不動産売却,トラブル
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不動産売却でよくあるトラブルとは?事例や注意点、相談先も紹介

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。
https://x.com/sakuragirie

ざっくり要約!

  • 不動産売却では「不動産会社・契約関連」「物件・環境関連」「ローン関連」などのトラブルが起こる場合がある
  • 不当産取引におけるトラブルは売主・買主の情報共有の不足や誤解が起因していることが多く、不動産会社のサポートが欠かせない

不動産トラブルは不動産会社が原因となる場合や、売主・買主の情報交換が不足していた場合など、さまざまなケースがあります。

この記事では、不動産売却で多いトラブル事例と対処法、注意点について解説します。トラブルになってしまったときの相談先も紹介しますので、家の売却を予定している方は、ぜひ参考にしてトラブルを未然に防いでください。

不動産売却・取引で多いトラブル事例と対処法

不動産売却・取引で多いトラブル事例と対処法

不動産売却(売買)は法律行為であり、また大金が動くため、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。相手側が不動産会社のこともあれば、契約内容や売買物件、ローンが要因になることもあるでしょう。

ここでは、「不動産会社・契約関連」「物件・環境関連」「ローン関連」の3つに分けて、起こりやすいトラブルについて解説します。

不動産会社・契約関連

不動産会社へ仲介を依頼する際に注意したいのは「仲介手数料」と「囲い込み」です。

仲介手数料の上限額は法律によって定められており、たとえば取引価格が400万円超の場合は、「取引額×3%+消費税」を越えて請求はできません。

400万円超取引価格×3%+消費税
200万円超~400万円以下取引価格×4%+消費税
200万円以下取引価格×5%+消費税

広告費などを名目として、仲介手数料とは別に料金を請求された場合は注意が必要です。

もし仲介手数料以外の費用を請求されたら、その内訳や計算方法を提示してもらいましょう。

ただし、売主側から特別に業務を依頼した場合はこの限りではありません。広告や遠方への出張などを依頼する際は注意し、費用が発生するのか確認するようにしてください。

ちなみに800万円以下の物件に対しては、仲介手数料の特例(空き家等に係る媒介報酬規制の見直し)があり、上限33万円(税込)まで仲介手数料を請求される可能性があります。

ただし依頼者との合意が必要なため、仲介手数料について相談があった際は、説明を受けるようにしてください。

出典:不動産業による空き家対策推進プログラムについて|国土交通省

「囲い込み」とは、不動産会社が売主・買主の両方から仲介手数料を受け取る(社内で両手成約する)ために、物件情報をわざと公開しないことを意味します。

囲い込みされてしまうと、売却までの期間が延びてしまったり、相場よりも安い価格になってしまったりと、売主が不利益を被ることになります。

不動産会社は、専任媒介契約や専属専任媒介契約を締結したら、一定の期間内に不動産流通機構(レインズ)に物件を登録する義務があります。

囲い込みが疑われるときは、レインズに登録されているか、積極的な売却活動を行っているのか、また売り出し価格が妥当かなど確認するようにしてください。

媒介契約を締結したら、レインズの登録証明書を受け取るようにしましょう。2次元コードを読み取り、IDとパスワードを入力すると、「売却依頼主用物件確認画面」を確認できます。

物件・環境関連

不動産売却でトラブルに発展する場合、物件や環境が要因になることがあります。

売主は、雨漏りや浸水、シロアリの被害など物理的瑕疵があれば、買主に説明しなければなりません。

万が一、契約書に記載せず取引してしまうと、契約不適合責任を負い、損害賠償請求や契約解除になる可能性があります。

瑕疵の内容によっては、売主自身も気づかずに取引してしまうこともあります。とくに築年数が古い建物を売却する際は、専門家へインスペクション(建物状況調査)を実施するのも有効です。

雨漏りや外壁にひび割れがないか、建物に傾きや不同沈下がないかなど、診断してもらいましょう。どこへ依頼するか迷ったら、不動産会社へ相談してみてください。

また付帯設備や残留物に関するトラブルも多いため、何を残して何を撤去するか、設備に不具合があるのかなど、ご自身でチェックしておきましょう。

契約前に「付帯設備表」へ記載しておき、買主へ説明できるように準備しておくことも大切です。

ローン関連

売買契約締結後に、買主の住宅ローンの本審査が通らず、契約解除になることがあります。

売却代金を新居の購入資金に充てようと計画していたのに、自宅の売却が叶わなければ、新居購入も断念せざるを得ないケースもあるでしょう。

売買契約締結後でなければ、住宅ローンは本申込みができないため、通常は住宅ローン特約を付けて売買契約を結びます。

つまり買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約後も「確実なものではない」と心得ましょう。

そのうえで、以下の内容を確認するようにしてください。

  • 契約締結前に、住宅ローンの事前承認が下りているか(複数の金融機関から承認を得ていれば尚可)
  • 契約締結後、速やかにローンの本申し込みをしているか
  • 住宅ローン特約による解除の申出が特約期間内であったか

住宅ローンが組めるかどうかは、売主の立場では確認できません。しかし買主が住宅ローンの仮審査に通っているかどうかは聞くことはできます。できれば複数の金融機関から、承認が出ていると安心です。

住宅ローン特約は、一定の期間内を設けています。つまり期日を越えた場合は、ローン不成立を理由に、解除することはできません。

契約不履行になった場合は、違約金を請求できるため、申し出の期日と特約の期日を確認してください。

不動産売却でトラブルが起こるときの予兆

不動産売却でトラブルが起こるときの予兆

不動産売却でトラブルが生じているとき、何らかの予兆があるものです。

早期に対処するためにも、これから紹介する事象を見逃さないようにしてください。

物件への問い合わせや内覧希望がない

物件への問い合わせや内覧希望者が極端に少ない場合、囲い込みされている恐れがあります。

販売戦略や広告宣伝内容を明らかにしない、もしくは説明があいまいな場合は、注意が必要です。

不動産会社の担当者に、売却活動の内容や広告媒体、問い合わせ数などを確認し、進捗も報告してもらうようにしましょう。

査定額の根拠があいまい

査定額が相場とくらべて高すぎる、もしくは査定額の根拠があいまいなときは注意が必要です。

相場よりも極端に高い査定額を提示している不動産会社は、媒介契約を数多く結ぶこと目的としているケースがあります。そのうえ囲い込みをして、反響がないと説明し、値下げを提案してくるかもしれません。

ある程度相場を把握してから査定依頼し、高すぎる査定額を提示されたら、納得できる根拠を示してもらうようにしてください。

また「安くしないと売れない」などと焦らせるようなトークにも注意が必要です。不安を煽って、安く買いたたくのが目的かもしれません。

価格の値下げ要求がひどい

中古物件には定価がないため、値下げ交渉はあるものだと想定しておきましょう。

値引きを想定して、少し上乗せして売り出すのが一般的です。

しかし、売り出し価格と大きくかけ離れた値引き交渉をしてくる相手には、くれぐれも注意してください。

そもそも予算に合わない物件を、ダメもとで交渉してきている可能性があります。そのうえ住宅ローンの事前審査も通っていないのであれば、相手に無駄な時間を費やすことになりかねません。

買手側に購入したい意思があり、契約に向けて誠実に準備を進めているのか、見極めることが大切です。少しでも不安を感じたら、不動産会社の担当者に相談してみてください。

不動産売却時のトラブルを防ぐための対策や注意点

不動産売却時のトラブルを防ぐための対策や注意点

不動産売却をトラブルなく、スムーズに進めるための対策や注意点を紹介します。

信頼できる不動産会社を探す

不動産売却を安心して進めるためには、信頼できる不動産会社を探すことが先決です。

物件がある地域の売却実績が豊富で、評判が良い会社を選ぶようにしてください。

不当産取引におけるトラブルは、売主・買主の情報共有の不足や、誤解が起因していることが多く、不動産会社のサポートが欠かせません。

複数の不動産会社に売却相談をし、なるべく多くの担当者と話をしてみましょう。比較することで、スキルの有無や対応力を確認できます。

なお、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで検索し、過去に行政処分を受けてないか調べる方法もあります。

売買契約書を細部まで注意して確認する

売買契約書は細部まで読み込み、不動産会社や買主が有利となる内容になっていないか確認してください。

とくに契約解除の違約金に関する項目や、住宅ローン特約には注意が必要です。

売買契約書には、聞きなれない用語や表現が多いかもしれません。契約中であっても、説明を求めるようにしてください。

具体例を挙げてもらうとわかりやすいことも多いため、「このような場合は、どうなりますか?」といった形で起こり得るケースを想定して、説明してもらいましょう。

売主は把握している瑕疵をすべて正直に伝える

物件に瑕疵があれば、そのすべてを買主へ告知し、売買契約書にも内容を記載して契約してください。

契約内容と異なる物件を売却すると、契約不適合責任を問われ、損害賠償請求や契約解除される恐れがあります。

売り出す前に建物に瑕疵がないか、設備に故障がないか確認しておくことをおすすめします。必要に応じて、インスペクションの利用も検討してみてください。

やりとりはすべて書面に残す

口頭でのやり取りは齟齬が生じやすく、トラブルの原因になりやすい傾向があります。不動産会社や買主とのやり取りは、すべて書面に残しておきましょう。

また電話ではなく、メールで伝えるのも有効です。内容はもちろん、日時も含めて双方の手元に残るため、さかのぼって確認したいときも便利です。

不動産売却でトラブルが起こったときの相談先

不動産売却でトラブルが起こったときの相談先

不動産売却を注意深く進めていても、トラブルになることもあります。万が一トラブルに発展してしまったら、専門の機関や専門家に相談しましょう。

ここでは、不動産に関する相談ができる窓口や機関を紹介します。

不動産仲介会社

まずは、経緯や状況を把握している、不動産仲介会社の担当者に相談しましょう。トラブルについて事細かに説明する必要がなく、スムーズな対応が期待できます。

担当者に問題があるときは、不動産会社のお問い合わせ窓口へ相談しましょう。電話だけでなく、専用フォームから相談できる会社もあります。時間帯や希望に合わせて、選択してください。

行政機関|国土交通省・地方整備局・消費生活センターなど

不動産会社へ相談しても解決しないときや、不動産会社に問題があるときは、国土交通省の各地方整備局へ報告するか、自治体の相談窓口や消費者生活センターの利用を検討してください。

原則、無料で相談できるのがメリットです。

なお自治体ごとに受付時間や、相談方法が異なります。

事前予約制の場合もありますので、まずはホームページなどから検索してみてください。

専門家|弁護士・司法書士・土地家屋調査士など

行政機関での解決が難しいときや、訴訟問題に発展しそうなときは、弁護士や土地家屋調査士などの専門家へ相談することをおすすめします。

なお相談料については、事前にホームページなどでご確認ください。

弁護士法的な解釈が必要なトラブル・損害賠償
司法書士登記手続きや相続に関するトラブル
土地家屋調査士土地の測量や境界に関するトラブル

まとめ

不動産トラブルは、業者や契約内容が要因になることもあれば、物件自体や環境、ローンが原因になることもあります。さまざまなトラブルを想定し、何か予兆を感じたら注意するようにしましょう。

また事前の対処が、トラブルを防いでくれることもあります。近隣相場を把握しておいたり、仲介業者の評判をチェックしたりするなどして、トラブルなく取引を終えられるようにしてください。

この記事のポイント

不動産売却でよくあるトラブルは?

不動産売却でよくあるトラブルとしては、「不動産会社・契約関連」「物件・環境関連」「ローン関連」の3つがあります。

詳しくは「不動産売却・取引で多いトラブル事例と対処法」をご覧ください。

不動産売却トラブルの相談先は?

不動産売却を注意深く進めていても、トラブルになることもあります。

万が一トラブルに発展してしまったら、不動産会社や国土交通省・地方整備局・消費生活センターなどの専門機関、弁護士・司法書士・土地家屋調査士などの専門家に相談しましょう。

詳しくは「不動産売却でトラブルが起こったときの相談先」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

起こり得る不動産トラブルを想定し、ルールや対処法を把握しておくことで、防げるケースも少なくありません。たとえば「近隣相場を把握してから査定を依頼する」「仲介手数料の仕組みを知っている」だけでも、トラブルを未然に防げます。また不動産会社や担当者へ、任せきりにしないことも大切です。
トラブルを防ぐ1番の方法は、信頼できる不動産会社へ依頼することだと思います。複数の不動産会社へ相談し、誠実に対応してくれる担当者のいる会社へ売却依頼してください。

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