ざっくり要約!
- ハウスメーカーとの打ち合わせに時間と労力がかかるなどの理由から、注文住宅よりも手間の少ない建売住宅にすればよかったと後悔するケースがある
- 「建売住宅にすればよかった」と悔やまないためには、まず建売住宅と注文住宅の違いをしっかり把握することが大切
自由に設計できる注文住宅を選択すれば、満足のいくマイホームが手に入ると考える方は多いかもしれません。しかし「建売住宅にすればよかった」と、後悔する方がいるのも事実です。
この記事では、建売にすればよかったと後悔する理由と、後悔しないためのポイントを解説します。
建売住宅と注文住宅それぞれのメリット・デメリットと、向いている人の特徴も紹介しますので、マイホーム購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
記事サマリー
建売にすればよかったと後悔する理由7選

注文住宅は、希望や条件に合った家づくりができるのが魅力ですが、一方で「建売住宅にすればよかった」と後悔するケースもあります。
ここでは、注文住宅を選んで後悔する理由について解説します。
1.時間や労力がかかり大変な思いをした
注文住宅はハウスメーカーとの打ち合わせに時間と労力がかかるため、手間の少ない建売住宅にすればよかったと後悔するケースがあります。
注文住宅は自由設計のため、間取りはもちろん設備・建材・内装まで、一から決める必要があります。理想のマイホームを計画する過程は楽しいものの、休日を返上してハウスメーカーと打ち合わせしなければならないことに、負担を感じるかもしれません。
ちなみに注文住宅を検討してから完成までに10~20回の打ち合わせが必要になることが多く、期間にすると1年程度かかるのが一般的です。
注文住宅を検討する際は、完成までのスケジュールや一般的な流れを確認しておくとよいでしょう。
2.予算オーバーした
注文住宅を選んだことに、コスト面で後悔する方もいます。
注文住宅は自由に設計できるため、オプションや設備を追加していくうちに予算がふくらみやすく、数百万円単位でオーバーすることが少なくないからです。
建築費の予算がオーバーしたら、優先順位を決めて見積もりを見直し、節約できる工事や項目がないか検討してみてください。
また固定資産税や不動産取得税など、入居後にかかる税金も含めて資金計画を立てるようにし、無理のない返済を心がけましょう。
3.イメージした家にならなかった
注文住宅は図面上で間取りを決めて、建材や内装材はサンプルやカタログを見て選びます。
完成予定図のような資料があったとしても、完成した家を詳細までイメージすることは難しいものです。
入居後にイメージとのギャップを感じてしまい、「完成済みの建売住宅にすればよかった」と後悔することになるかもしれません。
また図面では広く感じたリビングも、家具を配置したら思ったよりも狭く感じ、後悔するケースもあります。
ハウスメーカーのモデルハウスや完成現場の内覧会などがあれば、実際に足を運んでイメージしておくとよいでしょう。
4.希望に合った土地が見つからなかった
注文住宅は土地を用意する必要があり、すでに所有している土地に建てるケースを除けば、土地探しも並行して進めなければなりません。
希望するエリアで、予算に合う土地を見つけるのは案外難しいものです。また土地代と建築費のバランスを考えなければならず、土地代に予算をかけすぎてしまうと、建築費が足りなくなってしまいます。
しかし土地の条件を妥協してしまうと、立地や日当たりなどを後悔することになりかねません。
注文住宅を計画する際は、土地探しに疲れてしまわないように注意し、ハウスメーカーの建築条件付き売地なども視野に入れて探してみましょう。建築依頼先は限定されますが、すでに地盤調査やインフラが整備されているケースが多く、スムーズに着工できて安心です。
5.イメージに近い建売住宅を見つけた
希望していたエリアで理想的な建売住宅を見つけてしまい、注文住宅を選択したことを後悔するケースがあります。
建売住宅は土地と建物がセットになっていて、販売価格も明確です。
最近ではデザイン性や性能に優れた建売住宅も多く、そのうえ手ごろな価格帯で販売されていてすぐに購入できるとしたら、建売住宅にすればよかったと後悔する方もいるでしょう。
注文住宅を検討する場合でも、希望するエリアで建売住宅が販売されていないか確認し、選択肢として検討することをおすすめします。
6.住宅ローンの手続きが複雑だった
土地を購入して注文住宅を建てる場合、住宅ローンの手続きが複雑になるため、建売住宅にすればよかったと後悔する方もいます。
建売住宅は住宅ローン1本で対応できるのに対し、注文住宅は着工金や中間金、残代金などと複数回に分けて支払わなければなりません。
住宅ローンが実行される(建物完成時)までの間に発生する支払いに対しては、つなぎ融資を利用しなければならないケースもあります。
つなぎ融資は住宅ローンに比べて金利が高く、手数料や印紙代も別にかかります。また土地のみを購入する際は住宅ローンを利用できないため、土地先行融資(取扱いのない金融機関あり)を利用するなどして対処しなければなりません。
つなぎ融資や土地先行融資のほかに、支払いのタイミングに合わせてローンを実行してもらえる分割融資もあります。しかし金融機関によって扱っている融資や条件が異なるため、ローンについては早めに相談しておきましょう。
・「つなぎ融資」に関する記事はこちら
つなぎ融資とは?メリット・デメリットや仕組みをわかりやすく解説
7.工期が延びて希望月までに入居できない
注文住宅の工期が伸びてしまい、希望する時期に入居できずに後悔することがあります。もし子どもの入学時期に間に合わなかったとしたら、完成済みの建売住宅を購入すればよかったと、思い悩むことになるでしょう。
工期遅延の理由がハウスメーカーや工務店にある場合、程度や状況に応じて損害賠償請求や代金の減額請求、契約解除を求めることができます(契約不適合責任)。打ち合わせの段階で、工事が遅延した場合の対応について確認しておくようにしましょう。
「建売にすればよかった」という後悔を防ぐためのポイント

費用や時間をかけて注文住宅を建ててから、建売住宅にすればよかったとは思いたくないものです。
ここでは、注文住宅を建ててから悔やまないために気を付けたいポイントを紹介します。
建売住宅と注文住宅の違いを把握する
注文住宅を建ててから悔やまないためには、まず建売住宅と注文住宅の違いをしっかり把握することが大切です。その上でどちらが希望に合っているか考えて選びましょう。
それぞれの違いを、表にまとめてみました。
| 建売住宅 | 注文住宅 | |
| 土地の有無 | 土地と建物がセットになっている | 土地を用意する必要がある |
| コスト面 | コストを抑えやすい | コストがかかる傾向がある |
| プランの自由度 | プランの変更はできず、万人受けする間取りやデザインが採用されている | 自由に設計ため、家族のライフスタイルに合わせて計画できる |
| 打ち合わせや手続きの手間 | 少ない | 多い |
| 建築の過程 | 完成済みの場合確認できない | 建築の過程を確認できる |
| イメージと完成後のギャップ | 内覧してから購入することも可能 | 机上で計画するため、完成後をイメージしにくい |
| ローン手続き | 住宅ローン1本で対応可 | つなぎ融資や分割融資などを利用する必要がある |
| 入居の時期 | 完成済みの物件は、代金支払い後すぐに入居可能 | 打ち合わせから完成までに1年程度かかる |
建売住宅は土地と建物がセットになっているため、土地を探す必要がなく、資金計画を立てやすいのが特徴です。
住宅ローン1本で対応できるため、支払いやローン手続きに苦労することもないでしょう。
また建売住宅は完成していれば、実物を見てから購入するかどうかの判断ができ、代金支払い後すぐに入居可能です。手間や時間をかけずに購入できるのが魅力といえます。
一方で注文住宅は、希望や条件に合わせて計画できるのが特徴です。
たとえば平屋や二世帯住宅など、建売住宅では見つけられないようなマイホームを建てたいときは、注文住宅で実現しましょう。
採用する設備や建材のグレードによっては、コストがかかる傾向がありますが、ミニマムな家を建てることで、予算を抑えたマイホームの実現も可能です。ハウスメーカーによって価格帯もさまざまなため、予算に合わせて依頼先を検討しましょう。
・「ハウスメーカー」に関する記事はこちら
ハウスメーカーのおすすめの選び方と注意点│工務店との違いは?
住居に求める条件の優先順位を決める
マイホームを計画する際は、家族が住居に求める条件をリストアップし、優先順位を決めておきましょう。たとえば「パントリーやランドリールームが欲しい」「ビルトインガレージにしたい」など、具体的な条件を挙げておくとよいでしょう。
優先したい内容を明確にすることで、注文住宅ではなく建売住宅でも実現可能であるかどうかの判断がしやすくなります。
建売住宅の特徴やメリット・デメリット

建売住宅のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
建売住宅のメリット
- 土地と建物がセットになっているので、資金計画を立てやすい
- 手ごろな価格帯の物件が多く、コストを抑えやすい
- 打ち合わせや手続きに手間や時間がかからない
- 内覧してから購入することもでき、完成後のギャップが少ない
建売住宅のデメリット
- 間取りやデザインは決まっていて変更できない
- 建築の過程を確認できない
- 多くの人が内覧しているケースがあり、防犯面に不安を感じる可能性がある
建売住宅は間取りやデザインの自由度が低いものの、間取りや採用する設備について打ち合わせするような手間がかかりません。
土地を探す必要がなく、ローン手続きも比較的簡単です。懸念点を挙げるとすれば、内覧した人々に間取りを知られているため、防犯面で不安を感じる方がいるかもしれません。
注文住宅の特徴やメリット・デメリット

注文のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
注文住宅のメリット
- 希望する間取りやデザインを実現できる
- 完成までの建築過程を確認できる
- 希望する土地や所有している土地に建てられる
- 家族のライフスタイルに合わせて計画できる
注文住宅のデメリット
- 土地を用意する必要があり、探す手間がかかる
- ハウスメーカーと打ち合わせを重ねる必要があり、入居までに1年程度かかる
- 土地代と建築費の総額が高額になる傾向がある
注文住宅は打ち合わせや手続きに手間がかかりますが、間取りやデザインの自由度が高く、家族の希望やライフスタイルに合わせて計画できるのが魅力です。
マイホームを実現するまでの過程も楽しみましょう。
土地代や建築費のバランスを工夫する必要があり、コスト面に注意が必要です。月々の返済が家計の負担にならないように、綿密な資金計画を立ててください。
・「注文住宅」に関する記事はこちら
初めての注文住宅ガイド│必要な費用、購入者の統計、流れまで徹底解説
建売住宅に向いている人・注文住宅に向いている人

建売住宅が向いている人が、注文住宅を選ぶと後悔することになりかねません。
最後に、建売住宅が向いている人と注文住宅が向いている人の特徴を紹介します。どちらが向いているか判断する際に参考にしてみてください。
建売住宅に向いている人
建売住宅が向いているのは、以下のような人です。
- なるべく予算を抑えて購入したい人
- 手間をかけずにマイホームを手に入れたい人
- 入居したい時期が決まっている人、もしくは早く入居したい人
- デザインへのこだわりが少ない人
注文住宅に向いている人
注文住宅が向いているのは、以下のような人です。
- マイホームに対する理想のイメージがあり、こだわりを実現したい人
- 家族構成やライフスタイルに合わせた間取りにしたい人
- 建築中の様子を確認したい人、完成までの過程を楽しみたい人
- すでに土地を持っている人
まとめ
自由に設計できる注文住宅だからといって、かならずしも理想通りのマイホームができるとは限りません。注文住宅はハウスメーカーとの打ち合わせに時間がかかり、土地を用意する必要があります。また希望をすべて盛り込もうとすると、予算オーバーになりかねません。
「建売住宅にすればよかった」と後悔しないためにも、注文住宅と建売住宅それぞれにメリット・デメリットがあることを理解し、家族にとって優先順位が何なのか、よく考えたうえで選択することをおすすめします。
この記事のポイント
- 「建売にすればよかった」という後悔を防ぐためのポイントは?
「建売にすればよかった」という後悔を防ぐためには、建売住宅と注文住宅の違いをしっかり把握することが大切です。
建売住宅は土地と建物がセットになっているため、土地を探す必要がなく、資金計画を立てやすいのが特徴です。
一方で注文住宅は、希望や条件に合わせて計画できるのが特徴といえます。
詳しくは「『建売にすればよかった』という後悔を防ぐためのポイント」をご覧ください。
- 建売住宅の特徴は?
建売住宅は間取りやデザインの自由度が低いものの、間取りや採用する設備について打ち合わせするような手間がかかりません。
土地を探す必要がなく、ローン手続きも比較的簡単です。懸念点を挙げるとすれば、内覧した人々に間取りを知られているため、防犯面で不安を感じる方がいるかもしれません。
詳しくは「建売住宅の特徴やメリット・デメリット」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
注文住宅と建売住宅のそれぞれに、メリット・デメリットがあります。「注文住宅なら理想のマイホームが実現できる」と過信せず、家族の希望や優先順位を考えたうえで、どちらにするのか決めましょう。最近ではおしゃれな建売住宅も多く、性能面も優れていたりします。どちらにするか迷ったら、まずはハウスメーカーや不動産会社に相談してみましょう。

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