

また、時間帯や曜日を変えて複数回訪れるのがおすすめです。平日の昼間は静かでも、朝晩の通勤・通学時間帯や休日は雰囲気が異なる場合があります。夜間の街灯の明るさや人通りなどもチェックしておくと、安心して暮らせるかを判断できます。実際に歩いてみることで、生活のイメージが具体的に湧きやすくなります。

まとめ

閑静な住宅街は、騒音が少なく落ち着いた住環境が魅力です。一戸建てが中心の開放的な街並みや、良好な治安、子育てに適した環境などがメリットとして挙げられます。静かな環境で穏やかに暮らしたいと考える方にとっては理想的な選択肢と言えるでしょう。

しかし、夜間は人通りが少なく暗い場合があることや、駅や商業施設から距離があるといった利便性の面でのデメリット、価格や賃料が高くなる傾向がある点も考慮する必要があります。

メリット・デメリットを理解した上で、ご自身のライフスタイルに合った住まいを選びましょう。閑静な住宅街で物件を探している場合は、ぜひ東急リバブルにご相談ください。豊富な物件情報のなかから、お客様に最適なご提案をさせていただきます。

・「閑静」な住宅街の物件一覧はこちら

この記事のポイント

閑静な住宅街の特徴はなんですか?

閑静な住宅街とは、一般的に騒音が少なく、落ち着いた雰囲気を持つ住宅地を指します。

詳しくは「閑静な住宅街の特徴」では、閑静な住宅街の具体的な特徴について見ていきます。

閑静な住宅街に住むメリットはなんですか?

閑静な住宅街での暮らしには、多くの魅力があります。自身のライフスタイルに適したエリアを選ぶために、「閑静な住宅街に居住するメリット」にてメリットを把握しておきましょう。

閑静な住宅街に住むデメリットはなんですか?

静かで落ち着いた環境は多くのメリットがある一方で、利便性の面でデメリットが生じる場合があります。物件を探す際にはデメリットも把握したうえで検討することが重要です。

詳しくは「閑静な住宅街に居住するデメリット」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

閑静な住宅街を選ぶ際には、将来的な街の変化も考慮することが大切です。現在は静かな環境であっても、大規模な開発計画が進められる可能性も否定できません。隣接するエリアが商業地域や準工業地域である場合、将来的に騒音や交通量が増加することも考えられます。
自治体のウェブサイトで公開されている開発計画をチェックしたり、不動産会社に長期的な視点でのアドバイスを求めたりしましょう。快適な暮らしを送るためには、さまざまな観点から評価することが重要です。

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