マーケットレポート
マーケットレポート2026, 03
2026年3月1日時点公表分ダウンロードDOWNLOAD
住民基本台帳移動報告から見る人口移動の現状
総務省が2月3日に公表した「2025年住民基本台帳移動報告」によると、転入超過となった都道府県は例年同様限られており、全国的には人口流出が進む地域の方が多い状況が続いています。それでは、2025年の人口移動の実態について、データをもとに読み解いていきます。
「転入超過」は東京都が最多の6万5219人
まず、転入者が転出者を上回る「転入超過」について、2025年のデータを見ていきます。東京都の転入超過数は65,219人と全国最多でした。前年の79,285人からはやや減少したものの、依然として進学や就職を契機とした東京への人口集中は続いています。
一方で、前年と比較すると転入者は9,611人減少し、転出者は41,455人増加しました。都心部を中心とした家賃上昇など、居住コストの上昇が影響している可能性も考えられます。
都道府県別 転入超過数(2025年)
東京圏と大阪圏の動き
東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の転入超過は123,534人となり、前年からは縮小しました。内訳は以下のとおりです。
東京都:65,219人
神奈川県:28,052人
埼玉県:22,427人
千葉県:7,836人
一方、大阪圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県)は8,742人の転入超過となり、前年の2,679人から大幅に増加しました。内訳は次のとおりです。大阪府:15,667人
京都府:▲3,753人
兵庫県:▲2,102人
奈良県:▲1,070人
大阪府単体では転入超過が見られるものの、周辺府県では転出超過となっている点が特徴的です。
2017年〜2025年の東京圏・大阪圏の転入超過推移
2025年は、東京圏の転入超過が前年より減少する一方で、大阪圏は増加するという対照的な動きが見られました。
しかし、2017年以降の推移をグラフで確認すると、東京圏への人口集中の規模は依然として大阪圏を大きく上回っていることが明確に分かります。
年ごとの増減はあるものの、人口が集まる“量”という観点では、東京圏への一極集中の構図は現在も大きく変わっていないと読み取れます。
転入超過・転出超過から見える地域構造
2025年は、東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府、千葉県、福岡県、滋賀県の7都府県のみが転入超過となりました。全国47都道府県のうち40道府県が転出超過となったことからも、居住地の選択がごく一部の都市圏に集中している実態がうかがえます。
一方で、転出超過数が特に大きかった地域は以下のとおりです。
広島県:▲9,921人
福島県:▲7,197人
静岡県:▲6,711人
新潟県:▲6,379人
三重県:▲5,986人
これらの地域には、政令指定都市や工業・商業の拠点を抱える県も多く含まれています。つまり、単に「地方から人口が減少している」という構図ではなく、一定の都市機能や産業基盤を有する地域であっても、人口流出を食い止められていない実態が数字として表れています。
人口は、利便性が高く、雇用や教育機会が集積する都市圏へと、これまで以上に明確に集約されつつあると読み取れます。地方圏から都市圏への人口移動という構図が、今年も改めて浮き彫りになった結果と言えるでしょう。
まとめ
今回の住民基本台帳移動報告からは、次の3つの傾向が読み取れます。
1つ目は、東京一極集中は続いているものの、転入超過数はやや縮小傾向にあること。
2つ目は、大阪府単体では転入超過が拡大している一方で、周辺府県では転出超過となっており、大阪圏では「面」ではなく「点」での集中が見られること。
3つ目は、政令指定都市や産業基盤を有する県においても転出が目立っていることです。
これらの数字は、現在の居住地選択が、これまで以上に都市機能や利便性、雇用機会が集積するエリアへ集中していることを示しています。人口移動データは、将来の不動産需要や地域の活力を占ううえで極めて重要な指標の一つです。今後の動向についても、継続的に注視していく必要があるでしょう。
- ご留意事項
- 不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発生する可能性がございます。
- 本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、金利など)は、
不動産市場や金融市場の影響を受ける変動リスクを含むものであり、これらの変動が原因で損失が生じる恐れがあります。
投資をする際はお客様ご自身でご判断ください。当社は一切の責任を負いません。 - 本マーケットレポートに掲載されている情報は、2026年3月1日時点公表分です。
各指標は今後更新される予定があります。 - 本マーケットレポートに掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。
- 2026年3月 マーケットレポート
その他のトピックス - 市場定点観測
- 国税庁「相続税の申告事績」から見る相続税の変化
- マーケットレポート・コラム
トップへ戻る
