家を買う,時代は終わった
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家を買う時代は終わったといわれる理由は?持ち家・賃貸の判断基準も解説

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。
https://x.com/sakuragirie

ざっくり要約!

  • 物価上昇などで家を購入することが難しくなり、家を買う時代は終わったといわれている
  • 持ち家には資産価値があり、老後の住まいを確保できるなどメリットも多い

「家を買う時代は終わった」という言葉を耳にすることがありますが、本当に家を購入すべきではないのでしょうか。

この記事では、購入か賃貸で迷っている方のために、家を買う時代は終わったといわれる理由と、持ち家のメリットについて解説します。

また賃貸住宅のメリット・デメリット、持ち家と賃貸住宅のどちらにするか迷ったときの判断基準、家を買う際に押さえておきたいポイントも紹介します。後悔のない選択をしたい方は、ぜひ参考にしてください。

家を買う時代は終わったといわれる理由

家を買う時代は終わったといわれる理由

家を買う時代は終わったといわれる背景には、社会情勢やライフスタイルの変化があります。

なぜ家は購入すべきではないといわれるのか、その理由を詳しく解説していきます。

建築費や土地の価格の高騰

近年、物価の上昇によって建築資材や住宅設備の価格が上昇しており、さらに人件費や輸送コストも上がっています。

つまり家の建築にかかるコストすべてが、上がり続けている状況です。

特に都市部では土地の価格も高くなっているため、家の価格も年々上昇し続けており、家の購入を断念せざるを得ないと考える方は少なくありません。

このようにコスト面で家を購入することが難しくなったことが、家を買う時代は終わったといわれる要因の1つでしょう。

しかし国土交通省が毎月公表している不動産価格指数をよく見てみると、下落に転じているタイミングがあることがわかります。

不動産価格は社会情勢や需要の有無が影響する傾向があるため、今後住宅ローン金利のさらなる上昇や不動産需要の低下が進むと、不動産価格が抑制される可能性は十分あるでしょう。

そのため、住宅購入そのものを諦めるのではなく、購入のタイミングを見極めることが大切です。

税金やメンテナンスに費用がかかる

家を購入した際には不動産取得税が課され、毎年固定資産税や都市計画税もかかります。

家にかかる税金に不安を感じて、マイホーム購入を躊躇する方がいるのも事実です。

また建物や住宅設備は年数の経過とともに劣化するため、年数に応じたメンテナンスに費用もかかります。

一方で賃貸物件に住んでいれば、固定資産税などの税金がかかることはありません。また建物に不具合や故障があれば、貸主(大家)の負担で直してもらえます。

不動産取得税についていえば、新築住宅や住宅用地に対して税負担を軽減する特例があります。

たとえば一定の要件を満たす新築住宅については、評価額から1200万円控除されます。

また、新築住宅にかかる固定資産税については、3年間(マンションの場合は5年間)は1/2になる減額措置もあります。この新築住宅に係る税額の減額措置の適用期限は2026年3月31日までです。

家のリフォームについても、国や自治体の補助金を利用できれば、自己負担を軽減できます。

ただしタイミングによっては予算額の上限に達し、締め切っていることがあるため、最新の情報を確認してください。

将来かかる税金やメンテナンス費用が心配な方は、特例や補助金の要件を把握して、上手に活用しましょう。

高額なローンを組む必要がある

家を買うためには数千万円単位の資金が必要になり、高額な住宅ローンを組むのが一般的です。住宅ローンの返済期間は20年や30年と長くなることが多く、心理的な負担を感じる方もいるでしょう。

しかしローンには終わりがあり、完済すれば家が資産になります。賃貸住宅に住む場合も家賃はかかるため、月々の支払いが発生することに変わりはありません。

引越ししづらい

もし転勤や親の介護などで転居しなければならない状況になったら、家を売却するか、賃貸物件として貸し出すなどの対応が必要になります。

家を売却するためには住宅ローンを完済しなければならず、売買価格やローン残高によっては持ち出しになるケースもあります。

家を購入すると簡単に引っ越せなくなるため、ライフプランが定まっていない方にとっては、難しい判断だと感じるかもしれません。

家を買う時代は終わったわけではない?持ち家で得られるメリット5つ

家を買う時代は終わったわけではない?持ち家で得られるメリット5つ

持ち家にはさまざまなメリットがあり、家を買う時代は終わったわけではありません。ここでは、持ち家の主なメリットについて解説します。

1.資産価値がある

持ち家には資産価値があり、売却価格やローン残高によっては、家を売却することでまとまった資金を手にすることができます。

賃貸物件として貸し出すことができれば、家賃収入を得ることもでき、家を担保にローンを借りることも可能です。

もし住宅ローン借入時に団体信用生命保険(団信)に加入していれば、万が一のことがあったとしても、生命保険会社がローン契約者に代わってローンを完済してくれます。

つまり残された家族に、ローンを返済する義務はありません。家族に資産として残せることは安心にもつながるでしょう。

2.将来の安心感がある

家を購入することで、老後の住まいを確保できるのがメリットです。

高齢者の一人暮らしは貸主から敬遠される傾向があるため、希望するエリアや条件に合った賃貸物件が見つかるとはかぎりません。

持ち家があれば、賃貸住まいのように家賃が発生することもありません。老後資金を減らさずに済むため、生活にもゆとりが生まれるでしょう。

3.住宅ローン面での優遇がある

住宅ローンを借り入れて家を購入することで住宅ローン減税制度を利用でき、節税効果を期待できます。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて住宅の新築(取得)または増改築をした場合に、年末におけるローン残高の0.7%を所得税から最大で13年間控除する制度です。

ちなみに自然災害に遭った場合には、住宅ローンを減免もしくは免除する制度(被災ローン減免制度)もあります。

4.自分の好みの家が実現できる

持ち家であれば希望する間取りやデザインを採用できるため、賃貸住宅に比べて自由度が高く、こだわりの家を実現できます。

またリフォームやリノベーションも自由にできるため、ライフスタイルに合わせて間取りを変えることも可能です。

5.うまく売却できれば賃貸よりお得になる

近年、不動産価格は上昇し続けており、中古物件でも高値で成約に至っている傾向があります。

売却のタイミングを見極めることで、購入時とそれほど変わらない価格で売却できる可能性があるため、賃貸よりもお得になるケースも十分考えられます。

家を買う時代が終わったなら賃貸物件にはどんなメリットがある?デメリットは?

家を買う時代が終わったなら賃貸物件にはどんなメリットがある?デメリットは?

賃貸物件に住むことを選択するのであれば、賃貸物件のメリット・デメリットを知っておくことが大切です。

ここでは、賃貸物件の主なメリット・デメリットを解説します。

マンションなどの賃貸物件のメリット

賃貸マンションに住むメリットは、購入時に必要となる多額な費用がかからないこと、高額なローンを抱える必要がなく、心理的な不安を感じずに済むことです。

建物や設備に不具合や故障が生じても、メンテナンスする必要はなく、引越しも比較的簡単にできます。

マンションなどの賃貸物件のデメリット

賃貸物件に住む以上は家賃を支払い続けなければならず、いくら支払ったとしても資産になることはありません。自分の好きなようにリフォームをすることはできず、退去する際は、原状回復しなければなりません。

高齢者の1人暮らしは貸主から敬遠される傾向があり、年齢によっては借りにくくなるため注意が必要です。

家を買うか賃貸にするかで迷ったときの判断基準

家を買うか賃貸にするかで迷ったときの判断基準

持ち家と賃貸物件のメリット・デメリットを解説してきましたが、まだ家を購入するか、借りるかで迷っている方は多いかもしれません。

ここからは、購入と賃貸のどちらにすべきか、判断する際のポイントを解説します。

引っ越す可能性の有無

転勤や親との同居などを予定しており、近い将来引っ越す可能性が大きい場合は、気軽に転居できる賃貸の方が向いているでしょう。

しかし転勤があったとしても単身赴任ができる、もしく比較的期間が短い場合は、購入も視野に入れて検討してみましょう。

暮らしたい場所や家へのこだわりの有無

家に対するこだわりが強く、居住したいエリアが決まっている場合は、購入を検討しましょう。

持ち家であれば好みに合わせてカスタマイズが可能なので、家に対する満足度も高くなります。

賃貸でも暮らしたい場所に住むことはできますが、一生住み続けられる保証はありません。

たとえば建て替えなどによる立ち退きを求められる可能性があり、また何らかの事情によって家賃を払えなくなれば退去せざるを得なくなります。

老後の住まい計画の有無

実家を相続する予定がある、もしくは介護施設など老後用の住まいを別に考えている場合は、賃貸でも問題ありません。

しかし年齢や収入によっては入居審査が通らないケースもあり、希望するエリアや広さの物件に入居できない可能性もあります。

老後も生活の質を下げたくない方、万が一に備えて家族に資産を残したい方には、家の購入をおすすめします。

・「老後 住み替え」に関する記事はこちら
老後の住み替えに潜む恐ろしい罠がある?リスクや回避策を紹介

家を買う場合に押さえておきたいポイント4つ

家を買う場合に押さえておきたいポイント4つ

家を購入してから後悔しないために、押さえておきたいポイントがあります。ここでは、特に大切なポイントを4つ紹介します。

1.土地は慎重に選ぶ

家を建ててから後悔しないためにも、土地選びには時間をかけて、慎重に選ぶようにしてください。

たとえば交通の利便性がよい土地であれば、通勤通学の負担を軽減できます。

自分にとって譲れない条件は何なのか考えた上で、土地の立地や形状、道路との高低差、日当たり、災害リスク、周辺環境など、総合的に判断して購入を決めるようにしましょう。

2.無理のない資金計画を立てる

住宅ローンの借入額は高額になるため、多くの方は長い期間をかけて返済することになります。家計を圧迫することがないように、無理のない資金計画を立てることが大切です。

一般的に返済比率は、手取り収入の30~35%が目安といわれています。

家を購入すると、固定資産税や都市計画税、家のメンテナンス費用もかかります。なるべく頭金を多く用意して、月々の返済額を抑えられるように計画しましょう。

3.アフターサポートが充実した住宅会社を選ぶ

家や住宅設備は、不具合や故障が発生することがあります。ハウスメーカーを選ぶ際は、アフターサービスが充実しているかどうかを確認するようにしてください。

アフターサポートが充実していれば、もし不具合がみつかったとしても自分で修理の手配をする必要がなく、軽微なものであれば無償で修理できるケースもあります。

無償点検の期間や有償点検になる時期、保証内容をしっかり調べておくようにしましょう。

4.間取りにこだわる

家を購入するのであれば、ライフスタイルや家族の変化にも柔軟に対応できる間取りにしましょう。

たとえば間取りや動線に無理があると、日々の生活の中でちょっとしたストレスを抱え続けることにもなりかねません。そこでバリアフリー仕様にしておけば、小さな子どもも安全に暮らすことができ、高齢になったときも安心です。

また、可動式の間仕切り壁(パーテーション)を活用するのもおすすめです。大きな部屋を間仕切りできるようにしておくことで、子どもの成長に合わせて区切って使うことができ、子どもが独立したら大部屋として利用することもできます。

この記事のポイント

家を買う時代は終わったといわれる理由は?

近年、物価の上昇によって建築資材や住宅設備の価格が上昇しており、さらに人件費や輸送コストも上がっています。

つまり家の建築にかかるコストすべてが、上がり続けている状況です。

特に都市部では土地の価格も高くなっているため、家の価格も年々上昇し続けており、家の購入を断念せざるを得ないと考える方は少なくありません。

詳しくは「家を買う時代は終わったといわれる理由」をご覧ください。

持ち家で得られるメリットは?

持ち家には資産価値があり、売却価格やローン残高によっては、家を売却することでまとまった資金を手にすることができます。

賃貸物件として貸し出すことができれば、家賃収入を得ることもでき、家を担保にローンを借りることも可能です。

もし住宅ローン借入時に団体信用生命保険(団信)に加入していれば、万が一のことがあったとしても、生命保険会社がローン契約者に代わってローンを完済してくれます。

詳しくは「家を買う時代は終わったわけではない?持ち家で得られるメリット5つ」をご覧ください。

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ライターからのワンポイントアドバイス

持ち家と賃貸住宅のどちらを選ぶかは、それぞれのライフスタイルや家に対する考え方によって異なり、どちらが正解ということはありません。もし家を購入して後悔した人がいるとすれば、それは購入したこと自体ではなく、マイホームの選び方を誤ったのかもしれません。
マイホームを購入する際は無理のない資金計画を立てるようにし、土地の条件やアフターサポートの内容もよく確認したうえで、購入を決めるようにしましょう。
・「賃貸派or購入派」に関する記事はこちら
家選びの第一歩……あなたは賃貸派? 購入派?

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