ざっくり要約!
- 転職により勤続年数が1年未満になると審査で不利になりやすいが、年収のアップや正規雇用への変更などをともなうと評価が高まる場合もある
- 返済中に転職した場合は金融機関への届け出が必要であり、収入が減少したときは滞納を防ぐために返済計画の見直しを相談することが大切
金融機関は住宅ローンの審査で、申し込んだ人に安定した収入があるか判断する際に「勤続年数」を確認します。そのため、転職をして新しい職場で働き始めたばかりだと、勤続年数が短くなり融資を受けるのが難しくなる場合があります。
一方、転職をしたからといって住宅ローンが組めなくなるわけではありません。とくに、転職をしたことで返済能力が高まったと評価されると審査に通過できる可能性があります。
この記事では、転職が住宅ローン審査に与える影響や、返済途中で転職した場合に必要となる手続きなどを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
転職は住宅ローン審査に影響するのか
転職は、金融機関の住宅ローン審査に大きく影響する可能性があります。国土交通省が行った「令和6年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、金融機関の93.2%が住宅ローン審査の際に「勤続年数」を考慮すると回答しました。
※出典:国土交通省「令和6年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
これは、完済時の年齢(98.4%)や健康状態(95.1%)、借入時の年齢(96.0%)、年収(93.4%)に次いで高い割合です。
また、勤続年数を審査項目としている金融機関のうち約67%が1年以上の勤務が必要であると回答しました。3年以上の勤務が必要と回答した金融機関も約14%存在します。
基本的に金融機関は、住宅ローンの審査で「申し込んだ人が貸したお金を滞りなく返せるだけの安定した収入があるのか」を確認します。
勤続年数は、年齢や年収などと同様に収入の安定性を判断するうえでの重要な審査項目であるため、転職をすると審査結果に影響が生じやすいのです。
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転職が住宅ローン審査に与える影響とは?
転職をするとそれまでの勤続年数は原則としてリセットされるため、転職先で働き始めて間もない場合、金融機関の審査時に評価が厳しくなりやすいです。
しかし、転職後の年収や雇用形態、勤務先などによっては審査への影響が抑えられることもあります。
不利になるケース
住宅ローンを申し込む1年以内に転職をしていると、勤続年数が短いと判断されて審査での評価が下がりやすくなります。
とくに、以下のようなケースに該当すると、審査に落ちる可能性が高まります。
- 転職先での勤続年数が1年未満である
- 転職により年収が下がった
- 短期間で転職を繰り返している
- 正社員から契約社員や派遣社員などの非正規雇用に変わった
- 独立して個人事業主になった
金融機関によっては「同じ勤務先に1年以上勤務していること」を住宅ローンの融資条件としています。そのため、転職により勤続年数が1年未満になると申し込める住宅ローンの選択肢は減ってしまうでしょう。
また、住宅ローンの事前審査に通過したとしても、本審査の結果が出る前に転職をすると、再審査を受けることになり、最悪の場合は融資が取り消しとなります。
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有利になるケース
転職して間もない場合でも、キャリアアップなどにより返済能力が高まったと判断されて審査に有利に働くことがあります。
金融機関が審査で確認しているのは「確実に返済できる能力があるかどうか」です。
転職により勤続年数が短くなったとしても、以下のようなケースでは収入の安定性が高まったと評価され、審査に有利になる可能性があります。
- ヘッドハンティングで年収が大幅にアップした
- 中小企業から大企業へ転職した
- 契約社員や派遣社員などの非正規雇用から正社員へ転職した
また、グループ会社への転籍や出向、会社の合併などで勤め先が変わったときは勤続年数が通算されて審査に影響が生じないケースもあります。
住宅ローン返済中に転職する場合の手続きと注意点

住宅ローンの返済が始まったあとに転職をしても、返済が長期にわたり滞らない限り、金融機関から一括返済を求められる心配は基本的にありません。
一方で、勤務先が変わった場合は借入先の金融機関への届け出が必要です。また、住宅ローン控除を受けている場合は、状況に応じて申請方法が異なります。
ここでは、住宅ローンの返済途中で転職する場合に必要な手続きや注意点を解説します。
金融機関に報告
ほとんどの住宅ローン契約では、氏名や住所、勤務先などに変更があった場合は、速やかに金融機関に知らせなければならないという条項が定められています。
返済途中で転職をしたことにより勤務先や職業、雇用形態などが変わったときは、速やかに借入先の金融機関へ届け出をしましょう。
転職したことを報告せずにいると、金融機関が転職前の職場に誤って連絡をしてしまう可能性があります。
転職をしたことを黙っていても、ただちに契約違反を問われることは基本的にありません。しかし、報告は契約者の義務であるため、転職をしたときは借入先の金融機関の指示にしたがって適切に手続きを進めましょう。
住宅ローン控除の手続き
住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じた一定金額を所得税と一部の住民税から控除できる減税制度です。
転職をしたあとも要件を満たしていれば、引き続き住宅ローン控除を受けられますが、状況によって申請方法が異なる点には注意が必要です。
年末まで転職先の企業に勤める場合は、新しい勤務先での年末調整で住宅ローン控除の手続きができます。一方で、以下のいずれかに当てはまる場合は自身で確定申告が必要です。
- 年末時点でどこの勤務先にも所属しておらず年末調整が受けられない
- 自営業や個人事業主となった
- 初めて住宅ローン控除を受ける
| ・「住宅ローン控除」に関する記事はこちら 住宅ローン控除の初年度はなにが必要?確定申告や申告方法について解説 住宅ローン控除が終わるとどうなる? 増税額と終了後に検討すべきことを解説 |
返済計画の見直し
転職によって収入が減る場合は、住宅ローンの返済に問題がないかを確認し、必要に応じて金融機関の担当者とも相談して返済計画を見直しましょう。
収入が減っているにもかかわらず、同じ金額の返済を続けると、家計が圧迫されて生活が苦しくなり、滞納するリスクも高まる恐れがあるためです。
たとえば、返済が困難になりそうな場合、金融機関に相談をすることで、返済期間を延長できる場合があります。返済期間が延長されると返済総額は増えますが、毎月の返済額は減り、家計に余裕を持たせることが可能です。
また、一定期間の返済額を減らしてもらえる場合もあります。
住宅ローンを滞納すると遅延損害金が発生する他、長期にわたり滞納が続くと一括返済を求められる恐れもあります。転職後の年収が下がったときは、返済が苦しくなる前に金融機関に相談しましょう。
| ・「住宅ローンが払えないとき」の記事はこちら 住宅ローンが払えないとどうなるのか時系列で解説!すぐに検討すべき対処法も紹介 |
住宅ローンと転職のベストタイミングとは?
マイホームの購入を考えている方が転職する場合は「住宅ローンを組む3年以上前」または「住宅ローンの融資が実行されたあと」が良いとされています。その理由について以下で詳しく解説します。
住宅ローンを組む3年以上前
多くの金融機関は、住宅ローンの融資審査に通過するために必要な勤続年数を約1〜3年としています。そのため、住宅ローンを申し込む時期から逆算して3年前には転職をし、新しい勤務先で働き始めるのがおすすめです。
新しい勤務先での勤続年数が3年以上経過していれば、申し込みが可能な金融機関や商品の数も増え、審査にも通過しやすくなるでしょう。
また、働いている間に頭金を貯めたり、クレジットカードや他のローンを完済したりすると、審査での評価がさらに高まる可能性があります。
住宅ローンを組んだあと
融資が実行されたあとに転職をしても、ローンが滞りなく返済されている限り、ローン契約が解除されることはありません。
融資金額や借入金利、返済期間などの条件が変更されることもないため、基本的には住宅ローンの融資実行後に転職するのが良いといえます。
特に、フリーランスや契約社員、派遣社員などローン審査に不利といわれる働き方を考えている場合は、正社員でローンを組んだあとに行動することをおすすめします。
まとめ
多くの金融機関は住宅ローン審査で勤続年数を重視するため、転職した直後は不利になりがちです。ただし、転職により年収が増えた場合や非正規雇用から正社員になった場合などは、評価が高まりやすくなります。
すでにローンを返済している間に転職した際は、速やかに金融機関へ変更の届け出をしましょう。住宅ローン控除を受ける場合、年末時点の状況に応じて適切に手続きをすることが大切です。
転職により収入が減って支払いが不安な場合は、滞納する前に借入先の金融機関に相談することをおすすめします。返済期間を延ばして毎月の負担を減らせるなど、返済条件の変更に応じてもらえる可能性があります。
この記事のポイント
- 転職は住宅ローンの審査に影響しますか?
転職は金融機関の住宅ローン審査に大きく影響する可能性があります。
詳しくは「転職は住宅ローン審査に影響するのか」をご覧ください。
- 住宅ローン返済中に転職する場合はどうすれば良いですか?
勤務先が変わった場合は借入先の金融機関への届け出が必要です。また、住宅ローン控除を受けている場合は、状況に応じて申請方法が異なります。
詳しくは「住宅ローン返済中に転職する場合の手続きと注意点」をご覧ください。
- 住宅ローンを組む予定がある時のベストな転職タイミングは?
マイホームの購入を考えている方が転職する場合は「住宅ローンを組む3年以上前」または「住宅ローンの融資が実行されたあと」が良いとされています。
詳しくは「住宅ローンと転職のベストタイミングとは?」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
金融機関によって住宅ローンの審査基準は異なります。転職をして間もない場合でも、住宅ローンの借り入れが可能な金融機関が存在する場合もあるため、マイホームを購入する際はローン審査に詳しいファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

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