ざっくり要約!
- 住宅ローンを繰り上げ返済してはいけない大きな理由として、手元資金が減る、住宅ローン控除が十分活用できなくなる等がある
- 住宅ローン控除の適用期間中は、繰り上げ返済による利息軽減効果よりも、住宅ローン控除による節税効果のほうが有利になるケースも多い
「住宅ローンを繰り上げ返済してはいけない」といわれる大きな理由としては、急な出費に対応できなくなる、住宅ローン控除の減税額が減少する、金利差(運用利回りとの比較)により資産を増やす機会を逃す恐れがある等が挙げられます。
もちろん住宅ローンの繰り上げ返済をすれば、月々の返済額や利息負担を減らすことができます。一方で、資産状況や住宅ローン控除、団体信用生命保険などを考慮すると、繰り上げ返済が必ずしも適切な選択肢であるとは限りません。
そこで本記事では、住宅ローンの繰り上げ返済の仕組みや繰り上げ返済をしてはいけないとされる背景、繰り上げ返済をする際の判断基準などについて解説します。ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
住宅ローンの繰り上げ返済とは

住宅ローンの繰り上げ返済とは、毎月の決められた返済額以外に、まとまった資金を返済に充てることで、借入残高を減らす方法です。
繰り上げ返済の方法は「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
| 種類 | 特徴 |
| 期間短縮型 | 毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮する方法 |
| 返済額軽減型 | 返済期間はそのままで毎月の返済額を減額する方法 |
それぞれの種類について以下で詳しくみていきましょう。
期間短縮型
期間短縮型とは、毎月の返済額を変えずに、返済期間を短縮する方法です。総返済額における利息の割合が減るため、返済総額を効果的に削減できます。
返済額軽減型
返済額軽減型は、返済期間はそのままに、毎月の返済額を減らす方法です。家計の負担を軽減したい方や、将来の収入減少に備えたい方に向いています。ただし、期間短縮型と比べると利息削減効果は小さくなります。
住宅ローンを繰り上げ返済してはいけないとされる5つの大きな理由

住宅ローンの繰り上げ返済は、毎月の返済額を減らせるなどのメリットから「積極的にすべき」といわれる一方で、手元資金などの観点から「繰り上げ返済はしてはいけない」という意見も存在します。
繰り上げ返済をしてはいけないといわれる主な理由は次の通りです。
- 手元資金が減る
- 住宅ローン金利によって繰り上げ返済効果は異なる
- 住宅ローン控除が十分活用できなくなる
- 資産運用に回したほうが有利な場合がある
- 団体信用生命保険の保障期間が短くなる
以下で具体的な理由についてみていきましょう。
1.手元資金が減る
繰り上げ返済をすることで、その分だけ手元資金は減少します。減った資金は元に戻すことができず、以下のような事態が訪れたときに対応することが困難となるおそれがあります。
- 子どもの進学や留学などで想定外の教育費が発生した
- 急な病気や怪我で治療費が必要となった
- 転職をした結果、年収が大きく下がってしまった
繰り上げ返済後に、上記のようなまとまった資金が必要になる場合もあります。その際に十分な手元資金がなければ、急な支出に対応できないおそれがあります。その結果、カードローンなどで新たに借入を行わなければならないケースも考えられるでしょう。
カードローンなどの金利は住宅ローンよりも高いことが一般的であり、結果的に家計負担が増えてしまう可能性があります。
このような事態を避けるためには、 生活防衛資金として最低でも生活費の6か月〜1年分を確保しておくことが望ましいでしょう。
2.住宅ローン金利によって繰り上げ返済効果が異なる
繰り上げ返済の効果はそのときの住宅ローン金利によって左右されるため、必ずしも大きなメリットを得られるとは限りません。
例えば、0.5%前後の低金利で返済中の場合は、利息負担額自体が小さく、繰り上げ返済をしても得られる効果は限定的です。「繰り上げ返済しないほうがいい」という考え方は、低金利が続いてきたことも背景の一つといえるでしょう。
逆に、今後金利が1.5%以上まで上昇するといった状況になった場合には、利息負担額が増えるため、繰り上げ返済で得られるメリットは大きくなります。
一般的な繰り上げ返済効果の目安は以下のとおりです。
| 金利 | 繰り上げ返済効果 |
| 0.5% | 比較的小さい |
| 1.5% | 効果が出やすい |
| 2%以上 | 効果が大きい |
ただし、実際の効果は借入残高や残りの返済期間によっても異なります。また、住宅ローン控除額や手元資金の状況によっても判断が変わってくることになるでしょう。
3.住宅ローン控除(住宅ローン減税)が十分活用できなくなる
住宅ローンを利用する場合、条件を満たせば「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」を受けられます。住宅ローン控除とは条件を満たすことで、年末のローン残債の0.7%が最大13年間、所得税や住民税から控除される仕組みです。
住宅ローン控除を受けている間に繰り上げ返済をしてしまうと、ローン残高が減少し、控除額も少なくなる可能性があります。
例えば、住宅ローンの年末残高が3,000万円だった場合、控除額は0.7%にあたる21万円です。しかし、1,000万円を繰り上げ返済して、残高が2,000万円になった場合、控除額は年間約14万円まで減少します。
つまり、繰り上げ返済によって利息負担は減る一方で、住宅ローン控除による節税効果も小さくなってしまいます。これも「住宅ローンは繰り上げ返済しないほうがいい」といわれる理由の一つです。
なお、住宅ローン控除は2026年の法改正により2030年末まで延長され、省エネ住宅を中心に優遇措置も拡充されています。中古住宅についても、省エネ基準を満たす場合は最大13年間の控除を受けられるようになりました。
・「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」に関する記事はこちら
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)で税金はいくら戻る?要件や手続き方法を解説
4.資産運用に回したほうが有利な場合がある
近年、平均寿命の伸長や年金制度への不安から、資産形成の重要性が高まっています。そのなかで、繰り上げ返済に充てる資金をNISAで運用し、将来の資産形成を優先するという考え方もあります。
NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、投資で得られた利益や配当金に課される税金が非課税となる仕組みです。
例えば、投資で100万円の利益が出たとしましょう。その場合、通常は20.315%の税金が発生し、約20万円が課税されてしまいます。一方で、NISAを活用すれば20万円分も自身の利益として手元に残しておくことができます。
このような税制上のメリットも考慮すると、繰り上げ返済よりも資産運用を優先した方が効率的と感じる方もいるでしょう。
ただし、投資には価格変動リスクがあり、購入時よりも価格が低くなれば「元本割れ」するリスクがある点には注意が必要です。
5.団体信用生命保険の保障期間が短くなる
繰り上げ返済には利息軽減というメリットがある一方で、団体信用生命保険(団信)の保障額が減るという側面もあります。
「団体信用生命保険(団信)」は、住宅ローンの支払期間中に契約者が死亡または高度障害状態になった場合、その時点の住宅ローン残高がゼロになる制度です。
住宅ローンを利用する際は多くの金融機関で団信への加入を義務付けています。
例えば、住宅ローン残高が3,000万円ある時点で契約者が亡くなった場合、団信によって3,000万円の住宅ローンが完済されます。しかし、事前に繰り上げ返済によってローン残高を2,000万円まで減らしていた場合、団信によって完済される金額は2,000万円です。
もちろん、繰り上げ返済によって借金そのものは減っていますが、その返済に充てた1,000万円は手元からなくなっています。繰り上げ返済を検討する際は、利息軽減効果だけでなく、団信による保障とのバランスも考慮しておきたいポイントです。
住宅ローンを繰り上げ返済するメリット

ここまで「繰り上げ返済はしてはいけない」といわれる理由について解説してきました。一方で、繰り上げ返済には利息負担の軽減や返済期間の短縮などのメリットもあります。
繰り上げ返済の主なメリットは以下の3つです。
- 利息の支払総額を減らせる
- 返済期間を短縮できる・月々の負担を軽くできる
- 精神的な安心感につながる
ただし、その効果はローン金利や残りの返済時期などによっても変わるため、自身のライフプランや家計状況を踏まえて検討してください。
利息の支払総額を減らせる
繰り上げ返済を行うことで、総利息額を減らすことができます。まとまった資金を返済に充てて元金が早く減るほど、利息軽減効果は大きくなります。
以下の条件で繰り上げ返済を実施した場合のシミュレーションをみてみましょう。
- 借入金額:3000万円
- 金利:1.5%
- 返済期間:35年
- 返済方式:元利均等
- 繰り上げ返済方式:期間短縮
- 10年目に200万円の繰り上げ返済を実施
シミュレーション結果は以下の通りです。
| 繰り上げ返済しなかった場合 | 繰り上げ返済した場合 | |
| 総返済額 | 3,857万9,100円 | 3,772万6,271円 |
| 残存返済期間 | 25年 | 22年5ヵ月 |
繰り上げ返済した場合、約85万円の利息軽減効果があり、返済期間が2年6ヵ月短縮されました。金利の高いローンを組んでいるときや、借入金残高が多いときほどこの効果が現れやすくなります。
返済期間を短縮できる・月々の負担を軽くできる
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
それぞれの違いは以下の通りです。
| 種類 | 特徴 |
| 期間短縮型 | 毎月の返済額は変えずに、返済期間を短縮する |
| 返済額軽減型 | 返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らす |
定年を迎えるまでにローンを完済したいという方には、期間短縮型が向いているでしょう。
定年後に住宅ローンの返済が残らなければ、老後の住居費負担を抑えやすくなります。
一方、月々の出費が多くなりやすい子育て世帯にとっては、日々の生活に余裕が生まれやすくなる返済額軽減型が向いています。
毎月の返済額を減らすことで、教育費や生活費などに充てられる資金を確保できます。
精神的な安心感につながる
住宅ローンは数千万円にもなる高額な借金です。そのため、長期に渡って借金を背負うということにストレスを感じる方も少なくありません。
繰り上げ返済によって借入残高が減ったり、定年前にローン完済できたりすることは、精神的な安定をもたらすことにもつながります。
特に「老後まで住宅ローンを抱えたくない」「できるだけ早く完済したい」と考える方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
また、返済額軽減型を選ぶことで月々の家計にもゆとりが生まれます。家計にゆとりが生まれることで、住宅ローン返済に対する不安やストレスの軽減にもつながります。
・「住宅ローンの繰り上げ返済で得するワザ」に関する記事はこちら
住宅ローンの繰り上げ返済で得するワザを公開!注意点も解説
住宅ローンの繰り上げ返済のシミュレーション事例

前項では繰り上げ返済のメリットについて解説してきましたが、実際にどれだけの効果があるかは、金利や繰り上げ返済のタイミングなどさまざまな条件によって異なります。
ここでは、以下の前提条件をもとに、期間短縮型・返済軽減型のそれぞれのシミュレーションを見ていきます。
- 借入金額:3000万円
- 金利:1.5%
- 返済期間:35年
- 返済方式:元利均等
- ボーナス払い:なし
- 繰り上げ返済時期:10年目
期間短縮型のシミュレーション
期間短縮型で10年後に100万円・300万円・500万円を繰り上げ返済した場合のシミュレーション結果は以下の通りです。
| 100万円 | 300万円 | 500万円 | |
| 利息軽減額 | 約42万円 | 約124万円 | 約193万円 |
| 短縮する返済期間 | 1年3ヵ月 | 3年10ヵ月 | 6年3ヵ月 |
今回のシミュレーションでは、100万円を繰り上げ返済した場合は約1年3ヵ月、300万円の場合は約3年11ヵ月、500万円の場合は約6年4ヵ月、返済期間を短縮できる結果となりました。
500万円を繰り上げ返済した場合は、返済期間を6年以上短縮できるため、早期の完済を目指したい方にとって大きなメリットとなるでしょう。
返済額軽減型のシミュレーション
続いては、返済額軽減型で繰り上げした場合のシミュレーション結果です。
| 100万円 | 300万円 | 500万円 | |
| 月額返済額の減少額 | 約4,000円 | 約1万2,000円 | 約2万円 |
| 利息軽減額 | 約20万円 | 約60万円 | 約100万円 |
返済額軽減型は、返済期間を変えずに月々の返済額を軽減する方式です。
今回のシミュレーションでは、100万円を繰り上げ返済した場合は毎月約4,000円、300万円の場合は約1万2,000円、500万円の場合は約2万円、返済負担を減少できる結果となりました。
毎月の返済額を抑えられることで、教育費や生活費などに充てられる資金を確保しやすくなります。
効果的な住宅ローン繰り上げ返済のポイント

繰り上げ返済を行う場合、効果を最大限に高めるためには適切な時期と方法の選択が重要です。
ここでは、効果的な住宅ローン繰り上げ返済のために覚えておきたいポイントについて解説します。
基本的に実施時期が早いほど効果は大きい
繰り上げ返済は、実施時期が早ければ早いほど利息削減効果が大きくなります。
特に元利均等返済では、返済開始からしばらくの間は毎月の返済額に占める利息割合は大きくなります。そのため、早い段階で繰り上げ返済を行うほど、将来支払う利息を効率よく減らすことが可能です。
ただし、住宅ローン控除の適用期間中は、利息軽減効果だけでなく、住宅ローン控除による節税効果も考慮して総合的に判断する必要があります。
繰り上げ返済の目的を明確にする
繰り上げ返済を行う際は、その目的を明確にすることが重要です。
たとえば、次のようなケースでは期間短縮型が向いているでしょう。
- 現在の収入が安定しており、毎月の返済額に余裕がある
- 退職金や相続などでまとまった資金を受け取った
- 定年前に住宅ローンを完済させたい
一方、次のような状況・意向がある場合は、返済額軽減型が向いていると考えられます。
- 転職や独立を考えていて将来的に収入の減少が予想される
- 今後の教育費や老後の生活費など大きな支出に備えたい
- 毎月の返済負担を少しでも軽くして、生活にゆとりを持たせたい
住宅ローン控除期間中と控除後のどちらが得か比較する
住宅ローン控除期間中は、繰り上げ返済による利息軽減効果と住宅ローン控除による節税効果を比較することが大切です。
住宅ローン控除は、年末時点のローン残高の0.7%が所得税などから控除される制度であるため、この0.7%が一つの判断基準となります。
一般的な判断の目安は以下のとおりです。
| 住宅ローン金利 | 判断の目安 |
| 0.7%前後まで | 住宅ローン控除を優先した方が有利になりやすい |
| 0.7%を大きく超える | 繰り上げ返済を優先した方が有利になりやすい |
一般的に、住宅ローン金利が低い場合は住宅ローン控除を優先したほうが有利になりやすく、反対に金利が0.7%を大きく超える場合は繰り上げ返済が有利になりやすい傾向にあります。
ただし、実際は団信の加入状況や手元資金の額、教育資金の準備状況、資産運用の方針なども踏まえて判断する必要があるでしょう。
変動金利で金利上昇が不安な場合は別の対応策もある
変動金利を選んでいる場合、金利上昇によって将来の利息負担が増える可能性があります。
このような局面では、繰り上げ返済による利息軽減効果も大きくなります。特に借入残高が多い方ほど効果を得やすいため、繰り上げ返済を検討する価値は高まるでしょう。
ただし、余剰資金のすべてを繰り上げ返済に充てるのではなく、教育費や修繕費、生活防衛資金などを確保したうえで判断することが大切です。
また、金利上昇への対応策は繰り上げ返済だけではありません。例えば、以下のような方法もあります。
- 余裕資金の一部のみ繰り上げ返済する
- 住宅ローンの借り換えを検討する
- 固定金利への変更を検討する
それぞれメリット・デメリットが異なるため、自身の家計や資産状況、住宅ローン控除による節税効果なども踏まえて判断しましょう。住宅ローンの借り換えについては後述で詳しく解説します。
住宅ローンを繰り上げ返済すべき人・しないほうがいい人の特徴と判断基準

ここまで、繰り上げ返済のメリット・デメリットや、どのような場合に有利になりやすいかについて解説してきました。
もっとも、実際に繰り上げ返済をしたほうがよいかどうかは、その方の年齢や家族構成、資産状況などによって異なります。ここでは、繰り上げ返済すべき人・しないほうがいい人の特徴を解説していきます。
繰り上げ返済すべき人の特徴
以下のような方は、繰り上げ返済を前向きに検討してみてもよいでしょう。
- 住宅ローンの金利が高い人
- 定年までに住宅ローンを完済したい人
- 十分な貯蓄がある人
住宅ローン金利が高い場合は、繰り上げ返済による利息軽減効果が大きくなります。また、定年までに完済することで、老後の住居費負担を軽減することが可能です。
加えて、十分な貯蓄がある方は、手元資金を確保しながら繰り上げ返済を行えるため、家計への影響を抑えながら住宅ローン残高を減らすことができます。これらに該当する方は、無理のない範囲で繰り上げ返済を活用していきましょう。
繰り上げ返済しないほうがいい人の特徴
一方で以下のような方は、現時点では繰り上げ返済を優先する必要はありません。
- 手元資金が不足している人
- 子育て期間中の人
- 住宅ローン控除が適用中の人
- 手元資金を資産運用に回したい人
手元資金が不足している場合や、今後、教育費や修繕費などの支出が見込まれる場合は、繰り上げ返済によって家計に影響が出る可能性があります。
また、住宅ローン控除の適用期間中は、繰り上げ返済による利息軽減効果よりも、住宅ローン控除による節税効果のほうが有利になるケースも多いです。
さらに、手元資金を資産運用に回したい方は、住宅ローン金利と運用による期待リターンを比較したうえで判断するとよいでしょう。
住宅ローンを繰り上げ返済するうえでの注意点

住宅ローンの繰り上げ返済をする際は、次の点に注意が必要です。
手数料がかかる可能性がある
繰り上げ返済時には、手数料が発生する場合があります。手数料は金融機関や繰り上げ返済方法によって異なりますが、数万円かかることもあります。
インターネット上の手続きなら手数料無料、または割引になるケースも多いため、事前に金融機関に確認しましょう。
繰り上げ返済すれば団信の保険金も減額する
団体信用生命保険(団信)の保障額は、住宅ローン残債です。繰り上げ返済によってローン残高が減少すると、保障額も減少することになります。
繰り上げ返済時には、保険も見直すようにしましょう。
一定の手元資金を残す
繰り上げ返済を行う場合でも、急な出費や災害などに備え、最低でも半年分程度の生活費は手元に残しておくことをおすすめします。
すべての預貯金を繰り上げ返済に充てることは避けましょう。
最低返済額や回数制限を確認する
繰り上げ返済の条件は金融機関によって異なります。
金融機関ごとに最低返済額が設定されているほか、繰り上げ返済できる回数に制限が設けられている場合もあります。
また、ネットバンキングの手数料は無料であっても、窓口や対面での手数料を取る金融機関もあるため、事前に条件を確認しておくと安心です。
住宅ローンは繰り上げ返済と借り換えのどちらにすべきか

支払負担を軽減する方法としては、繰り上げ返済だけでなく、より金利の低い住宅ローンへの借り換えという選択肢もあります。
返済中の住宅ローンよりも低金利のローンへ借り換えることができれば、毎月の返済額や総返済額を減らせる可能性があります。
特に、現在の住宅ローン金利が高い場合は、借り換えによる効果も大きくなりやすいでしょう。
一般的に、借り換えを検討する際は以下の条件が一つの目安となります。
- 借り換え前後の住宅ローンの金利差が1%以上ある
- 住宅ローン残高が1,000万円以上ある
- 返済期間が10年以上残っている
これらの条件に当てはまる場合は、借り換えによる利息軽減効果が期待できます。
一方で、借り換えには事務手数料や保証料、登記費用などの諸費用がかかります。そのため、金利だけで判断するのではなく、諸費用も含めて検討する必要があるでしょう。
・「住宅ローン借り換えのタイミング」に関する記事はこちら
住宅ローン借り換えのタイミングとメリット・デメリットについて
・「住宅ローン借り換えの失敗例」に関する記事はこちら
住宅ローン借り換えの失敗例を紹介!リスク対策や注意点も解説
まとめ
住宅ローンの繰り上げ返済には、利息負担の軽減や返済期間の短縮といったメリットがある一方で、手元資金の減少や住宅ローン控除額の減少、団体信用生命保険への影響といった注意点もあります。
一般的に、繰り上げ返済は現行の住宅ローン金利が高い方や、十分な貯蓄がある方に向いています。一方で、教育費や老後資金の準備が必要な場合は、無理に繰り上げ返済を行わず、手元資金とのバランスを考慮する必要があるでしょう。
とはいえ、それぞれのライフステージや考え方によって、繰り上げ返済をすべきか否かは変わります。判断に迷う場合は、不動産会社やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのも選択肢の一つです。
この記事のポイント
- 住宅ローンの繰り上げ返済とは?
住宅ローンの繰り上げ返済とは、毎月の決められた返済額以外に、まとまった資金を返済に充てることで、借入残高を減らす方法です。
繰り上げ返済の方法は「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
詳しくは「住宅ローンの繰り上げ返済とは」をご覧ください。
- 住宅ローンを繰り上げ返済してはいけないとされる大きな理由は?
住宅ローンの繰り上げ返済をしてはいけないとされる主な理由は次の通りです。
- 手元資金が減る
- 住宅ローン金利によって繰り上げ返済効果は異なる
- 住宅ローン控除が十分活用できなくなる
- 資産運用に回したほうが有利な場合がある
- 団体信用生命保険の保障期間が短くなる
詳しくは「住宅ローンを繰り上げ返済してはいけないとされる5つの大きな理由」をご覧ください。
- 住宅ローンを繰り上げ返済するメリットは?
住宅ローンの繰り上げ返済の主なメリットは以下の3つです。
- 利息の支払総額を減らせる
- 返済期間を短縮できる・月々の負担を軽くできる
- 精神的な安心感につながる
詳しくは「住宅ローンを繰り上げ返済するメリット」をご覧ください。
- 住宅ローンを繰り上げ返済すべき人・しないほうがいい人の特徴は?
以下のような方は、住宅ローンの繰り上げ返済を前向きに検討してみてもよいでしょう。
- 住宅ローンの金利が高い人
- 定年までに住宅ローンを完済したい人
- 十分な貯蓄がある人
一方で以下のような方は、現時点では繰り上げ返済を優先する必要はありません。
- 手元資金が不足している人
- 子育て期間中の人
- 住宅ローン控除が適用中の人
- 手元資金を資産運用に回したい人
詳しくは「住宅ローンを繰り上げ返済すべき人・しないほうがいい人の特徴と判断基準」をご覧ください。
- 住宅ローンは繰り上げ返済と借り換えのどちらにすべきか?
これらの条件に当てはまる場合は、繰り上げ返済よりも借り換えによる利息軽減効果が期待できます。
- 借り換え前後の住宅ローンの金利差が1%以上ある
- 住宅ローン残高が1,000万円以上ある
- 返済期間が10年以上残っている
一方で、借り換えには事務手数料や保証料、登記費用などの諸費用がかかります。そのため、金利だけで判断するのではなく、諸費用も含めて検討する必要があるでしょう。
詳しくは「住宅ローンは繰り上げ返済と借り換えのどちらにすべきか」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
近年は住宅ローン金利の上昇が続いており、今後の金利動向次第では、繰り上げ返済の効果が高まる場面も出てくるかもしれません。
現時点では繰り上げ返済を優先する必要がない場合でも、いざというときに繰り上げ返済という選択肢を取れるよう、日頃から計画的な資産形成を心がけましょう。資金的な余裕があれば、その時々の状況に応じた柔軟な対応をとりやすくなります。

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