マンションの天井高の平均はどれくらい？ 天井高が高いマンションのメリットデメリットは？

間取りや広さを気に入って内見したけれど、思ったより広く感じられない……。そのような場合は、天井高が影響しているかもしれません。天井高は、空間の印象を大きく左右するからです。

この記事では、マンションの天井高の平均や天井高を確認するときの注意点について解説します。

マンションの天井高は2400〜2500㎜程度が平均

天井高とは、フローリングなどの床の仕上げ面から天井の仕上げ面までの高さを指します。
建築基準法では、居室の天井高は2100㎜以上を確保することが原則ですが、近年のマンションでは、天井高2400〜2500㎜程度が平均値となっています。

建築基準法で定められている天井高

建築基準法では、「居室の天井の高さは、2.1メートル以上でなければならない」と定められており、居室における天井高は2100㎜以上が必要です。　

居室とは、リビングや寝室のように長時間滞在する空間を指し、トイレや廊下といった一時的に使う空間は含まれません。

また、マンションではあまり見られませんが、勾配天井のように天井の高さが一定でない場合は、その平均の高さが天井高となります。

築浅物件は天井が高い傾向にある

築年数が古いマンションでは、1棟当たりの戸数を増やすために階高や天井高を低く抑えているケースも見られ、天井高が2300㎜程度の物件も少なくありません。

しかし近年では、より開放的な空間を求める人が増えているため、天井高2400～2500㎜の物件が多くなっており、中には天井高2600～2700㎜という物件も見られます。

天井高が高いマンションのメリット

天井高が高い空間は、開放感があり、シャンデリアやシーリングファンなど高天井ならではの空間演出を楽しめることがメリットです。

開放感がある

天井高が高いマンションの最大の魅力は、開放感があることです。天井の高い空間は視界に天井が入りにくく、本来の広さ以上に広く感じられるというメリットがあります。

また、必ずしも天井の高さと窓の高さは比例しませんが、採光性に優れる場合も多く、明るく開放感のある空間になることもメリットです。

空間の演出を楽しめる

天井高の高いマンションでは、高さを活かした空間演出が可能です。例えば、一般的な天井高では導入が難しい、シャンデリアやシーリングファンといった設備を導入することもできます。

また、観葉植物やアート作品も、高さのあるものは圧迫感を受けやすくなりますが、天井高の高い空間であれば、余裕をもって飾ることができるでしょう。

収納スペースを確保しやすい

天井高が高いと、その分収納スペースも確保しやすくなります。リビングにあると便利な壁面収納を天井まで造り付けにすれば、大容量の収納スペースとして活躍するでしょう。

ただし、天井近くの収納部は出し入れしにくい場合もあるので、季節用品や普段使わない物の収納にするのがおすすめです。

天井高が高いマンションのデメリット

天井高が高いマンションは、物件価格やメンテナンス費用など、コスト面が大きなデメリットになります。

価格が高い傾向にある

天井の高いマンションは、階高（コンクリート床から上階のコンクリート床までの高さ）も高くなる傾向にあり、階高が高くなるとマンション1棟当たりの戸数が減ります。戸数が減ることによって、1戸当たりの建築コストの負担が増えるため、それがマンション価格に反映されます。

また、天井高の高いマンションは内装や設備が高級志向、ハイグレード仕様であることも多く、それも高値になる一因です。

高い場所の掃除がしにくい

シャンデリアやシーリングファンといったおしゃれな設備を導入できることは、天井の高いマンションのメリットでもありますが、掃除やお手入れのしにくさはデメリットでもあります。

高所専用の掃除道具もありますが、自分で清掃することが難しい場合は、定期的に業者に清掃を依頼しなくてはなりません。

カーテン・ブラインドが特注になる可能性がある

市販品のカーテンやブラインドは、一般的な天井高に合わせて作られています。カーテンは丈200cm、ブラインドも高さ200cm前後が規格の範囲です。

サイズオーダーはもちろん可能ですが、特注になると費用も高額です。また、カーテンもブラインドも高所取り付けは難しく、重量も重くなります。日常的なメンテナンスの負担が大きいこともデメリットです。

冷暖房効率が悪い

天井が高いと、部屋全体の空気の容積が増え、冷暖房効率が低下します。特に、冬は暖かい空気が天井付近にたまりやすく、足元が冷えやすい傾向にあります。

暖房による光熱費を抑えるためには、天井ファン（シーリングファン）やサーキュレーターを活用して空気を循環させるといった工夫が必要です。

マンションの天井高を確認するときの注意点

マンションの天井高は図面で確認できる場合もありますが、高さのある家具を置きたい場合や確実な高さを知りたい場合には、実測することをおすすめします。

梁や下がり天井の部分は天井高が低い

マンションでは、梁や下がり天井が露出しているケースが多く、完全にフラットな天井はあまり見られません。

梁や下がり天井は壁に沿って下がっている場合が多く、2000㎜以下の場合もあります。家具の配置にも影響するので、背の高い家具を置きたい場合には、梁下の寸法を実測しておきましょう。

また、新築マンションの場合は、モデルルームの内覧しかできないケースがほとんどです。梁や下がり天井は、図面に点線で表記され、寸法も記載されているので必ず確認しておきましょう。

「天井が高い＝窓が大きい」とは限らない

天井高が高いマンションでも、比例して窓が大きいとは限りません。窓を大きくすると、隣接する建物からのプライバシーを確保できなかったり、建築コストが上昇したりする場合があるからです。

ただし、眺望の良さを打ち出しているマンションの場合は、高天井とパノラマビューを両立しているケースもあります。

部屋ごとに天井高が異なることも

同じ住戸内でも、部屋ごとに天井高が異なるケースは少なくありません。
例えば、開放感を重視するリビングの天井高は2500㎜ある一方で、寝室の天井高は2400㎜ということもあり得ます。

まとめ

マンションの天井高は、2400〜2500㎜程度が平均です。中には、2600～2700㎜とさらに高天井の物件も見られます。一方、中古マンションでは2300㎜程度の物件もめずらしくありません。

また、天井高は高ければよいという訳でもなく、天井高が低い空間のほうが落ち着く人もいます。天井高は感覚的な好みもあるので、できるだけ内見してから判断しましょう。

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