ざっくり要約!
- 侵入窃盗犯は「窓」から侵入するケースが多く、ベランダの防犯対策は必須
- 足場になるものが置かれていたり、外から見えづらかったりするベランダは、侵入窃盗犯に狙われやすい
「ベランダの防犯対策は何をしたらいいの?」そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
ベランダの防犯対策は費用がかかるものもありますが、ちょっとした工夫でできることもあります。
この記事では、ベランダの防犯対策5選とおすすめの防犯グッズ5選をご紹介します。一戸建てと集合住宅に分けて、侵入窃盗犯の侵入経路についても解説しているので参考にしてください。
記事サマリー
ベランダの防犯対策は必須
令和5年の警察庁の統計によると、住宅における侵入窃盗の発生件数は、18,379件に上ります。そのうち、空き巣(※1)・忍込み(※2)・居空き(※3)によるものは17,340件です。一戸建てと集合住宅に分けて、侵入窃盗犯の侵入経路について解説します。
- 1.空き巣…住人が不在中の侵入
- 2.忍込み…住人が就寝中の侵入
- 3.居空き…住人が在宅中の侵入
出典:警視庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」
一戸建ての侵入経路は「窓」が最多
一戸建ての侵入経路は窓が最も多く、全体の6割近くを占めています。次いで、表出入口が侵入経路となっています。

警視庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」を基に筆者作成
集合住宅でも窓から侵入されるケースが少なくない
集合住宅では表出入口からの侵入が増えますが、窓から侵入されるケースも少なくなく、油断はできません。


警視庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」を基に筆者作成
被害が多いのは単独世帯
侵入窃盗認知件数を世帯構成別に見ると、被害が多いのは単独世帯で、4割を超えています。また、単独世帯の主たる被害者の年齢を見ると、30歳未満の被害者が4割近くを占めています。


警視庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」を基に筆者作成
被害に遭いやすいベランダの特徴
ベランダの周囲に死角があったり、足場になるものがあったりする場合は、侵入窃盗犯に狙われやすくなります。人目が少ない環境にも注意が必要です。
足場になるものがある
足場になるようなものがベランダ周辺にあると、侵入のリスクが高まります。例えば、大きな庭木や電柱、カーポートの屋根などは足場として使いやすいものです。
また、エアコンの室外機やゴミ箱、コンテナボックスなど、意外なものを足場にして侵入する場合もあります。
外から見えづらい
腰壁で覆われたベランダは、外から見えづらく死角になります。少ししゃがむだけで身を隠すこともできるので、侵入窃盗犯にとって好都合な場所です。
また、ベランダに物が置いてある場合も外からの見通しが悪くなります。できるだけベランダには物を置かない、死角をつくらないようにすることが大切です。
築年数が古い
築年数が古い場合は、窓の性能も低い傾向にあると考えられます。ガラス破りによる侵入が容易な場合もあるので注意が必要です。
窓の交換や防犯フィルムの施工、補助錠の設置など行い、窓の防犯性能を上げることをおすすめします。
ベランダの防犯対策5選
ベランダの防犯対策は費用がかかるものもありますが、ちょっとした工夫でできる対策もあります。自分にあったものを選んでみましょう。
1.戸締まりをする
戸締まりをすることは当たり前に思えますが、令和5年の警察庁のデータによると、侵入被害の約半数は無施錠によるものとなっています。
また、施錠明けの被害も1割程度見られるので、補助錠などの活用もおすすめです。開錠に時間がかかれば、侵入犯が諦める可能性が高くなります。

警視庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」を基に筆者作成
2.足場となるものを置かない
ベランダ周辺に足場になるものがあれば、ベランダへの侵入は容易になります。
特に、ゴミ箱や宅配ボックス、脚立など動かせるものは要注意です。家の周囲に置かないようにしましょう。
3.防犯性の高い物件を選ぶ
防犯性の高い物件を選ぶことも防犯対策として有効です。戸建てよりは集合住宅、低層階よりは高層階のほうが侵入リスクは低いといえるでしょう。
侵入手段は、無施錠に次いでガラス破りが多いため、防犯ガラスを採用した物件を選ぶことも対策になります。
また、周囲の環境を確認しておくことも重要です。電柱や高い塀がベランダ周辺にないか、人通りが少なすぎないかなどを確認しておきましょう。
4.ホームセキュリティを導入する
より高度な防犯対策を望むのであれば、ホームセキュリティの導入も有効な手段です。
ホームセキュリティは窓やベランダにセンサーを設置し、不審者の侵入を感知すると警報音を鳴らしたり、警備員が駆けつけたりするサービスです。
管理会社の許可があれば賃貸物件にも導入できるので、セキュリティを高めたい方は検討してみましょう。
| ・「防犯センサー」を含む物件一覧はこちら |
5.不在を悟られない
空き巣は、住人が不在時に侵入します。帰宅が遅くなる場合は、洗濯物を外に干さない、タイマーで照明が点灯するようにするなど、留守を悟られないように工夫しましょう。
また、旅行や出張で長期間家を空ける場合は、新聞や郵便物を一時的に止めることをおすすめします。加えて、不特定多数が見ているSNSで旅行中であることを公言しないようにすることも大切です。
一人暮らしの女性にもおすすめ!ベランダの防犯グッズ5選

住まいの防犯性能を強化するために、防犯グッズを取り入れることも有効です。ただし、賃貸物件や集合住宅の場合は、原状回復できることや管理規約を守ることが基本です。取り付け前に、大家さんや管理会社に確認を取りましょう。
1.忍び返し
忍び返しとは、先が尖った金属のことで、ベランダや塀の上部に取り付けて不審者の侵入を防ぐものです。触るとケガをするほど鋭利なため、侵入を諦めさせる効果があります。
2.防犯フィルム
ガラス破りによる侵入対策として効果を期待できるのが、窓ガラスに貼る防犯フィルムです。防犯フィルムはホームセンターで購入し、DIYで設置することも可能ですが、高い防犯性能を求めるのなら、CP認定された防犯フィルムが安心です。
防犯性能の高い建物部品に付与される「CPマーク」を取得できる防犯フィルムは、以下のように定義されています。
防犯フィルムとは、フィルムの厚みが350㎛以上で、日本ウインドウ・フィルム工業会が指定する接着剤を使用し、防犯フィルム施工技能者(国家検定技能士)が
厚み5㎜以上のフロートガラス及び3㎜厚複層ガラスに施工するものである。
3.防犯ブザー・防犯アラーム
防犯ブザーや防犯アラームは、異常を感知した際に大音量で警報を発する防犯グッズです。
不審者が窓を開けたり、ガラスを破ったりした際に音が鳴り響き、周囲に危険を知らせます。不審者を威嚇する効果もあり、手軽に設置ができる便利なアイテムです。
4.防犯カメラ
防犯カメラの設置は、防犯意識の高さを印象付ける上でも有効です。
侵入窃盗犯を敬遠させる効果を期待でき、万が一、侵入された場合は犯人を特定することもできます。
また、最新の防犯カメラは、外出先から映像を確認することも可能です。
5.人感センサーライト
人感センサーライトは、人の動きを感知して自動で点灯する照明です。ベランダに設置することで、夜間に不審者が近づくとパッと明るく照らし出し、その存在を知らせるとともに侵入者を威嚇します。
侵入者は目立つことを嫌うため、効果的な防犯対策になるでしょう。
まとめ
ベランダは、空き巣や忍込みなどの侵入経路として狙われやすい場所です。戸締りの徹底やベランダ周辺に物を置かないだけでも防犯性は向上するので、ぜひ実践してみてください。
さらに、手軽に設置できる防犯ブザーや防犯カメラ、人感センサーライトなどの設置もおすすめです。できることから対策し、安心して暮らせる環境に整えていきましょう。
この記事のポイント
- ベランダに防犯対策は必要でしょうか?
一戸建ての侵入経路は、窓が最多となっており、全体の6割近くを占めています。
詳しくは「ベランダの防犯対策は必須」をご覧ください。
- 被害に遭いやすいのはどういうベランダですか?
ベランダの周囲に死角があったり、足場になるものがあったりする場合は、侵入窃盗犯に狙われやすくなります。人目が少ない環境にも注意が必要です。
詳しくは「被害に遭いやすいベランダの特徴」をご覧ください。
- 女性の一人暮らしの場合、どういう対策がおすすめですか?
住まいの防犯性能を強化するために、防犯グッズを取り入れることも有効です。ただし、賃貸物件や集合住宅の場合は、原状回復できることや管理規約を守ることが基本です。
詳しくは「一人暮らしの女性にもおすすめ!ベランダの防犯グッズ5選」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
ベランダの防犯対策を中心にご紹介しましたが、集合住宅の玄関ドアに見られる「ドアスコープ」や「ドアポスト」にも注意が必要です。
覗かれるリスクのあるドアスコープにはカバーを付け、必要な時にだけスライドして使うようにしましょう。
ドアポストは、覗きやサムターン回しに利用される可能性があります。ドアポストを塞ぐグッズを使ったり、受け箱に鍵を取り付けたりするなどの対策をすると良いでしょう。

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