角部屋,やめたほうがいい
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角部屋はやめたほうがいいといわれる理由とは?メリットも解説

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。
https://x.com/sakuragirie

ざっくり要約!

  • 角部屋は中部屋に比べて人気があるうえ、希少性があることから家賃や分譲価格が高めに設定されていることが多い
  • 角部屋は、日当たりや風通しを重視する人や、日中に家にいることが多く、なるべく隣人との騒音トラブルを避けたい人、プライバシーを守りたい人におすすめ

「角部屋はやめたほうがいい」といわれることがありますが、実際のところ本当にやめたほうがいいのでしょうか。

角部屋は他の住戸に比べて人気があり、できることなら角部屋に住みたいと考えている方がいるのも事実です。

角部屋はやめたほうがいいといわれる理由と、角部屋のメリットを解説します。角部屋を検討する際にチェックすべきポイントや、向いている人の特徴も紹介しますので、住み替えを検討している方はぜひ参考にしてみてください。

角部屋とは?定義を確認

角部屋とは,定義を確認

アパートやマンションの角部屋とは、各フロアの端に位置する部屋のことをいいます。つまり角部屋が隣戸に接するのは、片側のみです。

角部屋は両サイドに住戸がある「中部屋」に比べて窓が多いことが多く、日当たりや開放感のよさから人気があります。

ちなみに四角い建物であれば、各フロアの両端に角部屋が存在することになり、端部屋(はしべや)と呼ばれることもあります。

ロの字型やL型の建物の場合は、屈折した部分も角部屋になり、角住戸(かどじゅうこ)といって区別することもありますが、角部屋と呼ぶのが一般的です。

角部屋はやめたほうがいいといわれる理由5選

角部屋はやめたほうがいいといわれる理由5選

角部屋は人気がありますが、一方でやめたほうがいいといわれることもあります。
ここでは、角部屋はやめたほうがいいといわれる主な理由を5つ解説します。

1.騒音が聞こえやすい

両サイドを住戸で挟まれた中部屋に比べて、外部に面した部分が多い角部屋は、外部からの騒音が聞こえやすくなります。

近くに幹線道路や深夜まで営業する飲食店などがある場合、車の騒音や人の声が気になり、睡眠にも影響するかもしれません。

音に敏感な方は、近隣の状況を確認し、昼間だけでなく夜間の騒音も確認しておくことをおすすめします。

どうしても騒音が気になる場合は、既存の窓の内側に内窓を設置して、遮音性を高める方法があります。

もし賃貸物件などでリフォームが難しい場合は、遮音カーテンの利用を検討してみましょう。

最近はデザイン性だけでなく、遮音や遮熱、消臭など、さまざまな機能を備えたカーテンがあります。カーテンを購入する際は、機能も重視して選ぶとよいかもしれません。

2.気温の影響を受けやすい

角部屋は窓が多く、空気の層となる隣戸が片側にしかないため、中部屋に比べて外気温の影響を受けやすくなります。

冬はエアコンで暖められた空気が逃げやすく、夏は直射日光の影響により、室温が上がりやすくなるでしょう。

住宅における熱の多くは開口部である窓から出入りしており、冬は開口部から58%流出し、逆に夏は開口部から73%入ってくるといわれています。

エアコンが効きづらく、光熱費が気になる場合も、内窓の設置が有効です。既存の窓と内窓の間に空気の層ができるため、断熱効果を期待できます。

もしリフォームが難しい場合は、遮光カーテンや断熱シートの活用を検討してみてください。

ホームセンターや、オンラインショップなどで購入できます。

冬は外気温と室温の差が大きくなることで、窓やサッシ部分が結露しやすくなります。結露を放置しておくとカビを発生させてしまい、クロスやフローリングの劣化を早めることにもなります。窓が多い角部屋に住む場合は、結露対策も忘れないようにしたいものです。

結露が気になる場合は、断熱効果のある結露防止シートや、水分を吸収してくれる吸水シートなどの活用を検討してみてください。

出典:窓開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?|一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会

3.家賃・分譲価格が高いことがある

角部屋は中部屋に比べて人気があるうえ、希少性があることから家賃や分譲価格が高めに設定されていることが多いです。

中部屋とは間取りが異なり、床面積が広いケースもありますが、全く同じ広さであれば、割高な賃料や代金を支払うことになるでしょう。

賃貸物件の場合、角部屋は中部屋に比べて数千円高く設定されているケースがほとんどです。分譲マンションは売却時に中部屋よりも高く売却できる可能性がありますが、床面積が広ければ、その分管理費や修繕積立金が高くなります。長い目で見ると、大きな違いになるかもしれません。

角部屋であることにそれほどメリットを感じない場合は、中部屋の購入や賃貸を検討しましょう。

4.防犯面に不安がある

角部屋は奥まった場所に位置する傾向があり、また侵入口になりえる窓が多いため、中部屋に比べて不審者から狙われやすくなります。高層階であっても夜間は施錠して就寝するなど、しっかりと防犯対策をしましょう。

窓を開けることが多い場合は、サッシ部分に後付けの補助錠を設置するなどして、窓が必要以上に開かないようにすることも可能です。防犯フィルムを窓に貼り、窓ガラスを割って侵入されないようにする工夫する方法もあります。

もし防犯グッズを採用する場合、賃貸物件であれば管理会社などに相談するようにし、自己判断で設置しないようにしましょう。

退去の際に原状回復する必要があり、撤去が難しい場合は、原状回復費用を請求されることがあります。

賃貸物件であれば、ピッキングされにくい鍵かどうか確認し、防犯カメラやオートロックの有無をチェックしておくことをおすすめします。分譲マンションであればセキュリティ会社と連携した管理体制かどうかなど、防犯面も重視して購入を検討しましょう。

5.家具の配置が難しいことがある

角部屋は中部屋に比べて、家具の配置が難しい傾向があります。

角部屋は窓が多く、また柱や構造体が壁面から張り出していることがあり、形状によっては大きな家具を置くのに苦労するかもしれません。

壁に沿って家具を配置できないと、無駄なスペースができてしまいます。転居後も使う予定の家具は、事前に大きさを採寸しておき、内見の際に置けるか確認しましょう。

角部屋はやめたほうがいい理由ばかりではない!メリット4選

角部屋はやめたほうがいい理由ばかりではない,メリット4選

角部屋はやめたほうがいいといわれることがありますが、住むうえでメリットが多く、一般的に人気があります。ここでは、角部屋のメリットを4つ紹介します。

1.日当たりや風通しが良い

角部屋は中部屋に比べて窓が多いことが多く、立地条件にもよりますが、日当たりや通風がよいのが特徴です。特に上層階の角部屋は開放感があり、方角ごとに異なる眺望を楽しむことができるでしょう。

角部屋でリビングの2面以上に窓がある場合、一方向にしか窓がない部屋に比べて明るく、自然光を取り入れることができます。また効率的に換気を行えるため、湿気やカビの発生を抑えるのにも役立つでしょう。

住戸によってはバルコニーが2面以上あるなど、中部屋にはない特徴を持っているケースもあり、角部屋ならではの魅力があります。

2.隣人の生活音が気になりにくい

角部屋は片側にしか住戸がないため、両サイドに部屋がある中部屋に比べて、隣人の生活音が気になりにくいでしょう。

また自分自身が発生させる生活音によって、隣家に迷惑をかけるリスクも軽減できます。少しでも生活音に悩まされたくない方には、最上階の角部屋がおすすめです。ただし生活音が全く気にならない、という訳ではありません。

木造の賃貸物件の場合、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションに比べて、生活音が気になる傾向があります。また自分自身が発生させる生活音によって、階下の住戸に迷惑をかけるかもしれません。

騒音が原因でご近所とトラブルになることはよくあります。アパートやマンションといった集合住宅では、角部屋であっても生活音には注意しましょう。

3.ほかの部屋より広い場合がある

角部屋は、中部屋に比べて広いケースがあります。

角部屋は各フロアの端に位置するため、中部屋では共用廊下にあたる部分が、角部屋では専有部分として設計されていることが多いからです。

また角部屋は廊下のつきあたりにあるため、専用のポーチが付いている物件や、ベランダやバルコニーが広いタイプがあり、専用で使用できる空間が広い傾向があります。

4.部屋の前を通る人が少ない

角部屋の前にある共用廊下を歩くのは、基本的には訪問者か一緒に住む家族だけです。角部屋の場合、共用廊下を歩く人の会話や足音に悩むことはほとんどないでしょう。

共用廊下側の窓は、通行する人の視線が気になることがあります。角部屋の前を歩く人はほとんどいないため、共用廊下側の窓を開けたままでも気兼ねなく過ごせるでしょう。

角部屋でチェックすべきポイント

角部屋でチェックすべきポイント

ここでは、角部屋を検討する際に注意すべきポイントを紹介します。入居してから後悔しないためにも、角部屋の賃貸や購入を検討する際はぜひ確認しておきましょう。

窓の位置と眺望

角部屋を検討する際は、窓の位置を確認しましょう。

北向きの角部屋の場合、それほど日当たりが望めず、角部屋のメリットを感じにくいかもしれません。

一方で南向きに窓がある場合は日当たりがよいため、明るい部屋になるでしょう。しかし夏場は室温が上昇しやすく、エアコンの効きが悪くなる可能性があります。

東向きの部屋は朝日が入りますが、午後には暗く感じることが多く、西向きの部屋は昼から夕方にかけて明るさを確保できるものの夏は西日が当たって暑いなど、向きによってメリット・デメリットがあります。

また、内見の際は眺望も確認し、時間帯や季節による違いもイメージして賃貸や購入を検討しましょう

周辺環境

窓が多い角部屋は外部の騒音を感じやすいため、道路との距離や交通量を確認し、できれば平日や夜間の状況もチェックしましょう。

もし近くに飲食店や店舗があれば、営業時間や混雑状況も確認し、話し声や臭気が気にならないか、ぜひチェックしてください。

利便性だけでなく、落ち着いて暮らせる環境なのか、治安に問題はないかなど、物件の周辺環境もしっかり確認することが大切です。

家具の配置

マンションは壁から柱や構造体が張り出していることも多く、図面だけでは家具が置けるのか判断できません。

物件を内見する際は、家具の配置も考えて、予定している家具が置けるのか確認するようにしてください。

比較的大きい家具はサイズを測っておき、メモ書きとメジャーを忘れないようにしましょう。

角部屋が向いている人・中部屋が向いている人

角部屋が向いている人・中部屋が向いている人

角部屋は、日当たりや風通しを重視する人に向いています。

日中に家にいることが多く、なるべく隣人との騒音トラブルを避けたい人、プライバシーを守りたい人にもおすすめです。

一方で中部屋は、共働きや女性の一人暮らしなどで日中にあまり家にいない人に向いています。また、光熱費や家賃、購入代金を抑えたい人にもおすすめします。

まとめ

角部屋は、やめたほうがいいといわれることがあります。日当たりや通風、眺望がよいなどメリットが多い一方で、外気温の影響を受けやすく、光熱費が高くなる傾向があるなど、注意すべき点もあるのが主な理由です。

角部屋を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも理解し、自分たちの希望や予算に合うのか、よく検討したうえで賃貸や購入を決めるようにしましょう。

この記事のポイント

角部屋はやめたほうがいいといわれる理由は?

両サイドを住戸で挟まれた中部屋に比べて、外部に面した部分が多い角部屋は、外部からの騒音が聞こえやすくなります。
近くに幹線道路や深夜まで営業する飲食店などがある場合、車の騒音や人の声が気になり、睡眠にも影響するかもしれません。音に敏感な方は、近隣の状況を確認し、昼間だけでなく夜間の騒音も確認しておくことをおすすめします。

詳しくは「角部屋はやめたほうがいいといわれる理由5選」をご覧ください。

角部屋でチェックすべきポイントは?

角部屋を検討する際は、窓の位置を確認しましょう。北向きの角部屋の場合、それほど日当たりが望めず、角部屋のメリットを感じにくいかもしれません。
一方で南向きに窓がある場合は日当たりがよいため、明るい部屋になるでしょう。しかし夏場は室温が上昇しやすく、エアコンの効きが悪くなる可能性があります。
東向きの部屋は朝日が入りますが、午後には暗く感じることが多く、西向きの部屋は昼から夕方にかけて明るさを確保できるものの夏は西日が当たって暑いなど、向きによってメリット・デメリットがあります。

詳しくは「角部屋でチェックすべきポイント」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

アパートやマンションを探す際は、角部屋や上層階限定など、条件を絞り過ぎずに探すことをおすすめします。角部屋にはメリットがありますが、立地や向きによってはそれほど日当たりや眺望がよくないこともあり、中部屋であっても魅力的な物件はたくさんあります。
また条件を広げることで、難しいと思っていたエリア内で、予算に合う物件が見つかるかもしれません。一定の条件に固執するのではなく、ぜひ家族のライフスタイルに合わせて住まいを選ぶようにしてください。

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