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マーケットレポート2026, 05

2026年5月16日時点公表分
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東京23区の地価はどう動いたのか〜50年の推移から見る変化とエリア差

今回は、東京23区の地価公示について、約50年にわたる推移をもとに、その動向を整理していきます。

目次
50年の地価推移から見える流れ
バブル期から崩壊まで:大きく動いた時代
バブル崩壊後から長期下落期:差が見えにくい時代
近年の上昇(2013年以降):エリアごとの違いが再び明確に
相関係数から見えるエリアの違い
まとめ

50年の地価推移から見える流れ

まずは、約50年にわたる地価の推移から、全体的な動向を確認していきます。
なお、今回のグラフは、各区ごとの動きを詳細に比較することを目的としたものではなく、全体として動きが揃っているのか、あるいは格差が拡大しているのかを把握することを主眼としています。そのため、線の本数が23本と多く、視認性に課題がある点についてはご留意ください。
また、一部のエリアで特定の年にグラフが欠けている箇所がありますが、これは標準地の入れ替え等の影響により比較ができず、公表データが欠損しているためです。

東京23区公示地価(住宅)変動率の推移(1975年〜2026年)
建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)

約50年という長期で見ると、上昇と下降のタイミングは、全体として一定程度連動しているように見受けられます。
それでは、いくつかの期間に区分して、その動向を見ていきます。

バブル期から崩壊まで:大きく動いた時代

1980年代後半から1990年前後にかけては、いわゆるバブル期に該当します。この時期は、ほとんどのエリアで地価が大きく上昇しました。
ここで留意すべき点は、本データが「変動率」である点です。変動率は基準となる価格水準の影響を受けるため、必ずしも価格水準の高いエリアほど上昇率が高くなるとは限りません。それでは、バブル前後の推移について見ていきます。

東京23区公示地価(住宅)変動率の推移(1985年〜1990年)
建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)

グラフを見ると、各区で地価がほぼ同時に上昇している様子が確認できます。そのなかでも都心部は大きく伸びているように見えますが、上昇幅は一様ではなく、必ずしも都心部が最も高いとは限りません。

例えば、大田区(1987年:129.5%)や杉並区(同:124.7%)、中野区(同:120.2%)といった住宅地エリアにおいても、大きな上昇が見られます。このことから、当時の地価上昇は都心部にとどまらず、周辺エリアにも広く波及していた可能性が考えられます。

また、この期間に着目すると、千代田区の動きがやや先行しているようにも見受けられます。千代田区では1986年を境に上昇率が縮小傾向に入っている一方で、他の多くのエリアでは翌年以降にピークを迎え、その後縮小していく動きとなっています。

こうした動きから、地価上昇はまず都心部で始まり、その後周辺エリアへと波及していった可能性が示唆されます。

バブル崩壊後から長期下落期:差が見えにくい時代

1990年代以降は、地価が長期的に下落する局面が続きます。1991年から2012年頃までの推移を見ると、多くのエリアで緩やかな下落傾向が確認できます。

東京23区公示地価(住宅)変動率の推移(1990年〜2012年)
建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)

この期間は全体として下落基調にありますが、動きが一様というわけではありません。2005年前後には、一時的に上昇する局面も確認できます。
この上昇は、不動産投資の活発化や再開発の影響を受けたもので、いわゆる“ミニバブル”に近い動きと考えられます。ただし、この傾向は長くは続かず、リーマン・ショックの影響もあり、その後は再び下落に転じました。

近年の上昇(2013年以降):エリアごとの違いが再び明確に

東京23区公示地価(住宅)変動率の推移(2013年〜)
建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)

2013年以降は、地価が再び上昇傾向に転じています。ただし、この上昇はバブル期とはやや様相が異なります。すべてのエリアが一様に上昇しているわけではなく、エリア間の差が再び顕在化しつつあります。
都心部や一部の人気エリアでは比較的強い上昇が続いている一方、周辺エリアでは上昇しているものの、その伸びは相対的に緩やかなケースも見られます。
グラフにおいても、各線の乖離が徐々に拡大しているように見受けられることから、エリアごとの特性が改めて反映されていると考えられます。

相関係数から見えるエリアの違い

こうした違いを整理するため、都心3区(千代田区・中央区・港区)と各区の地価変動率(1975年~2026年)の推移における相関係数を確認します。すると、エリアごとに異なる特徴が見られることが分かります。

都心3区地価変動率との相関係数
建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)

オレンジ色で示したエリアは、相関係数が0.9以上と高く、都心3区(千代田区・中央区・港区)との強い連動性が確認できます。3区自体が高い値となるのは当然ですが、それ以外のエリアについても、都心と近い動きを示している傾向がうかがえます。
黄色で示したエリアは、相関係数が0.7~0.9の範囲にあり、都心の影響を受けつつも、完全には一致しない独自の動きを併せ持つエリアと考えられます。
一方、江東区以降は相関係数が0.7未満となっており、都心とはやや異なる動きが見られます。これらのエリアでは、地価の変動要因に一定の差異が存在している可能性が示唆されます。

まとめ

東京23区の地価は、同様に動いているように見える局面もありますが、長期的に見るとエリアごとに異なる特徴が存在することが分かります。特に近年は、その差異がより明確になりつつあります。
また、相関係数の分析からも、都心との連動性には一定の違いがあることが確認できます。

ご留意事項
不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発生する可能性がございます。
本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、金利など)は、
不動産市場や金融市場の影響を受ける変動リスクを含むものであり、これらの変動が原因で損失が生じる恐れがあります。
投資をする際はお客様ご自身でご判断ください。当社は一切の責任を負いません。
本マーケットレポートに掲載されている情報は、2026年5月16日時点公表分です。
各指標は今後更新される予定があります。
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