ざっくり要約!
- 橋本駅は3路線が乗り入れる交通結節点。リニア開通と圏央道のアクセス向上により、広域輸送の拠点になることが期待される
- 2027年のリニア開業は断念されたが、橋本駅周辺ではリニア開業を見据えたまちづくりが進行している
日本の三大都市を結ぶ新たな交通手段となる「リニア中央新幹線」。リニア中央新幹線は、大阪・名古屋から内陸側を経由し、東京(品川)まで開通する予定です。
経由する各県に一か所ずつ駅が新設されますが、神奈川県のリニア駅は「橋本」に設置されます。橋本にリニアがいつ開通するのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、橋本駅再開発計画の現状、リニア開業によって橋本駅がどう変わっていくのか展望を解説します。
記事サマリー
橋本駅は3路線が乗り入れる交通結節点
橋本駅は、JR横浜線・JR相模線・京王電鉄相模原線の3路線が乗り入れるターミナル駅です。橋本駅は神奈川県相模原市に位置していますが、京王相模原線で新宿方面、JR横浜線で横浜方面へのアクセスが可能。交通手段に「リニア」が加わることで、新たな交通結節点になることが期待されています。
また、相模原市や隣接する多摩地域には、JAXA相模原キャンパスをはじめとする研究施設や大学が集積。相模原市は「さがみロボット産業特区」に指定されており、生活支援ロボットの実用化と普及に向け、「ものづくり産業」を支える拠点としての役割も担います。
リニア開業延期も橋本駅周辺ではまちづくりが進行中
2025年10月現在、リニア中央新幹線の開業は2027年以降に変更されています。しかし、橋本駅周辺ではリニア開業に向けて、県立高校跡地を中心にまちづくりが進行しています。
2027年リニア開業は断念
橋本駅へのリニア駅設置発表は、2013年(平成25年)に発表されました。しかし、静岡工区で起きたトンネル工事着手の遅れ、各地での水資源への影響や環境保全の問題から、工事の進捗は大幅に遅れています。
また、工事完了が2027年を超える工区は30以上あり、これから本格化する静岡工区の工事は約10年を要するとされています。このような事情から、JR東海は2027年のリニア開業を断念。開業時期は2027年以降に変更されました。
神奈川県駅(仮称)設置に伴う高校の移転が完了
橋本駅に設置されるリニア駅の呼称は「神奈川県駅(仮称)」です。
神奈川県駅設置や駅前再開発に伴い、橋本駅南口正面に位置していた「県立相原高校」は、2019年橋本台に移転が完了。相原高校跡地を中心に再開発が進んでいます。
また、同じく橋本駅南口にあった「相模原協同病院」は県立相原高校新校地隣へ、「橋本こどもセンター」は近隣の旭中学校敷地内に移転されました。
リニア駅設置を見据えたまちづくり
相模原市では「相模原市リニア駅周辺まちづくりガイドライン」を策定。「リニアでつながる 一歩先の未来を叶えるまち橋本」をコンセプトに掲げています。
土地区画整理事業により、相原高校跡地を中心に駅前の土地を4つにゾーニング。特徴的なのが「ものづくり産業交流ゾーン」です。

「ものづくり産業交流ゾーン」は、ロボット産業や生活支援技術をはじめとするテクノロジーを牽引するエリアとして整備。情報発信やイベント開催等によって、人材の交流や連携を促進します。
圏央道へのアクセス向上も見込む

圏央道とは、「首都圏中央連絡自動車道」を正式名称とし、都心から半径40~60kmの圏域を環状に連絡する総延長約300kmの道路を指します。
リニア開業に伴い、圏央道へのアクセス増加も見込まれており、相模原市ではインターチェンジの開設や周辺道路の整備を推進。橋本を国内外からの交流の要衝として発展させていきたい考えです。
相模原市内で2ヶ所のインターチェンジ開設
相模原市内では、2ヶ所のインターチェンジを開設しており、2013年(平成25年)には、海老名インターチェンジから相模原愛川インターチェンジまでが開通。
次いで、2015年(平成27年)には、相模原インターチェンジが開通し、橋本駅付近から圏央道に乗るまでの時間が短縮されました。
2025年現在は、藤沢インターチェンジと釜利谷ジャンクションをつなぐ「横浜湘南道路」と「高速横浜環状南線」の工事が進められています。圏央道の延伸によって「横浜横須賀道路」までアクセスが可能になる見通しです。

圏央道からのアクセス整備
圏央道相模原インターチェンジからリニア駅までのアクセスも整備される予定です。
相模原インターチェンジから相原大山線を経て、橋本駅へのアクセスが可能ですが、駅周辺は道幅に対して交通量が多く、渋滞が頻発しています。
交通量はリニア開通でさらに増大すると予測されるため、橋本駅周辺整備推進事業の一環として、橋本駅南口と相原大山線を結ぶ「大西大通り線」が計画されています。

リニア駅上部に道路を配置
大西大通り線は、橋本駅南口駅前通り線と直線的に接続され、橋本駅前の交通広場につながります。
リニア駅は地下に配置され、地上の駅前空間を広く確保。ホーム直上に、橋本駅南口駅前通り線と橋本駅東通り線が配置されます。

リニア開業に向けたまちづくりの現況
橋本駅北口は、再開発により商業施設やタワーマンションが集積し、相模原市の中心市街地の一つとして発展を遂げています。
一方、リニア駅が設置される橋本駅南口は、県立相原高校や相模原協同病院の移転が完了し、駅前に広大な空き地が存在している状況です。

相模原市内の整備進捗状況
相模原市内におけるリニア中央新幹線の整備進捗状況は、10工区のうち1工区が竣工。6工区が着工済み、着工準備中及び未契約が3工区となっています。

京王相模原線橋本駅は移設計画を具体化
2025年5月、京王電鉄は京王グループ中期経営計画の策定を発表。京王相模原線橋本駅の移設計画具体化の方針を打ち出しました。
現在の京王相模原線橋本駅は、JR橋本駅とリニア駅を結ぶ乗り換え動線から北西にずれており、人の流れや賑わいが分散することが懸念されています。現在の場所から南側に移設することで、人の往来や交流を集約。合理的な都市空間を形成します。
2025年9月、橋本駅周辺再開発に事業計画認可
2025年9月「橋本駅南口地区土地区画整理事業」が国土交通大臣の事業計画認可を受けました。これにより、施行者である都市再生機構(UR都市機構)は、橋本駅周辺の市街地再開発を本格化する見通しです。
都市再生機構は、「相模原市広域交流拠点整備計画」や「相模原市リニア駅周辺まちづくりガイドライン」の方針を受け、駅と街区の融合による賑わいや回遊性のある空間形成を目指しています。
まとめ
橋本駅は、JR横浜線・JR相模線・京王電鉄相模原線の3路線が乗り入れる交通結節点です。リニアの開通は2027年以降に変更されましたが、橋本駅周辺の再開発はこれから本格化していきます。
京王相模原線橋本駅の移設、圏央道相模原インターチェンジへの道路整備など、様々な工事が予定されており、橋本駅周辺はこれから大きく変貌していくことでしょう。
この記事のポイント
- リニア中央新幹線駅が開業したら橋本駅はどうなりますか?
橋本駅は神奈川県相模原市に位置していますが、京王相模原線で新宿方面、JR横浜線で横浜方面へのアクセスが可能。交通手段に「リニア」が加わることで、新たな交通結節点になることが期待されています。
詳しくは「橋本駅は3路線が乗り入れる交通結節点」をご覧ください。
- リニアの開業が延期になりましたが、橋本駅はどうなっていますか?
2025年10月現在、リニア中央新幹線の開業は2027年以降に変更されています。しかし、橋本駅周辺ではリニア開業に向けて、県立高校跡地を中心にまちづくりが進行しています。
詳しくは「リニア開業延期も橋本駅周辺ではまちづくりが進行中」をご覧ください。
- リニア開業で橋本周辺の交通事情はどうなりますか?
リニア開業に伴い、圏央道へのアクセス増加も見込まれており、相模原市ではインターチェンジの開設や周辺道路の整備を推進。橋本を国内外からの交流の要衝として発展させていきたい考えです。
詳しくは「圏央道へのアクセス向上も見込む」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
リニアの開通により、東京・大阪間は約1時間で移動が可能になります。橋本は、首都圏南西部の広域交流拠点として、大きな役割が期待されます。
また、リニアによって人々の交流機会の増加、地方移住や二拠点生活の普及など、生活や働き方に変化が生まれる可能性もあるでしょう。

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