サニタリー 動線 収納
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サニタリーとは? 便利な動線や収納の条件を解説

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • サニタリーとは、英語で「衛生的な」「公衆衛生の」という意味を持つ言葉
  • 住宅においてサニタリーとは、浴室・洗面室・トイレといった衛生を保つための場所や設備を指す
  • 使いやすいサニタリーは、生活動線や収納方法を工夫することで実現できる

サニタリーとは、日常生活で欠かせない浴室・洗面室・トイレを指す言葉です。住まいのサニタリーをどう計画するかで、暮らしやすさは大きく変わります。

この記事では、サニタリーの意味、使いやすいサニタリーにするための動線計画や収納計画について解説します。

サニタリーとは?

サニタリー(sanitary)とは、英語で「衛生的な」「公衆衛生の」という意味を持つ言葉です。日本では主に、浴室・洗面室・トイレといった衛生を保つための場所や設備を「サニタリー」と呼んでいます。

水回りとの違いは?

水回りとサニタリーは混同されることがありますが、対象となる範囲が異なります。
水回りとは、住宅内で水を扱う場所全てが含まれることから、キッチンなども該当します。

一方、サニタリーが対象となるのは、衛生面を保つための水回りです。浴室・洗面室・トイレがサニタリーに該当し、サニタリーは「水回りの一部」といえます。

ユーティリティーとの違いは?

ユーティリティー(utility)とは、英語で「実用性」「役に立つもの」といった意味を持つ言葉です。住宅におけるユーティリティーとは、家事を機能的にこなすための空間を指します。

洗濯機や室内物干しを配置したランドリールーム、食品をストックできるパントリーなどがユーティリティーの代表例です。サニタリーが「衛生的な」空間であるのに対し、ユーティリティーは「作業効率」を重視した空間となっています。

使いやすいサニタリーは3つの動線がポイント

使いやすいサニタリーを実現するには、家事動線・来客動線・通勤通学動線の3つの動線を考慮することが重要です。

家事動線

「家事動線」とは、料理や洗濯家事を行うために家の中を行き来する動きのことです。基本的に最短距離で動けることが理想といわれています。

ただし、距離の短さだけでなく、誰でも分かりやすい収納や生活動線との混同を避けるといったことまで考慮すると、より家事の負担を軽減することができます。

来客動線

家の中で来客を案内する通り道を「来客動線」といいます。玄関・廊下・リビングが中心ですが、トイレや洗面所に案内する場面も多いので、来客にも家族にも配慮することが大切です。

例えば、洗面と脱衣室が一緒になった間取りでは、洗濯物が見えたりしてお互いに気まずいこともあります。そのような事態を避けるには、脱衣室から洗面台を独立させたり、小さな手洗い器を廊下や玄関に設けたりすると良いでしょう。

通勤・通学動線

「通勤・通学動線」とは、朝起きてから出掛けるまでの家族それぞれの動きの流れを指します。

トイレや洗面室、廊下が混み合うと、衝突やケンカの原因になることも。混雑が予測される場所は、広さに余裕を持たせたり、回遊動線を取り入れたりする工夫が必要です。

使いやすいサニタリーの収納とは?

使いやすい サニタリー 収納

サニタリーは湿気の多い空間です。直接床や棚に物を置くと、カビや汚れの原因になるので「浮かせる収納」を活用しましょう。「浮かせる収納」なら、使いやすく衛生的です。

バスルーム

バスルームは、サニタリーの中で最もカビや水アカが付きやすい環境です。ボトルを直接置くと、底がぬめることもあるので、「浮かせる収納」で衛生的に使いましょう。

「浮かせる収納」にするには、ボトルにフックを付けてバーに引っ掛けられるようにしたり、マグネットで浮かせたりする方法があり、市販品にも様々なものがあります。また、入浴の都度シャンプーやリンスを持ち込む「銭湯スタイル」もおすすめです。この方法なら、ボトルをバスルーム内に収納する必要がなく、いつも清潔な状態を保てます。

洗面室

洗面室の細々としたアイテムも、浮かせて収納することができます。ハンドソープはフックを付けて、石けんトレーはマグネット式を使えば、浮かせることが可能です。

歯ブラシはスタンドに立てると、定期的に歯ブラシスタンドを清掃する必要がありますが、ホルダーに引っ掛ける収納なら、掃除も簡単になります。洗濯カゴも引っ掛け式にするか、キャスター付きで簡単に動かせるようにすると便利です。床にごみが溜まりにくく、掃除しやすい環境を意識しましょう。

トイレ

トイレはホコリがたまりやすい場所のため、トイレ内の収納を活用し、できるだけ床に物を置かないことが大切です。収納が不足している場合は突っ張り式の棚を設置すると、空間を有効活用しつつ、使いやすい収納になります。

洗面室だけじゃない! 手洗い・水栓があると便利な場所

洗面室以外にも、手洗いや水栓を設置することで便利になる場所があります。ただし、掃除の手間や費用がかかるので、必要性については十分に検討しましょう。

玄関

玄関の手洗い器は、帰宅してすぐに手を洗えるので感染症予防に役立ちます。子どもの手洗いが自然と習慣化され、衛生習慣を身に付けられることもメリットです。

ただし、玄関という限られたスペースに設置するため、コンパクトで機能的なデザインを選ぶことが大切です。ミラー付きにすると、外出時に身支度を整えることもできるので重宝します。

廊下

廊下に洗面台を設置する場合は、脱衣室から独立させる「独立洗面台」と、2台目の洗面台として設置する「セカンド洗面台」があります。

前者のメリットは、脱衣室と洗面台を切り離すことで、家族の誰かが入浴していても気兼ねなく洗面台を使えることです。後者については、家族の入浴時に使えることはもちろん、洗面台が2台あることで朝の混雑回避に役立つというメリットも得られます。

庭・ベランダ

庭に設置するシンクと立水栓は、ガーデニングや家庭菜園、子どもの水遊び、洗車など多用途に使えるので重宝する設備です。

また、ベランダに設けられる底の深い流しは、「スロップシンク」と呼ばれ、靴や運動着など汚れた物を気兼ねなく洗うことができます。いずれの場所も水を使えると便利ですが、屋外の水回りは汚れやすいので掃除やメンテナンスの手間がかかります。必要性についてはしっかり見極めることが大切です。

まとめ

サニタリーとは水回りの一部であり、家族の衛生を保つための浴室・洗面室・トイレといった空間を指します。使いやすいサニタリーは、家事動線や来客動線が淀みなく計画されており、使う人のことがよく考えられています。

また、サニタリーの収納は「浮かせる収納」がおすすめです。汚れにくく掃除しやすい収納方法を検討しましょう。

この記事のポイント

「サニタリー」とはどのような設備ですか?

サニタリー(sanitary)とは、英語で「衛生的な」「公衆衛生の」という意味を持つ言葉です。日本では主に、浴室・洗面室・トイレといった衛生を保つための場所や設備を「サニタリー」と呼んでいます。

詳しくは「サニタリーとは?」をご覧ください。

使いやすいサニタリーはどのように作れますか?

使いやすいサニタリーを実現するには、家事動線・来客動線・通勤通学動線の3つの動線を考慮することが重要です。

詳しくは「使いやすいサニタリーは3つの動線がポイント」をご覧ください。

他にも手洗いや水栓があると便利なところはどこですか?

洗面室以外にも、手洗いや水栓を設置することで便利になる場所があります。ただし、掃除の手間や費用がかかるので、必要性については十分に検討しましょう。

詳しくは「洗面室だけじゃない! 手洗い・水栓があると便利な場所」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

サニタリーにおすすめの「浮かせる収納」で問題になりやすいのが「生活感」です。生活感を抑えたい場合は、以下に気を付けてみましょう。
・アイテムの色味を揃える
・アイテムの素材を統一する
・浮かせるアイテムを最小限にする
・見せたくない物は、デッドスペースや扉内部に吊るして隠す
また、浮かせる収納はホコリが付きやすいので、使用頻度の高いアイテムに使うのがおすすめです。

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